録音年:1968、1969年
ez的ジャンル:ジャズ・オルガンの女王系ソウル・ジャズ
気分は... :さすがはオルガンの女王
今回は"ジャズ・オルガンの女王"Shirley ScottがShirley Scott & The Soul Saxes名義でレコーディングした『Shirley Scott & The Soul Saxes』(1969年)です。レア・グルーヴの人気作ですね。
"ジャズ・オルガンの女王"Shirley Scott(1934-2002年)はフィラデルフィア生まれ。
10代の頃から父親が経営するクラブでピアノを演奏していたShirleyは、その後オルガンへ転向し、50年代後半からは自身のグループを率いて70年代半ばまでコンスタントに作品をリリースしていました。Stanley Turrentineの夫人でもあり、夫婦共演作も残しています。
そのリーダー作の多さからも彼女が"ジャズ・オルガンの女王"と呼ばれるのがわかりませんね。
個人的にはラテン・テイストな『Mucho Mucho』(1960年)あたりも愛聴していますが、インパクトという点では本作『Shirley Scott & The Soul Saxes』は鮮烈な印象を与えてくれます。
ジャケのイメージ通り、ファンキーなオルガン・サウンドを満喫できる1枚です。『Mucho Mucho』のジャケとはかなり雰囲気が異なりますよね(笑)
Atlanticからリリースされた本作『Shirley Scott & The Soul Saxes』(1969年)は、King Curtis、
David Newman、Hank CrawfordというAtlanticが誇るサックス奏者三人衆と共演したソウル・ジャズ作品です。
レコーディング・メンバーはShirley Scott(org)、King Curtis(ts)、David Newman(ts、fl)、Hank Crawford(as、bs)、Ernie Royal(tp)、Richard Tee(p)、Eric Gale(g)、Jerry Jemmott(el-b)、Chuck Rainey(el-b)、Jimmy Johnson(ds)、Bernard Purdie(ds)。また、Mongo Santamaria楽団のアレンジャーMarty Shellerがアレンジを手掛けています。
3人のサックス・プレイヤーに加え、Bernard Purdie、Eric Gale、Chuck Raineyら名うてのミュージシャンがバックを固め、オルガン女王を好サポートしています。
ソウル、ロックのヒット曲をファンキー&ソウルフルにカヴァーしています。
ジャズ好きのみならず、ソウル好きの人もグッとくるソウル・ジャズです。
オルガンの女王、貫録の1枚でしょう!
全曲紹介しときやす。
「It's Your Thing」
パワフルでファンキーなオープニングはThe Isley Brothersのカヴァー(O'Kelley Isley/Ronald Isley/Rudolph Isley作)。オリジナルは『It's Our Thing』(1969年)に収録されています。Purdieら骨太リズム隊をバックに、King Curtisのテナー・サックスとShirleyのファンキー・オルガンが炸裂します。このオープニングを聴けば、本作が欲しくてたまらなくなるはず!
http://www.youtube.com/watch?v=_A_W--1HClY
「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」
Aretha Franklinの大ヒット曲をカヴァー(Gerry Goffin/Carole King/Jerry Wexler作)。ソウルフルなShirleyのオルガンにグッときます。フルート・ソロはDavid Newman。
「I Wish I Knew How It Would Feel to Be Free」
Dick Dallas/Billy Taylor作。Nina Simoneヴァージョン等で知られる楽曲ですね。本作のみ1968年のセッションであり、Jerry JemmottとPurdieのリズム・セクションになっています。ここでもエモーショナルに鳴り響くShirleyのオルガンに魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=UjbkWSNQLEg
「You」
Marvin Gaye、1967年のシングル曲をカヴァー(Jack Goga/Ivy Jo Hunter/Jeffrey Owen作)。本作らしいファンキーなオルガン・グルーヴを満喫できます。David Newmanのテナーがファンキー度をさらにアップしてくれます。Eric Galeのギター・ソロも聴き逃せません!
http://www.youtube.com/watch?v=wLxiJej-d6w
「Stand by Me」
Ben E. Kingによるお馴染みの名曲をカヴァー。King Curtisのソウルフルなテナーがフィーチャーされています。Atlanticソウル・ジャズらしい仕上りなのでは?
「Get Back」
The Beatlesの大ヒット曲をカヴァー。「Get Back」の新たな魅力を発見できるファンキー・グルーヴです。最初から最後までハイ・テンションで一気に駆け抜けます。Shirleyの躍動するファンキー・オルガンとEric Galeのギターの絡みがいい感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=lpcねN5SGZqxE
「More Today Than Yesterday」
ラストはThe Spiral Starecaseのヒット曲をカヴァー(Pat Upton作)。当ブログではHugo Montenegro、Patti Austinのカヴァーも紹介済みです。ラストは軽快な雰囲気で聴かせてくれます。Hank Crawfordが雰囲気のある演奏を聴かせてくれます。
『Mucho Mucho』(1960年)
Shirley Scott & Stanley Turrentine『Blue Flames』(1964年)
『Latin Shadows』(1965年)
Shirley Scott & Clark Terry『Soul Duo』(1966年)
『Soul Song』(1968年)
『Something』(1970年)