発表年:1976年
ez的ジャンル:黒人女性ボサノヴァ・シンガー
気分は... :貫録の歌いっぷりがお見事!
今回は黒人女性ボサノヴァ・シンガーAlaide CostaがMilton Nascimentoプロデュースの下に制作した『Coracao』(1976年)です。
Alaide Costaは1938年リオ・デ・ジャネイロ生まれの黒人女性ボサノヴァ・シンガー。1950年代後半から1960年代にかけて多くのレコーディングを残しています。
そんなAlaide CostaがMilton Nascimentoをはじめ、ミナス系ミュージシャンを迎えて制作したアルバムが『Coracao』(1976年)です。
Milton Nascimento/Mariozinho Rochaがプロデュースを務め、Joao Donatoがアレンジを担当しています。
レコーディングには、Joao Donato(p)、Novelli(b)、Robertinho Silva(ds)、Nelson Angelo(g)、Toninho Horta(g)、Ivan Lins(p)、Fernando Leporace(back vo)等が参加しています。
あまりボサノヴァを聴かない人の中には、いまいち腹から底から声を出していないボサノヴァのヴォーカル・スタイルに物足りなさを感じる人がいるかもしれません。その点、Alaide Costの堂々とした歌いぶりは前述のような不満を持つ方も満足させてくれると思います。
本作『Coracao』(1976年)でも壮大なオーケストレーションや、軽快なリズムをバックに堂々とした歌を披露してくれます。特にミナス系のミステリアスな雰囲気とAlaide Costの艶やかなヴォーカルの組み合わせが魅力のアルバムだと思います。
黒人女性ボサノヴァ・シンガーの貫録のヴォーカルをお楽しみ下さい。
全曲紹介しときやす。
「Pai Grande」
Milton Nascimento作。オープニングはMiltonの名曲カヴァー。オリジナルは
『Milton』(1970年)に収録されています。Alaide Costaの堂々とした歌いぶりと雄大なサウンドがMiltonワールドを見事に表現しています。
「O Samba Que Eu Lhe Fiz」
Sueli Costa作。エレガントなアレンジが印象的なボッサ・チューン。憂いを帯びながらも貫録のヴォーカルを聴かせてくれます。
「Coracao」
Nelson Angelo/Ronaldo Bastos作。壮大なオーケストレーションをバックにムーディーな雰囲気が漂います。
「Catavento」
オススメその1。Milton Nascimento作。オリジナルはMiltonの1stアルバム『Travessia』(1967年)に収録されています。当ブログではChristiane Legrandのカヴァーも紹介済みです。本ヴァージョンはAlaideのスキャットと躍動するメロウ・ブラジリアン・サウンドが実に心地好いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=9vhTXnBuC4Q
「Quem Sou Eu?」
Johnny Alf作。ジャズ・スタンダード風の壮大なアレンジが印象的です。イントロのジャジー・ギターがなかなか素敵です。
「Sonho e Fantasia」
オススメその2。Joao Donato/Lysias Enio作。絶品アレンジをバックにAlaideがうっとりする魅惑のヴォーカルを聴かせてくれます。
「Corpos」
オススメその3。Ivan Lins/Vitor Martins作。Ivan Linsのオリジナルは『Chama Acesa』(1975年)に収録されています。Ivan Lins本人のピアノをバックに、Alaideの堂々としたヴォーカルを満喫できます。
「Pe Sem Cabeca」
オススメその4。Ana Terra/Danilo Caymmi作。当ブログではElis Reginaのヴァージョンも紹介済みです。軽快なジャズ・サンバにのって、Alaideが軽やかな中にも艶やかさを感じるヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=aipifNsIngM
「Tomara」
Novelli/Paulo Cesar Pinheiro/Mauricio Tapajos作。ピアノのみのバックで、情感たっぷりの歌を披露してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=n6jX85z2Ss0
「Viver de Amor」
オススメその5。Toninho Horta/Ronaldo Bastos作。Toninho Horta自身のヴァージョンは『Terra Dos Passaros』(1979年)に収録されています。ミナスらしいミステリアス感とAlaideの艶ややかなヴォーカルの組み合わせがグッド!
「Tempo Calado」
Alaide Costa/Paulo Alberto Ventura作。オーケストレーションをバックに落ち着いた大人のヴォーカルを聴かせてくれます。
「O Que Se Sabe de Cor (Wanting More) 」
Fernando Leporace作。イントロはオリエンタルな雰囲気も漂いますが、全体としては壮大なオーケストレーションをバックにしたビューティフルな演奏に仕上がっています。
ご興味がある方はAlaide Costaの他作品もどうぞ!
『Canta Suavemente』(1960年)
『Afinal...』(1963年)
『Alaide Costa』(1965年)