2012年08月29日

The Dee Felice Trio『In Heat』

ファンクの帝王JBプロデュースのソウル・ジャズ/ボッサ・ジャズ☆The Dee Felice Trio『In Heat』
IN HEAT + 3
発表年:1969年
ez的ジャンル:JB系ソウル・ジャズ/ボッサ・ジャズ
気分は... :気づけば2,300回越え・・・

ふと気づけば、昨日のエントリーが2,300回目でした。

最近は100回単位の区切りは単なる通過点程度にしか思わなくなりましたが、まぁどんな事でも積み重ねは大事かなと・・・。一歩づつ着実に理想の音楽の園へ近づきたいと思います。きっと死ぬまでそこへ到達することはないのでしょうが。

今回はレア・グルーヴ好きには待望の国内盤CD化が実現したThe Dee Felice Trio『In Heat』(1969年)です。

The Dee Felice Trioはオハイオ州シンシナティで結成されたグループ。メンバーはDee Felice(ds)、Frank Vincent(p)、Lee Tucker(b)の3名。

グループはファンクの帝王James Brownに見出され、JBのアルバム『Gettin' Down To It』(1969年)のバック・バンドに大抜擢されます。

そんな縁でJames Brownプロデュースの下で制作されたアルバムが本作『In Heat』(1969年)となります。

James Brownプロデュースですが、ジャズ名門Bethlehemからリリースされた作品であり、基本はグルーヴィーなソウル・ジャズ/ボッサ・ジャズ作品です。ただし、JBが見込んだグループだけあってファンキーな演奏も聴かせてくれます。特に『Gettin' Down To It』にも収録された「There Was A Time」は本作の目玉と呼べるでしょう。

ボッサ好きにはMarcos Valleのカヴァー「The Crickets Sing(Os Grilos)」やメンバーFrank Vincentのオリジナルをチェックしましょう。

Jimmy Webb、Lovin' SpoonfulJoni Mitchellのカヴァーもアレンジがなかなか秀逸です。

ソウル/ファンク好き、ジャズ好き、ボッサ好き、ポップス好きも楽しめる、意外に間口の広い1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Oh Happy Day」
Edwin Hawkins作の有名ゴスペル曲をカヴァー。ソウル・フィーリングたっぷりの躍動するコーラス入りのソウル・ジャズに仕上がっています。

「Wichita Lineman」
Glen Campbell‎ヴァージョンでもお馴染みのJimmy Webb作品をカヴァー。美しく味わい深い演奏は感動的です。エレガントなピアノ・フレーズはGrammatik「Jest Juz Pozno, Pisze...」、DJ Yoda feat. People Under the Stairs「Quid Control」といったジャジーHip-Hopのサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=16iSrvw8gIc

「The Crickets Sing」
Marcos Valle作品「Os Grilos」のカヴァー。当ブログではMarcos Valle自身やWalter Wanderleyのヴァージョンも紹介済みです。ここでは小粋で軽快なボッサ・ジャズを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ejNyQnMfFII

「Summer In The City」
Lovin' Spoonfulのヒット曲をカヴァー(Mark Sebastian/Steve Boone作)。ストリングスも織り交ぜた素晴らしいアレンジ・センスが光るグッド・カヴァーに仕上がっています。

「There Was A Time」
James Brown/Bud Hobgood作。前述の『Gettin' Down To It』に収録された名曲。人気なのはボーナス・トラックで収録されているシングル・ヴァージョンだと思いますが、ホーンの効いた本ヴァージョンも悪くありません。JBのファンキー感と彼らのジャズ感覚が上手く融合しているのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=gjPSEwUDZVU

「In Heat」
Frank Vincent作。タイトル曲はまさにヒートアップするファンキー・ジャズ・グルーヴです。小粋なピアノと力強いドラムにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=TE7g0ggn8E4

「Both Sides Now」
当ブログでも紹介済みのJoni Mitchellの名曲をカヴァー。美しく躍動する本ヴァージョンはオリジナルにはない本曲の魅力に気づかせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=v8fC69zcykI

「All The Time」
Frank Vincent作。小気味良いボッサ・ジャズは僕好みです。

「Uncle」
Frank Vincent作。実はブラジル好きの僕の一番のお気に入りはコレ。ボッサなグルーヴィー感が実に心地好いです。
http://www.youtube.com/watch?v=C7chnnSzmz4

「Never」
Frank Vincent作。ラストは少しノスタルジックな雰囲気で締めてくれます。

ボーナス・トラックとして、「There Was A Time (Single Version)」「Nightingale」「Little Liza Jane」の3曲が追加収録されています。何と言っても超目玉は「There Was A Time (Single Version)」です。

「There Was A Time (Single Version)」
本作最大の聴きどころかもしれません。JBが何故彼らに惚れ込んだのかがよくわかるファンキーな演奏を堪能できます。Chubb Rock「Treat 'Em Right」のサンプリングソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=JGUkAd0eNBA

Chubb Rock「Treat 'Em Right」
 http://www.youtube.com/watch?v=UL68eMRTIHI

JB『Gettin' Down To It』(1969年)もセットでどうぞ!

James Brown『Gettin' Down To It』(1969年)
GETTIN' DOWN TO IT
posted by ez at 04:54| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする