2013年03月12日

Shirley Scott & The Soul Saxes『Shirley Scott & The Soul Saxes』

ジャズ・オルガンの女王がAtlanticのサックス奏者たちと共演したソウル・ジャズ名盤☆Shirley Scott & The Soul Saxes『Shirley Scott & The Soul Saxes』
シャーリー・スコット&ザ・ソウル・サックシーズ
録音年:1968、1969年
ez的ジャンル:ジャズ・オルガンの女王系ソウル・ジャズ
気分は... :さすがはオルガンの女王

今回は"ジャズ・オルガンの女王"Shirley ScottShirley Scott & The Soul Saxes名義でレコーディングした『Shirley Scott & The Soul Saxes』(1969年)です。レア・グルーヴの人気作ですね。

"ジャズ・オルガンの女王"Shirley Scott(1934-2002年)はフィラデルフィア生まれ。

10代の頃から父親が経営するクラブでピアノを演奏していたShirleyは、その後オルガンへ転向し、50年代後半からは自身のグループを率いて70年代半ばまでコンスタントに作品をリリースしていました。Stanley Turrentineの夫人でもあり、夫婦共演作も残しています。

そのリーダー作の多さからも彼女が"ジャズ・オルガンの女王"と呼ばれるのがわかりませんね。

個人的にはラテン・テイストな『Mucho Mucho』(1960年)あたりも愛聴していますが、インパクトという点では本作『Shirley Scott & The Soul Saxes』は鮮烈な印象を与えてくれます。

ジャケのイメージ通り、ファンキーなオルガン・サウンドを満喫できる1枚です。『Mucho Mucho』のジャケとはかなり雰囲気が異なりますよね(笑)

Atlanticからリリースされた本作『Shirley Scott & The Soul Saxes』(1969年)は、King Curtis
David NewmanHank CrawfordというAtlanticが誇るサックス奏者三人衆と共演したソウル・ジャズ作品です。

レコーディング・メンバーはShirley Scott(org)、King Curtis(ts)、David Newman(ts、fl)、Hank Crawford(as、bs)、Ernie Royal(tp)、Richard Tee(p)、Eric Gale(g)、Jerry Jemmott(el-b)、Chuck Rainey(el-b)、Jimmy Johnson(ds)、Bernard Purdie(ds)。また、Mongo Santamaria楽団のアレンジャーMarty Shellerがアレンジを手掛けています。

3人のサックス・プレイヤーに加え、Bernard Purdie、Eric Gale、Chuck Raineyら名うてのミュージシャンがバックを固め、オルガン女王を好サポートしています。

ソウル、ロックのヒット曲をファンキー&ソウルフルにカヴァーしています。
ジャズ好きのみならず、ソウル好きの人もグッとくるソウル・ジャズです。

オルガンの女王、貫録の1枚でしょう!

全曲紹介しときやす。

「It's Your Thing」
パワフルでファンキーなオープニングはThe Isley Brothersのカヴァー(O'Kelley Isley/Ronald Isley/Rudolph Isley作)。オリジナルは『It's Our Thing』(1969年)に収録されています。Purdieら骨太リズム隊をバックに、King Curtisのテナー・サックスとShirleyのファンキー・オルガンが炸裂します。このオープニングを聴けば、本作が欲しくてたまらなくなるはず!
http://www.youtube.com/watch?v=_A_W--1HClY

「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」
Aretha Franklinの大ヒット曲をカヴァー(Gerry Goffin/Carole King/Jerry Wexler作)。ソウルフルなShirleyのオルガンにグッときます。フルート・ソロはDavid Newman。

「I Wish I Knew How It Would Feel to Be Free」
Dick Dallas/Billy Taylor作。Nina Simoneヴァージョン等で知られる楽曲ですね。本作のみ1968年のセッションであり、Jerry JemmottとPurdieのリズム・セクションになっています。ここでもエモーショナルに鳴り響くShirleyのオルガンに魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=UjbkWSNQLEg

「You」
Marvin Gaye、1967年のシングル曲をカヴァー(Jack Goga/Ivy Jo Hunter/Jeffrey Owen作)。本作らしいファンキーなオルガン・グルーヴを満喫できます。David Newmanのテナーがファンキー度をさらにアップしてくれます。Eric Galeのギター・ソロも聴き逃せません!
http://www.youtube.com/watch?v=wLxiJej-d6w

「Stand by Me」
Ben E. Kingによるお馴染みの名曲をカヴァー。King Curtisのソウルフルなテナーがフィーチャーされています。Atlanticソウル・ジャズらしい仕上りなのでは?

「Get Back」
The Beatlesの大ヒット曲をカヴァー。「Get Back」の新たな魅力を発見できるファンキー・グルーヴです。最初から最後までハイ・テンションで一気に駆け抜けます。Shirleyの躍動するファンキー・オルガンとEric Galeのギターの絡みがいい感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=lpcねN5SGZqxE

「More Today Than Yesterday」
ラストはThe Spiral Starecaseのヒット曲をカヴァー(Pat Upton作)。当ブログではHugo MontenegroPatti Austinのカヴァーも紹介済みです。ラストは軽快な雰囲気で聴かせてくれます。Hank Crawfordが雰囲気のある演奏を聴かせてくれます。

『Mucho Mucho』(1960年)
ムーチョ・ムーチョ

Shirley Scott & Stanley Turrentine『Blue Flames』(1964年)
Blue Flames

『Latin Shadows』(1965年)
ラテン・シャドゥズ

Shirley Scott & Clark Terry『Soul Duo』(1966年)
Soul Duo

『Soul Song』(1968年)
ソウル・ソング

『Something』(1970年)
Something
posted by ez at 12:41| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする