2012年11月06日

Os 3 Morais『Os 3 Morais』

"ブラジルのLambert, Hendricks & Ross"と称される兄妹コーラス・グループの代表作☆Os 3 Morais『Os 3 Morais』
Os 3 Morais
発表年:1971年
ez的ジャンル:兄妹ボッサ・コーラス&スキャット
気分は... :パーフェクト・コーラス!

今回は"ブラジルのLambert, Hendricks & Ross"とも称される兄妹コーラス・グループOs 3 Moraisの代表作『Os 3 Morais』(1971年)です。

Sidney MoraisRoberto Moraisという兄二人と妹のJane Moraisから成る兄妹コーラス・グループOs 3 Moraisについて、当ブログではOs Tres Brasileiros名義でアメリカ向けにコンパイルしたアルバム『Brazil:LXIX』(1969年)を紹介済みです。

グループの詳しいディスコグラフィをきちんと把握できていませんが、前述のOs Tres Brasileiros『Brazil:LXIX』以外に本国ブラジルでアルバム『Os 3 Morais』(1967年)をリリースしています。

さて、本作『Os 3 Morais』(1971年)ですが、"ブラジルのLambert, Hendricks & Ross"と称されるに相応しいパーフェクトなコーラスを聴かせてくれます。ジャズやクラシックの影響が強いコーラスとブラジリアン・サウンドが美しく融合した気品溢れるブラジリアン・コーラス作品に仕上がっています。

本作のハイライトと呼べるMarcos Valleのカヴァー「Freio Aerodinamico」、カフェ・アプレミディのコンピでも取り上げられた「Sambachiana」、僕の一番のお気に入りAntonio Carlos & Jocafiのカヴァー「Se Quiser Valer」、ダバダバ・スキャット炸裂の「Tico-Tico No Fuba」など聴き所満載の1枚です。

ブラジル音楽好きのみならず、ジャズ・コーラス好きの方も虜にする1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Se Quiser Valer」
Antonio Carlos/Jocafi作。オープニングはブラジルの男性SSWデュオAntonio Carlos & Jocafiの作品です。パーカッシブで躍動感のあるリズムと高らかに鳴り響くホーン・セクションをバックに、兄妹のキレのあるヴォーカルが冴え渡るブラジリアン・ソフト・ロックな仕上がり。個人的には一番のお気に入り曲です。

「Odeon」
Ernesto Nazareth作。哀愁メロディに美しいスキャットが絡む、紅葉が似合いそうな仕上り。

「Tao Preso Pelo Teu Olhar」
Valgenio Rangel/Antonio da Silva Ramos作。兄妹の美しいハーモニーを満喫できます。映画のサントラ風の仕上がりです。

「Sambachiana」
Ely Arcoverde作。カフェ・アプレミディのコンピでも取り上げられた人気曲。爽快なメロディをバックにクラシカルなコーラスを聴かせてくれます。ソフトロックとバロックの融合といった趣の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=8eSNhkFihvg

「Desafinado」
Newton Mendonca/Antonio Carlos Jobim作。当ブログではNara LeaoRoberto MenescalGary McFarlandTania Mariaのヴァージョンを紹介済みです。Jobimの名曲をパーフェクトなハーモニーで聴かせてくれます。

「Freio Aerodinamico」
Marcos Valle作品のカヴァーとなる本曲もハイライトの1つ。グルーヴィーかつエレガントなサウンドをバックに、兄妹のスキャット・コーラスが駆け巡ります。「空気力学的ブレーキ」という邦題が付けられたMarcosのオリジナルは『Marcos Valle(1970)』に収録されています。当ブログではRosalia De SouzaをフィーチャーしたQuintetto X‎のカヴァーも紹介済みです。
http://www.youtube.com/watch?v=PdEPE84yqKk

「Azul da Cor do Mar」

Tim Maia作。ブラジリアン・ソウルの大物Tim Maiaの作品をビューティフルなコーラス・ワークで聴かせてくれる感動的な仕上がり。当ブログではD'Angelo(男性R&Bアーティストではなくブラジルのグループ)のカヴァーも紹介済みです。

「Tico-Tico No Fuba」
Zequinha de Abreu作。ダバダバ・スキャット好きにはたまらない仕上がり。ジャズ・サンバのリズムにのってダバダバ・スキャットが炸裂します。

「Violao Vadio」
Baden Powell/Paulo Cesar Pinheiro作。ロマンティックなバラードを素晴らしいハーモニーで聴かせてくれます。

「Bachianinha No 2」
Paulinho Nogueira作。ドラマティックなオーケストレーションをバックに、クラシカルなダバダバ・スキャットを満喫できます。

「Historia de Uma Crianca」
Paulinho Nogueira作。Janeのピュアなヴォーカルにグッとくる美しいバラード。

「Jequi-bach」
Ciro Pereira/Mario Albanese作。Os Tres Brasileiros『Brazil:LXIX』にも収録されていた楽曲です。バッハの名を冠しているようにクラシックのエッセンスを取り入れた楽曲です。

Os Tres Brasileiros『Brazil:LXIX』(1969年)
真夏の夜のスキャット
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2012年11月05日

The City『Now That Everything's Been Said』

Carole King、Danny Kortchmar、Charles Larkeyによるユニット唯一のアルバム☆The City『Now That Everything's Been Said』
Blu-spec CD 夢語り
発表年:1968年
ez的ジャンル:Carole King伝説のトリオ
気分は... :自信はないけど・・・

今回はCarole Kingがソロ・デビュー前にDanny Kortchmar(Danny Kootch)Charles Larkeyの3人で組んでいたグループThe City唯一のアルバム『Now That Everything's Been Said(邦題:夢語り)』(1968年)です。

これまで当ブログで紹介したCarole King作品は以下の3枚。

 『Music』(1971年)
 『Fantasy』(1973年)
 『Wrap Around Joy』(1974年)

また、Danny KortchmarCharles LarkeyらがThe City解散後に組んだグループJo Mamaのアルバムも紹介済みです。

 『Jo Mama』(1970年)
 『J Is For Jump』(1971年)

本作『Now That Everything's Been Said』(1968年)は、Carole King好き、70年代SSW好きの人であれば、お馴染みのアルバムですね。また、Carole Kingへの思い入れが少ない若い世代の方でも、カフェ・アプレミディのコンピ等で本作の存在を知った方もいるかもしれませんね。

Carole Kingは、夫Gerry Goffinの結婚生活にピリオド(1968年に正式離婚)を打ちます。しかし、新たな公私のパートナーCharles Larkeyと出会い、彼と共に西海岸へ移り、職業作曲家という裏方からアーティストとして表舞台に立つことを決意します。

ただし、ソロ・アーティストとしてデビューする自信がなかった彼女はバンドでのデビューを選択します。そして、Charles Larkeyから紹介されたDanny Kortchmarと共にThe Cityを結成し、知り合いのLou Adlerにプロデュースを依頼し、制作された作品が本作『Now That Everything's Been Said』です。

レコーディングには、Carole King(vo、key)、Danny Kortchmar(g、vo)、Charles Larkey(b)の3名に加え、Jim Gordon(ds)も加わっています。

バンドといっても基本的には主役であるCarole Kingを盛り立てる作品なので、その意味ではソロ作品と同じような位置づけのアルバムなのかもしれません。それでもバンド・スタイルということもあって、その後のソロ作品とは多少異なる味わいがあると思います。これはバンド、ソロの違いというよりも、60年代後半から70年代へという時代の流れなのかもしれませんが・・・

結果的に本作は商業的成功を収めることはできませんでした。それでも、本作には「Snow Queen」「I Wasn't Born To Follow」「Now That Everything's Been Said」「That Old Sweet Roll (Hi-De-Ho)」等の名曲が詰まっており、Carole Kingのキャリアを語るうえで外せない1枚だと思います。

その後グループは解散し、Carole Kingはソロ・デビューの道へ進み、Danny Kortchmar、とCharles LarkeyJo Mamaを結成することになります。

3人の素敵な夢語りに耳を傾けましょう。

全曲紹介しときやす。

「Snow Queen」
Gerry Goffin/Carole King作。Roger Nichols & The Small Circle Of Friends、The Association、Blood, Sweat & Tearsもカヴァーしている名曲です。ジャズ・ワルツ調の素敵なサウンドとCaroleのピュアなヴォーカルが冬の妖精を呼び込んでくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Xh0wleYYj4w

「I Wasn't Born To Follow」
Gerry Goffin/Carole King作。The Byrdsも『The Notorious Byrd Brothers』(1967年)で取り上げています。The Byrdsヴァージョンは映画『Easy Rider』の中でも使われていました。カラっとしたThe Byrdsヴァージョンと比較して味わい深い仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=b15Tnk30Jhc

「Now That Everything's Been Said」
Toni Stern/Carole King作。タイトル曲はLaura Nyro作品のような雰囲気も漂います。
Brian Wilsonの妻Marilyn Wilson、その妹Diane RovellによるデュオAmerican Springがカヴァー(Brian Wilsonプロデュース)しています。愛の終焉を歌った曲ですが、西海岸らしいバンド・サウンドで爽快に聴かせてくれるのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=XCR5syrzWw4

American Springのヴァージョンもチェックを!
American Spring「Now That Everything's Been Said」
 http://www.youtube.com/watch?v=l3CyTGzlDHA

「Paradise Alley」
David Palmer/Carole King作。作詞のDavid Palmerは初期Steely Dan作品でヴォーカルをとっていたアノDavid Palmerです。ラブ&ピースな雰囲気が好きです。Dannyのギターがいい味出しています。The Monkees、The Righteous Brothers等もカヴァーしています。

「Man Without A Dream」
Gerry Goffin/Carole King作。この曲ではDanny Kortchmarがリード・ヴォーカルをとり、Caroleがコーラスをつけています。黄昏モードで聴きたくなる曲ですね。

「Victim Of Circumstance」
David Palmer/Carole King作。軽快に弾けたポップな仕上がりが印象的です。このポップな雰囲気は本作ならではの味わいなのでは?

「Why Are You Leaving」
Toni Stern/Carole King作。美しいメロディと軽くパーカッシヴなリズム隊の組み合わせがいい感じです。

「Lady」
Gerry Goffin/Carole King作。切ないCaroleのヴォーカルにグッとくる1曲。

「My Sweet Home」
Margaret Allison作。女性ゴスペル・グループThe Angelic Gospel Singersが1960年にリリースしたシングル曲のカヴァー。本作唯一のカヴァーでゴスペル作品をセレクトしたあたりがCarole Kingらしいかもしれませんね。

「I Don't Believe It」
Toni Stern/Carole King作。CaroleとDannyが交互にリード・ヴォーカルをとります。リラックスした雰囲気で♪私は信じていないの♪と歌います(笑)

「That Old Sweet Roll (Hi-De-Ho)」
Gerry Goffin/Carole King作。Blood, Sweat & Tearsが1970年にカヴァーし、全米チャート第14位のヒットを放ったことでも知られる楽曲。ソウルフルなヴォーカル&サウンドが印象的です。Caroleの黒人音楽への愛着を感じる仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=ajzhDR3U4YM

「All My Time」
Gerry Goffin/Carole King作。ラストは来るべきシンガー・ソングライターの時代を予感させるような仕上がりです。

Carole KingJo Mamaの過去記事もご参照下さい。

Carole King『Music』(1971年)
Music

Carole King『Fantasy』(1973年)
ファンタジー(紙ジャケット仕様)

Carole King『Wrap Around Joy』(1974年)
Wrap Around Joy

Jo Mama『Jo Mama』(1970年)
ジョー・ママ(紙ジャケット仕様)

Jo Mama『J Is For Jump』(1971年)
ジャンプ
posted by ez at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月04日

Flying Lotus『Until The Quiet Comes』

サウンドトラックのような雰囲気の4thアルバム☆Flying Lotus『Until The Quiet Comes』
Until the Quiet Comes [解説付 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC350)
発表年:2012年
ez的ジャンル:エクスペリメンタル系LAビート・ミュージック
気分は... :彼は進化し続ける!

今回はエクスペリメンタルな音楽ファンが最も注目するクリエイターの一人であるFlying Lotusの最新作『Until The Quiet Comes』です。

Flying Lotus(本名:Steven Ellison)は1983年カリフォルニア生まれの音楽プロデューサー/ミュージシャン。

彼の叔母はJohn Coltraneの妻であり、ジャズ・ミュージシャンとしても活躍したAlice Coltraneです。

これまで『1983』(2006年)、『Los Angeles』(2008年)、『Cosmogramma』(2010年)という3枚のアルバムをリリースしています。

Hip-Hop、エレクトロニック・ミュージック、スピリチュアル・ジャズを融合させたエクスペリメンタルなLAビート・ミュージックはアルバムをリリースするたびにシーンに大きなインパクトを与えてきました。

特に前作『Cosmogramma』は、低音の効いたエレクトロニック・ミュージックに生音を上手く融合させた独自の音世界を進化させたことに加え、RadioheadThom Yorkeが参加したこともあり、Flying Lotusの名を一気に多くの人に知らしめるアルバムとなりました。

4thアルバムとなる本作は『Until The Quiet Comes』(2012年)はタイトルの通り、ビート・ミュージックに「静」のエッセンスを取り入れたアルバムであり、アンビエント感覚のサウンドも聴くことができます。Flying Lotus本人も語っているようにサウンドトラックのような雰囲気が漂うアルバムに仕上がっています。

ただし、故J Dillaを敬愛する彼の原点はHip-Hopであり、そうしたHip-Hop的アプローチのサウンドも随所で確認できます。

アルバムには前作に続きThom Yorkeが参加し、さらにErykah Baduの名もクレジットされています。また、Niki RandaLaura DarlingtonThundercat(Stephen Bruner)といった前作参加アーティストが引き続きフィーチャーされています。

『Until The Quiet Comes』previews
http://www.youtube.com/watch?v=KRkssedopfQ

知名度が高くなったといっても、エクスペリメンタルな要素があり、短い曲が多いアルバムなので、まだまだリスナーを選ぶ作品かもしれません。それでもアーティストとしてのスケール感を増していくFlying Lotusは、今聴くべき旬なアーティストの一人だと思います。

曲は全てFlying Lotus(Steven Ellison名義)のオリジナルです(ゲストらとの共作含む)。

全曲紹介しときやす。

「All In」
ビューティフル&コズミック&ドリーミー・ジャズ・チューンでアルバムは幕を開けます。このオープニングで一気にFlying Lotusの音世界に惹き込まれます。

「Getting There」
Niki Randaをフィーチャー。夢の途中といった幻想的な雰囲気が広がります。
http://www.youtube.com/watch?v=5tDTqUdMFBE

「Until The Colours Come」
前曲同様に幻想的な雰囲気が漂うアンビエントな小曲。

「Heave(n)」
ジャズ+エレクトロニック・ミュージック+Hip-Hop+アンビエントというまさに本作らしい音が楽しめる天国気分のインスト。

「Tiny Tortures」
「All The Secrets」
エクスペリメンタル色の強い2曲。Flying Lotus自身が本作の制作前にStereolabを聴いていたとライナーノーツに書いてありましたが、そんな影響を感じる仕上がりです。

「Sultan's Request」
地を這う低音ベースとビートが印象的な楽曲。ある意味従来のFlying Lotusに最も近い曲かもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=QhzR7e_cPlM

「Putty Boy Strut」
ゲーム・ミュージック的なエッセンスをFlying Lotusのエッセンスでまとめ上げています。シングルにもなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=SuQGfk9Gmgo

「See Thru To U」
Erykah Baduをフィーチャーした話題曲。シングルにもなりました。Erykahのバックでベーシストとしても活躍するThundercatを介して2人のつながりが出来た模様です。Erykah様の個性とFlying Lotusのセンスが見事に融合した幻想的なフューチャー・ソウルに仕上がっています。やはり、アルバムでこの曲が一番好きですね。
http://www.youtube.com/watch?v=A7lbY-THNHc

「Until The Quiet Comes」
タイトル曲はエクスペリメンタルな雰囲気の中にもジャズ的センスを感じる1曲に仕上がっています。

「DMT Song」
Thundercatをフィーチャー。美しくも切ないメロディ&ヴォーカルが印象的な小曲です。

「The Nightcaller」
その方面では人気のあるビートメーカーSamiyam(Sam Baker)も関与している1曲。インストながらもエレクトロニック感の効いたなかなか印象的な1曲に仕上がっています。

「Only If You Wanna」
アルバムの中で最もジャズを感じる仕上がり。本人はStereolabから影響を受けた曲だと述べているようですが、正直あまりそれは感じませんでした。

「Electric Candyman」
Thom Yorkeをフィーチャー。Flying LotusとThom Yorkeの顔合わせって妙に納得してしまいますね。Flying LotusのThom Yorkeへのリスペクトが感じられる仕上りです。

「Hunger」
Niki Randaをフィーチャー。ワールド・ミュージック的な雰囲気も漂うミステリアスな仕上がり。RadioheadのメンバーJonny Greenwoodが手掛けた映画『ノルウェイの森(Norwegian Wood)』楽曲をサンプリングしています。

「Phantasm」
Laura Darlingtonをフィーチャー。この曲も僕のお気に入り。本作らしいアンビエントなサウンドに幻想的なLaura Darlingtonのヴォーカルが浮遊します。
http://www.youtube.com/watch?v=Q7J_hwksbbw

「Me Yesterday // Corded」
捨て難い魅力がある幻想的な前半からエレクトロニックでフューチャーリスティックな後半へ展開されます。
http://www.youtube.com/watch?v=8DgAhgmpXNA

「Dream To Me」
ラストはストリングスも入った幻想的なサウンドで締め括ってくれます。

国内盤にはボーナス・トラックとして「The Things You Left」が収録されています。

他のFlying Lotus作品もチェックを!

『1983』(2006年)
1983 (Rmx) (Dig)

『Los Angeles』(2008年)
Los Angeles (WARPCD165)

『Cosmogramma』(2010年)
Cosmogramma [ボーナストラック・解説付き国内盤] (BRC254)
posted by ez at 00:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月03日

Courtial With Errol Knowles『Don't You Think It's Time』

フリーソウル/レア・グルーヴ好きには嬉しい世界初CD化☆Courtial With Errol Knowles『Don't You Think It's Time』
ドント・ユー・シンク・イッツ・タイム
発表年:1976年
ez的ジャンル:シスコ産メロウ・グルーヴ/ラテン・グルーヴ
気分は... :祝世界初CD化!

今回はフリーソウル/レア・グルーヴ好きには嬉しい世界初CD化が実現したアルバムCourtial With Errol Knowles『Don't You Think It's Time』(1976年)です。

Courtial With Errol Knowlesはフリーソウル/レア・グルーヴ好きに人気のラテン・ロック・グループAztecaの元メンバーBill CourtialErrol Knowlesを双頭リーダーとして結成されたグループ。本作『Don't You Think It's Time』(1976年)が唯一のアルバムです。

フリーソウル/レア・グルーヴ好きの方にとって、Errol Knowlesは当ブログでも紹介したCoke Escovedo『Comin' At Ya』(1976年)への参加が最も印象的かもしれませんね。フリーソウル・クラシック「I Wouldn't Change A Thing」でソウルフルなヴォーカルを披露し、同じくフリーソウル人気曲「Runaway」ではヴォーカルに加えてソングライティングも手掛けています。

そんなErrol KnowlesとBill Courtialが双頭リーダーを務めた『Don't You Think It's Time』もフリーソウル/レア・グルーヴ好きの期待を裏切らないソウル、ジャズ、ラテンが一体化したメロウ・グルーヴ作品に仕上がっています。

メンバーはBill Courtial(g)、Errol Knowles(vo、congas)、Edward Williams III(b)、Geoffrey Whyte(ds)、David Kempton(key)、Jose Najera(per)の5名。さらにスペシャル・ゲストとしてPete Escovedo(congas)が参加しています。

レア・グルーヴ系の各種コンピで人気の「Time To Explain」「Losing You」をはじめ、シスコ産らしいメロウ・グルーヴを満喫できます。

楽曲は全てメンバーによるオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Don't You Think It's Time 」
ジャズ・ファンク色の強いオープニング。David Kemptonのシンセ・サウンドが印象的でうs。レア・グルーヴ系の音がお好きな人であれば気に入ると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=SkDy1gOVdYY

「Thank You Baby」
哀愁モードのメロディとシャープなリズムが印象的な哀愁メロウ・グルーヴ。黄昏モードで一人さすらいたい気分の時にフィットします。

「Time To Explain」
本作のハイライトとなるメロウ・グルーヴ。西海岸らいし爽快メロウな雰囲気で疾走する感じがたまりません。Errol Knowlesのヴォーカル、メロウなエレピ、軽快なグルーヴ、Courtialのギター・ソロ全てがマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=Iz8EQOrSP64

「Best Of Friends」
ロマンティックな雰囲気のミディアム・スロウ。ロマンティックなハワイアンAORあたりと一緒に聴きたくなるサンセット気分にピッタリな1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=Hh4gejebEqo

「Poem For Helen」
哀愁モードのインスト・チューン。センチメンタルな雰囲気がなかなかいい感じです。

「Losing You」
「Time To Explain」と並ぶ本作のハイライト。リズム隊が最高に格好良いグルーヴを聴かせてくれます。Errol Knowlesのソウルフルなヴォーカルの魅力を存分に満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=GuMqTlvmEsQ

「Love Nevermore」
この曲も人気が高いのでは?ブリージン気分にはジャスト・フィットするメロウなボッサ・チューンです。ボッサAORって雰囲気がいいですね。Courtialのギター・ソロも冴えています。
http://www.youtube.com/watch?v=aeYL7j8yvSc

「Take The Time」
グルーヴィー・サウンドがお好きな人であればこの曲もオススメ。ソウル、ジャズ、ラテンがクロスオーヴァーしたこのユニットらしいグルーヴィー・サウンドを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=llCJNgF3I8c

「Corn Of The Cob」
フュージョン・テイストのインスト・チューン。Courtialのギター・プレイを楽しむにはいい曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=jntozhwgexg

「Time」
「Don't You Think It's Time 」のリプライズ。

関連作品として、AztecaのアルバムやCoke Escovedo『Comin' At Ya』もチェックを!

Azteca『Azteca』(1972年)
アステカ

Azteca『Pyramid Of The Moon』(1973年)
月のピラミッド(紙ジャケット仕様)

Coke Escovedo『Comin' At Ya』(1976年)
Comin at Ya
posted by ez at 12:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月02日

Part Time Heroes『Meanwhile...』

Gilles Petersonも大絶賛したサウザンプトンの2人組☆Part Time Heroes『Meanwhile...』
Meanwhile...(ミーンワイル...)
発表年:2008年
ez的ジャンル:UKクロスオーヴァー/Nu Jazz/Nu Soul
気分は... :サウザンプトンといえば...

殆ど徹夜状態でフラフラ、朝から栄養ドリンク状態です・・・

今回はGilles Petersonが“次世代のジャズだ”と大絶賛したアルバムPart Time Heroes『Meanwhile...』(2008年)です。

Part Time Heroesはイングランド南部サウザンプトンで結成されたプロダクション・デュオ。メンバーはRoss WakefieldToby Vane。ユニット名は2人がかつてサンドイッチ配達人とショップ店員のアルバイトをする傍らで音楽活動をしていたことに因んだものです。

シングル「Realise」や今日紹介するデビュー・アルバム『Meanwhile...』が前述のようにGilles Petersonから絶賛され、注目を集めました。

サッカー日本代表DF吉田選手の所属チーム、サウザンプトンの試合日程をチェックしていて、急にサウザンプトン出身のこのユニットを取り上げようと思い立ちました(笑)

内容的にはクロスオーヴァーなNu Jazz/Nu Soul作品に仕上がっており、UKクラブミュージック好きの人であれば間違いなく気に入る内容だと思います。しかも殆どの曲がヴォーカル入りなので非常にキャッチーでし。ヴォーカリストも多彩でアルバム1枚を通してダレずに聴くことができます。

クラブミュージック好き以外の人が聴いても楽しめる間口の広さもあると思います。

全曲紹介しときやす。

「Intro (Skit)」
アルバムのイントロ。

「Ready For Change」
Pete Simpsonをフィーチャー。UKジャズ・ファンク調の仕上り。メロウに突き抜けて行く疾走感がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=xlgTEFFgJII

「Shadowlands」
Liane Carrollをフィーチャー。クロスオーヴァー好きにはグッとくるダンサブルな仕上り。少し切ないヴォーカルとメロウな鍵盤が印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=jh0c5E44Gk0

「Realise」
Jono McCleeryをフィーチャー。前述のようにユニットが注目されるきっかけとなったシングル。Hip-HopのDJもやっていたという彼らですが、そんな影響も感じるフューチャー・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=WNyeKkN6yyg

「Stop, Fade, Blur」
Laura Vaneをフィーチャー。LauraはToby Vaneの妹です。ダウンテンポなNu Soulに仕上がっています。Lauraのヴォーカルが案外いい感じです。

「Angels Fly」
Jono McCleeryをフィーチャー。哀愁モードのクロスオーヴァー・チューン。フルートの音色が印象的です。

「Sun Will Shine」
Bridgette Amofahをフィーチャー。メロウ・サウンドと何処か切ないメロディにグッとくるNu Jazz/Nu Soul。
http://www.youtube.com/watch?v=hGLckWIB9o8

「What's The Noise? (Part II) / What It Could Be」
Liane Carrollをフィーチャー。幻想的なインストの前半からLiane Carrollのソウルフルなヴォーカルが印象的な後半へと展開します。
http://www.youtube.com/watch?v=jTfu-xi2hNE

「Method (Don't Say Goodbye)」
Bridgette Amofahをフィーチャー。キュートなBridgette Amofahのヴォーカルの魅力を活かしたビューティフル&ミステリアスな仕上がり。

「Distance」
アルバム唯一のインスト。途中でギア・チェンジし、一気に加速します。

「In My Soul」
Laura Vaneをフィーチャー。僕の一番のお気に入り。4HeroDegoがお好きな人は気に入るであろうクロスオーヴァー・ソウルです。
http://www.youtube.com/watch?v=in40pnZURu0

「You Don't Know」
国内盤ボーナス・トラック。Monday Michiru(マンデイ満ちる)をフィーチャー。当ブログであまり書いたことはないかもしれませんが、昔からマンデイ満ちる大好きなので嬉しいボーナス・トラックです。

興味がある方は今年リリースされた2ndアルバム『Lightfalls』(2012年)もチェックを!

『Lightfalls』(2012年)
Lightfalls
posted by ez at 10:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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