2012年09月30日

Adam Dunning『Glass Bottom Boat』

前作に続きリオで録音されたオージー・メロウ・ボサノヴァ作品☆Adam Dunning『Glass Bottom Boat』
グラス・ボトム・ボート
発表年:2012年
ez的ジャンル:オージー系メロウ・ボサノヴァ
気分は... :メロウ・ボッサでチルアウト・・・

今回はオーストラリア・メルボルン出身の男性シンガー・ソングライター最新作Adam Dunning『Glass Bottom Boat』です。

Adam Dunningの紹介は『Sunset Monkeys』(2011年)に続き2回目となります。

本場ブラジルへ渡り、様々なミュージシャンと交流しながらブラジル音楽を吸収してきたAdamの前作『Sunset Monkeys』は良質のメロウ・ボッサ作品であり、日本のボッサ好きからも高い支持を得ました。

『Sunset Monkeys』(2011年)
サンセット・モンキーズ

「Sunset Monkeys」(From 『Sunset Monkeys』
http://www.youtube.com/watch?v=05_waWag-ok

その『Sunset Monkeys』に続く最新作『Glass Bottom Boat』も全曲英語で歌われる極上のメロウ・ボッサ作品に仕上がっています。

レコーディングは前作『Sunset Monkeys』同様リオで行われ、、Eugenio Dale(g)、Gastao Villeroy(b)、Rafael Vernet(p)、Rafael Barata(ds)、Glaucio Martins (fl、sax)、Jose Arimatea(flh)、Naife "Nana" Simoes(per)、Alexia Bomtempo(back vo)等のブラジル人ミュージシャンがバックを務めています。個人的には当ブログでもお馴染みの女性シンガーAlexia Bomtempoがバック・ヴォーカルで多くの曲に参加しているのが嬉しいですね。

また、スペシャル・ゲストとしてCris Delanno(vo)、David Feldman(p)、Barabara Mendes(vo)、Roberto Menescal(g)が参加しています。

Joao Donatoの名曲カヴァー「The Amazonas」以外はAdam Dunningのオリジナルです。

Adam Dunning本人がエグゼクティヴ・プロデューサー、ギターで参加のEugenio Daleがプロデュースも務めています。

チルアウトな気分になりたい方にピッタリなメロウ・ボサノヴァ作品です。

全曲紹介しときやす。

「Is It Me」
オススメその1。美しくも切ない哀愁メロウがたまらないオープニング。英語なのにサウダージ感たっぷりなのが本作の魅力だと思います。

「Cabana」
オススメその2。僕の一番のお気に入り。軽快なリズムにのってクールに疾走するボッサ・チューンです。Glaucio Martinsの涼しげなフルートがいいアクセントになっています。

「Glass Bottom Boat (Into the Sea)」
オススメその3。Adam Dunningの本領発揮といった雰囲気のタイトル曲。美しいメロディと甘いAdamのヴォーカルにグッとくるビューティフル・ボッサ。エレガントなストリングスやロマンティックなホーン隊も加わり盛り上げてくれます。

「Samba from the Sea」
オススメその4。スペシャル・ゲストのCris DelannoとDavid Feldmanをフィーチャー。軽快ながらも落ち着いたジャズ・サンバです。エレガントなDavid Feldmanのピアノと華やかなCris Delannoのヴォーカルがグッド!

「Sofia」
オススメその5。ハワイアンAORなんかと一緒に聴きたくなるサンセット・モードのロマンティック・ボッサ。

「Never Really Know」
スペシャル・ゲストのBarabara Mendesをフィーチャー。ジャズ・ヴォーカル風のボッサ・チューンはリラックスしたエレガント感がいい感じ。

「Kiss of the Moon」
ひたすら甘いムードのロマンティック・ボッサ。美しいストリングスがロマンティック・ムードを盛り上げてくれます。

「Surf」
前作にも参加していたRoberto Menescalをスペシャル・ゲストとしてフィーチャー。Menescalの素晴らしいギターにAdamとAlexia Bomtempoのスキャットが絡む幻想的な仕上がり。巨匠MenescalとAdamの共演を楽しみましょう。

「The Amazonas」
Joao Donatoの名曲カヴァー。当ブログでははJoao Donato自身(アルバム『Quem e Quem』収録ヴァージョン)やAgustin Pereyra LucenaCal TjaderSteen Rasmussen Feat. Josefine Cronholmのヴァージョンも紹介済みです。本ヴァージョンはワルツ調のジャジー・カヴァーに仕上がっています。

「(Wishing You All) A Happy New Year」
本曲は震災後の日本へ送るメッセージ・ソングとのこと。そんな思いを噛みしめながら聴くとさらに感動が増す美しい楽曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=OWj-VTua7iE

「Glass Bottom Boat (Into the Sea) (Radio Mix)」
ラストは「Glass Bottom Boat (Into the Sea)」のラジオ・ミックスでアルバムの余韻を楽しみましょう。

海外サッカーはドイツ・ブンデス・リーガを中心に日本人選手が出場する試合が多いので週末が楽しみですね。個人的にはウィガンの宮市に一番期待しています。何とかレギュラーを奪取し、活躍してアーセナル復帰を果たして欲しいですね。宇佐美と宮市、この2人が2014W杯でザック・ジャパンの切り札になることを期待しています。
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2012年09月29日

『今の気分は...2012年9月29日編』

今日は時間がないので過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

今回は今から2010〜2011年頃の作品から10曲をセレクトしました。
何となく選んでいたら、結局クロスーヴァー/クラブジャズ系の10曲に落ち着いてしまいました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。
埋もれた佳作も多いと思いますので・・・

Reel People「Star」
http://www.youtube.com/watch?v=eNdxA38OEpg
GOLDEN LADY
From 『Reel People Presents Golden Lady』(2011年)

Zo!「Free Your Mind 」
http://www.youtube.com/watch?v=74GvDTq8Rb8
SUNSTORM
From 『SunStorm』(2010年)

Mark De Clive-Lowe「Under Orders」
http://www.youtube.com/watch?v=vnomRIv1Um0
Renegades [解説付・ボーナストラック2曲収録・国内盤] (BRC308)
From 『Renegades』(2011年)

Ben Westbeech「Justice」
http://www.youtube.com/watch?v=zmTtPf4SLNU
ゼア・イズ・モア・トゥ・ライフ・ザン・ディス [ボーナストラック付]
From 『There's More To Life Than This』(2011年)

Bin-Jip「8Days」
http://www.youtube.com/watch?v=-sQHCJ2f-aQ
ENTER
From 『Enter』(2010年)

Banda Brasileira「Cosmic Girl」
http://www.youtube.com/watch?v=sRWKlJztBvg
Banda Brasileira - Radio Bossa
From 『Radio Bossa』(2011年)

The Moleskins「Open Your Eyes」 ※リミックス
http://www.youtube.com/watch?v=ziOG46MktQ0
Bitter Sweet
From 『Bittersweet』(2010年) ※但し、上記リミックスは未収録

Nicola Conte「Love From The Sun」
http://www.youtube.com/watch?v=K5npQOv5AIg
ラヴ&レヴォリューション
From 『Love & Revolution』(2011年)

Eddie Roberts & Freckles「I Can't Stand You」
http://www.youtube.com/watch?v=lCWow0poiws
ムーヴ
From 『Move』(2010年)

Nick Pride & The Pimptones「Come And Get It」
http://www.youtube.com/watch?v=MMwRyBumZeE
ミッドナイト・フィースト・オブ・ジャズ
From 『Midnight Feast Of Jazz』(2011年)
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2012年09月28日

Herbie Mann『Memphis Underground』

R&Bとジャズが融合した人気作☆Herbie Mann『Memphis Underground』
Memphis Underground
発表年:1969年
ez的ジャンル:R&B系クロスオーヴァー・ジャズ
気分は... :この人は作品が多すぎる...

今回はクロスオーヴァーな作品で人気のジャズ・フルート奏者Herbie Mannの代表作『Memphis Underground』(1969年)です。

Herbie Mann(1930-2003年)はN.Y.出身のジャズ・フルート奏者。1960年代にアフリカやブラジルを訪れたことを契機に、ワールドミュージック、ボサノヴァから影響を受けた作品をリリースするようになります。

1962年にリリースした「Comin' Home Baby」がヒットし、一躍彼の名前が知られるようになります。1969年にはR&Bのエッセンスを採り入れたアルバム『Memphis Underground』をリリースし、人気を博しました。その後もジャズの枠のとらわれないクロスオーヴァーな作品を勢力的にリリースし続けました。

「Comin' Home Baby」(1962年)
http://www.youtube.com/watch?v=jiCV4Xna684

前立腺癌との闘病の末、2003年に死去。

知名度や膨大な作品群のわりにはジャズ・ファンからの評価はビミョーなミュージシャンみたいですね。やはり、ディスコな「Hijack」(1975年)などジャズの枠を飛び越えすぎてしまったからですかね。

「Hijack」(1975年)
http://www.youtube.com/watch?v=U8k-3KJglFU

逆に言えば、ジャンルに囚われないクロスオーヴァーな音楽がもてはやされる今日において再評価されやすいアーティストなのかもしれませんね。ただし、アルバム数があまりに膨大なのでとても聴ききれませんが・・・

僕も手元にある彼のアルバムは今日紹介する『Memphis Underground』(1969年)と胸毛ジャケでお馴染みの『Push Push』(1971年)の2枚のみです。

今日紹介する『Memphis Underground』(1969年)は前述のように、彼のキャリアを代表するアルバムであり、AtlanticからリリースされたR&B/ジャズ・ロック色の強い作品です。

ソウル/ロック好きにお馴染みのTom Dowdがプロデュースを務め、レコーディングにはReggie Young(g)、Bobby Emmons(org)、Bobby Wood(p、el-p)、Gene Christman(ds)、Tommy Cogbill(b)、Mike Leech(b)というメンフィスのAmerican Sound Studiosの名うてのミュージシャン達や、Roy Ayers(vib、conga)、Miroslav Vitous(b)、Larry Coryell(g)、Sonny Sharrock(g)といったクロスオーヴァーなミュージシャン達が参加しています。

このメンバーを眺めれば、R&B/ジャズ・ロック色の強い作品であるというのが想像できますよね。

ジャズでR&B/ソウルでロックなクロスオーヴァーの先駆け的な演奏を楽しめる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Memphis Underground」
Herbie Mann作。人気のタイトル曲でアルバムは幕を開けます。R&BサウンドにのったHerbie Mannのフルートやジャズ・ロックなギター、Roy Ayersのヴァイヴを楽しみましょう。何処かダウン・トゥ・アースな魅力がありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=BO_Lfk-8P5c

3rd Bass feat. Chubb Rock「Kick 'Em In The Grill」、Ice Cube「Check Yo Self」、Salt-N-Pepa「Shoop」のサンプリング・ソースにもなっています。

3rd Bass feat. Chubb Rock「Kick 'Em In The Grill」
 http://www.youtube.com/watch?v=xZx1dX4nbEw
Ice Cube「Check Yo Self」
 http://www.youtube.com/watch?v=bueFTrwHFEs
Salt-N-Pepa「Shoop」
 http://www.youtube.com/watch?v=4vaN01VLYSQ

「New Orleans」
Frank Guida/Joseph Royster作。Gary U.S. Bonds、1960年のヒット曲をカヴァー。Herbie Mannのフルートを満喫できるクロスオーヴァーな演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=E3KFPtrvIsw

「Hold On, I'm Comin'」
David Porter/Isaac Hayes作。Sam & Daveの大ヒット曲をカヴァー。ノリの良さでいえば、この演奏が一番かもしれませんね。ジャズ好きも、R&B好きも、ロック好きも楽しめる演奏なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=MQLAZVI5tAE

「Chain Of Fools」
Don Covay作。Aretha Franklinのお馴染みの大ヒット曲をカヴァー。「Hold On, I'm Comin'」と並ぶテンションの高い演奏です。ソウルとジャズの融合感を楽しめます。

「Battle Hymn Of The Republic」
トラディショナル。ラストはソウルな味わいのある演奏で締めてくれます。Roy Ayersのコンガがいい雰囲気を醸し出します。
http://www.youtube.com/watch?v=Nw9kCKkOxzs

興味がある方は他のHerbie Mann作品もチェックを!

『Herbie Mann at The Village Gate』(1962年)
ヴィレッジ・ゲイトのハービー・マン

Herbie Mann and the Bill Evans Trio 『Nirvana』(1962年)
ニルヴァーナ

『Do the Bossa Nova With Herbie Mann 』(1963年)
ドゥ・ザ・ボサ・ノヴァ

『Muscle Shoals Nitty Gritty』(1970年)
Muscle Shoals Nitty Gritty

『Memphis Two-Step』(1971年)
Memphis Two-Step

『Push Push』(1971年)
Push Push

『Mississippi Gambler』(1972年)
Mississippi Gambler

『Hold On, I'm Comin'』(1973年)
ホールド・オン、アイム・カミン

『London Underground』(1974年)
London Underground

『Reggae』(1974年)
Reggae

『Turtle Bay/Discotheque』(1973年/1975年) ※2in1CD
Turtle Bay / Discotheque
posted by ez at 10:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月27日

Brazilian Girls『Talk To La Bomb』

無国籍なハイブリッド・ダンス・ミュージック☆Brazilian Girls『Talk To La Bomb』
Talk to La Bomb
発表年:2007年
ez的ジャンル:N.Y.オルタナ・ハイブリッド・サウンド
気分は... :ブラジル人は一人もいませんが...

今回は何ともユニークなサウンドに惹かれるN.Y.の異色ユニットBrazilian Girlsの2ndアルバム『Talk To La Bomb』(2006年)です。

Brazilian Girlsは、2003年にN.Y.で結成されたハイブリッド・ユニット。結成時のメンバーは
Sabina Sciubba(vo)、Didi Gutman(key)、Jesse Murphy(b)、Aaron Johnston(ds)の4名。グループ名に反して、ブラジル出身のメンバーは一人もいません。しかも、女性メンバーは1名のみ(笑)

4ヶ国語を自在に操る紅一点のヴォーカルSabina Sciubbaを中心に、ロック、エレクトロニカ、ハウス、フレンチ・ポップ、レゲエ、タンゴ、アンビエント、ラウンジ等を採り入れたハイブリッドなダンス・ミュージックで一部ファンの高い評価を得ていた異色ユニットです。

『Brazilian Girls』(2005年)、『Talk To La Bomb』(2006年)、『New York City』(2008年)といった3枚のアルバムをリリースした後、2010年に活動を休止しますが、今年に入りリユニオンしてライブを行った模様です。

僕がBrazilian Girlsに興味を持つきっかけとなったのが、当ブログで紹介したBebel Gilberto『Momento』(2007年)です。

Bebel Gilberto『Momento』(2007年)
モメント

コスモポリタンBebelによるハイブリッドなブラジリアン・ミュージック作品であった『Momento』において、Brazilian Girlsはゲスト参加するのみならず、プロデューサーとしても大きく貢献していました。

僕が『Momento』で一番お気に入りであった曲も、Brazilian Girls参加の「Bring Back The Love」でした。

Bebel Gilberto「Bring Back The Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=CNo9UrbFJX4

さて、2ndとなる本作『Talk To La Bomb』(2006年)ですが、Brazilian GirlsらしいN.Y.ハイブリッド・サウンドを満喫できます。時空を自由の駆け巡るハイブリッド・サウンドはユニークとしか形容できません。

最初、何処となく70〜80年代N.Y.パンク&ニューウェイヴな雰囲気もあるなぁ〜なんて思いながら聴いていたら、何とThe CarsRic Ocasekプロデュース曲が1曲収録されています。

何でもアリのN.Y.らしい無国籍なハイブリッド・ミュージックはわけの分からん面白さに充ちています。

あえてチープなピコピコ系サウンドを逆手にとった感じが僕好みなのかもしれません。おバカに弾けたい気分にぴったりかも?

全曲紹介しときやす。

「Jique」
オープニングはオルタナ・ロッキン&ノイジーな仕上がり。適度にダンサブルでもあるので、ロック離れの激しい僕にはいい塩梅のサウンドです。
http://www.youtube.com/watch?v=U3i_AuNqTfU

「All About Us」
ノスタルジック・サウンドとハウス・サウンドが融合したハイブリッド感が面白い1曲。ありそうでないダンス・ミュージックなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=opZ2W8lQZ2w

「Last Call」
Ric Ocasekプロデュース曲。70〜80年代N.Y.ニューウェイヴと21世紀オルタナ・サウンドの融合といった趣です。
http://www.youtube.com/watch?v=9SvxxurYe2E

「Never Met A German」
エクスペリメンタルかつポップな雰囲気はStereolabあたりを彷彿させます。

「Sweatshop」
この曲もStereolabと一緒に聴きたくなるエレクトロニカ・フレンチ・ポップといった仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=By_q6ZMgdFI

「Le Territoire」
Brazilian Girlsらしいハイブリッド感を満喫できるダンス・チューン。チープで妖しげなダンス・サウンドがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=TFU2UE9dczQ

「Rules Of The Game」
ヨーロピアンな空気が支配する哀愁エレクトロニカ。秋にぴったりの哀愁メロディとエレクトロニカ・サウンドがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=jDhCQWFbL3M

「Talk To The Bomb」
タイトル曲はアートなハイブリッド感にグッときます。聴いているうちに、何故だかTom Tom Clubが懐かしく思えてきました。

「Nicotine」
このレイジーなアンビエント感がいいですね。グ〜タラ気分でいたい時にジャスト・フィットな1曲かも?
http://www.youtube.com/watch?v=zXA2ZLoVmjw

「Tourist Trap」
ノスタルジック&ドリーミーなクロスオーヴァー・サウンドが実にユニークな1曲。知らぬ間にユニークなダンサブル・サウンドの術中にハマっています。

「Sexy A**hole」
お下劣なタイトルですが、アンビエント&ラウンジーなハイブリッド・チューン。N.Y.の妖しげな夜に誘うかのようなダンサブル・サウンドです。

「Problem」
ラストは、70〜80年代N.Y.パンク&ニューウェイヴを21世紀ハイブリッド・モデルにリメイクしたような雰囲気です。ディテールよりも勢い重視って感じが好感持てます。

ご興味のある方は1st『Brazilian Girls』(2005年)、3rd『New York City』(2008年)もチェックを!

『Brazilian Girls』(2005年)
ブラジリアン・ガールズ

『New York City』(2008年)
ニューヨーク・シティ
posted by ez at 08:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月26日

Cymande『Cymande』

元祖ミクスチャー・ジャズ・ファンク!☆Cymande『Cymande』
Cymande
発表年:1972年
ez的ジャンル:ミクスチャー系UKアフロ・ジャズ・ファンク
気分は... :未来志向で前進するのみ!

先週、自分の中で1つ大きな決断をしました。

「説得すれば翻意するかもしれない」と思っている方もいるようですが、正直それは100%ありません。僕は一度決断したら、過去のことは良いことも悪いことも綺麗さっぱりリセットしまうタイプなので・・・しかも、次のステージのアクションを既に起こしてしまったので物理的条件面でもジ・エンドです。ただし、僕自身の中では感情的なしこりは一切ありません。恨み節のようなものは僕自身最も嫌いなので。

意地を張って無駄なことに固執しても不幸なだけです。未来志向ですべてをリセットした方がハッピーなのでは?

こんな時には大地のジャズ・ファンクが聴きたい気分!
ということで、Cymandeの1st『Cymande』(1972年)です。

Cymandeは1971年にジャマイカ、セイント・ヴィンセント、ガイアナ出身のミュージシャンがロンドンで結成したファンク・グル―プ。

『Cymande』(1972年)、『Second Time Round』(1973年)、『Promised Heights』(1974年)、『Arrival』(1981年)といったアルバムをリリースしています。

ジャズ・ファンクを基調に、アフロ、レゲエ、カリブのエッセンスを採り入れたミクスチャー・サウンドはレア・グルーヴ方面からも高く評価されています。

その中でも今回紹介する1stアルバム『Cymande』(1972年)は、「Bra」「Dove」「The Message」という3大クラシックを収録した最重要アルバムです。Hip-Hop好きには人気サンプリング・ソースの宝庫とも呼べる作品です。

本作におけるメンバーは、Steve Scipi(b)、Pablo Gonsales(congas)、Sam Kelly(ds)、Patrick Patterson(g)、Mike Rose(as、fl、bongos)、Derek Gibbs(as、ss)、Peter Serreo(ts)、Joey Dee(vo、per)、Ray King(vo、per)です。

大地のジャズ・ファンクを聴き、人生前向きに生きよう!

全曲紹介しときやす。

「Zion I」
Mike Rose/Pablo Gonsales作。Cymandeらしいアフロ&レゲエ&カリブ感覚に溢れたオープニング。第3世界パワーに漲っています。
http://www.youtube.com/watch?v=p7t0sSWrjYI

Zhigge「Born Black」でサンプリングされています。
Zhigge「Born Black」
 http://www.youtube.com/watch?v=PLFeGiBVvvE

「One More」
Patrick Patterson/Steve Scipio作。哀愁モードのなかに適度なパーカッシブ感があって味わいのあるインスト。
http://www.youtube.com/watch?v=b4t8LVV4Nzw

「Getting It Back」
Patrick Patterson/Steve Scipio作。大地を感じるベースライン&パーカッションのリズムでグイグイと推進するアフロ・グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=UfHdJHNIDCQ

当ブログで紹介したHard Knocks「Opposite Side」をはじめ、Profondo Rosso「Tabula Rasa」、Akrobatik「Always Bet on Ak」のサンプリング・ソースになっています。

Hard Knocks「Opposite Side」
 http://www.youtube.com/watch?v=3d7fsETbbTo
Profondo Rosso「Tabula Rasa」
 http://www.youtube.com/watch?v=I2xIFwCXgbo
Akrobatik「Always Bet on Ak」
 http://www.youtube.com/watch?v=CJtMEUyD59A

「Listen」
Patrick Patterson/Steve Scipio作。ニューソウル的な雰囲気も漂うソウル・チューン。ブラック・ムーヴィー系の楽曲と相性がいいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=Za0HTjeSk4Q

「Rickshaw」
Patrick Patterson/Steve Scipio作。僕のようなパーカッシヴ・サウンドが大好きな人間にとってはグッとくる演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=POinacmMUZg

「Dove」
Cymande作。本作のハイライトその1。レア・グルーヴ好き必聴の10分超の大作アフロ・ジャズ・グルーヴ。Patrick Pattersonのギターが咽び泣きます。スピリチュアルな空気感が大好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=0kzJ3aXSo48

Fugees「The Score」で本曲をサンプリングしたものの、無断使用を巡ってCymande側が著作権違法で提訴され、Fugees側が全面敗訴したこともニュースになりました。それ以外にもWu Tang Clan「Problems」、MC Rene「Was Wird Morgen Sein」、EPMD「U Got Shot」、Kinobe「Skyscraper」、The Last Emperor feat. Tye Phoenix「The Banger」等でサンプリングされています。

Fugees「The Score」
 http://www.youtube.com/watch?v=sN5Pb18WySE
Wu Tang Clan「Problems」
 http://www.youtube.com/watch?v=is1ULOzgC1c
MC Rene「Was Wird Morgen Sein」
 http://www.youtube.com/watch?v=SlkZkSP2sl4
Kinobe「Skyscraper」
 http://www.youtube.com/watch?v=KWVBlrixF1o

「Bra」
Patrick Patterson/Steve Scipio作。本作のハイライトその2。ロフト・クラシック/ガラージ・クラシック、定番サンプリング・ソースとして大人気のファンキー・チューン。適度にメロディアスでファンキーで格好良くで・・・Cymandeの本領発揮!文句なしのレア・グルーヴ名曲ですな。
http://www.youtube.com/watch?v=9ucwDjKC8us

Raze「Jack The Groove」、Cleavage「Barah (The House Mix)」、Busy Bee「Old School」、Gang Starr「Movin' On」、De La Soul「Change in Speak」、DJ Chuck Chillout & Kool Chip「Time to Rhyme」、Rhythm Technicians「Hip-Hop You Don't Stop」等でサンプリングされています。

Raze「Jack The Groove」
 http://www.youtube.com/watch?v=wstksdQFMkI
Cleavage「Barah (The House Mix)」
 http://www.youtube.com/watch?v=VxMAy4CwHCQ
Gang Starr「Movin' On」
 http://www.youtube.com/watch?v=zhmRbDj_8BY
De La Soul「Change in Speak」
 http://www.youtube.com/watch?v=DenLbI55NSk
Def Jef「Give It Here」
 http://www.youtube.com/watch?v=Dl4b_8ZmPX0

「The Message」
Patrick Patterson/Steve Scipio作。本作のハイライトその3。独特のグルーヴでグイグイと突進するレア・グルーヴ・クラシック。僕はAswadの大ヒット・アルバム『Distant Thunder』(1988年)のオープニングを飾った本曲のカヴァーで本曲を初めて知りましたが、この癖のあるグルーヴがたまらなく好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=VO91BtMIciU

Ruthless Rap Assassins「And It Wasn't A Dream」、Masta Ace「Me & The Biz」、Kings of Swing「2 Minutes of Funk」、MC Solaar「Bouge De La」、King Tee「On Tha Rox」、The Coup「I Ain't The Nigga」等でサンプリングされています。

Aswad「The Message」
 http://www.youtube.com/watch?v=w1pijW1mOVw
Masta Ace「Me & The Biz」
 http://www.youtube.com/watch?v=mCS-S4bwJVM
MC Solaar「Bouge De La」
 http://www.youtube.com/watch?v=v4iZ_eQiSTY
King Tee「On Tha Rox」
 http://www.youtube.com/watch?v=VJP5g-XBJ6U
The Coup「I Ain't The Nigga」
 http://www.youtube.com/watch?v=Pnz2o4zpIdU

「Ras Tafarian Folk Song」
Mike Rose/Pablo Gonsales作。ラストはラスタ賛歌といったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=fbtuUC69CfA

The KLF「What Time Is Love? (Moody Boys vs KLF Mix)」でサンプリングされています。僕はこのシングルをリアルタイムで購入していましたが、当時は「Ras Tafarian Folk Song」がサンプリングされているなんて全く知りませんでした。

The KLF「What Time Is Love? (Moody Boys vs KLF Mix)」
 http://www.youtube.com/watch?v=hngidYRzzT0

僕の保有するCDには上記オリジナル9曲に加え、「Anthracite」が追加収録されています。

他のCymande作品もチェックを!

『Second Time Round』(1973年)
SECOND TIME AROUND

『Promised Heights』(1974年)
Promised Heights

『Arrival』(1981年)
Arrival
posted by ez at 05:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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