発表年:2013年
ez的ジャンル:アングラ・ジャジーHip-Hopバンド
気分は... :タップダンサーも音でわかります!
今回はジャジーHip-Hopの新作からSidewalk Chalk『Corner Store』を紹介します。
Sidewalk Chalkはシカゴで結成されたHip-Hopバンド。
メンバーはRico Sisney(mc)、Maggie Vagle(vo)、Tyler Berg(ds)、Charlie Coffeen(key)、Garrett McGinn(b)、David Ben-Porat(tb)、Sam Trump(tp)、Jumaane Taylor(taps)メンバーにタップダンサーが含まれているのがユニークですね。本作を聴けば、タップダンサーがバンド・サウンドで重要な役割を果たしているのがハッキリとわかります。
本作『Corner Store』が初のフル・アルバムのようです。生バンドによるメロウなHip-Hopが魅力のグループです。
日本では「The RootsとJazzanovaが一緒になったような・・・」といった謳い文句が使われていますが、MCのRicoのラップを聴くとQ-TipやOthelloあたりがお好きな人にフィットする作品という気がします。
ただし、単にジャジー&メロウなHip-Hopで終わっていないのが本作の魅力です。他では聴くことができないタップダンサー・サウンドをはじめ、Hip-Hopバンドの新たな可能性を感じさせてくれます。また、ラップ&ヴォーカルにもインテリジェンスを感じます。
プロデュースはLupe Fiasco作品の制作にも関与していたGreg Magersが手掛けています。そのLupe Fiascoも同郷ということもあってか、かなり本作をプッシュしているようですね。こういう作品をきちんとチェックしているLupeのアンテナもさすがですね。
グッド・ヴァイヴに満ちたHip-Hop作品です。
これだからアングラ・ジャジーHip-Hopは面白い!
全曲紹介しときやす。
「Birds Of A Feather」
RicoのラップMaggieのキュートな女性ヴォーカルがバランス良く配された開放的なメロウHip-Hopがオープニング。ポジティブなヴァイヴに満ちているのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=xdp2Rpb5i3I
「Ananda」
Maggieのヴォーカルが栄えるメロウ・グルーヴ。エレピのメロウな音色とキュートなMaggieの声の相性は抜群!
「Moon = Belly」
このバンドらしいジャジー&メロウHip-Hopサウンドを満喫できます。Othelloと一緒に聴きたくなりますね、
http://www.youtube.com/watch?v=z8neRcLmCzw
「Corner」
Maggieのポエトリー・リーディングのようなヴォーカルからRicoのスムーズなフロウへとつなぐキャッチーなジャジーHip-Hop。
「Satellite」
Maggieのキュート・ヴォーカルを活かしたメロウ・チューン。ジャジー&メロウ好きには間違いない仕上がり。
「Plastic」
エレピに加え、グルーヴィーなオルガンも織り交ぜています!Maggieの表現力の豊かさ、畳み掛けるRicoのラップにもグッときます。
「Water Song」
本作の素晴らしさを象徴する曲かもしれませんね。メロウなエレピのイントロからしてサイコーですね。生バンドHip-Hopらしい臨場感が伝わってきます。そして、何よりタップダンサーがメンバーであることをサウンドで認識できます。こんなの初めて!格好いいねぇ!
http://www.youtube.com/watch?v=xDK_ziljxzU
「Interlude」
インタールード。
「Hats And Shoes」
彼らのジャジー・ヴァイヴを満喫できます。ここでも先のタップ・リズムが活躍します。このバンドのユニークな魅力を存分に楽しみましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=Lw-Wm0MaeSo
「Lyrically Free」
疾走するジャジーHip-Hopチューン。Rico、Maggieのフロント2人のラップ&ヴォーカルも躍動しています。アングラ・ジャジーHip-Hop好きには間違いない1曲。
「One 4 Norton」
メロウながらもミステリアスな空気が漂います。Q-Tip好きの人とか気に入るのでは?
「Closer」
ネオ・ソウル感覚の仕上がり。MaggieのヴォーカルとRicoのラップの掛け合いがよくマッチしています。ここでもタップのリズムがいいアクセントになっています。
「Movement Of The Mind」
グループが一体となってジワジワと盛り上がっていくクロスオーヴァー感覚の仕上がり。この路線を強めていくのも面白いかも?
「Ten Seconds」
ラストはシカゴの女性MC、Psalm Oneをフィーチャー。ガンガン来る感じがいいですね。単にメロウなだけではないHip-Hopバンドとしての魅力を感じます。 うまくエレクトロニクス感を取り入れているのが印象的です。
水のような言葉が流れるとき、人生が広がっていく・・・