発表年:2006年
ez的ジャンル:オランダ産クラブジャズ
気分は... :とにかく突っ走れ!
今回はオランダのクラブジャズ・コンボThe Jazzinvadersの1stアルバム『Up & Out』(2006年)です。
The Jazzinvadersの紹介は3rdアルバム『Three』(2010年)、2ndアルバム『Blow!』(2008年)に続き3回目となります。
本作におけるメンバーはRolf Delfos(as、ss、bs)、Tom Beek(ts)、Jan van Duikeren(tp)、Erwin Hoorweg(p)、Marius Beets(b)、Phil Martin(ds、per)という6名。次作『Blow!』からメンバーに加入するヴォーカリストLinda Bloemhardはゲストで1曲に参加しているのみです。
70年代フュージョンの影響が強いアダルト・オリエンティッド・フュージョンで楽しませてくれた3rd『Three』、ヴォーカルを重視したスタイリッシュなクラブジャズ・サウンドを満喫できた2nd『Blow!』。それらの作品と比較した場合、デビュー作となる本作『Up & Out』(2006年)は、メンバーにヴォーカリストがいないせいもあり、インスト曲中心の構成となっていますが、60年代ハードバップの影響が強く、かつラテンのエッセンスを存分に取り入れたクラブジャズという点では2nd『Blow!』と共通しています。
ダンサブルなクラブジャズ・チューンのオンパレードにクラブジャズ好きは大満足の1枚だと思います。
プロデュースはリーダーのPhil Martinが務めています。
全曲紹介しときやす。
「Bonga Bonga Jazz」
僕の一番のお気に入り。ハードバップにアフロ・キューバンなテイストを織り交ぜスピーディー&たハイ・テンションなオープニング。これぞ踊るためのジャズ!
http://www.youtube.com/watch?v=g2Y4wjNIfxM
「Go Ahead」
ホーン隊のアンサンブルが格好良いです。各メンバーのセンスが光る小粋な大人のクラブジャズといった雰囲気がいいですね。
「Dutch Flies」
「Bonga Bonga Jazz」と並ぶ僕のお気に入り。ダブルベースの響きが牽引する疾走するクラブジャズ・チューン。ラテン・テイストのスピード感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=_HUgXDOmfv4
「Movements」
Mette Burildの女性ヴォーカルをフィーチャー。しっとり落ち着いた大人のヴォーカル・チューンに仕上がっています。クラブジャズならではのムーディーな雰囲気を醸し出しています。
「Love And Happiness」
Dirk Rienstraの男性ヴォーカルをフィーチャー。哀愁のラテン・リズムに乗って各プレイヤーが雰囲気のある演奏を聴かせてくれます。哀愁モードのヴォーカルもグッド。
http://www.youtube.com/watch?v=uIK1JNtaiOY
「Wo Ya」
変拍子リズムに乗って一体感のあるサウンドを聴かせてくれます。聴いているとグッと演奏に惹き込まれます。
「Licks And Brains」
疾走するクラブジャズがお好きな方であれば気に入るはず。ホーン隊の印象的なフレーズとリズム隊の小粋なラテン・ビートがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=HYHifhWSiZs
「Up & Out」
ホーン隊の弾け具合がいい感じのダンサブルなタイトル曲。躍動感のあるクラブジャズ・サウンドを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=arfgaPW1u5U
「Black」
Linda Bloemhardの女性ヴォーカルをフィーチャー。次作『Blow!』から正式にメンバー加入するLinda Bloemhardがしっとりとした演奏をバックに、キュートなヴォーカルを聴かせてくれます。
「Die Erste Kugel」
ラストはスリリングな疾走感とオルガン・サウンドを前面に押し出した、クラブジャズ好きにはたまらない格好良さを持った1曲で締め括ってくれます。
「No Nonsense」
ボーナス・トラック。スペイシーな雰囲気も漂うフュージョン寄りのサウンドは本編とは少し異なるタイプの曲に仕上がっています。
The Jazzinvadersの過去記事もご参照下さい。
『Blow!』(2008年)
『Three』(2010年)