発表年:2002年
ez的ジャンル:ブラジル新世代サウンド
気分は... :なんとも熱い!
今回はDomenico Lancellotti、Kassin Kamal、Moreno Velosoというブラジル新世代ミュージシャン3名によるユニット作品の第2弾Domenico + 2『Sincerely Hot』(2002年)です。
当ブログのエントリーでも才能ある新世代ミュージシャンとして度々紹介してきたMoreno、Kassin、Domenicoですが、この3名が一堂に会したユニットはブラジル音楽の新しい流れを実感できます。ブラジル音楽ファンはご存知の通り、MorenoはCaetano Velosoの息子です。
これまでMoreno + 2名義の『Maquina de Escrever Musica』(2000年)、Domenico + 2名義の『Sincerely Hot』(2002年)、Kassin + 2名義の『Futurismo』(2006年)、+2 Moreno Domenico Kassin名義の『Ima』(2009年)といったアルバムをリリースしています。
本作ではDomenicoが主役となり、本職のドラムに加え、ヴォーカルも披露してくれます。プロデュースはKassinが務めています。
レコーディングにはDomenico、Moreno、Kassinの3人に加え、Pedro Sa(g)、Davi Moraes(g)、Berna Ceppas(syn)、Guga Stroeter(vib)、Arto Lindsay(g)、Quarteto Em Cy(vo)、Smoke CityのメンバーでもあったNina Miranda(vo)等が参加しています。
エクスペリメンタルなエッセンスを散りばめたブラジル音楽は、まさに新世代サウンドといった感じですね。特にDomenicoメインの本作では彼の叩き出すリズムを楽しめる演奏がいいですね。一方で、ラウンジ風、ボッサ風のメロディアスな演奏もなかなか魅力的です。
ブラジル音楽ファンのみならず、エクスペリメンタル/ポストロック的なサウンドが好きな方が聴いても楽しめるのでは?
ジャケは画家でもあるDomenico本人が描いたものです。
全曲紹介しときやす。
「Alegria Vai La」
Domenicoのアルバムらしくリズムを前面を押し出したエクスペリメンタルなオープニング。
http://www.youtube.com/watch?v=Zw9MbFauQ_Q
「Aeroporto 77」
Nina Mirandaのヴォーカルをフィーチャーしたエレクトロニカ・ラウンジ。ブラジル版The Sea and Cakeといった趣もあります。
http://www.youtube.com/watch?v=fCYli0Wmw1c
「Possibilidade」
Domenicoの叩き出すリズムの疾走感が心地好い1曲。後半にはパーカッションも加わり、さらに盛り上がります。Pedro Saのギターもいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=aZA99jU2gLI
「Te Convidei Pro Samba」
Quarteto Em Cyがコーラスで参加しています。新世代らしいミクスチャー感覚のサンバ・ソウル・チューン。Quarteto Em Cyのコーラスが実に効果的です。
http://www.youtube.com/watch?v=IeDGGtpiFPQ
「Comigo」
哀愁メロディとエクスペリメンタルな感覚で独特の音世界を演出してくれます。Domenicoの叩き出すリズムもグッド!女性ヴォーカルはKassinの奥方Hiromi Konishi(古西ひろ美)さん。
http://www.youtube.com/watch?v=wiz_oyHcs6I
「Solar」
美しいメロディのボッサ・チューン。Guga Stroeterのヴァイヴがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=CZYjpR_q9z4
「Sincerely Hot」
タイトル曲はこのユニットらしいエレクトロニカ&エクスペリメンタルなフューチャー・サンバに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=CA-8-mG1gzg
「Felizes Ficaremos Na Estrada」
印象的なPedro Saのギター・ソロやファルセット・ヴォーカルにエロさが漂う哀愁チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=lvWvSg4VtGI
「Voce E Eu」
Arto Lindsay参加曲。このユニットとArto Lindsayの共演って納得感がありますね。なかなかハードコアなミクスチャー・サウンドを聴くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=yWjWTM8dlGk
「Telepata」
メロディアスな中にも声のサンプリングを挿入するなど彼ららしいアプローチが垣間見られます。
http://www.youtube.com/watch?v=my0dqiyGMFA
「Tarde De Chegada」
Nina Mirandaのヴォーカルをフィーチャーした爽快なサンバ・チューン。本作の中にあってはオーソドックスな雰囲気ですが実に心地好いです。
http://www.youtube.com/watch?v=nx-BUodhvUo
「Tema Da Zorra」
本作唯一のカヴァー。Waltel Brancoのブラジリアン・レアグルーヴ「Tema Da Zorra」をカヴァーしたインスト・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=-ZGDvU4ZZMM
「Despedida」
ラストは新世代のサウダージ感が漂わせながら締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=0os_rGrgYAo
僕が保有しているのは国内盤ですが、こちらには「Araras Sessions」のタイトルで4曲のボーナス・トラックが追加収録されています。
Moreno + 2、Kassin + 2のアルバムもチェックを!
Moreno + 2『Maquina de Escrever Musica』(2000年)
Kassin + 2『Futurismo』(2006年)