発表年:2003年
ez的ジャンル:グッド・ミュージック男性SSW
気分は... :ブレずにマイペースで...
今回はアメリカ人男性シンガー・ソングライターJesse HarrisがJesse Harris & The Ferdinandos名義でリリースした作品『The Secret Sun』(2003年)です。
どうしても2003年にグラミーを受賞したNorah Jonesの大ヒット「Don't Know Why」の作者(彼自身もグラミー受賞)というイメージが強いJesse Harrisですが、それ以前もそれ以降もコンスタントなアーティスト活動を続けています。
Jesse Harrisは1969年N.Y.生まれ。1995年に当時のガールフレンドであったRebecca MartinとのユニットOnce Blueでアルバム『Once Blue 』をリリース。その後自身のグループJesse Harris & The Ferdinandosを組み、『Jesse Harris and The Ferdinandos』(1999年)をリリース。同作には「Don't Know Why」のオリジナルが収録されています。
さらにJesse Harris & The Ferdinandos名義で 『Crooked Lines』(2001年)、『Without You』(2002年)、『The Secret Sun』(2003年)、『While the Music Lasts』(2004年)といったアルバムをリリース。その後はソロ名義で『Mineral』(2005年)、『Feel』(2007年)、『Watching the Sky』(2009年)、『Through the Night』(2010年)、『Cosmo』(2010年)、『Sub Rosa』(2012年)といったアルバムをリリースしています。
僕の場合、Jesse Harrisの熱心なファンではないので、Norah Jones『Come Away with Me』(2002年)を聴いたときには彼に注目しましたが、その後は彼の活動にとりわけ注目しているわけではありませんでした。
しかし、2012年はJesse Harrisの名が気になる1年になりました。それは当ブログでも紹介したMarisa Monte『O Que Voce Quer Saber De Verdade』、Alexia Bomtempo『I Just Happen To Be Here』、Vinicius Cantuaria『Indio De Apartamento』といったブラジル人アーティストの新作アルバムにJesse Harrisが参加していたためです。
Jesseはソロ作『Feel』(2007年)でブラジル音楽へアプローチしていましたが、N.Y.と所縁のあるコスモポリタンなブラジル人アーティストとの交流は僕にとって実に興味深いものでした。
そんな流れでJesse関連のアルバムを取り上げようと思い、本作をセレクトしました。
Jesse Harris & The Ferdinandosとしてお4rhアルバムとなる本作『The Secret Sun』(2003年)は、Norah Jones「Don't Know Why」の大ヒット直後にリリースされたメジャー作品であり、彼への注目が高まっていた時期に制作されたものですが、内容は実にマイペースで周囲の喧騒に惑わされることなく、自分の音楽をブレずに追求している印象を受けます。
Jesse Harris & The FerdinandosのメンバーはJesse Harris(vo、g)以下、Tony Scherr(g、vo)、Tim Luntzel (b)、Kenny Wollesen(ds、per、vibe、marimba)の4名。さらに本作ではNorah Jones(vo、p)、Chris Brown(org)、Chiara Civello(back vo)、Roberto Rodriguez(per)、Rob Burger(p、accordion)がゲスト参加しています。
国内盤はジャケが異なるのでご注意を!
『The Secret Sun』※国内盤
トラディショナル「Roberta」以外はすべてJesse Harrisのオリジナルです。
さり気ないですが、Jesse Harrisというミュージシャンの音楽への真摯な思いとグッド・ミュージックがぎっしり詰まった1枚に仕上がっています。
全曲紹介しときやす。
「Just A Photograph」
このオープニングを聴いて僕がイメージしたのは、初期Jackson Browneですかね。初期Jackson Browne大好きな僕としては、淡々としなかにも実直さが伝わってくる感じに好感を持ったのだと思います。
「The Secret Sun」
タイトル曲は小粋なBob Dylanって感じでしょうか(Jesseの声質はPaul Simonっぽいですが)。実に味わい深い1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=7Qvx0jCK1E8
「Long Way From Home」
フォーキー&ジャジーな雰囲気はNorah Jones『Come Away with Me』に通じるものがあるのでは?素朴ながらも洒落た感じがいいですね。
「All My Life」
70年代ウエストコースト・ロックがお好きな人であれば気に入ると思います。適度にユルい感じがいい雰囲気を醸し出します。
http://www.youtube.com/watch?v=w_y2eTsy_b4
「What Makes You」
Norah Jonesとの共演曲はカントリー・ロック調です。お互い肩肘張らず自然体な感じがいいですね。至ってフツーなのが魅力ですね。
「How?」
弾き語り調ですが、実に雰囲気があります。音空間の間をうまく使っている感じがいいですね。
「You Were On My Mind」
アルバムのなかでは最もロックしている演奏です。少しイナたいTom Pettyみたいな雰囲気もあります。
「If You Won't」
アルバムで最も美しいメロディを持った曲かもしれませんね。さり気ないですが胸に響くグッド・ソングだと思います。
「The Other Road」
ブルージーなデザート・ミュージック(砂漠の音楽)といった雰囲気ですね。南部の場末のバーの映像が思い浮かびます。
「The Midnight Bell」
前曲に続き、本曲にもエスニックな香りが漂います。さりげなくミステリアスな感じがいいですね。
「Roberta」
この曲のみトラディショナル。土臭い演奏に落ち着きます。
「You, The Queen」
ラストは切ない思いのラブソングで締め括ってくれます。これがまたいいんです!
他のJesse Harris作品もチェックを!
Once Blue『Once Blue 』(1995年)
Jesse Harris & The Ferdinandos『Jesse Harris and The Ferdinandos』(1999年)
Jesse Harris & The Ferdinandos『Crooked Lines』(2001年)
Jesse Harris & The Ferdinandos『Without You』(2002年)
Jesse Harris & The Ferdinandos『While the Music Lasts』(2004年)
Jesse Harris『Mineral』(2005年)
Jesse Harris『Feel』(2007年)
Jesse Harris『Watching the Sky』(2009年)
Jesse Harris『Through the Night』(2010年)
Jesse Harris『Cosmo』(2010年)
Jesse Harris『Sub Rosa』(2012年)