発表年:1972年
ez的ジャンル:ボサノヴァの女王の新境地
気分は... :ハーボウル実現!
NFLのカンファレンス・チャンピオンシップは49ersとレイブンズが勝ち、レイブンズのジョン・ハーボーHC、49ersのジム・ハーボーHCによる史上初のスーパーボウル兄弟HC対決が実現することになりました。
NFCチャンピオンシップは0対17から逆転した49ersの底力を感じました。個人的にはファルコンズを応援していましたが、スーパーボウル進出に相応しい戦いぶりだったのはやはり49ersでしたね。
AFCチャンピオンシップはペイトリオッツが意外に脆かったですね。前半は僕の予想通りの展開でしたが、後半はペイトリオッツが無得点で終わるとは思いませんでした。レイ・ルイスの花道を飾るべくレイブンズには何か特別なものが宿っている気がします。
ハーボウルが楽しみですね。
今回は"ボサノヴァの女王"Astrud Gilbertoが1972年にリリースした『Now』(1972年)です。
これまで当ブログで紹介したAstrud Gilberto作品は以下の4枚。
『The Shadow Of Your Smile』(1965年)
『A Certain Smile A Certain Sadness』(1966年)
※Walter Wanderley Trioとの共演
『Beach Samba』(1967年)
『Talkin' Verve』 ※Verve時代のベスト盤
本作は長年所属していたVerveを離れ、CTIからリリースされたStanley Turrentineとの共演盤
『Gilberto With Turrentine』(1971年)に続いて、Perceptionからリリースされた作品です。
Astrud Gilberto本人がプロデュースを手掛け、Eumir Deodatoがアレンジを手掛けています。
レコーディングには、Eumir Deodato(key、g、back vo)、Al Gaffa(g)、Mike Longo(key)、Bob Cranshaw(b)、Patrick Adams(b)、Ron Carter(b)、Billy Cobham(ds)、Mickey Rocker(ds)、Airto Moreira(per)、Maria Toledo(back vo)、Nick La Sorsa(back vo)が参加しています。ジャズ・ミュージシャンが多数参加しているのが特徴ですね。バック・コーラスのMaria ToledoはLuiz Bonfaの奥方だったアノ人です。
どうしてもボサノヴァ/ポップスの印象が強い人ですが、そういった印象とは異なるAstrud Gilbertoに出会える作品です。彼女の出身であるブラジル北東部の伝統的なリズムの積極的な取り込みやジャズ・ミュージシャンとの交流が、Astrud Gilbertoを新境地へ踏み込ませたといったところでしょうか。その意味でEumir Deodatoの貢献が大きいかもしれませんね。
今の僕ならば、最も好きなAstrud Gilbertoのアルバムとして本作を挙げると思います。
全曲紹介しときやす。
「Zigy Zigy Za」
オススメその1。Astrud Gilberto作。「Take It Easy My Brother Charlie」と並ぶ僕のお気に入り。ブラジル北東部の伝統的なリズムに合わせたAstrudのファニー・ヴォーカルとDeodatoの本領発揮のグルーヴィーなクロスオーヴァー・サウンドを見事に融合させたオープニングです。この疾走感はたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=892rcoj4XNY
「Make Love To Me」
Eumir Deodato作。甘酸っぱいムードのアコースティック・ポップ。
http://www.youtube.com/watch?v=9_FF0uUjHMQ
「Baiao」
Humberto Teixeira/Luiz Gonzaga作。まさにバイアォンな1曲。ブラジル北東部の伝統的サウンドを強く意識した本作らしい仕上りなのでは?
「Touching You」
David Jordan/Patrick Adams作。USポップ感覚のメロウ・チューン。美しいストリングスが盛り上げてくれます。Al Gaffaのギター・ソロもなかなか。
http://www.youtube.com/watch?v=LzE96U-4o6c
「Gingele」
オススメその2。Astrud Gilberto作。グルーヴィーなサンバ・チューン。アフロ・ブラジルなリズムとAstrud らしい爽快メロウな雰囲気のバランスがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=pb7vq1q7Tmw
「Take It Easy My Brother Charlie」
オススメその3。本作のハイライト。Jorge Ben「Take It Easy My Brother Charles」のカヴァーです。僕の保有する国内盤ライナーノーツにはAstrud Gilberto/David Jordan作という誤った説明がなされていますが・・・。小粋なメロウ・ボッサ・グルーヴに仕上がった本ヴァージョンはキュートな魅力に溢れています。
http://www.youtube.com/watch?v=EWv4mLbh8xo
個人的には本曲を初めて知ったのはカヒミ・カリィのヴァージョンでした。個人的には本ヴァージョンとカヒミ・カリィのヴァージョンをセットで聴くのがお気に入りです。
Jorge Ben「Take It Easy My Brother Charles」
http://www.youtube.com/watch?v=FiQ3tGAXPK0
カヒミ・カリィ「Take It Easy My Brother Charlie」
http://www.youtube.com/watch?v=xKJubav5zNs
「Where Have You Been?」
Astrud Gilberto作。哀愁モードのポップ・チューン。大人の恋愛映画のエンディング・テーマといった雰囲気もありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=3mYXsgWxFe8
「General Da Banda」
オススメその4。Jose Alcides/Satiro de Melo/Tancredo Silva作。当ブログではIvan Linsのカヴァーも紹介済みです。メロウ・サンバ・チューンに仕上がっています。キュートなAstrudなヴォーカルとサンバのリズムが意外にマッチしています。
「Bridges」
オススメその5。Milton Nascimentoの名曲「Travessia」の英語カヴァー。ブラジル音楽をあまり聴かない人でもエヴェーグリーンなポップ・チューンとして楽しめるはずです。優しさに包まれた雰囲気の好カヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=gxLqSW28LWs
「Daybreak」
Joe Knowlton & Bing Bingham作。ラストはUSのフォーク・デュオJoe & Bingのカヴァー。哀愁モードのフォーキー・チューンで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=1g1yk3EYkDo
他のAstrud Gilberto作品もチェックを!
『The Astrud Gilberto Album』(1965年)
『The Shadow Of Your Smile』(1965年)
『Look To The Rainbow』(1966年)
『A Certain Smile A Certain Sadness』(1966年)
『Beach Samba』(1967年)
『Windy』(1968年)
『September 17, 1969』(1969年)
『I Haven't Got Anything Better To Do』(1970年)
Astrud Gilberto With Stanley Turrentine『Gilberto With Turrentine』(1971年)