発表年:2013年
ez的ジャンル:ラウンジ感覚クラブジャズ
気分は... :R30な大人のクラブジャズ!
今回はイタリア人キーボード奏者/コンポーザー/アレンジャーPapikことNerio Poggiの最新作『Papik Presents: Cocktail Martino - A Tribute To Bruno Martino』です。
先週末の新作アルバム紹介でPapikがアレンジを手掛けた男性ジャズ・ヴォーカル作品Matteo Brancaleoni『New Life』(2012年)を取り上げたばかりですが、その直後の20日に最新作『Papik Presents: Cocktail Martino - A Tribute To Bruno Martino』がリリースされました。
ラウンジ感覚の小粋でキャッチーなクラブジャズを聴かせてくれるNerio Poggiのクラブジャズ・ユニットPapikの紹介は、2nd『Music Inside』(2012年)、1st『Rhythm of Life』(2009年)に続き3回目となります。
昨年リリースされた2nd『Music Inside』(2012年)は日本でも好評を博し、来日公演も果たしました。当ブログでも『ezが選ぶ2012年の10枚』に選ぶほどのお気に入りの1枚でした。
最新作『Papik Presents: Cocktail Martino - A Tribute To Bruno Martino』はタイトルの通り、偉大なイタリア人作曲家/ピアニスト/シンガーBruno Martino(1925-2000年)へのトリビュート作品です。収録曲のすべてがBruno Martino作品または彼のレパートリーであった楽曲です。
Papikの過去のアルバムを振り返っても、1st『Rhythm of Life』では「E La Chiamano Estate」、2nd『Music Inside』では「Raccontami Di Te」といったBruno Martino作品を取り上げており、Nerio PoggiのBruno Martinoに対する敬愛ぶりが窺えます。
アルバムには前述のMatteo Brancaleoniをはじめ、Vittoria Sigillino、Tom Gaebel、Francesca Gramegna、Bengi Benati、Alessandro Pitoni、Cristiana Polegri、Federico Straga'、Paco Di Maso、Fred Buccini、The Barbera Connectionといった多彩なヴォーカル陣が参加しています。
レコーディングにはAlfredo Bochicchio(g)、Massimo Guerra(tp)、Pierpaolo Ranieri(b)、Fabrizio Foggia(key)、Marco Rovinelli(ds)、Simone "Federicuccio" Talone(per)といったPapik作品でお馴染みのミュージシャンが参加しています。
過去のPapik作品と比べると、やや落ち着いた印象の作品かもしれませんが、その分大人のムーディーな雰囲気を満喫できます。ただし、ムーディーといってもノスタルジックな雰囲気のみではなく、Papikらしいスタイリッシュなラウンジ感覚は随所に散りばめられているのでご安心を!
『Papik Presents: Cocktail Martino - A Tribute To Bruno Martino』ダイジェスト
※Nerio Poggi本人がアップしたYouTube音源です。
http://www.youtube.com/watch?v=5muAUNTEiXQ
タイトルやジャケの通り、カクテル片手に聴きたくなる1枚です。
やっぱりPapikはサイコーですな。
全曲紹介しときやす。
「Sabato Sera」
オープニングは現在絶好調の男性シンガーMatteo Brancaleoniをフィーチャー。ラウンジ感覚のエレガントなボッサ・サウンドをバックに、Matteo Brancaleoniが甘くムーディーなヴォーカルを披露してくれます。一気にリゾート気分へ誘ってくれます。
「Soli Tra La Gente」
Vittoria Sigillinoをフィーチャー。Vittoria Sigillinoの妖艶なヴォーカルが悩殺されそうなムード満点のバラード。
「The Girl from Ipanema」
MartinoのレパートリーであったAntonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作の名曲「イパネマの娘」をカヴァー。Tom Gaebelの男性ヴォーカルをフィーチャーしたPapikらしいポップでキャッチーな大人のクラブジャズに仕上がっています。『Music Inside』のPapikがお好きな方であればど真ん中のカヴァーに仕上がっています。
名曲「イパネマの娘」について、当ブログではTamba Trio、Agustin Pereyra Lucena、Diane Denoir/Eduardo Mateo、Roberto Menescal、Bossacucanova & Roberto Menescal、Sheila Landis/Rick Matleのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はチェックを!
「Estate」
Francesca Gramegnaをフィーチャー。哀愁ボッサ・サウンドとイタリア語の響きがよくマッチしています。ボッサ・ギターとエレガントなストリングスとメロウ・エレピの相まったサウンドがいい感じです。
「Rimpiangerai」
Bengi Benatiをフィーチャー。「The Girl from Ipanema」と並ぶ僕のiPodヘビロテ曲です。激シブのBengi Benatiの男性ボーカルと洗練されたメロウ・サウンドの組み合わせが大人のラウンジ・タイムといった趣でサイコー!Fabrizio Foggiaのムーグの響きがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=Or0qI5RI4cQ
「Resta」
Alessandro Pitoniをフィーチャー。ロマンティック・ムード満点のビューティフル・バラード。サンセット・モードにピッタリなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=Hpzlbghby5g
「Se Mi Vuoi」
Giorgio Calabrese/Franco Cerri作。Cristiana Polegriをフィーチャー。軽快なボッサ・チューンです。Schemaのセクシー女性スキャットをフィーチャーしたボッサ・チューンがお好きな人でれば間違いなく気に入るはず!
「E La Chiamano Estate」
Federico Straga'をフィーチャー。1st『Rhythm of Life』でもカヴァーしていた楽曲の新録です。『Rhythm of Life』ではClizia Aloisiの情熱的な女性ヴォーカルをフィーチャーしていましたが、ここではFederico Straga'の伸びやかな男性ヴォーカルをフィーチャーし、大人のクラブジャズ仕立てで魅了してくれます。Nerio Poggiのアレンジ・センスも抜群です。
「Che Peccato」
Lino Patruno/Enzo Tortora作。Paco Di Masoをフィーチャー。Paco Di Masoの甘い男性ヴォーカルの魅力を最大限に引き出したロマンティック・バラード。ラウンジ感覚のオルガンの音色とCristiana Polegriのセクシー・バック・コーラスがアクセントになっています。
(feat. Paco Di Maso) (03:10)
「Al Di La」
Cristiana Polegriをフィーチャー。ポップなアレンジをバックに、Cristiana Polegriのセクシー&キュートなヴォーカルを満喫できます。
「Se Mai」
Charles Chaplinの名作映画『モダン・タイムズ』で使われた名曲「Smile」のカヴァー(Charles Chaplin作)。Fred Bucciniの男性ヴォーカルをフィーチャーしたジャジー・バラードに仕上がっています。
「Cos'hai Trovato In Lui」
Paco Di Masoをフィーチャー。寛いだムードでPaco Di Masoの魅惑の低音ヴォーカルを堪能できます。Alfredo Bochicchioのギター・ソロもグッド!
「Fai Male」
The Barbera Connectionをフィーチャー。ラストはリラックスしたムードで締め括ってくれます。
CDにはボーナス・トラックとして、「The Girl from Ipanema」のイタリア語ヴァージョン「La Ragazza di Ipanema」、『Music Inside』にも収録されていた「Raccontami Di Te」
の2曲が追加収録されています。
Papikや本作のオープニングを飾ったMatteo Brancaleoniの過去記事もご参照下さい。
『Rhythm of Life』(2009年)
『Music Inside』(2012年)
Matteo Brancaleoni『New Life』(2012年)