発表年:2012年
ez的ジャンル:Papik系男性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :Papik好きはぜひチェックを!
今回はイタリア人男性ジャズ&ポップ・シンガーMatteo Brancaleoniの最新アルバム『New Life』(2012年)です。
Matteo Brancaleoniは2006年にデビュー・アルバム『Just Smile』(2006年)をリリース。その後、『Live In Studio』(2010年)、『Matteo Brancaleoni Live With Gianpaolo Petrini Big Band』(2012年)といったアルバムをリリースしています。ポップ・スタンダードを得意とする親しみやすい男性シンガーです。
そんなMatteo Brancaleoniの最新作『New Life』は、Papikでお馴染みのNerio Poggiがアレンジを手掛けています。僕が本作に興味を持ったのもNerio Poggiの参加を知ったためです。
Nerio Poggiによるクラブジャズ・プロジェクトPapikの2nd『Music Inside』(2012年)は、『ezが選ぶ2012年の10枚』に選ぶほどのお気に入りの1枚でした。
そのNerio Poggiがアレンジ&キーボードで参加し、それ以外にAlfredo Bochicchio(g)、Massimo Guerra(tp)、Pierpaolo Ranieri(b)、Fabrizio Foggia(key)、Marco Rovinelli(ds)、Simone "Federicuccio" Talone(per)、Ely Bruna(back vo)といったPapik作品でお馴染みのミュージシャンがバックを固めており、Papikに通じる小粋でポップなジャズ・ヴォーカル作品に仕上がっています。
プロデュースはRenato D'Herin。
全11曲中6曲はポップ・ヒットのカヴァー。残り5曲はMatteo Brancaleoni、Nerio Poggi、Renato D'Herinらによるオリジナルです。カヴァーの中には何とLady Gagaの「Bad Romance」も含まれています。
個人的には「Copacabana」、「More」 、「Cosa Hai Messo Nel Caffe」、「How Am I Supposed To Live Without You」といったPapik的魅力を存分に満喫できるカヴァー4曲がお気に入りです。
Papik好きの人はぜひチェックして欲しい1枚です。
全曲紹介しときやす。
「How Am I Supposed To Live Without You」
Michael Bolton作品のカヴァー。オリジナルは1983年のLaura Braniganヴァージョンです。作者Michael Boltonのヴァージョンは1989年にシングルとなっています。ドラマチックなバラードのイメージのある楽曲ですが、ここではボッサ調のアレンジを施したムーディーなヴァージョンで聴かせてくれます。男の色気漂うムーディーな仕上がりがグッド!
「New Life」
リラックスした雰囲気のスウィンギー&ポップなバラード。Nerio Poggiらしい華やかなアレンジがいいですね。
「I Won't Let You Go」
メロウなポップ・バラード。どこか切ないメロディが胸に奥までジーンと響きます。黄昏モードで聴きたい1曲です。
「Copacabana」
Barry Manilowのヒット曲をカヴァー(Jack Feldman/Barry Manilow/Bruce Sussman作)。本作のハイライトといえるかもしれませんね。Papik的な小粋でポップなクラブジャズを存分に満喫できます。僕も本曲を試聴して本作の購入を決定しました。
http://www.youtube.com/watch?v=WlVHPOuJHGg
「Us」
ジェントル・モードの1曲。Matteo Brancaleoniの親しみやすい歌声が優しく包み込んでくれます。
「Cosa Hai Messo Nel Caffe」
1969年、Riccardo Del Turcoのヒット曲「愛の妙薬」をカヴァー。本作唯一のイタリア語でのヴォーカルを満喫できます。ボッサ・アレンジのロマンティックな仕上がりにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=SrdP2jrHaYk
「Fly Away With Me」
Anna Bernardとのデュエット。Anna Bernardの女性ヴォーカルと共にロマンティックなバラードを聴かせてくれます。Nerio Poggiの素敵なアレンジ・センスも光ります。
「More」
1962年のイタリア映画『Mondo Cane(邦題:世界残酷物語)』の主題歌カヴァー(Riz Ortolani/Nino Oliviero作)。当ブログではBalanco、Gary McFarlandのカヴァーを紹介済みです。本ヴァージョンはラウンジ調のキャッチーな仕上がり!この曲もPapik的センスを存分に堪能できます。
「Never Gonna Fall In Love Again」
Eric Carmenのカヴァー。オリジナルは『Eric Carmen』(1975年)に収録されています。僕もEric Carmenヴァージョンは持っていますが、そのイメージで聴くとギャップがあるかもしれませんね。ここでは落ち着きのある大人の男性ジャズ・ヴォーカル・カヴァーに仕上がっています。
「Bad Romance」
Lady Gagaの大ヒット曲をカヴァー。何の予備知識もなく聴いたら、「Bad Romance」とはわからないのでは?このあたりの選曲&アレンジは、Papik『Music Inside』でもMary J. Blige「Family Affair」を取り上げるなど、一見ジャズとはマッチしないような楽曲を見事に調理してしまうNerio Poggiのセンスなのでは?
「Secret Love」
ラストは感動のバラードで締め括ってくれます。Matteo Brancaleoniのヴォーカリストとしての確かな実力を実感できます。
興味がある方はMatteo Brancaleoniの他作品もチェックを!
『Just Smile』(2006年)
『Live In Studio』(2010年)
『Matteo Brancaleoni Live With Gianpaolo Petrini Big Band』(2012年)
本作とセットでPapikの作品もぜひチェックを!
Papik『Rhythm of Life』(2009年)
Papik『Music Inside』(2012年)