2012年11月30日

Elizabeth Shepherd Trio『Start To Move』

伝統的ジャズへリスペクトしつつ、最新ジャズの姿を示してくれた1stアルバム☆Elizabeth Shepherd Trio『Start To Move』
スタート・トゥ・ムーヴ
発表年:2007年
ez的ジャンル:新世代系女性ヴォーカリスト/ピアニスト
気分は... :この自由な感性が大好き!

今日は昨晩から徹夜状態で仕事をしていたので投稿が日付が変わる直前になってしまいました。

今回はカナダ出身の女性ジャズ・ヴォーカリスト/ピアニストElizabeth Shepherdの1stアルバム『Start To Move』(2007年)です。

新世代の女流ジャズ・ヴォーカリスト/ピアニストElizabeth Shepherdの紹介は、3rdアルバム『Heavy Falls the Night』(2010年)、2ndアルバム『Parkdale』(2008年)に続き3回目となります。

今年になって4thアルバム『Rewind』がリリースされました。個人的にはクラブジャズ/ダンス・ミュージック的なアプローチに優れたセンスを発揮した3rd『Heavy Falls the Night』が相当ツボだったので、今回の『Rewind』は少し大人しい印象を受けました。もう少し弾けて欲しかったですね。

やはり、僕の好きなElizabeth Shepherd『Heavy Falls the Night』に収録された以下の3曲のような音です。

「The Taking」(From 『Heavy Falls the Night』
http://www.youtube.com/watch?v=4qkfaTOhxZQ
「Seven Bucks」(From 『Heavy Falls the Night』
http://www.youtube.com/watch?v=lbKxawcRSnM
「High」(From 『Heavy Falls the Night』
http://www.youtube.com/watch?v=3c5Fblzae6E

今回は未紹介であった1stアルバム『Start To Move』です。本作はElizabeth Shepherd(p、vo)、Scott Kemp(b)、Colin Kingsmore(ds)によるElizabeth Shepherd Trio名義でのアルバムです。

Elizabeth Shepherd Trioのメンバー以外にOral B(human beatbox)、Dan Blondin(flh、tp)Christine Bougie(g)がゲスト参加しています。

伝統的ジャズをベースにしつつ、新しい感性でその枠を軽々と飛び越え、ピアノ・トリオとは思えないダイナミックで躍動感のある音を聴かせてくれます。

本当に素晴らしい感性を持ったアーティストだと思います。。

やっぱり好きだわこの人。

全曲を紹介しときやす。

「Start To Move」
Elizabeth Shepherd作。アコースティックなピアノ・トリオでジャズ・ファンクしているような雰囲気のオープニングです。このあたりの感覚が彼女のセンスの良さだと思います。Dan Blondinがゲスト参加しています。

「George's Dilemma」
Oral Bがヒューマン・ビートボックスで参加。Clifford Brownの名曲にElizabethが歌詞をつけた多重録音によるヴォーカリーズ・スタイルのカヴァーです。

「Roots」
Elizabeth Shepherd作。スウィンギーなワルツ・チューン。小粋なElizabethのピアノを満喫できます。

「Four」
Jon Hendricks/Miles Davis作。当ブログではAlive!のヴァージョンも紹介済みです。ここでは高速ハードバップにElizabethのヴォーカルが絡みます。Alive!ヴァージョンを高速にした雰囲気ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=eZYpNi9nTW4

「Circles」
Elizabeth Shepherd作。Elizabethの躍動するピアノ・タッチが印象的です。このトリオがしっかり伝統的ジャズに根ざしていることを確認できます。

「Reversed」
Elizabeth Shepherd作。個人的には一番のお気に入り。ファンキーなジャズ・ファンク調の仕上がり。この音がアコースティックなピアノ・トリオで出せてしまうところが驚きです。
http://www.youtube.com/watch?v=TpkiF4Hftxc

「Melon」
Elizabeth Shepherd作。 Herbie Hancockへ捧げられたブラジリアン・フレイヴァーな仕上り。Gilles Petersonもプレイした要チェック曲です。Dan Blondinがゲスト参加。

「Ton Visage」
Jean-Pierre Ferland/Paul De Margerie作。フランス語ヴォーカルを疲労してくれる哀愁バラード。Christine Bougieがギターで参加。

「Along The Way」
Elizabeth Shepherd作。ピアノ・トリオとしてオーセンティックなジャズを聴かせてくれます。

「Just Getting By」
Elizabeth Shepherd作。伝統的ジャズとクラブジャズがクロスオーヴァーしている感じがいいですね。

「Price Is Right」
Susan Otto作。ラストはブラジリアン・フレイヴァーの小曲で小粋なエンディングを迎えます。

他のElizabeth Shepherd作品もチェックを!

『Parkdale』(2008年)
パークデイル

『Heavy Falls the Night』(2010年)
ヘヴィー・フォールズ・ザ・ナイト

『Besides』(2007年) ※未発表B面曲+リミックス集
Besides

『Rewind』(2012年)
リワインド
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2012年11月29日

『今の気分は...2012年11月29日編』

今日は時間がないので・・・過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

70〜80年代女性ディスコ/メロウ・ダンサー系の曲が聴きたい気分だったので、そんな10曲をセレクトしました

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Cheryl Lynn「It's Gonna Be Right」
http://www.youtube.com/watch?v=0kHy4gJbNnA
ゴナ・ビー・ライト(紙ジャケット仕様)
From 『It's Gonna Be Right』(1985年)

The Jones Girl「2 Win U Back」
http://www.youtube.com/watch?v=objGFfbiNnc
ON TARGET
From 『On Target』(1983年)

Jean Carn「Free Love」
http://www.youtube.com/watch?v=6V3wVWh8d5U
ジーン・カーン(紙ジャケット仕様)
From 『Jean Carn』(1977年)

High Fashion「Feelin' Lucky Lately」
http://www.youtube.com/watch?v=Q5phAZXoEh0
Feelin Lucky
From 『Feelin' Lucky』(1982年)

Gloria Gaynor「Casanova Brown」
http://www.youtube.com/watch?v=Mx45wz1Pt9E
エクスペリエンス・グロリア・ゲイナー
From 『Experience Gloria Gaynor』(1975年)

Emotions「Flowers」
http://www.youtube.com/watch?v=uQW26zy41-0
Flowers
From 『Flowers』(1976年)

Eighties Ladies「Turned on to You」
http://www.youtube.com/watch?v=5FX9lmOJuVA
Ladies of the Eighties: Soul Jazz Records Presents
From 『Ladies of the '80s』(1980年)

Sylvia Striplin「You Can't Turn Me Away」
http://www.youtube.com/watch?v=Om4cMbFTDvk
Sylvia Striplin.jpg
From 『Give Me Your Love』(1981年)

Linda Williams「Elevate Our Minds」
http://www.youtube.com/watch?v=YO1vv8d6xyM
シティ・リヴィング
From 『City Living』(1979年)

A Taste Of Honey「I Love You」
http://www.youtube.com/watch?v=xLJ2u-lFrv0
Another Taste
From 『Another Taste』(1979年)
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2012年11月28日

Sergio Mendes『Sergio Mendes' Favorite Things』

Brasil '66とは異なるセルメンの魅力を満喫できる1枚☆Sergio Mendes『Sergio Mendes' Favorite Things』
Favorite Things
発表年:1968年
ez的ジャンル:ラウンジ系ブラジリアン・ミュージック
気分は... :Brasil '66とは別のセルメンを!

今回はSergio Mendesが1968年にリリースしたソロ作品『Sergio Mendes' Favorite Things』です。

これまで紹介してきたSergio Mendes作品は以下の7枚。

 『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil '66』(1966年)
 『Equinox』(1967年)
 『Look Around』(1968年)
 『Fool On The Hill』(1968年)
 『Crystal Illusions』(1969年)
 『Vintage 74』(1974年)
 『Sergio Mendes & the New Brasil '77』(1977年)

華やかなBrasil '66のアルバムと比較すると、インスト・アルバムである本作は地味な印象かもしれません。

それでもブラジル人/アメリカ人ミュージシャンを迎え、ラウンジ・モードの小粋なブラジリアン・ミュージックを聴かせてくれます。

レコーディング・メンバーはSergio Mendes(p、harpsichord、el-p)をはじめ、Tom Scott(fl、ss、piccolo)、John Pisano(g)、Dave Grusin(org)、Joe Mondragon(b)、Larry Nechtel(b)、Dom Um Romao(ds)、Joao Donato(per)、Moacir Santos(per)等の編成です。Dave Grusinがオーケストレーションを担当しています。

Brasil '66とは異なるセルメンの魅力を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「My Favorite Things」
Richard Rodgers/Oscar Hammerstein作。ミュージカル『The Sound of Music』のために書かれた名曲。当ブログでは本曲カヴァーの決定版John Coltraneのカヴァーを紹介済みです。本ヴァージョンはセルメンの小粋なピアノを満喫できるエレガントなカヴァー。
http://www.youtube.com/watch?v=LoaPXkjBj04

「Tempo Feliz (Happy Times)」
Baden Powell/Vinicius de Moraes作。エレピの音色が心地好いスウィンギン・ジャズ・サンバ。個人的には一番のお気に入り曲。

「Ponteio」
Edu Lobo/Capinan作の名曲をカヴァー。当ブログではThe G/9 GroupBatidaのカヴァーを紹介済みです。ミステリアスに疾走するこの曲の魅力をセルメン風のセンスで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=1E1n6dlfdaY

Busta Rhymes「Woo Hah (Jay Dee Remix)」のサンプリング・ソースにもなっています。
Busta Rhymes「Woo Hah (Jay Dee Remix)」
 http://www.youtube.com/watch?v=p-CKcd_1b3s

「Veleiro (The Sailboat) 」
Torquato Neto/Edu Lobo作。当ブログでは作者Edu LoboのヴァージョンやBossa Rioのカヴァーを紹介済みです。ここでは実にムーディーかつエレガントな演奏を聴かせてくれます。

「A Banda (Parade)」
Chico Buarqueの名曲カヴァー。当ブログではQuarteto Em CyAstrud Gilbertoのヴァージョンも紹介済みです。マーチ調の楽しいサウンドが印象的です。

「I Say A Little Prayer」
Hal David/Burt Bacharach作。
Dionne WarwickAretha Franklinらのヒットでお馴染みの名曲。当ブログではCal TjaderReuben WilsonChristopher Scottのカヴァーを紹介済みです。少し哀愁漂うイージー・リスニング調の仕上りです。
http://www.youtube.com/watch?v=qoA4mA8KwFY

「Comin' Home Baby」
Ben Tucker/Bob Dorough作。当ブログではThe Peddlersのカヴァーを紹介済みです。格好良さではアルバム随一。モッドな雰囲気も漂うラテン・ジャズに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=qrFG4N3S9U4

「Boa Palavra (The Good Word) 」
Caetano Veloso作。当ブログではBossa Rioのカヴァーを紹介済みです。エレガントなセンスが光るラウンジ調の仕上がりです。

「O Mar E Meu Chao」
Dori Caymmi/Nelson Moita作。この演奏も僕のお気に入り。John Pisanoのギターとセルメンのハープシコードの素敵な絡み、美しいオーケストレーション、躍動するリズムと1曲で3度楽しめる感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=6b0oXzw1EDQ

「So What's New」
John Pisano作。ラストは素敵なラウンジ・ジャズ・ボッサで締め括ってくれます。

Sergio Mendes作品の過去記事もご参照下さい。

『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』(1966年)
マシュ・ケ・ナーダ

『Equinox』(1967年)
分岐点~コンスタント・レイン

『Look Around』(1968年)
Look Around

『Fool On The Hill』(1968年)
フール・オン・ザ・ヒル

『Crystal Illusions』(1969年)
Crystal Illusions

『Vintage 74』(1974年)
Vintage '74

『Sergio Mendes & the New Brasil '77』(1977年)
Sergio Mendes & the New Brasil '77
posted by ez at 04:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月27日

Felix Cavaliere『Felix Cavaliere』

元The Rascals、Felix Cavaliereの初ソロ。Todd Rundgrenが共同プロデュース☆Felix Cavaliere『Felix Cavaliere』
Felix Cavaliere
発表年:1974年
ez的ジャンル:ラテン・フレイヴァー系ブルーアイド・ソウル
気分は... :ありそうでない!

今回はThe RascalsYoung Rascals)の元メンバーFelix Cavaliereの初ソロ・アルバム『Felix Cavaliere』(1974年)です。

黒人音楽から影響を受けた音楽性で人気を博したイタリア系白人のグループThe RascalsYoung Rascals)。しかし、アルバム『The Island of Real 』(1972年)を最後にグループは解散してしまいます。

そして、グループ解散後に中心メンバーであったFelix CavaliereTodd Rundgrenを共同プロデューサーに迎え、Bearsvilleからリリースした初ソロ・アルバムが本作『Felix Cavaliere』(1974年)です。

その後Cavaliereは『Destiny』(1975年)、『Castles in the Air』(1979年)、『Dreams in Motion』(1994年)といったソロ名義のアルバムをはじめ、Vinnie Vincent (Vincent Cusano)らと結成した4人組ロック・グループTreasure唯一のアルバム『Treasure』(1977年)、Steve Cropperとの共演作『Nudge it up a Notch』(2008年)、『Midnight Flyer』(2010年)といったアルバムをリリースしています。

AOR好きの方は『Castles in the Air』(1979年)あたりを推すかもしれませんが、個人的には初ソロである本作が一番好きですね。

Todd Rundgrenプロデュース&参加という要因も大きいですが、それ以上にラテン・フレイヴァーのブルーアイド・ソウルな楽曲に大満足しています。シンセ・サウンドを強調した楽曲も多く、シンセ風味のブルーアイド・ソウルも楽しめます。それ以外にもバラエティに富んだ構成はなかなか興味深いです。

Todd Rundgrenも控えめにらしさを出している程度で、オーヴァー・プロデュースになっていないのがいいですね。

15年以上前に本作を購入した当初はややインパクトに欠ける気もしましたが、その後聴き重ねるほどに味わいが増してきました。

レコーディングにはFelix Cavaliere(vo、key)、Todd Rundgren(g)をはじめ、
Steely Dan作品でお馴染みElliot Randall(g)、OrleansのJohn Hall(g)、Roger Powell(syn)、John Siegler(b)、Kevin Ellman(ds)というUtopia勢3名、Kenneth Bichel(syn)、Orchestra HarlowのPablo Rosario(per)、Whitney Houstonの母Cissy Houston(back vo)等が参加しています。

楽曲は1曲を除きFelix CavaliereCarman Mooreの共作です。

ブルーアイド・ソウル好きの方やTodd Rundgren好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「A High Price To Pay」
オープニングから名曲です。Todd Rundgrenプロデュースって雰囲気が全面に伝わってくるシンセ・サウンドが印象的なブルーアイド・ソウル。勿論、Cavaliereのヴォーカルも絶好調です。
http://www.youtube.com/watch?v=Z3zJAcYuqic

「I Am A Gambler」
僕の一番のお気に入り。ラテンもソウルもロックも・・・クロスオーヴァー感覚のブルーアイド・ラテン・ソウル。

「I've Lost A Solution」
前曲から一転してカントリー調の仕上がり。悪くはないけど今の僕の嗜好とは少し違うかな・・・

「Everlasting Love」
この曲もモロに僕好み。哀愁のラテン・フレイヴァーの効いたブルーアイド・ソウル。ソウルフルな女性バック・コーラスとオルガン・サウンドもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=W3U29ErFDGM

Busta Rhymes feat. Stevie Wonder「Been Through the Storm」でサンプリングされています。
Busta Rhymes feat. Stevie Wonder「Been Through the Storm」
 http://www.youtube.com/watch?v=a3dCRchJA0Q

「Summer In El Barrio」
哀愁のラテン・ソウル。MaloAztecaなんかと一緒に聴いてもいいかも。
http://www.youtube.com/watch?v=AJ44ME-ubxs

「Long Times Gone」
小粋なセンスが光るビューティフル・バラード。本作の中では異色なオーセンティック・バラードですが、なかなかいい感じです。

「Future Train」
シンセ・サウンドを駆使した軽快なブルーアイド・ソウル。Cavaliereのソウルフルな魅力を満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=Oau-cP8BdjA

「Mountain Man」
軽くレゲエ/カリビアン・フレイヴァーの効いた1曲。この曲もシンセ・サウンドが印象的です。

「Funky Friday」
タイトル通りのファンキー・ロック。Toddのロック・ギターが炸裂します。スワンピーな雰囲気もあっていい感じです。

「It's Been A Long Time」
同じラテンでもこの曲はテックス・メックス風。こういう曲はあまりCavaliereにマッチしていない気がします。

「I'm Free」
この曲のみCarman Mooreの単独作。Jimi Hendrixに捧げられたエキサイティングなロック・チューン。スピリチュアル/フリー・ジャズ風の序盤から一気に加速してジミヘン・モードのロックへとなだれ込み、Toddのハードなギターが唸りを上げます。ロック好きの人であれば本曲がハイライトかもしれませんね。

他のFelix Cavaliere作品もチェックを!

『Destiny』(1975年)
Destiny

Treasure『Treasure』(1977年)
Treasure

『Castles in the Air』(1979年)
キャッスル・イン・ジ・エアー (生産限定紙ジャケット仕様)

『Dreams in Motion』(1994年)、
Dreams in Motion

Steve Cropper & Felix Cavaliere『Nudge it up a Notch』(2008年)
Nudge It Up a Notch

Steve Cropper & Felix Cavaliere『Midnight Flyer』(2010年)、
Midnight Flyer
posted by ez at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月25日

Anthony David『Love Out Loud』

温もりのあるヴォーカルは本作でも健在!☆Anthony David『Love Out Loud』
Love Out Loud
発表年:2012年
ez的ジャンル:温もり系男性R&B
気分は... :真っ向勝負!

今回は新作R&Bアルバムより、Anthony Davidの5thアルバム『Love Out Loud』です。

"現代のBill Withers"とも称される温もりのあるヴォーカルが魅力の男性R&BシンガーAnthony Davidの紹介は、『As Above So Below』(2011年)、『The Red Clay Chronicles』(2006年)に続き3回目となります。

本作『Love Out Loud』『3 Chords & the Truth』(2004年)、『The Red Clay Chronicles』(2006年)、『Acey Duecy』(2008年)、『As Above So Below』(2011年)に続く5thアルバムです。ただし、『Acey Duecy』は1stと2ndからの再編したアルバムであり、実質上は4thアルバムと呼んだ方が適切なのかもしれません。

プロデュースはAnthony David本人に加え、前作でもプロデュースを務めたShannon SandersやJeff B.、Llamar "Riff Raff" Brown、Ruel Moncrieffe、Roy "Gramps" Morgan、Martin Kearnsが起用されています。

全体としては生音を重視した温もりソウルを満喫できる1枚に仕上がっています。例外的にShannon Sandersプロデュースの3曲はShannon Sandersが一人で制作したトラックですが、レトロ・ソウルのエッセンスを上手く取り込んだR&Bチューンを創り上げる手腕はなかなかのものです。

有名どころのゲストもなく、楽曲も全てオリジナルという真っ向勝負のアルバムであり、その今ではいささか地味な印象も受けるかもしれませんが、その潔さに好感が持てる1枚い仕上がっています。

全曲紹介しときやす。

「Aspiracy Theory」
淡々とした中にも潔い力強さを感じるオープニング。
http://www.youtube.com/watch?v=tm2vFEWSHX8

「Love Out Loud」
タイトル曲はバック・コーラス陣も交えた荘厳な仕上りになっています。何か70年代ニューソウルを聴いているような気分になります。
http://www.youtube.com/watch?v=uvKiO8CoKRo

「Can't Look Down」
Shannon Sandersプロデュース1曲目。個人的にはアルバムで一番キャッチーな仕上がりだと思います。Anthony Davidの魅力を引き出した大人のR&BチューンにShannon Sandersのセンスを感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=iWL8j4ON-w0

「So Jaded」
Shannon Sandersプロデュース2曲目。アルバムからのリード・シングル。レトロ・ソウル調のエッセンスを上手く取り入れた哀愁R&Bチューンといったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=LYEwzfeJT4I

「Livin' It Up」
Demetria McKinney、Gramps Morganをフィーチャー。本作の中では異色のレゲエ・チューン。哀愁のメロディが印象的なラヴァーズ・ロックです。
http://www.youtube.com/watch?v=fO_t-1GO3kY

「Official」
Algebraをフィーチャー。前作のハイライト「For Evermore」Phonteと共にゲスト参加していた女性シンガーAlgebra Blessettが本作にも参加しています。キュートな歌声でAnthonyと素晴らしいデュエットを聴かせてくれます。派手さはないものの大人の溌剌さがあるのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=qSOWU03PAEQ

「Sweet Pain」
独特の温もりのあるヴォーカルを満喫できる哀愁ソウル・チューン。哀愁のメロディがジワジワきます。
http://www.youtube.com/watch?v=pHHBxPgh6yQ

「Movie Night」
Anthonyの寂しげなヴォーカルが印象的です。Brandon Thomasの哀愁ギターとミステリアスなコーラスでアクセントをつけています。
http://www.youtube.com/watch?v=ADpQWLVbvbQ

「Control Freak」
Shannon Sandersプロデュース3曲目。John Legend好きの人が気に入りそうな雰囲気のアップ・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=3ZdCkAui4iY

「On My Way To Crazy」
淡々とした中にもAnthonyのソウル魂を感じる1曲。スタジオ・ライブのような臨場感のあるサウンドもいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=GrM5shZpQ6I

「A Way For Me」
ラストはロック・テイストのアップ・チューンで締め括ってくれます。ここでもバック・ミュージシャンとの一体感のある演奏を重視しています。
http://www.youtube.com/watch?v=daEEsZAPB50

Anthony Davidの過去作品もチェックを!

『3 Chords & the Truth』(2004年)
3 Chords & The Truth

『The Red Clay Chronicles』(2006年)
レッド・クレイ・クロニクルズ

『Acey Duecy』(2008年)
Acey Duecy

『As Above So Below』(2011年)
Above So Below
posted by ez at 00:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする