2012年12月15日

Flora Purim『Carry On』

George Dukeプロデュース。ジャズ・ダンス・クラシック「From The Lonely Afternoon」収録☆Flora Purim『Carry On』
キャリー・オン(紙ジャケット仕様)
発表年:1977年
ez的ジャンル:ブラジル/フュージョン系女性シンガー
気分は... :天下分目の前日・・・

ブラジル/フュージョン・ファンに人気の女性シンガーFlora Purimの3回目の登場です。

『Butterfly Dreams』(1973年)、『Nothing Will Be As It Was...Tomorrow』(1977年)に続いて紹介するのは『Carry On』(1979年)です。

本当は『Carry On』の1つ前の作品『Everyday, Everynight』(1978年)を紹介しようと思っていたのですが、何となく今日の気分はコチラの方だったので急遽変更しました。

本作『Carry On』(1979年)は、George Dukeをプロデューサーに迎え、アメリカ市場を意識したポップ路線を強く打ち出した作品です。ジャケのケバケバしさからしてそんな感じですよね(笑)

レコーディングには夫Airto Moreira(per、ds)やGeorge Duke(key、syn、vo)をはじめ、Al Jarreau(vo)、Byron Miller(b)、Leon "Ndugu" Chancler(ds)、Michael Sembello(g)、 David Myles(g)、David Amaro(g)、Larry Williams(fl、as)、Joe Farrell(fl、ss)、Greg Phillinganes(syn)、Jerry Hey(tp)、Raul De Souza(tb)、Bill Reichenbach(tb)、Bobby Lyle(key、syn)、Hugo Fattoruso(key、syn)、Ronnie Foster(key)、Ricky Lawson(ds)等の有名ミュージシャンが多数参加しています。

このポップ路線は結局商業的には不発に終わりましたが、アルバム自体はなかなかメリハリのある構成で楽しめます。

特に「From The Lonely Afternoon」はジャズ・ダンス・クラシックと人気です。タイトル曲「Carry On」Mtumeのカヴァー「Love Lock」あたりも僕のお気に入りです。

Flora Purim & Airto MoreiraGeorge Dukeのコラボを楽しみましょう。

全曲を紹介しときやす。

「Sarara」
Gilberto Gil作。Gilのオリジナルは当ブログでも紹介した『Realce』や『Nightingale』で楽しめます。オリジナル同様、レゲエ調のリラックスした雰囲気で聴かせてくれます。Joe Farrellのソプラノ・サックス・ソロが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Xsl3Cp8TrHE

「From The Lonely Afternoon」
本作のハイライト。Milton Nascimento作品のカヴァーです。Wayne ShorterとMiltonの共演作『Native Dancer』収録曲としてお馴染みですね。当ブログではToninho Hortaのカヴァーも紹介済みです。本ヴァージョンはTheo Parrishもプレイするダンス・ジャズ・クラシックとして人気の1曲です。幻想的なコズミック・ サンバ・フュージョンといった感じですね。Bobby Lyleの鍵盤のイントロを聴いただけで期待感があります。そしてFloraの本領発揮のスキャットにヤラれます。ブラジル音楽好きにはお馴染みの重鎮Raul De Souzaのトロンボーンもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=Qb8VtlA_jh8

「Niura Is Coming Back」
Floraの妹Yana Purimの作品。Mike Sembelloのアコースティック・ギターとAirtoによるパーカッションのみのシンプルな演奏ですが、どこか幻想的な魅力があります。
http://www.youtube.com/watch?v=IHi8BbeVq68

「Once I Ran Away」
この曲もYana Purim作。前曲の流れを受け継ぎ、Mike Sembelloのアコースティック・ギターとGeorge Dukeのエレピと Bobby Lyleのピアノを中心とした幻想的なバラードに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=zDQPpZcJ98g

「Carry On」
タイトル曲はGeorge Duke作。いかにもGeorge Dukeらしい派手でディスコチックなファンキー・ブラジリアン・フュージョンに仕上がっています。ここではAl Jarreauもリード・ヴォーカルで参加し、Floraと共に素晴らしい男女ヴォーカルを聴かせてくれます。Airtoに加え、Sheila E.のティンバレスも加わったパーカッシヴ・サウンドもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=W1d-rtW1c98

「Love Lock」
James Mtume/Reggie Lucas作。オリジナルはMtumeの1st『Kiss This World Goodbye』(1978年)に収録されています。爽快なフュージョン・サウンドがなかなか心地好い1曲に仕上がっています。George Dukeのシンセが目立っています。
http://www.youtube.com/watch?v=C2DMWSrJU9Q

「Corine」
George Duke作。サンセット・モードの美しいバラードです。Raul De Souzaのトロンボーンがいい味出しています。本作と同年にリリースされたGeorge Duke『Follow The Rainbow』にも収録されているので聴き比べてみるのも楽しいのでは?

「Island In The Sun Interlude」
David Batteau/Mike Sembello作。懐かしい「Maniac」でお馴染みのMike Sembello作品。インタールード的なラテン・フレイヴァー小曲です。

「Beijo Partido (Broken Kiss)」
Toninho Horta作の名曲(オリジナルは1st『Terra dos Passaros』収録)。当ブログでは『Diamond Land』収録のToninho Horta自身のヴァージョンに加え、Milton NascimentoTamba Trioのカヴァーも紹介済みです。ミナスらしいミステリアスな美しさが漂う名曲の魅力をFloraの艶っぽいヴォーカルがさらに高めています。何故かこの曲のみStanley Clarkeがプロデュースに参加しています。

「Freeway Jam」
Max Middleton作。ラストはJeff Beck『Blow by Blow』収録曲のカヴァーと意外な選曲です。ジャズ・ロック的な展開ですけど、僕にはイマイチかな。

次回こそ『Everyday, Everynight』(1978年)を紹介しますね。

『Butterfly Dreams』(1973年)
Butterfly Dreams

『Nothing Will Be As It Was...Tomorrow』(1977年)
ナッシング・ウィル・ビー・アズ・イット・ワズ...トゥモロウ+2

旦那Airto Moreiraの過去記事もご参照下さい。

Airto Moreira『Fingers』(1973年)
フィンガーズ

Airto Moreira『Identity』(1975年)
アイデンティティー

Airto Moreira『I'm Fine, How Are You?』(1977年)
アイム・ファイン、ハウ・アー・ユー?(紙ジャケット仕様)

Airto Moreira『Samba de Flora』(1988年)
Samba de Flora
posted by ez at 12:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする