発表年:1980年
ez的ジャンル:ドイツ産ブラジリアン/ラテン・フュージョン
気分は... :いよいよハーボウル!
いよいよNFLのファイナル、第47回スーパーボウル「レイブンズ VS. 49ers」ですね。
初の兄弟HC対決"ハーボウル"は興味深いですね。
個人的にはレイ・ルイスに有終の美に飾って欲しいのでレイブンズを応援しますが、実力的には49ersの方に分がありそうですね。49ersのピストル・オフェンスに対して、レイブンズのディフェンス陣がどう対応するのかが楽しみです。一皮むけつつあるQBフラッコにも期待しています。
音楽ファンは、国歌斉唱のAlicia KeysやハーフタイムショーのBeyonceも楽しみですね。
今回は再評価が高いドイツ産ブラジリアン/ラテン・フュージョン作品John Thomas & Lifeforce『Devil Dance』(1980年)です。
John Thomasは1954年アメリカ、シカゴ生まれの黒人ジャズ・ギタリスト。11歳でギターを手にし、サイケデリック・ロックやブルースの影響を受けてギターの腕を上達させていきましたが、その後ジャズへ傾倒するようになります。
1973年にN.Y.へ渡り、Joe Henderson『Multiple』(1973年)で初レコーディングを経験します。僕もかなり前から『Multiple』を持っていますが、ギタリストではJames Blood Ulmerの参加に気を取られ、彼が参加していることを認識したのは割と最近のことです。
その後ボストンへ拠点を移し、さらに79年からドイツのデュッセルドルフで教鞭をとるようになり、ドイツとの接点が生まれます。
そして、ドイツ人のRainer Wiedensohlerが設立したジャズ・レーベルNABELの第1弾アルバムとして、John Thomas & Lifeforceの1stアルバム『Devil Dance』(1980年)をリリースします。
その後もNABELレーベルからJohn Thomas & Lifeforceの2nd『3000 Worlds』(1981年)やJohn Thomas名義で『Dreams, Illusions, Nightmares And Others Realities』(1983年)、『Serious Business』(1986年)といったアルバムをリリースしています。
当ブログでも紹介したNABELレーベルの仲間であるドイツ人女性シンガーMonika Lingesと共に、"ドイツ産ブラジリアン・フュージョン"の括りで語られることが多い人ですね。
当ブログで1stアルバム『Floating』を紹介したMonika Lingesは、『Devil Dance』、『3000 Worlds』、『Dreams, Illusions, Nightmares And Others Realities』の3枚にゲスト参加しています。
最初に紹介するJohn Thomas作品として、本作『Devil Dance』と人気曲「Like A Samba」収録の『3000 Worlds』(1981年)のどちらにするか迷いましたが、アルバム全体の聴きやすさから『Devil Dance』をセレクトしました。
本作におけるLifeforceのメンバーはJohn Thomas(g)、Andy Lumpp(p)、Ponda O'Bryan(per)、Stefan Kremer(ds)、Gunnar Plumer(b)の5名。そして、Monika Linges(vo)がゲスト参加しています。
本作のハイライト曲といえば、ブラジリアン・フュージョン人気曲「Maryke」ですが、それ以外に「Devil Dance」、「Seven Kinds Of Jewels (Cha-Cha For Jiyu)」あたりのラテン・フィージョンも聴きどころです。また、クラブジャズ好きであれば「Vector」も気に入るはず!
全曲John Thomasのオリジナルです。
全曲紹介しときやす。
「Devil Dance」
哀愁メロディと美しいサウンドが魅力のラテン・フュージョン。ヨーロピアンなラテン・フュージョンといった趣にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=vvQfvtG0-WY ※音質悪いです。
「Mr. P」
リラックスしたスウィング感が心地好い1曲。オーセンティックなジャズ・ギターを楽しめます。
「Vector」
クラブジャズ的な格好良さを持つ11分超の長尺曲。疾走するギター・ジャズはなかなかスリリングです。
http://www.youtube.com/watch?v=NYwRoCXNAXk
「Maryke」
前述のように本作のキラー・トラック。Monika Lingesのスキャットが駆け巡るブラジリアン・フュージョンです。Airto Moreiraの大人気サンバ・グルーヴ「Tombo In 7/4」好きの人であれば、思わずニンマリな1曲です(笑)。John Thomasのギター・ソロも絶好調です。
http://www.youtube.com/watch?v=O-lBXC5jNZE
「Without Words (New Ballad)」
しっとりムーディーな仕上がり。このあたりもジャズ・ギター作品らしい王道の聴かせ方ですね。
「Seven Kinds Of Jewels (Cha-Cha For Jiyu)」
Monika Lingesをフィーチャーしたラテン・フュージョン。単なる耳障りの良いラテン・フュージョンではなく、ジャズ・ユニットらしいアンサンブルも聴かせてくれる聴き応えのある1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=QMV6zQJAXXo
「The End」
アウトロ的な短い演奏です。
ご興味がある方はJohn Thomasの他作品や、本作に参加しているドイツ出身の女性ジャズ・シンガーMonika Lingesの作品ももチェックを!
『3000 Worlds』(1981年)
『Dreams, Illusions, Nightmares And Others Realities』(1983年)
Monika Linges Quartet『Floating』(1982年)
Monika Linges Quartet『Songing』(1984年)