発表年:1994年
ez的ジャンル:UKポストロック
気分は... :文句言いつつ観てしまうのかなぁ...
今日はグラミーですが、個人的には全然盛り上がりませんね。
主要ノミネート一覧を眺めても、興味が湧くアーティストは皆無です。
全米チャートのヒット曲を聴いても殆ど良いと思わない僕のような音楽リスナーは、もはやグラミーを観ても仕方がないのかもしれませんが・・・それでも文句言いつつ観てしまうのが悲しい性ですね(笑)
今回はUKポストロックの先駆者、Stereolabが1994年にリリースした『Mars Audiac Quintet』です。
これまで当ブログで紹介したStereolab作品は以下の6枚です(発売順)。
『Peng!』(1992年)
『Transient Random-Noise Bursts With Announcements』(1993年)
『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)
『Dots And Loops』(1997年)
『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』(1999年)
『Margerine Eclipse』(2004年)
本作『Mars Audiac Quintet』は、初期のエクスペリメンタル路線と次作『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)以降の近未来ラウンジ・ポップ路線の過渡期にあたるアルバムです。
前作『Transient Random-Noise Bursts With Announcements』(1993年)と比較すれば、かなりポップな印象を受けます。特にセカンド・ヴォーカルのMary Hansenの存在感が増しています。ただし、『Emperor Tomato Ketchup』のような完成度には至らず、まだまだ発展途上のローファイなインディー・ポップといった趣です。そのあたりの試行錯誤感が魅力のアルバムかもしれませんが・・・
本作収録の「Ping Pong」はEPでも発売され、ポップ路線のStereolabを広く印象付けました。
本作におけるメンバーは、Tim Gane(g、vox org、syn、per)、Latitia Sadier(vo、g、vox org、syn)、
Mary Hansen(vo、g)、Andy Ramsay(ds)、Duncan Brown(b)、Katharine Gifford(key)の6名。
また、前作は6人目のメンバーとしてクレジットされていたHigh LlamasのSean O'Hagan(g、org)は、今回ゲスト扱いで参加しています。それ以外にJean-Baptiste Garnero(back vo)、Vera Daucher(violin)がゲスト参加しています。
ラストのTim Gane/Sean O'Hagan作「Fiery Yellow」以外はTim Gane/Latitia Sadier作です。
過渡期において、さまざまなエッセンスが交錯する面白さを満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Three-Dee Melodie」
ギター&オルガンによるローファイ・ポップ・サウンドとLatitia Sadier & Mary Hansenのヴォーカルが絡む本作らしいオープニング。
http://www.youtube.com/watch?v=k45VWW_sYhQ
「Wow And Flutter」
あくまでギター・ポップって感じが本作らしいですね。この少し単調なポップ感が好きだったりします。
http://www.youtube.com/watch?v=T5Z-w9-7aHg
「Transona Five」
結構グイグイくるインディー・ロックですが、Latitiaのクール・ヴォーカルとMary Hansenのコーラスが加わるだけでStereolabになるのが面白いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=FKrYdhMdBfM
「Des Etoiles Electroniques」
Latitiaのフレンチ・ヴォーカルを前面に押し出したストレンジ・ポップ。次作以降と比較すると、まだまだ洗練されていませんがこのタイプの曲好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=0bHYjSavEDU
「Ping Pong」
本作のハイライト。次作以降の近未来ラウンジ・ポップ路線を予感させるキャッチーな仕上り。Latitia Sadierのヴォーカルに、Mary Hansenのセカンド・ヴォーカルが絡む感じがStereolabらしくてグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=tsumMcjEPtQ
「Anamorphose」
ギター&オルガンによるミニマルな仕上がり。実に単調なのに聴いているとクセになります。
「Three Longers Later」
Latitiaのリード・ヴォーカルとMary Hansenのコーラスを前面に打ち出したバロック調のオルガン・チューンの前半から一転し、中盤以降は哀愁ロック・チューンへ展開します。
http://www.youtube.com/watch?v=f9Bv8L0SRek
「Nihilist Assault Group」
躍動するギター・ポップ。次作以降の近未来ラウンジ・ポップ路線がお好きな人であれば、このパターンの曲は好きなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=pmsgYHYdhF0
「International Colouring Contest」
本作らしいポップ路線を象徴する1曲。High Llamasと一緒に聴きたくなるストレンジ・ポップです。Mary Hansenの♪パララッ、パッパッパラ〜ラ♪コーラスを満喫しましょう!Lucia Pamela「Into Outer Space with Lucia Pamela」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=9t3xAwO6yag
「The Stars Our Destination」
ポコポコ・リズムとオルガン・サウンドが支配するミニマルな仕上がり。
「Transporte Sans Bouger」
本作ならではの感じですね。ポップな中にもインディー・ロック感があるのが印象的です。
「L'Enfer Des Formes」
「Nihilist Assault Group」と同路線の疾走するギター・ポップ。このタイプの曲にはLatitiaのフレンチ・ヴォーカルが似合います。Mary Hansenのコーラスもいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=Blsw1powe6M
「Outer Accelerator」
エクスペリメンタル・サウンドと次作以降の近未来ラウンジ・ポップが交錯するような雰囲気の仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=-TDcpHX2yFc
「New Orthophony」
エクスペリメンタルな前半とポップな後半のコントラストが印象的です。
「Fiery Yellow」
ラストはSean O'Haganが活躍するHigh Llamas的サウンドのインストで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=yTkDFt-dYoQ
Stereolabの過去記事もご参照下さい。
『Peng!』(1992年)
『Transient Random-Noise Bursts With Announcements』(1993年)
『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)
『Dots And Loops』(1997年)
『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』(1999年)
『Margerine Eclipse』(2004年)