2012年11月12日

Terry Callier『I Just Can't Help Myself』

惜しくも逝去したTerry Callierを偲んで・・・☆Terry Callier『I Just Can't Help Myself』
アイ・ジャスト・キャント・ヘルプ・マイセルフ
発表年:1974年
ez的ジャンル:フォーキー・ソウル系黒人SSW
気分は... :R.I.P Terry Callier

今回は10月28日にがんのため惜しくも逝去したTerry Callier『I Just Cant Help Myself』(1974年)です。

当ブログでこれまで紹介したTerry Callier作品は以下の3枚。

 『Occasional Rain』(1972年)
 『What Color Is Love』(1973年)
 『Fire on Ice』(1978年)

90年代後半に復活した後、コンスタントに作品をリリースしていただけに突然の訃報は残念でしたね。

今日紹介する『I Just Cant Help Myself』(1974年)は、『Occasional Rain』(1972年)、『What Color Is Love』(1973年)に続くCadetからの第3作であり、Cadetからの最終作です。

「Alley-Wind Song」「Can't Catch The Trane」「Bowlin' Green」の3曲が1972年の録音、残り5曲が1973年の録音です。

前2作同様Charles Stepneyがプロデュースし、さらにLarry WadeTerry Callierも共同プロデュースしています。

アレンジはCharles StepneyRichard EvansBob Schiffが務めています。Richard EvansはElektra移籍第1弾アルバムとなる次作『Fire on Ice』(1978年)でプロデューサーに起用されています。

レコーディングにはPhil Upchurch(g)等も参加しています。

結局、Cadetからの3作は商業的な成功を収めることはありませんでした。それでもソウル/ジャズ/フォークを見事に融合した独創的なスタイルの作品群は今後も多くのリスナーを魅了し続けることでしょう。

改めて、Terry Callierの冥福を謹んでお祈りします。

全曲紹介しときやす。

「(I Just Can't Help Myself) I Don't Want Nobody Else」
Larry Wade/Terry Callier作。オープニングはMarvin Gaye「What's Going On」ライクなフォーキー・メロウ・グルーヴ。ニューソウルな雰囲気に包まれた愛を感じる仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=fVbMl1mGrmc

「Brown-Eyed-Lady」
Larry Wade/Terry Callier作。感動的なニューソウル・チューン。味わい深いTerry Callierのヴォーカルが胸の奥まで響きます。

「Gotta Get Closer To You」
Larry Wade/Phyllis Braxton/Terry Callier作。フリーソウル人気曲でもある本曲が本作のハイライトかもしれません。パーカッシヴに躍動するメロウ・グルーヴは心地好いこと間違いナシです。
http://www.youtube.com/watch?v=qwrfwwBIM8I

「Satin Doll」
Duke Ellingtonのジャズ・スタンダードをカヴァー。落ち着いた雰囲気の中にも独特の味わいがあります。

「Until Tomorrow」
Terry Callier作。Terry Callierらしいフォーキー・ソウルおよびCharles Stepneyの素晴らしいストリングス・アレンジを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=XpMI-aTUbos

「Alley-Wind Song」
Terry Callier作。John Coltraneへ捧げられた9分強の大作。ジャズも感じるスピリチュアルなフィーキー・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=K2_rKXB6rCE

「Can't Catch The Trane」
Terry Callier作。ジャズとフォーキー・ソウルの素敵な融合。Terry Callierの激シブなスキャットと共にジャズ&フォーキーに疾走します。
http://www.youtube.com/watch?v=ljrHewQlUCA

「Bowlin' Green」
H. Daylie/Terry Callier作。ラストはブルージーな雰囲気のフォーキー・ソウルで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=IFZOum_ttWs

Terry Callierの過去記事もご参照下さい。

『Occasional Rain』(1972年)
Occasional Rain

『What Color Is Love』(1973年)
ホワット・カラー・イズ・ラヴ

『Fire on Ice』(1978年)
Fire on Ice
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2012年11月11日

Seun Kuti & Egypt 80『From Africa With Fury: Rise』

Fela Kutiの遺伝子を受け継ぐ男Seun Kutiの2nd☆Seun Kuti & Egypt 80『From Africa With Fury: Rise』
From Africa With Fury: Rise
発表年:2011年
ez的ジャンル:Fela Kuti直系アフロビート
気分は... :偉大な遺伝子!

