2013年01月30日

The J. Geils Band『Bloodshot』

ライブ・バンドとしての魅力をスタジオ作へ見事に反映させた1枚☆J. Geils Band『Bloodshot』
Bloodshot
発表年:1973年
ez的ジャンル:R&Bテイスト・アメリカン・ロック
気分は... :ハープが目立つロック・バンド!

今回はR&Bテイストの痛快なロック・アルバムThe J. Geils Band『Bloodshot』(1973年)です。

70年代ロック好きであればお馴染みのグループThe J. Geils Band

グループの母体は1967年にボストンで結成されたJ. Geils(g)、Danny Klein(b)、Magic Dick(harmonica、tp)によるJ. Geils Blues Band。そこにDJをしていたPeter Wolf(vo)と彼のバンド仲間Stephen Bladd(per、ds、vo)が加入、さらにSeth Justman(key、vo)も加入し、J. Geils Bandのラインナップが揃います。

1970年のデビュー・アルバム『The J. Geils Band』を皮切りに、『The Morning After』(1971年)、『"Live" Full House』(1972年)、『Bloodshot』(1973年)、『Ladies Invited』(1973年)、『Nightmares...and Other Tales from the Vinyl Jungle 』(1974年)、『Hotline』(1975年)、『Blow Your Face Out』(1976年)、『Monkey Island』(1977年)、『Sanctuary』(1978年)、『Love Stinks 』(1980年)、『Freeze Frame』(1981年)、『Showtime!』(1982年)とコンスタントに作品をリリースします。

特に全米シングル・チャートNo.1となった「Centerfold」を含む『Freeze Frame』(1981年)は全米アルバム・地チャート第1位となる大ヒット・アルバムとなりました。

看板ヴォーカルPeter Wolf脱退後に制作されたアルバム『You're Gettin' Even While I'm Gettin' Odd』(1984年)を最後にグループは解散します。

どうしても「Centerfold」『Freeze Frame』のイメージが先行してしまうグループかもしれませんね。僕自身も青春期に大ヒット「Centerfold」の盛り上がりを体感したので、どうしても「Centerfold」のPVをイメージしてしまいます。

ただし、J. Geils Bandの本質はブルース/R&Bに根ざしたロック・バンドであり、そうした魅力が満喫できるのは『"Live" Full House』(1972年)、『Bloodshot』(1973年)、『Nightmares...and Other Tales from the Vinyl Jungle 』(1974年)、『Blow Your Face Out』(1976年)あたりなのでは?

僕がリアルタイムで聴いた最初のJ. Geils Band作品は「One Last Kiss」(1978年)だった気がします。その頃はこんなにブルース/R&Bに根ざしたグループだとは思っていませんでしたが・・・

ライブ・バンドとしての評判が高く、『"Live" Full House』(1972年)、『Blow Your Face Out』(1976年)というライブ・アルバム2枚の評価が高い彼らですが、そんなライブ・バンドとしての魅力を上手くスタジオ作にも反映させた最初のアルバムが本作『Bloodshot』(1973年)だと思います。

「(Ain't Nothin' But a) Houseparty」「Southside Shuffle」をはじめ、彼らのR&Bテイストのロックが全編楽しめる1枚です。特にPeter Wolfのヴォーカル、Magic Dickのハープを満喫するには絶好の1枚だと思います。ハープがこれだけ目立つロック・バンドなんて他にいないのでは?このあたりもJ. Geils Bandの魅力だと思います。

年々ロック離れが加速している僕ですが、こうしたR&Bテイストの強いロック作品は今聴いてもフィットします。

プロデュースはBill Szymczyk
The J. Geils Band以外にEagles作品を手掛けたことでも知られる人ですね。

「(Ain't Nothin' But a) Houseparty」「Hold Your Loving」の2曲以外はSeth Justman/Peter Wolf作によるオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「(Ain't Nothin' But a) Houseparty」
The Showstoppers、1967年のヒット曲をカヴァー(Del Sharh/Joseph Thomas)。ファンキー&ワイルドなこのオープニングに本作の魅力が凝縮されています。Peter WolfのヴォーカルやMagic Dicのハープも絶好調です。特に終盤の盛り上がりはテンション上がりますね。シングルにもなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=o94zaodpNME

「Make up Your Mind」
R&Bカヴァーと思わせるようなオリジナル。適度にパーカッシヴでノスタルジックな雰囲気がいいですね。この曲もシングルになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=tpyWQfIvjm4

「Back to Get Ya」
「Southside Shuffle」と並ぶ僕の一番のお気に入りのファンキー・チューン。Peter Wolfの野性味あふれるヴォーカル、Magic Dicのハープを存分に楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=n0N3MwlM8n8

「Struttin' With My Baby」
彼らの原点を実感できるブルース・ロック。J. GeilsのギターとMagic Dicのハープが絶好調です。
http://www.youtube.com/watch?v=HgfuN9Tgl_A

「Don't Try to Hide It」
Seth Justmanの小粋なピアノと共にスタートする酔いどれモードの仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=vek2NinuFTI

「Southside Shuffle」
「(Ain't Nothin' But a) Houseparty」と並ぶ本作のハイライトなのでは?僕もやっぱりこの曲が一番好き!♪Do You Wanna Dance?♪というPeter Wolfの掛け声からして格好良すぎるR&Bテイストのファンキー・チューンです。これで盛り上がらないはずがない!J. Geils Bandの本領発揮の1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=XWUS38la_ZY

「Hold Your Loving」
R&BシンガーTitus Turnerのカヴァー。軽快なテンポで一気に駆け抜けます。
http://www.youtube.com/watch?v=UTCieP7PEjk

「Start All Over Again」
味わい深いバラード。70年代のThe Rolling Stonesのバラードあたりと一緒に聴きたくなりますね。
http://www.youtube.com/watch?v=Mk-xlRRd8QY

「Give It to Me」
ラストは意外にもレゲエ/スカ調。シングルとして全米チャート第30位となっています。これをシングルにしたというのも意外ですね。ただし、中盤以降はレゲエ/スカ調から一転し、エキサイティングなロック・チューンへ変貌します。終盤のブレイクもなかなか印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=EYgZ3-h2E1g

J. Geils Bandの他作品もチェックを!

『The J. Geils Band』(1970年)
J Geils Band

『The Morning After』(1971年)
Morning After

『"Live" Full House』(1972年)
Full House Live

『Ladies Invited』(1973年)
Ladies Invited

『Nightmares...and Other Tales from the Vinyl Jungle 』(1974年)
Nightmares

『Hotline』(1975年)
Hotline

『Blow Your Face Out』(1976年)
Blow Your Face Out

『Monkey Island』(1977年)
Monkey Island

『Sanctuary』(1978年)
サンクチュアリ(禁猟区)(紙ジャケット仕様)

『Love Stinks 』(1980年)
ラヴ・スティンクス(紙ジャケット仕様)

『Freeze Frame』(1981年)
Freeze Frame

『Showtime!』(1982年)
Showtime!
posted by ez at 16:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする