発表年:1984年
ez的ジャンル:セネガル産ワールド・ミュージック
気分は... :プリミティブな魅力!
今回はセネガル出身の世界的ミュージシャンYoussou N'Dourが1988年にリリースした『Immigres』です。
Youssou N'Dourの紹介は、『The Lion』(1989年)、『Set』(1990年)に続き3回目となります。
元々は1984年にレコーディングし、同年フランスでリリースされた作品ですが、1988年にVirgin RecordsのEarthworksレーベルから再リリースされました。
Virginと契約したYoussouの本格的な世界進出アルバム第1弾は『The Lion』(1989年)ですが、その前の簡単な自己紹介的な意味合いで再リリースされた作品といった位置づけかもしれませんね。
僕がYoussou N'Dourというアーティストの名を知ったのも本作や『Nelson Mandela』(1986年)あたりだったと思います。ただし、実際にアルバムを購入したのは『The Lion』が最初でしたが・・・
当時はワールド・ミュージック・ブームの真っ只中であり、その中で最も注目されたアーティストの一人がYoussou N'Dourでした。
そんな影響で『The Lion』(1989年)から『Set』(1990年)、『Eyes Open』(1992年)あたりまでは熱心にアルバムを聴き込んだ記憶があります。『The Guide (Wommat)』(1994年)以降も作品は購入していましたが、だんだんお付き合いで購入といった感じになってしまいました。
僕にとってのYoussou N'Dourは『The Lion』(1989年)、『Set』(1990年)という2枚のアルバムの印象が強いです。どちらのアルバムも僕のお気に入りであることに間違いありませんが、良くも悪くも世界進出仕様のひと手間(プロダクション)が加わっているのも事実です。
その意味で本作『Immigres』はYoussou N'Dour本来の音をダイレクトに楽しめる作品だと思います。Fela Kuti、King Sunny Adeといったアフリカ音楽を世界に知らしめた先人達のようなインパクトには欠けますが、当時のセネガルのリアルなダンス・ミュージックを満喫できます。
全4曲35分にも満たない長さですが、Youssouのプリミティブな魅力を堪能しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Immigres/Bitim Rew」
Youssou N'Dour作。Youssouらしいアフリカン・グルーヴを堪能できるタイトル曲。アフリカン・パーカッションが紡ぎ出すリズムとYoussouのハイ・トーン・ヴォーカルが生み出す開放的グルーヴが実に心地好いです。終盤の盛り上がりもいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=EwtezlZbdss
「Pitche Mi」
ベースで参加しているKabou Gueyeの作品。哀愁メロディ&ギターが印象的な叙情チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=rHbQK55B4es
「Taaw」
Youssou N'Dour作。僕の一番のお気に入り。ギター&アフリカン・パーカッションが織り成すアフリカン・グルーヴには生命感に溢れています。少し前に紹介したカナダの現行アフロ・ファンク・バンドThe Souljazz Orchestraが好きな人は気に入るグルーヴだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=cUl2yiKx3oI
「Badou」
Youssou N'Dour作。ゆったりとしたリズムをバックにYoussouらしい味わい深いヴォーカルを聴かせてくれます。聴き込むほどに芳醇な味わいが増してきます。
http://www.youtube.com/watch?v=EhWIYHxPjHQ
Youssou N'Dourの過去記事もご参照下さい。
『The Lion』(1989年)
『Set』(1990年)