発表年:1990年
ez的ジャンル:打ち込みエレクトリック・ファンク
気分は... :僕は支持します!
Larry Blackmon率いるCameoが1990年にリリースしたCameo『Real Men ... Wear Black』です。
これまで当ブログで紹介したCameo作品は以下の4枚。
『Cameosis』(1980年)
『She's Strange』(1984年)
『Word Up!』(1986年)
『Machismo』(1988年)
『Real Men ... Wear Black』は、『Word Up!』(1986年)、『Machismo』(1988年)に続くアルバムです。
大ヒットした『Word Up!』から一作ごとにパワーダウンしていく印象を受ける『Machismo』、『Real Men ... Wear Black』ですが、個人的にはリアルタイムで『Word Up!』以上によく聴いたのがこれら2作です。
本作『Real Men ... Wear Black』はジャケに写るLarry Blackmon、Tomi Jenkins、Nathan Leftenantの3名の様子も、『Word Up!』、『Machismo』に比べてややインパクトに欠けますよね。
参加メンバーも元メンバーCharlie Singleton(g)は参加していますが、帝王Miles Davisをはじめ、名うてのミュージシャンがゲスト参加していた前作『Machismo』のような目立ったゲストはありません。
さて、中身の方ですが1990年リリースの作品らしく、NJS、Hip-Hop、ヒップ・ハウス等を取り入れた打ち込みサウンド中心のエレクトリック・ファンク作品になっています。こういう作品って今聴くと、時代を感じて音的に厳しい!というものも少なくなりませんが、本作はそれほどその部分は気になりません。案外、CameoらしいファンクとNJS、Hip-Hop、ヒップ・ハウスのエッセンスが違和感なく融合しています。
個人的にはシングル・カットされた「I Want It Now」よりも、「Am I Bad Enough」、「Time, Fire & Space」、「Get Paid」あたりをよく聴いて記憶があります。意外にメロディアスなパートにグッとくるキャッチーな楽曲が多いと思います。
所詮はB級扱いのアルバムですが、Cameoらしさと90年前後のR&B/Hip-Hopのエッセンスが上手くバランスした侮れない1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Close Quarters」
オープニングは90年代らしい打ち込みファンク。確かに時代を感じるサウンドですが、リアルタイムで聴いていたせいかそれほど違和感なく聴けます。ラップ・パートやスクラッチ音もありますが、適度にメロディアスな部分もありCameoらしいエレクトリック・ファンクを楽しめます。2ndシングルにもなりました。
「I Want It Now」
アルバムからの1stシングル。全米R&Bチャート第5位のヒットとなっています。NJSやHip-Hopテイストを取り入れたダンサブルなファンク・チューン。Cameoらしいファンクネスもあるのでそれ程違和感はありません。
http://www.youtube.com/watch?v=f4N4F6oh7z0
「Me」
スクラッチもキマった重量感のあるHip-Hopテストなファンク・チューン。ラップと歌の中間のようなLarry Blackmonのヴォーカルがマッチします。
http://www.youtube.com/watch?v=Dz0ZnbIMw1U
「Attitude」
Cameoらしい重量ファンク・チューン。ここでも中間にラップ・パートがありますが、Cameoワールドを楽しめる仕上がりだと思います。
「Get Paid」
90年前後ならではのヒップ・ハウス・テイストのファンク・チューン。当時「I Want It Now」よりもラップ多めのコッチをよく聴いた記憶があります。ホーン隊が盛り上げてくれます。
「Am I Bad Enough」
個人的には「Time, Fire & Space」と並ぶ本作のハイライト。ハネハネ系ながらもなかなかメロディアスなダンス・チューンです。今聴いてもかなり好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=mSx94tbl59g
「Time, Fire & Space」
極上のメロウ・バラード。昔も今も本作でまず最初に思い浮かぶのが本曲。メロウ・サウンドとソフトなハイトーン・ヴォーカルにグッときます。グループ屈指の名バラードだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=Leanud-ycJA
「Nan-Yea」
この曲もヒップ・ハウス調。90年前後ってHip-Hopとハウスがとても近い存在であったと改めて思います。
「Just A Broken Heart」
ラストはメロウ・バラード。 「Time, Fire & Space」には及びませんが、甘く切ないメロウ・バラードもなかなかです。
Cameoの過去記事もご参照下さい。
『Cameosis』(1980年)
『She's Strange』(1984年)
『Word Up!』(1986年)
『Machismo』(1988年)