2012年09月12日

Papik『Rhythm of Life』

2nd『Music Inside』も好評!お洒落なクラブジャズPapikの1st☆Papik『Rhythm of Life』
Papik - Rhythm Of Life
発表年:2009年
ez的ジャンル:ラウンジ感覚クラブジャズ
気分は... :Staying For Good!

今回は当ブログでも紹介した新作『Music Inside』が好評なイタリアのクラブジャズ・プロジェクトPapikの1stアルバム『Rhythm Of Life』(2009年)です。

Papikはイタリア人キーボード奏者/コンポーザー/アレンジャーNerio Poggiによるクラブジャズ・プロジェクト。

Nerio Poggiは、日本でも大人気の伊達男ジャズ・シンガーMario Biondiのアルバムで楽曲提供やアレンジャーを務めた経験を持っています。

4月に購入した『Music Inside』は今でも聴きまくっています。多分、今年一番聴いているアルバムだと思います。

『Music Inside』(2012年)
Music Inside

クラブジャズ、ラウンジ、ボッサ・ジャズ、エヴァーグリーン・ポップ、正統派ジャズ・ヴォーカルなど多彩なエッセンスが詰まった『Music Inside』は、まさに僕の嗜好にジャスト・フィットする1枚でした。

そのあまりの素晴らしさに惹かれ、思わず1stとなる本作『Rhythm Of Life』(2009年)もゲットしてしまいました。

こちらも『Music Inside』に負けず劣らずの素晴らしいクラブジャズ作品に仕上がっています。『Music Inside』にも参加していたAlan ScaffardiEly Bruna等の男女ヴォーカリストをフィーチャーし、『Music Inside』を気に入った方ならば、間違いなく気に入る内容だと思います。

クラブジャズを聴くことがない方でも、"クラブジャズもいいよねっ!"って感じることができるアルバムだと思います。2nd『Music Inside』と共に、ハッピーな気分になれるクラブジャズ作品だと思います。

とにかく超オススメ!本作を持っていると聞いただけで、僕的には一杯おごりたくなってしまいそう(笑)

全曲紹介しときやす。

「Rhythm Of Life」
タイトル曲はSchema系クラブジャズ好きはグッとくるであろうボッサ・グルーヴ。Ely Brunaの妖艶なヴォーカルとクラブ仕様のリズムと小気味良いホーン隊のバランスがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=vfWab4MFIC8

「E La Chiamano Estate」
Franco Califano/Bruno Martino/Laura Zanin作。イタリアの名コンポーザーBruno Martinoによる1965年作品をカヴァー。オリジナルを意識したノスタルジックなイントロから一転、現行クラブジャズらしいスタイリッシュな展開へなだれ込みます。Clizia Aloisiの素晴らしいヴォーカルと共にエレガントに躍動するクラブジャズ・サウンドを満喫できます。この曲を聴き、本作を購入して正解だったと確信できました。
http://www.youtube.com/watch?v=LX45HcV_aBU

「You With Your Smile」
ブルージーなムードも漂うオーセンティックなジャズ・ヴォーカル・チューン。Alan Scaffardiのヴォーカルをフィーチャーしたなかなかシブめの仕上がりです。

「Mon Coeur」
オープニングで妖艶な雰囲気のヴォーカルを聴かせてきたEly Brunaのキュートな面も垣間見れる1曲。哀愁モードながらもポップな疾走感があるのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=K_kh3QU6Qtg

「I'm Dreaming A Lot」
Ely Brunaのヴォーカルをフィーチャーしたスウィンギーな仕上り。Ely Brunaのジャズ・ヴォーカリストとしての魅力を実感できます。

「Her Name Is」
エレガントなピアノと哀愁モードのミュート・トランペットが印象的なバラード。Alan Scaffardiが男の哀愁たっぷりに歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=0LFwNj_tNlA

「Staying For Good」
シングルになった楽曲。開放的でダンディーなクラブジャズはまさにStaying For Good!今日の僕の気分にジャスト・フィット!何かハッピーなことが起きそうな予感がする伊達男の国の小粋なクラブジャズです。Mario Biondiあたりと一緒に聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=HR8x9gfMg_k

「Lady Bug Bossa」
ブラジリアン好きにはたまらないボサノヴァ・チューン。エレガントな雰囲気がグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=x3Pd7R0j5IY

「Crazy」
DJ Danger MouseとCee-LoのユニットGnarls Barkleyの大ヒット曲をカヴァー。お馴染みのヒット曲をAlan Scaffardiのヴォーカルをフィーチャーした大人のボッサ・ジャズに仕上げています。
http://www.youtube.com/watch?v=-RunamlUZDY

「Capture The Sound」
Alan Scaffardiをフィーチャーし、ラテン・モードで迫ります。ノスタルジックなのに古臭く感じないのが伊達男の国の小粋なクラブジャズです。
http://www.youtube.com/watch?v=ehaSlOEWsgU

「Summer In Rio」
タイトルから想像できるように、Cristiana Polegriの女性ヴォーカルをフィーチャーしたロマンティックなボッサ・ジャズ。夏の終わりを惜しむサンセット・モードにピッタリです!
http://www.youtube.com/watch?v=ww3lTGGup40

「I Believe In The Sun」
Alan Scaffardiをフィーチャーし、ワルツ調で疾走します。実は疾走するワルツって僕がグッとくるパターンなんですよね。当然、この曲も大好き!

「Happy Rhymes」
まさにハッピーなリズムです。朝の出勤前にこんな曲を聴くと、(現在の僕には無縁ですが)満員電車の中でもイラっとせずに清々しく過ごせるのでは?些細なことでストレスを溜め込む方のマインド・リセットに最適です。

「Notes Of The Past」
ラストはEly Brunaのヴォーカルをフィーチャーし、エレガントな気分のブラジリアン・ジャズで締め括ってくれます。疾走しつつ胸一杯の感動モードでアルバムを聴き終えることができるのがサイコーです!
http://www.youtube.com/watch?v=UYQrUxvJAzI

サッカーW杯アジア最終予選は、ジーコ率いるイラクに勝利し勝ち点3を加えました。まぁ、最終予選は結果が全てですから、内容には触れず結果良しとしましょう。

日本の最大のライバルと見られるオーストラリアがアウェーとはいえ、ヨルダンに敗北を喫した事実を見ると最終予選の厳しさを痛感します。「ヨルダン対オーストラリア」をTV観戦しましたが、敵地では日本も苦戦しそうな予感がしました。

アウェーは勝ち点を獲るというよりも相手に勝ち点3を与えないことが大切ですね。その意味でホーム3戦全てで勝ち点3を重ねたサック・ジャパンは評価すべきと思います。やはり中東でのアウェー戦が鍵を握りそうですね。

まぁ、サッカーはどうでもいいや!
今日はそれより楽しいことが待っているので・・・
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2012年09月11日

Cameo『Real Men ... Wear Black』

NJS、Hip-Hop等のエッセンスを取り入れたファンク作品☆Cameo『Real Men ... Wear Black』
Real Men Wear Black
発表年:1990年
ez的ジャンル:打ち込みエレクトリック・ファンク
気分は... :僕は支持します!

Larry Blackmon率いるCameoが1990年にリリースしたCameo『Real Men ... Wear Black』です。

これまで当ブログで紹介したCameo作品は以下の4枚。

 『Cameosis』(1980年)
 『She's Strange』(1984年)
 『Word Up!』(1986年)
 『Machismo』(1988年)

『Real Men ... Wear Black』は、『Word Up!』(1986年)、『Machismo』(1988年)に続くアルバムです。

大ヒットした『Word Up!』から一作ごとにパワーダウンしていく印象を受ける『Machismo』『Real Men ... Wear Black』ですが、個人的にはリアルタイムで『Word Up!』以上によく聴いたのがこれら2作です。

本作『Real Men ... Wear Black』はジャケに写るLarry BlackmonTomi JenkinsNathan Leftenantの3名の様子も、『Word Up!』『Machismo』に比べてややインパクトに欠けますよね。

参加メンバーも元メンバーCharlie Singleton(g)は参加していますが、帝王Miles Davisをはじめ、名うてのミュージシャンがゲスト参加していた前作『Machismo』のような目立ったゲストはありません。

さて、中身の方ですが1990年リリースの作品らしく、NJS、Hip-Hop、ヒップ・ハウス等を取り入れた打ち込みサウンド中心のエレクトリック・ファンク作品になっています。こういう作品って今聴くと、時代を感じて音的に厳しい!というものも少なくなりませんが、本作はそれほどその部分は気になりません。案外、CameoらしいファンクとNJS、Hip-Hop、ヒップ・ハウスのエッセンスが違和感なく融合しています。

個人的にはシングル・カットされた「I Want It Now」よりも、「Am I Bad Enough」「Time, Fire & Space」「Get Paid」あたりをよく聴いて記憶があります。意外にメロディアスなパートにグッとくるキャッチーな楽曲が多いと思います。

所詮はB級扱いのアルバムですが、Cameoらしさと90年前後のR&B/Hip-Hopのエッセンスが上手くバランスした侮れない1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Close Quarters」
オープニングは90年代らしい打ち込みファンク。確かに時代を感じるサウンドですが、リアルタイムで聴いていたせいかそれほど違和感なく聴けます。ラップ・パートやスクラッチ音もありますが、適度にメロディアスな部分もありCameoらしいエレクトリック・ファンクを楽しめます。2ndシングルにもなりました。

「I Want It Now」
アルバムからの1stシングル。全米R&Bチャート第5位のヒットとなっています。NJSやHip-Hopテイストを取り入れたダンサブルなファンク・チューン。Cameoらしいファンクネスもあるのでそれ程違和感はありません。
http://www.youtube.com/watch?v=f4N4F6oh7z0

「Me」
スクラッチもキマった重量感のあるHip-Hopテストなファンク・チューン。ラップと歌の中間のようなLarry Blackmonのヴォーカルがマッチします。
http://www.youtube.com/watch?v=Dz0ZnbIMw1U

「Attitude」
Cameoらしい重量ファンク・チューン。ここでも中間にラップ・パートがありますが、Cameoワールドを楽しめる仕上がりだと思います。

「Get Paid」
90年前後ならではのヒップ・ハウス・テイストのファンク・チューン。当時「I Want It Now」よりもラップ多めのコッチをよく聴いた記憶があります。ホーン隊が盛り上げてくれます。

「Am I Bad Enough」
個人的には「Time, Fire & Space」と並ぶ本作のハイライト。ハネハネ系ながらもなかなかメロディアスなダンス・チューンです。今聴いてもかなり好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=mSx94tbl59g

「Time, Fire & Space」
極上のメロウ・バラード。昔も今も本作でまず最初に思い浮かぶのが本曲。メロウ・サウンドとソフトなハイトーン・ヴォーカルにグッときます。グループ屈指の名バラードだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=Leanud-ycJA

「Nan-Yea」
この曲もヒップ・ハウス調。90年前後ってHip-Hopとハウスがとても近い存在であったと改めて思います。

「Just A Broken Heart」
ラストはメロウ・バラード。 「Time, Fire & Space」には及びませんが、甘く切ないメロウ・バラードもなかなかです。

Cameoの過去記事もご参照下さい。

『Cameosis』(1980年)
Cameosis

『She's Strange』(1984年)
She's Strange

『Word Up!』(1986年)
Word Up!

『Machismo』(1988年)
cameo machismo.jpg
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2012年09月10日

Claudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』

シスコ産のブラジリアン・ミュージック☆Claudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』
ローテイション
発表年:1975年
ez的ジャンル:シスコ産ブラジリアン・ミュージック
気分は... :結構毒っ気もあります!

今回はポルトガル出身のキーボード奏者Claudio MedeirosMade In BrasilVictor Mのプロデュースにより制作された作品Claudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』(1975年)です。

本作の主役はClaudio MedeirosVictor Mの2人。

Victor M(Victor Meshkovsky )は1939年上海でロシア人として生まれました。1953年に一家でブラジル、サンパウロへ移住し、ブラジル音楽に慣れ親しむようになり、自身もグループを組むようになりました。

その後1959年に米国へ移住し、サンフランシスコで自身の会社を経営する傍ら、ブラジル音楽のプロモーション活動にも関与していました。

その後自身のブラジリアン・ジャズ・バンドMade In Brasilを結成し、『Numero Um』(1975年)、『Nosso Segundo Disco』(1976年)といったアルバムをリリースしています。

Claudio Medeirosはポルトガル生まれ。カナダでジャズと作曲を学び、1973年にカリフォルニアに移住します。ここでVictor Mと出会い、Claudioの才能を見込んだVictor Mのプロデュースの下、本作『Rotation』をレコーディングしました。さらにClaudioはMade In Brasilの『Nosso Segundo Disco』にも参加しています。

ということで、サンフランシスコで出会った二人が創りだしたブラジリアンミュージック作品がClaudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』です。

おそらく本作に興味を持たれた方の多くはVictor Mの名前に惹かれたのではないかと思います。僕もMade In Brasilの『Numero Um』を所有しており、その流れで本作をゲットしました。

基本的にはファンキーなブラジリアン・フュージョン/ジャズ・ファンク作品といった雰囲気ですね。インスト中心ですがバラエティ感があり、意外に毒っ気やユーモラス感もあるので飽きずに1枚聴くことができます。多少好き/嫌いが分かれる部分はあるかもしれませんが・・・

一般的なキラー・チューンは「Soar」ですが、個人的にはメロウなボッサ・グルーヴ「Generous」が超オススメです。

Made In Brasilを気に入った方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Rotation」
タイトル曲はエレガントなピアノの調べからエキサイティングなジャズ・ファンクへとなだれ込みます。ジャズ・ロック的な雰囲気もありますね。うねるベースラインと躍動するドラムにグッときます。途中サンバのリズムでアクセントをつけてくれるのもいいですね。

「Renee」
エレガントで美しいワルツ調の演奏が印象的です。ブラジル音楽好きというよりも、ジャズ好きの方であればClaudioのピアノにグッとくるのでは?

「Soar」
本作のハイライト曲。スペイシーなシンセの音色が印象的なボッサ・フュージョン。小粋なブラジリアン・サウンドにシンセの毒っ気でアクセントをつけています。
http://www.youtube.com/watch?v=mckHzj_4IUQ

「Renee」
2曲目「Renee」のエディット・ヴァージョン。美しい感動を再び。

「Nega」
楽しげでユーモラスな2人スキャット入りジャズ・サンバ・チューン。リラックスしたい時にフィットします。

「Grape Woman」
シンセ・サウンドを前面に打ち出したファンキーなブラジリアン・フュージョン。スペイシーなシンセとブラジリアン・フレイヴァーの組み合わせがなかなかエキサイティングです。

「Tomorrow」
メロウな味わいの中にユーモラスなスパイスの効いた1曲。この一筋縄ではいかない感じに惹かれます。

「Cachaca」
ラテン・ロック調の仕上がり。シスコのチカーノ・ロックの盛り上がりを考えれば、こういった演奏も自然な流れだったのかもしれませんが。

「Generous」
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。メロウなエレピとグルーヴィーなオルガンにグッとくる大人のメロウ・ボッサです。この1曲のみで元が取れた気がします。サイコー!

「Green Olives」
ラストはシンセが駆け巡るブラジリアンなジャズ・ファンクで締め括ってくれます。

ご興味がある方はVictor MのグループMade In Brasilのアルバムもセットでどうぞ!『Numero Um』は近々紹介したいと思います。

Made In Brasil By Victor M『Numero Um』(1975年)
ファースト・アルバム

Made In Brasil By Victor M『Nosso Segundo Disco』(1976年)
セカンド・アルバム

Claudio Medeirosの詳しいディスコグラフィをきちんと把握していませんが、以下の作品をリリースしている模様です。

『Millennium』
Millennium

『Hope-Esperanca』
Hope-Esperanca

『Palm Springs』
Palm Springs

『Jazz Do It』
Jazz Do It
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2012年09月09日

Antibalas『Antibalas』

ファンク魂に揺さぶられる!これぞN.Y.産アフロビート!☆Antibalas『Antibalas』
Antibalas
発表年:2012年
ez的ジャンル:N.Y.産アフロビート
気分は... :ヤングなでしこ良かった!

サッカーU−20女子W杯、ヤングなでしこは何とか3位を確保しましたね。最後勝利で終えることができたのは良かったですね。将来のなでしこ入りを目指し、彼女たちどのように成長するのか楽しみですね。なでしこリーグを観る楽しみが増えました。

今回は新作アルバムの中からN.Y.産アフロビート作品Antibalas『Antibalas』 です。

Antibalas(Antibalas Afrobeat Orchestra)はN.Y.ブルックリンで1998年に結成された大所帯アフロビート・バンド。

Fela KutiのAfrica 70、Eddie PalmieriHarlem River Driveあたりをモデルにして結成されたグループのようです。

これまで『Albums Liberation Afrobeat』(2000年)、『Talkatif』(2002年)、『Who is This America?』(2004年)、『Security』(2007年)といったアルバムをリリースしています。

欧州における最新アフロ・ファンクが先日紹介したAfro Latin Vintage Orchestraならば、N.Y.における最新アフロ・ファンクを聴かせてくれるのがAntibalasだと思います。

メンバーの入れ替わりが激しいようですが、本作におけるメンバーはAbraham Amayo(vo、congas、gbedu spirit drum、agogo bells)、Victor Axelrod(org、el-p、sticks)、Stuart Bogie(ts)、Marcos Garcia(g、back vo)、Aaron Johnson(tb)、Jordan McClean(tp、back vo)、Luke O'Malley(g、back vo)、Martin Perna(bs、back vo)、Miles ArntzenMarcus Farrar(shekere、sticks、back vo)、Nikhil Yerawadekar(b)という編成です。

5thアルバムとなる本作『Antibalas』 は全編Fela Kuti直系のアフロビートを満喫できます。Fela Kuti作品にある煽動的で尖ったサウンドをここでも聴くことができます。

Fela Kuti好き、アフロビート/アフロ・ファンク好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Dirty Money」
Fela Kuti直系の先鋭アフロビートでガンガンに攻めまくります。曲タイトルやPVの内容からして、昨年ウォール街で起きた貧困に抗議するデモ行進のことを歌ったものだと思います。このあたりの強烈な社会メッセージもFela Kuti譲りですね。
http://www.youtube.com/watch?v=KMXlEqlnAIg

「The Ratcatcher」
アフロビートらしい尖ったグルーヴの中にN.Y.らしい洗練も感じる仕上がり。ジワジワとテンションが上がってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=ly8-4J3l4d0

「Him Belly No Go Sweet」
アフロビート・ミーツ・レゲエといった趣の1曲。そう言えば、彼らは昨年シングルでBob Marley & The Wailers「Rat Race」をカヴァーしていました。

「Ari Degbe」
どす黒いグルーヴで突進します。呪術的&覚醒的なオルガンの音色が妖しく響きます。アフロビート好きならば間違いない1曲。

「Ibeji」
アフロビートにラテン・フレイヴァーを効かせています。この曲を聴くと、Harlem River Driveあたりも意識しているというが頷けます。

「Sare Kon Kon」
ラストは煽動的なアッパー・グルーヴで締め括ってくれます。ライブで聴くとかなり盛り上がりそうなテンション高い曲です。特に加速のついた終盤の展開はサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=v0efA2jBqp4

ご興味がある方はAntibalasの他作品もチェックを!

『Albums Liberation Afrobeat』(2000年)
Liberation Afro Beat

『Talkatif』(2002年)
Talkatif

『Who is This America?』(2004年)
Who Is This America?

『Security』(2007年)
Security (Dig)
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2012年09月08日

Jimmy McGriff『The Worm』

ソウル・ジャズなオルガン奏者の人気作☆Jimmy McGriff『The Worm』
ザ・ワーム
録音年:1968年
ez的ジャンル:グルーヴィー&ソウルフル系オルガン・ジャズ
気分は... :エンパシーの心で・・・

今回はソウル・ジャズ作品で人気のジャズ・オルガン奏者Jimmy McGriffの1968年作品『The Worm』です。

Jimmy McGriff(1936-2008年)はペンシルバニア生まれ。両親がともにピアノを演奏していた影響で幼少期からピアノを弾き始め、10代の頃にはピアノ、ベース、ヴィブラフォン、ドラム、サックスを演奏していました。Richard "Groove" Holmesの演奏に触れたことでハモンド・オルガンの魅力に取りつかれ、オルガン奏者の道を歩むようになります。

また、9つ年上で同郷のジャズ・オルガン奏者のパイオニアJimmy Smithとは幼少期からの知り合いだった模様です。

1962年にSueレーベルからリリースされたRay Charlesのカヴァー「I Got A Woman」がヒットし、一躍注目を浴びるようになります。その後もSue、Solid State、Blue Note、Groove Merchant等に数多くのレコーディングを残し、ソウル・ジャズの人気オルガン奏者として活躍しました。2008年に逝去。

今日では60年後半から70年代半ばあたりの作品の再評価が高まっている人ですね。その流れで人気が高いのが今日紹介する『The Worm』(1968年)と『Electric Funk』(1969年)あたりですかね。

『The Worm』はSolid Stateからリリースされた作品であり、レコーディング・メンバーはJimmy McGriff(org)、Blue Mitchell(tp)、Danny Turner(as)、Fats Theus(ts)、Robert Ashton(bs)、Thornel Schwartz(g)、Bob Bushnell(b)、Grady Tate(ds)、Mel Lewis(ds)という編成です。

個人的には「The Worm」「Heavyweight」「Blue Juice」あたりがオススメです。

多分、本作はDJらの再評価をきっかけに注目が高まった作品だと思いますが、そういった聴き方以外でも楽しめるオルガン・ジャズ作品になっていると思います。

全曲紹介しときやす。

「The Worm」
Fats Theus作。本作のハイライトは何とって言ってもタイトル曲ですね。何と言ってもドラム・ブレイクが格好良すぎます。作者Fats TheusのサックスとMcGriffのオルガンをフィーチャーしたブーガルー調のファンキーな演奏もサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=a4ZiU10Ngq0

本曲の格好良すぎるドラム・ブレイクは、90年代渋谷系音楽好きの人にとっては、ピチカート・ファイヴ(Pizzicato Five)「キャッチー(Catchy)」 、United Future Organization「Doopsylalolic」のサンプリングソースとしてお馴染みですね。話は逸れますが、「キャッチー」が収録された『スウィート・ピチカート・ファイヴ』は当時僕が最もよく聴いていたアルバムでした。当ブログは洋楽専門と決めているので紹介できませんが・・・

Pizzicato Five「Catchy」 ※『Made in USA』ヴァージョン
 http://www.youtube.com/watch?v=KxP-PSJanec
United Future Organization「Doopsylalolic」
 http://www.youtube.com/watch?v=KxP-PSJanec

それ以外にもThe Chemical Brothers「Chemical Beats」Squarepusher「My Red Hot Car (Girl)」等数多くの楽曲のサンプリングソースになっています。多分、この曲をサンプリングしたものって50曲以上あると思います。限がないので載せませんが・・・

The Chemical Brothers「Chemical Beats」
 http://www.youtube.com/watch?v=gknXdDLJDMc
Squarepusher「My Red Hot Car (Girl)」
 http://www.youtube.com/watch?v=W8Y3piodWes

「Keep Loose」
Jimmy McGriff作。ファンキー&グルーヴィーなオルガン・ジャズを満喫できます。終盤にはBlue Mitchellがトランペット・ソロで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=KBby3Ln1qhI

「Heavyweight」
Jimmy McGriff作。クラブジャズ好きの人が気に入りそうな演奏なのがコレ。アッパーな格好良さを持ったアンサンブルで颯爽と駆け抜けます。トランペット→ギター→アルト・サックス→オルガンと続くソロもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=RZnTb7NyieU

「Think」
Aretha Franklin/Ted White作。 Aretha Franklinのヒット曲をカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Aretha Now』に収録されています。ソウル・ジャズを代表するオルガン奏者らしいソウルフルな演奏を満喫できます。

「Lock It Up」
Kenny Burrell/Warren Stephens作。ここではブルージーな演奏を聴かせてくれます。

「Girl Talk」
Bobby Troup/Neil Hefti作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。ロマンティックなバックがMcGriffのオルガンを引き立てるオルガン・ジャズです。

「Blue Juice」
Jimmy McGriff作。「The Worm」に続く注目曲かもしれません。McGriffの方向性をよく示したジャズ・ファンク調の演奏を楽しめます。Blue Mitchellの印象的なトランペット・ソロはサンプリング・ソースでも取り上げられています。
http://www.youtube.com/watch?v=RuEFP1RbfPY

この曲もサンプリングソースとして人気です。King Tee「Time to Get Out」、Black Sheep「Pass the 40」、Onyx「Atak of Da Bal-Hedz」、Frankie HI-NRG MC「Quelli Che Benpensano」でサンプリングされています。

King Tee「Time to Get Out」
 http://www.youtube.com/watch?v=KygNO8OZbRc
Black Sheep「Pass the 40」
 http://www.youtube.com/watch?v=N9ApnU9rLiw
Onyx「Atak of Da Bal-Hedz」
 http://www.youtube.com/watch?v=-onVffkthSY
Frankie HI-NRG MC「Quelli Che Benpensano」
 http://www.youtube.com/watch?v=vrpJB7ucC5Y

「Take The A Train」
Billy Strayhorn作。ラストはDuke Ellington楽団のテーマ曲「A列車で行こう」のカヴァー。お馴染みの名曲をオリジナルの雰囲気を受け継いだ小粋な演奏で聴かせてくれます。

Jimmy McGriffの他作品もチェックを!

『Electric Funk』(1969年)
Electric Funk

『Groove Grease』(1971年)
Groove Grease

『Black and Blues』(1971年)
Black & Blues

『Soul Sugar』(1971年)
Soul Sugar

『Let's Stay Together』(1972年)
Lets Stay Together

『Fly Dude』(1972年)
Fly Dude

James McGriff & Groove Holmes『Giants of the Organ Come Together』(1973年)
Giants of the Organ Come Together

James McGriff & Groove Holmes『Giants of the Organ in Concert』(1974年)
Giants of the Organ in Concert

『The Main Squeeze』(1974年)
Main Squeeze

『Stump Juice』(1975年)
Stump Juice

James McGriff & Joe Thomas『The Mean Machine』(1976年)
Mean Machine

『Red Beans』(1976年)
Red Beans
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