2013年02月02日

Dom Salvador & Abolicao『Som, Sangue E Raca』

ジャズ・ボッサ黄金期に活躍したピアニストによるファンキー作品☆Dom Salvador & Abolicao『Som, Sangue E Raca』
Som Sangue E Raca
発表年:1971年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ファンキー・グルーヴ
気分は... :開放的に!

今回はファンキーなブラジル作品Dom Salvador & Abolicao『Som, Sangue E Raca』(1971年)です。

Dom Salvadorは1938年ブラジル、サンパウロ州出身のピアニスト。

1965年にはEdson Lobo(b)、Victor Manga(ds)を従え、Dom Salvador Trio名義での初リーダー作『Don Salvador Trio』をレコーディング。

また、Edison Machado(ds)、Sergio Barroso(b)とRio 65 Trioを組み、『Rio 65 Trio』(1965年)、『A Hora e Vez da M.P.M.』(1966年)をリリースしています。さらにこのメンバーでSalvador Trio名義のアルバム『Tristeza』(1966年)をレコーディングしています。

さらに1969年の『Don Salvador』を経て、1971年にAbolicaoを従えた本作『Som, Sangue E Raca』をリリース。その後アメリカへ移住し、『My Family (Minha Familia)』をリリースしています。

1960年代半ば〜後半のジャズ・ボッサ黄金期に活躍した人ですね。当ブログで紹介した作品であれば、The G/9 Group『Brazil Now!』(1968年)に参加しています。


本作『Som, Sangue E Raca』(1971年)は、Dom SalvadorがAbolicaoを従えてブラック・ミュージックに接近したファンキーな1枚です。

AbolicaoのメンバーはMaria(vo)、Ze Carlos(g)、Luis Carlos(ds、vo)、Rubao Sabino(b)、Oberdan(ts、fl)、Darci(tp)、Serginho(tb)等です。

アルバム全体に漂う陽気で開放的なムードがいいですね。
ブラック・ミュージックに接近したといっても、それほどガンガンにファンクしているわけではなく、あくまでブラジル音楽ありきのファンキー・サウンドになっています。

また、主役のSalvadorのピアノやアコーディオンの存在感があるのがいいですね。

ブラジル音楽好きであれば、ぜひチェックしておきたい1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Uma Vida」
Dom Salvador & Abolicao作。哀愁メロディから一転し、開放的なブラジリアン・ファンキー・サウンドを楽しめるオープニング。
http://www.youtube.com/watch?v=h4Pg9Bgplfo

「Guanabara」
Arnoldo Medeiros/Dom Salvador作。ファンキー・リズムとエレピの音色が心地好い陽気な雰囲気のインスト・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=163sbUHkV08

「Hei! Voce」
Getulio Cortes/Nelsinho作。軽快な中にも味わい深さのある1曲。哀愁を帯びた男性ヴォーカルがなかなかグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=R9sXnGMACBQ

「Som, Sangue e Raca」
Marco Versiani/Dom Salvador作。ヒップなファンキー・グルーヴのタイトル曲。ファンキー・ホーン隊、Salvadorの鍵盤の絡みがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=wRHPFve95ac

「Tema Pro Gaguinho」
Dom Salvador作。Salvadorのアコーディオンが冴え渡るサンバ・グルーヴ。僕の一番のお気に入り曲でもあります。
http://www.youtube.com/watch?v=Ju4wLUwnkog

「O Rio」
Arnoldo Medeiros/Dom Salvador作。エレピの音色が心地好いメロウ・グルーヴ。郷愁感を誘う美しいメロディも印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=amOjP4IKoFU

「Evo」
Pedro Santos/Dom Salvador作。弾けた開放感が魅力の1曲。ピースフルなコーラスもいい感じ。
http://www.youtube.com/watch?v=6dNcVuKd6Tc

「Numbre One」
Dom Salvador作。密かに格好良いのがこの曲。ブラジルらしいファンキー・リズムを存分に楽しめるインスト・チューンです。

「Folia de Reis」
Paulo Silva/Jorge Canseira作。Salvadorのアコーディオンが駆け巡る陽気なリラックス感が印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=WtqyVQV5lvU

「Moeda, Reza e Cor」
Marcos Versiani/Dom Salvador作。この曲も僕のお気に入り。大人のファンキー・チューンといった趣の疾走感がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=BiPvyy-HUnI

「Samba Do Malandrinho」
Dom Salvador作。メロウなエレピの音色にグッとくるサンバ・チューン。ラウンジーな雰囲気もあっていいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=LfF-yKJ8t5I

「Tio Macro」
Arnoldo Medeiros/Dom Salvador作。ラストはCafe Apres-Midiのコンピにも収録されていた人気曲。Salvadorの気の利いたピアノを満喫できる小粋なブラジリアン・ファンキー。
http://www.youtube.com/watch?v=Hd-woJkeQEE

他のDom Salvador関連作品もチェックを!

Don Salvador Trio『Don Salvador Trio』(1965年)
Salvador Trio

Rio 65 Trio『Rio 65 Trio』(1965年)
Rio65Trio (Rio 65 Trio)

Salvador Trio『Tristeza』(1966年)
トリステーザ
posted by ez at 14:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする