発表年:2006年
ez的ジャンル:Schema系クラブジャズ
気分は... :意外とスピリチュアル・・・
今回はイタリア・クラブジャズの人気レーベルSchemaの強力ユニットThe Invisible Sessionの『The Invisible Session』(2006年)です。
The Invisible SessionはLuciano Cantone、Paolo Fedreghini、Marco Bianchiの3名によるユニット。Luciano CantoneはSchemaの創設者の1人であり、Paolo FedreghiniとMarco Bianchiの2人は当ブログでも紹介したPaolo Fedreghini And Marco Bianchi『Several People』(2004年)でお馴染みですね。
そんなSchemaの重要人物3名が結成した強力ユニットThe Invisible SessionはSchemaらしいクラブ・ミュージックを通過したジャズ・サウンドを満喫できる1枚です。
全10曲中7曲がヴォーカル入りであり、特に6曲でヴォーカルをとるイタリア人女性シンガーJenny B.が大きくフィーチャーされています。
さらにアルバムにはThe High Five Quintet等でお馴染みの人気トランぺッターFabrizio Bosso等がゲスト参加しています。
全体として隙のない大人のクラブジャズに仕上がっていると思います。Jenny B.のゴスペル仕込みのディープなヴォーカルも手伝って、意外とスピリチュアルな印象も残る点が気に入っています。
Schema好きの人であれば間違いなく楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「'Till The End」
Schemaらしい小粋でダンサブルなジャズ・ボッサでアルバムは幕を開けます。Jenny B.のソウルフルなヴォーカルもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=3INbEd09rek
「I Knew The Way」
エレガントなモーダル・チューン。やや愁いを帯びたJenny B.のヴォーカルと美しいサウンドにグッときます。Fabrizio Bossoのトランペット・ソロも味わいがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=I2j07y-8FXQ
「To The Powerful」
スピリチュアルな雰囲気が漂う1曲。Jenny B.のドープなヴォーカルには凄みがありますね。この曲でもFabrizio Bossoのトランペットが盛り上げてきます。
http://www.youtube.com/watch?v=Bsk4VAHZ3zA
ここまでの「'Till The End」、「I Knew The Way」、「To The Powerful」という3曲はシングルにもなっています。
「I'll Be Your Wings」
女性シンガーMikaをフィーチャー。クラブジャズらしいジャズ・ボッサ・チューンです。Marco Bianchiの小粋なピアノがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Tk3CXXDDunY
「My Inspiration」
僕の一番のお気に入り曲。Enzo Frassiの最高に格好良いダブルベースに牽引されて疾走するモーダル・チューン。スピリチュアルな雰囲気もあるJenny B.のヴォーカルもグッド!大好きなElizabeth Shepherd 「The Taking」あたりと一緒に聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=OgztWNHR53o
「Heroes Of Sponge Cake」
落ち着いた雰囲気のワルツ・ジャズ。Jenny B.の雰囲気のあるヴォーカルがいいですね。Gianluca Petrellaのトロンボーン・ソロも盛り上げてくれます。軽くエフェクトでアクセントをつけているのがSchemaらしいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=fICUHIg79Fk
「Invisible Blessing」
エレクトリックなサウンドと生音を上手く融合したインスト・チューン。Paolo Fedreghini And Marco Bianchi『Several People』を彷彿させる感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=jshTKIpz5yU
「The Teacher」
スピリチャル&アフロなポリリズム・サウンドが印象的です。インストかと思いきや、終盤にJenny B.のポエテトリー・リーディングのようなヴォーカルが少しだけ入っています。Renato D'Aielloのフリー・ジャズ的なソロも雰囲気があります。
http://www.youtube.com/watch?v=8k9LyCMTK5E
「Three For You」
モーダルなワルツ・チューン。小気味良いオーセンティックなインスト・チューンです。Fabrizio Bossoのトランペットが実にキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=kXVyo-YW4sU
「Heroes Of The Conquest」
ラストはラテン・フレイヴァーで疾走するインスト・チューン。伊達男の国のクラブジャズらしい美学が感じられます。
http://www.youtube.com/watch?v=UtZo3l9Psbk
国内盤には「To The Powerful」のロング・ヴァージョンがボーナス・トラックとして収録されています。
本作を気に入った方はPaolo Fedreghini And Marco Bianchi『Several People』(2004年)もセットでどうぞ!
Paolo Fedreghini And Marco Bianchi『Several People』(2004年)