発表年:1977年
ez的ジャンル:Sky High Production系ゴスペル/ソウル
気分は... :You're My Everything...
今回はレア・グルーヴ/フリーソウル人気曲「Reason To Survive」を収録したThe Rance Allen Groupのアルバム『Say My Friend』(1977年)です。
The Rance Allen Groupは、Rance Allen(vo、g、p)を中心に、Steve Allen(vo、g)、Tom Allen(vo、ds)という3兄弟によるゴスペル・グループ。
※もう一人の兄弟であるEsau(per)も加わっている場合もあります。
最初の録音は1969年。その後Stax系列のGospel Truthと契約し、『The Rance Allen Group』(1971年)、『Truth is Where it's at』(1972年)、『Brothers』(1973年)、『A Soulful Experience』(1975年)といったアルバムをリリースしています。
その後も『Say My Friend』(1977年)、『Smile』(1979年)、『I Feel Like Going On』(1980年)、『Hear My Voice』(1983年)、『I Give Myself to You』(1984年)等コンスタントにアルバムをリリースしています。また、Rance Allen名義で『Straight from the Heart』(1978年)といったアルバムもあります。
ゴスペル・グループでありながら、R&B/ソウル感覚のサウンドで人気を博したグループです。僕が持っている彼らの作品は本作『Say My Friend』とRance Allen名義の『Straight from the Heart』の2枚のみ。今回記事を作成しながら気付いたのですが、彼らのアルバムは意外にCD化されていないんですね。
今日紹介する『Say My Friend』はCapitolからリリースされた唯一のアルバムであり、Mizell Brothers(Larry Mizell & Fonce Mizell)がプロデュースしたSky High Production作品です。その意味では彼らのアルバムの中でも異色作と呼べるかもしれません。
何といってもレア・グルーヴ/フリーソウル人気曲「Reason To Survive」ですね。僕も彼らの存在を知ったのはフリーソウルのコンピ『Free Soul Notes』のオープニングを飾った本曲でした。当時はグループよりもMizell Brothersに対する関心の方が高かったですが・・・
レコーディングには、3人のメンバー以外にLarry Mizell(key)、Fonce Mizell(b、key)、Rodney Mizell(ds、b)、Gary Bartz(sax)が参加しています。
スカイ・ハイ・サウンドとRance Allenの重厚なヴォーカルは意外にマッチしています。
目玉は「Reason To Survive」や「Peace Of Mind」だと思いますが、油断していると「You're My Everything」あたりで目が潤んでくるかもしれません。
Rance Allenの圧倒的なヴォーカルに酔いしれましょう。
全曲紹介しときやす。
「Truth Is Marching On」
ドラマティック&ダンサブル&パワフルなオープニング。いかにもThe Rance Allen Group meets Mizell Brothersといった雰囲気ですね。
「Reason To Survive」
前述のように本作のハイライト。イントロのギター・カッティングを聴いただけで胸にグッとくるアーバン・メロウ・チューンです。Rance Allenの野太いヴォーカルとめくるめくストリングスのスカイ・ハイ・サウンドが見事に融合しています。7分強の長尺ですが全く飽きません。いつ聴いても特別な気分にさせてくれる名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=l7VDC6_KJm4
「Peace Of Mind」
「Reason To Survive」と並ぶ本作の人気曲。躍動する疾走感がたまらない1曲です。力強いRance Allenのリード・ヴォーカルがインパクト大のスカイ・ハイ・サウンドに負けていないのがいいですね。Rance Allen自身のギターとFonce Mizellの鍵盤も印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=uqxGnXdElQc
「Reason To Survive」と「Peace Of Mind」の2曲だけで十分元が取れるのでは?
「I'm Gonna Make It After All」
ゴスペル・グループならではの迫力のヴォーカルをドラマティックに聴かせてくれる感動バラード。ど迫力ヴォーカルは思わず音量を間違えていないかと確認してしまいます(笑)。聴いているだけで神に救われている気分になってきます。
「Got To Be Ready」
アルバムの中で最も(Mizell Brothersではなく)The Rance Allen Group主導を感じる仕上がりです。少しイナたい感じが印象的です。
「You're My Everything」
感動的なストリングスをバックにRance Allenのヴォーカルが全てを包み込んでくれます。神よ奇跡を導きたまえ・・・そんな気分にさせてくれる重厚な仕上がりです。Gary Bartzも4参加しているようです。彼もこの時期にMizell Brothersプロデュースによる『Music Is My Sanctuary』をリリースしていますね。
「Truth Is Marching On (Outro)」
アルバムのアウトロ。
『A Soulful Experience』(1975年)