今回はアフロビートの創始者Fela Kutiの息子Seun Kutiが父も率いたグループEgypt 80を従えた2ndアルバム『From Africa With Fury: Rise』(2011年)です。

昨年リリースされた作品ですが、購入するタイミングが今年にずれ込み、紹介するタイミングも逸しており、ようやく紹介することができました。過去エントリーでも確認できますが、今年僕の中ではアフリカ音楽の当たり年であり、本作もそれらの新作と共に今年聴き込んだ1枚です。

Seun Kuti(本名:Seun Anikulapo Kuti)は1982年生まれのサックス奏者/ヴォーカリスト。アフロビートの創始者Fela Kutiの一番の下の息子として誕生しました。

Martin Meissonnierのプロデュース、Seun Kuti & Egypt 80名義で2008年に1stアルバム『Many Things』をリリースしました。Martin Meissonnierといえば、父Fela Kutiをはじめ、King Sunny Ade、Ray Lema、Manu Dibango、Papa Wembaといったアフリカ人ミュージシャンを手掛けたことでワールド・ミュージック好きにはお馴染みのフランス人プロデューサーですね。

本作『From Africa With Fury: Rise』(2011年)は『Many Things』に続く2ndアルバムです。本作ではBrian Enoがプロデューサーとして参加しています。Brian Enoとアフリカ音楽といえば、どうしてもTalking Heads『Remain in Light』(1980年)を思い出してしまいますね。

Brian Enoと共にJohn Reynolds、Seun Anikulapo Kuti本人が共同プロデュースしています。

Fela Kutiの遺伝子を受け継ぐミュージシャンといえば一番上の息子Femi Kutiの印象が強いですが、本作『From Africa With Fury: Rise』を聴けば、Fela Kutiが21世紀に甦ったような印象を受けます。

Fela Kuti直系アフロビートを現行アフロビート/アフロ・ファンクへ進化させているのがいいですね。

今年は一年中アフロ・ファンク/アフロビートに魅了されそうです。

全曲紹介しときやす。

「African Soldier」
Rilwan Fagbemi作。軽快なホーン隊と躍動するリズムをバックに、Seun Kutiが父Fela Kutiばりのヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=_bkTdQXMx8o

「You Can Run」
Rilwan Fagbemi/Seun Anikulapo Kuti作。僕の一番のお気に入り曲。父Fela Kutiが創り上げたアフロビートのグルーヴをより洗練された雰囲気で聴かせてくれます。現行アフロビートがお好きな方ならば絶対に気に入るはず!
http://www.youtube.com/watch?v=XveuI-Z_Igk

「Mr. Big Thief」
Seun Anikulapo Kuti作。スピーディなアフロビートの魅力を満喫できる1曲。エキサイティングなホーン・アンサンブルで楽しませてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=vPT9xJhkbGY

「Rise」
Seun Anikulapo Kuti作。この曲は父Fela Kutiにはないスマートなセンスで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=hADxHPEekqg

「Slave Masters」
Seun Anikulapo Kuti作。現行アフロ・ファンクが好きな人であれば気に入る仕上がりなのでは?ダイナミックなグルーヴに惹き込まれます。

「From Dem Eye」
Seun Anikulapo Kuti作。ここでも父Fela Kutiの遺伝子を受け継ぎつつ、Seun Kutiらしいスマートなセンスで高揚感のある現行アフロビートを満喫できます。

「The Good Leaf」
Seun Anikulapo Kuti作。「You Can Run」と並ぶ僕のお気に入り。アフロビートらしいグルーヴと印象的なホーン・アンサンブル、躍動するSeun Kutiのヴォーカルで大いに盛り上げてアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=gblAWhYOhXI

『Many Things』(2008年)
Seun Kuti & Fela's Eygpt 80
posted by ez at 00:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月10日

Batida『Batida』

パーカッシヴなオランダ産ブラジリアン・フュージョン☆Batida『Batida』
バチーダ
発表年:1984年
ez的ジャンル:オランダ産ブラジリアン・フュージョン
気分は... :乱れ打ち!

Batidaはパーカッション奏者Nippy Noya、女性ヴォーカリストJose Koningを中心に結成されたオランダのブラジリアン・フュージョン・グループ。

グループは『Batida』(1984年)、『Terra Do Sul』(1987年)、『Tudo Bem』(1992年)という3枚のアルバムをリリースしています。ヴォーカルのJoseはその後ソロ(Josee Koning名義)でも数多くのアルバムをリリースしています。

今日紹介するデビュー・アルバム『Batida』(1984年)におけるメンバーはJose Koning(vo)、Nippy Noya(per)、Bart Fermie(per、vo)、Theo De Jong(b、key)、Gerhard Jeltes(ds)の5名。

アルバムはスタジオ録音とライブ録音から変則スタイルですが、あまり違和感がありません。逆に臨場感のあるライブ音源がアルバムにメリハリをつけていると思います。

全体としてはBatida(バトゥカーダ)のグループ名に相応しい、パーカッシヴなブラジリアン・フュージョン作品に仕上がっています。また、Jose Koningの躍動するヴォーカルにも惹かれます。Joseは以前にリオに住んでいたことがあり、彼女のヴォーカルにはブラジル音楽への愛情が感じられます。

ハイライトはEdu Loboのカヴァー「Ponteio」Milton Nascimentoのカヴァー「Vera Cruz」、David Nasser作のサンバ名曲「Canta Brasil」あたりかもしれませんが、オリジナルの「Oceans Between Us」あたりの素晴らしさにも惹かれます。

パーカッシヴでメロウなブラジリアン・グルーヴ好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Ponteio」
Edu Lobo/Capinan作の名曲をカヴァー。当ブログではThe G/9 Groupのカヴァーも紹介済みです。本ヴァージョンはパーカッシヴに疾走するこのグループらしいオープニングです。美しいピアノの響きもいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=yuc_wahSqd4

「Pra Quem Quirser」
Fernando Lameirinhas/Theo De Jong作。一気に夏モードに戻ってしまいそうなブラジリアン・メロウ・グループ。メロウ・グルーヴをバックにしたJoseのヴォーカルが栄えます。

「Listen To The Land」
インタールード。

「Oceans Between Us」
Bart Fermie作。オリジナルの中では本曲がハイライトなのでは?作者Bart Fermieのスキャットをフィーチャーしたブラジリアン・メロウ・グルーヴ。80年代フュージョンがお好きな方はグッとくるのでは?メロウなエレピの音色も実に心地好いです。
http://www.youtube.com/watch?v=wYtDstsLWF0

「Minha」
Francis Hime/Ruy Guerra作。Joseのヴォーカルを前面に押し出した哀愁バラード。

「Vera Cruz」
Marcio Borges/Milton Nascimento作。Milton Nascimento作のブラジリアン・クラシックをカヴァー。当ブログではSirius Bのカヴァーも紹介済みです。本ヴァージョンはバトゥカーダのグループ名に相応しい躍動感のあるアッパーなブラジリアン・グルーヴに仕上がっています。

「Beyond Words」
Bart Fermie/V. Van Kampen作。1分半にも満たない曲ですが、美しい音世界に魅了されます。

「Canta Brasil」
David Nasser作。往年のサンバ名曲をカヴァー。当ブログではGal Costaのカヴァーも紹介済みです。このグループにぴったりなカヴァーだと思います。ライブ演奏ですが、演奏もJoseのヴォーカルも絶好調といった雰囲気です。

「Purpurina」
J. Jardim作。エレガントな雰囲気の小粋なメロウ・ジャズ。Joseのヴォーカリストとしての魅力を満喫できます。

「Little Rudy's Theme」
Theo De Jong作。約1分半強のフュージョン・インスト。
http://www.youtube.com/watch?v=jYHPVUnzEFs

「Autumn Remains (Ballad For Isabelle)」
Theo De Jong作。しっとりとしたメロウ・バラード。メロウで小粋なエレピをバックにJoseがしっとりとしたヴォーカルを聴かせてくれまうs。

「Happy Mango Song」
Rik Elings作。ラストはJoseのスキャットが駆け巡る軽快なブラジリアン・グルーヴで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=MUr4_UsELAk

『Terra Do Sul』(1987年)
Terra Do Sul

ご興味がある方はJoseのソロ作もチェックを!

Josee Koning『Tribute to Antonio Carlos Jobim』(1995年)
Tribute to Antonio Carlos Jobim

Josee Koning featuring Ivan Lins & Leonardo Amuedo『Recorded In Rio』(2003年)
Recorded in Rio

Josee Koning zingt Lennaert Nijgh‎『Verdronken Vlinder』(2004年)
Verdronken Vlinder

Josee Koning『Bem Brasileiro』(2007年)
Bem Brasileiro
posted by ez at 12:08| Comment(4) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月08日

Speak Low『I'm Gonna Groove Ya!』

スペイン発!グルーヴィー&モッドなオルガン・ジャズ・ファンク☆Speak Low『I'm Gonna Groove Ya!』
I’M GONNA GROOVE YA!
発表年:2006年
ez的ジャンル:スペイン産オルガン・ジャズ・ファンク
気分は... :グルーヴィー・オルガン好きにはたまらない!

今回はスペインのジャズ・ファンク・バンドSpeak Lowの1stアルバム『I'm Gonna Groove Ya!』(2006年)です。

Speak Lowは2004年にスペイン、マドリードで結成されたジャズ・ファンク・バンド。結成時のメンバーは、Julian Maeso(org、vo)、Antonio Alvarez(ds)、Jose Garcia(g)、Martin García(ts)の4名。

2005年にシングル「Take Your Time/Papa Don't Take No Mess」(後者はJames Brownのカヴァー)でデビューし、世界中のジャズ・ファンク・ファンから注目を浴びました。

そして、翌年にジャズ・ファンク好きにはお馴染みのUKのレーベルAcid Jazzからリリースされた1stアルバムが『I'm Gonna Groove Ya!』です。その後David el Indio(per)がメンバーに加わり、2ndアルバム『Hands Up』(2009年)をリリースしています。『Hands Up』にはMichael Jacksonの大ヒット曲「Thriller」のカヴァーも収録されています。

Speak Low「Thriller」
http://www.youtube.com/watch?v=K1UFE2sFH8o

さて、今日紹介する1stアルバム『I'm Gonna Groove Ya!』はJulianのオルガン&ヴォーカルを中心にグルーヴィー&モッドな彼らの魅力が詰まった格好良い1枚に仕上がっています。ロッキンな雰囲気の楽曲もあるのもいいですね。

上記ジャケは国内盤ですが、輸入盤はジャケが異なりますのでご注意を!

『I'm Gonna Groove Ya!』 ※輸入盤
I'm Gonna Groove Ya

ジャズ・ファンク好き、オルガン・ジャズ好きの方はぜひチェックしてみて下さい。

全曲紹介しときやす。

「In The Fridge/A Quicki」
1分半にも満たない演奏ながらも、グルーヴィー&モッドな彼らの魅力が凝縮されたオープニング。
http://www.youtube.com/watch?v=e0iocINbPlA&feature=fvwrel

「Trouble Maker」
ロック好きの方も気に入るであろうヴォーカル入りの格好良いオルガン・ジャズ・ファンク。

「Funky Falafel」
格好良すぎるブレイクと共にスタートします。一気に駆け抜ける疾走感にグッとくるオルガン・ジャズ・ファンク。
http://www.youtube.com/watch?v=f8N0QAQsrHg

「To My Friend Georgie」
60年代オルガン・ジャズの雰囲気も漂うサウンドとなかなか味のあるJulianのヴォーカルがマッチした小粋な仕上がり。

「Meters Bread (Speaklow)」
タイトル通りThe Meters風のファンク・サウンドを聴かせてくれます。オルガン・ファンクの魅力を満喫できる1曲です。

「Booganova」
女性スキャット入り&ラテン/ボッサ・フレイヴァーな仕上がりは僕好み。60年代テイストを上手く取り入れた心憎い演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=bJnRbTRdvw4

「If You'd Be Mine」
ガッツ溢れるヴォーカルがグッドなモッドな格好とさオルガン・ジャズ・ファンク。ガッツ溢れるJulianのヴォーカルもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=FhTxw44JnZ0

「I'm Gonna Groove Ya」
タイトル曲はメロウ&グルーヴィーな魅力があります。結構フリーソウルがお好きな人が気に入るサウンドだと思います。

「Moon Cresta」
ロッキン&ファンキーな魅力があるインスト・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=LgkfUnDW7IQ

「Aceitunning」
アウトロ的なインスト・チューン。

2nd『Hands Up』(2009年)もチェックを!

『Hands Up』(2009年)
HANDS UP!
posted by ez at 09:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月07日

Mac Band『Love U 2 The Limit』

McCampbel4兄弟によるR&Bグループの2nd☆Mac Band『Love U 2 The Limit』
Love U 2 the Limit
発表年:1990年
ez的ジャンル:兄弟系男性R&B
気分は... :大激戦!

米大統領選挙の開票が始まりました。激戦ですが事前のマスコミ報道通りの結果になりそうですね。今回に限らず米大統領選の開票番組を観ていつも思うのですが、面積が広いわりには選挙人の数が少ない州やその逆パターンも多いので、州ごとの色分けから受ける印象と、実際の選挙人獲得の状況にギャップを感じてしまいます。

今回はMcCampbell4兄弟によるグループMac Bandの2ndアルバム『Love U 2 The Limit』(1990年)です。

Mac BandはRay McCampbell、Derrick McCampbell、Charles McCampbell、Kelvin McCampbellの4兄弟から成る男性R&Bグループ。

L.A. Ried & Babyfaceがプロデュースした1stアルバム『Mac Band Featuring The McCampbell Brothers』(1988年)の時は、バックのバンドも含めてMac Bandということだったようですが、今日紹介する2nd『Love U 2 The Limit』(1990年)や3rd『The Real Deal』(1991年)では4兄弟のみをさすようになったようです。4人のみではBandにはなっていませんが(笑)

どうしてもL.A. Ried & Babyfaceプロデュースに1stに注目が集まりがちですが、この2ndもなかなかの出来栄えです。

Gary Taylor等をプロデューサーに迎えた本作は良くも悪くも90年前後の打ち込みR&Bサウンドですが、ミディアム〜スロウを中心にそれなりに聴かせるアルバムに仕上がっています。若い世代の人が聴くとチープなサウンドなのかもしれませんが、リアルタイムで聴いた世代としてはこの感じにグッときたりします。

90年代B級R&Bの佳作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Someone To Love」
シングルにもなったオープニング。いかにもこの時代らしいダンサブルなミッド・グルーヴ。ダンサブルといったもガチャガチャしすぎていないのがいいのかもしれませんね。Keith Andes/Larry Hatcherプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=CAzqeExNYvc

「I Could Never Say Goodbye」
NJS全盛時代らしいキラキラした哀愁サウンドが印象的です。それでもしっかりしたヴォーカル&コーラスを聴かせてくれます。Vassal Benfordプロデュース。

「The Best Of Love」
甘く妖しく切ない雰囲気のミディアム・スロウ。David "Pic" Conleyプロデュース。

「Love U 2 The Limit」
シングルもなったタイトル曲。妖しいアーバンナイトといった雰囲気にグッときます。Gary Taylorプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=7936uJlvZAY

「You Are My Heart」
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。この頃ってこのタイプの美しいスロウを好んで聴いていた気がします。Gary Taylorプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=7-GZjCB50RM

「All Or Nothing At All」
切ない願いのようなヴォーカルにグッとくるスロウは僕好み。Gary Taylorプロデュース。

「Think About Me」
Gary Taylorプロデュース。この時代ならではの打ち込みサウンドR&Bですが、なぜかそれ程チープに聴こえません。多分、そのあたりが今でも聴けるアルバムの要因なのでしょう。

「I'm No Stranger」
Gary Taylorプロデュース。妖しくメロウなダンサブル感がなかなかグッとくるミッド・グルーヴ。90年代R&B好きの人にはなかなかグッとくる感じなのでは?

「Things Don't Get Much Better Than This」
アップですがあくまでヴォーカル重視な感じが、サウンドを妙に強調しすぎないのが今聴いてもさほど違和感がないのだと思います。Charles McCampbellプロデュース。

「Someone To Love (Remix Club Vocal)」
ラストは「Someone To Love」のリミックス。

1st『Mac Band Featuring The McCampbell Brothers』(1988年)、3rd『The Real Deal』(1991年)もチェックを!

『Mac Band Featuring The McCampbell Brothers』(1988年)
Mac Band

『The Real Deal』(1991年)
Real Deal
posted by ez at 12:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする