2013年03月07日

Jazzlife Sextet『Tall Stories』

Paolo Scottiプロデュースによるイタリアン・ジャズ・ユニット☆Jazzlife Sextet『Tall Stories』
Tall Stories(HQ-CD)
発表年:2009年
ez的ジャンル:Paolo Scotti系イタリアン・ジャズ
気分は... :ストレート・アヘッドな格好良さ!

イタリア・ジャズ界の仕掛人Paolo Scottiがプロデュースしたイタリアン・ジャズJazzlife Sextetのアルバム『Tall Stories』です。

Jazzlife Sextetは、Stefano Serafini(flh)、Alessandro Fariselli(ts)、Federico Tassani(tb)、Massimiliano Rocchetta(p)、Gabriele Pesaresi(b)、Massimo Ferri(ds)というイタリア人ミュージシャンによるセクステットです。

日本のポニー・キャニオンがDejavuレーベルの主宰でも知られるイタリア・ジャズ界の仕掛人Paolo Scottiをプロデューサーに迎えたイタリアジャズ専門レーベルNorma Blueからリリースされた作品です。

当ブログではNorma Blueからリリース作品として、以前にStefania Rava『The Sweetest Sound』(2010年)を紹介済みです。また、Dejavuレーベル作品としては、イタリアン・ジャズ・ルネッサンスを目指したプロジェクトidea6『Metropoli』(2005年)を紹介しています。

本作『Tall Stories』idea6あたりと同じく、昔ながらのジャズの格好良さを現代感覚で満喫できる1枚に仕上がっています。クラブジャズ的なセンスでコンパクトかつキャッチーに聴かせてくれるのがいいですね。

アルバムにはGege Telesforo(vo)、Luca Florian(per)、Mauro Ottolini(sousaphone)といったゲストも参加しています。

個人的にはジャズ初心者の方はこういったアルバムから入って、50〜60年代ジャズ名盤やクラブジャズにも触れるというのも有りなのでは?という気がします。永遠のジャズ初心者の僕はこんなことを書くのも変なのですが・・・

小粋なイタリアン・ジャズ・ユニットの系譜をしっかり受け継いでいる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Tall Stories」
Federico Tassani作。ストレート・アヘッドなジャズの魅力をキャッチーに満喫できるハードバップなオープニング。ストレート・アヘッドながらもイタリアン・ジャズらしい小粋なセンスに溢れているのがいいですね。

「So Danco Samba」
Vinicius De Moraes/Antonio Carlos Jobim作の名曲「So Danco Samba (Jazz 'N' Samba)」のカヴァー。当ブログではSergio Mendes & Brasil'66Wanda Sa(Wanda De Sah)Tamba TrioRoberto MenescalGimmicksのカヴァーを紹介済みです。Gege Telesforoのスキャット入りの小粋なジャズ・サンバは大人のイタリアン・ジャズに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=b1YEx--7mWM

「Soft Tick」
Massimiliano Rocchetta作。誰しもがLee Morgan「The Sidewinder」を思い浮かべるような確信犯的なジャズ・ロックです。

「Long Island」
Stefano Serafini作。実に小気味良い演奏で一気に駆け抜けていきます。3管フロントの格好良いソロを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=DUUwoq8ClVc

「Work Song」
Nat Adderley作。お馴染みのジャズ名曲。イタリアン・ジャズならではのセンスで聴かせてくれます。Federico Tassaniのトロンボーンが肝ですね。

「Blues for Laura」
Alessandro Fariselli作。コンパクトにハードバップな格好良さを楽しめる感じがいいですね。

「Sippin' at Bells」
帝王Miles Davisの初期の作品をカヴァー。当ブログではSonny Clark『Cool Struttin'』(1958年)のヴァージョンも紹介済みです。ここではGege Telesforoのスキャット入りで、テンポよく聴かせてくれます。スピード感の中にも伊達男の国のジャズマンたちのセンスを感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=pDPdp89sh_U

「Song for Sarah」
Federico Tassani作。落ち着きのあるバラード。Massimiliano Rocchettaのピアノが美しく響きます。

「Nutville」
Horace Silver作品のカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『The Cape Verdean Blues』に収録されています。『The Cape Verdean Blues』収録のHorace Silver自身のヴァージョンも実にスタイリッシュでしたが、本ヴァージョンもそれを踏襲し、小粋でソフィスティケイトされた演奏を楽しめます。この曲には3管フロントが似合いますね。

「P.M.D.」
Stefano Serafini作。少しとぼけたレイジー感が印象的ですね。アルバムの中でいいアクセントになっていると思います。

「Sincopato Blues」
Massimiliano Rocchetta作。リラックスした演奏で寛いだ気分にさせてくれます。個人的にはFederico Tassaniのトロンボーン・ソロがお気に入りです。

「Navarra」
ラストはイタリア人サックス奏者/バンド・リーダーAttilio Donadioの作品。当ブログでは以前にBasso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)で彼の作品「Lucky Ed Io」を紹介したことがあります。こじつけですがBasso Valdambrini Quintetあたりがお好きな人は気に入るのでは?個人的にもアルバムで一番のお気に入り!スピード感がサイコーです。

ご興味がある方はPaolo Scotti関連作品の過去記事もご参照ください。

idea6『Metropoli』/a>(2005年)
Metropoli

Stefania Rava『The Sweetest Sound』(2010年)
The Sweetest Sound
posted by ez at 03:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする