発表年:2001年
ez的ジャンル:プログレッシヴ系アングラ・ジャジーHip-Hop
気分は... :アングラ・ジャジーHip-Hopの美学・・・
今回はアングラ・ジャジーHop-Hopの名盤、Five Deezの1stアルバム『Koolmotor』(2001年)です。
Five Deezはオハイオ州シンシナティで結成されたHip-Hopユニット。メンバーはFat Jon、Pase Rock、Kyle David、Sonicの4名。
Five Deezとしては『Koolmotor』(2001年)、『Kinkynasti』(2003年)、『Slow Children Playing』(2005年)、『Kommunicator』(2006年)といったアルバムをリリースしています。
また、グループの中心であるFat Jonはソロ作やJ. Rawlsと組んだユニット3582名義でも勢力的に作品をリリースしています。
Five Deezの1stアルバム『Koolmotor』は、当ブログで既に紹介済みのAsheru & Blue Black Of The Unspoken Heard『Soon Come...』(2001年)あたりと並び僕にアングラHip-Hopの魅力を教えてくれた1枚です。
そもそもHip-Hopの枠に収まらないクロスオーヴァー感のある音世界に驚愕させられました。ジャジー&メロウながらもアブストラクト&スピリチュアルな感覚も取り込んだFat Jonの天才的なトラック作りには脱帽です。
日本人MC、Shing02がゲスト参加しています。
久々にアルバム1枚通しで聴きましたが、今聴いてもインパクトのある作品です。
Five Deezにしか生み出せない独特の音世界の美学にどっぷり浸りましょう。
全曲紹介しときやす。
「Say Intro」
アルバムのイントロですが期待を高めてくれる美しい仕上がりです。
「Latitude」
アルバムからの先行シングル。Gato Barbieri「Fiesta」ネタのスパニッシュなギター・ループが印象的ですね。Paseによるスクラッチもバッチリです!アングラ・ジャジーHip-Hopの魅力が凝縮されたキャッチーな仕上り。Kurtis Blow「Party Time」、Doug E. Fresh & Slick Rick「La Di Da Di」もサンプリングしています。
http://www.youtube.com/watch?v=0ebzAX2RWnA
「Omni」
このトラックも人気なのでは?憂いのあるストリングスと小鳥のさえずりが印象的です。啓示的なリリックも含めてアングラ・ジャジーHip-Hopらしい音世界を堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=z_oFPLzPpNU
「Got Dough」
アブストラクト感のあるトラックと軽快なフロウがよくマッチしています。James Brown「Say It Loud, I'm Black and I'm Proud」ネタ。
「Decapitated Orgasms」
1曲の中に壮大なドラマを感じるシネマティックな仕上がり。こういうトラックを聴くとFat Jonがベルリンに拠点を移したのが納得できます。
http://www.youtube.com/watch?v=vu0iad7iWf4
「Instruments Of The Trade (The Word)」
メロウな鍵盤の音色と硬質なリズムが印象的なアングラ・ジャジーHip-Hopらしいトラック。メロウな中にスピリチュアルな雰囲気が漂います。
http://www.youtube.com/watch?v=coV5Qd0mi4s
「Sexual For Elizabeth」
Shing02参加の本トラックも人気ですね。Hip-Hopの枠に収まらないアブストラクト&クロスオーヴァーな仕上がりにグッときます。バイリンガルのShing02があえて日本語でラップするのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=8m_5ztWBPdI
「Possibly」
Nu Jazzなんかとセットで聴きたくなる本曲はHip-Hopというよりクロスオーヴァーと呼ぶ方が相応しいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=q6YKq9mPgG4
「B.E.A.T.」
(ヴァージョンは異なりますが)『Secret Agent Number 005 The E.P.』(1999年)にも収録されていた人気曲。Matt Andersonのダブル・ベースも入ったジャジー・トラックがいい感じです。PaseのコンガとFat Jonのフルートが鳴り響く後半の独特な雰囲気も好きです。
「Ten」
煽るように畳み掛けるフロウと哀愁ストリングスのコントラストが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=FzCNRETjOmg
「Sugar」
メロウ&アブストラクトな雰囲気がFat Jonらしい1曲。Brian Oliveのギターも目立っています。Lamont Dozier「Fish Ain't Bitin」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=BUHVE6AFvMQ
「Even」
哀愁ピアノにCharles CooperのサックスとBrian Oliveのギターが絡む美しいインスト。
http://www.youtube.com/watch?v=fabyzK8gjgg
「Plasma Avenue」
哀愁スパニッシュ・モードのトラックをバックに、ストリートへの思いを込めたリリックをぶつけます。
http://www.youtube.com/watch?v=9X2-GLg9ZEI
「Afghanistan Dan's Skating Stand」
ラストは9分半を超える壮大なFive Deezワールドを満喫できます。Hip-Hopの枠に収まらないアブストラクト&クロスオーヴァーなトラックはさすがFat Jonと思わせます。
http://www.youtube.com/watch?v=vu7BJEsGMa8
「Latitude (Nujabes Remix)」
国内盤のボーナス・トラックとして、故Nujabesが手掛けた「Latitude」のリミックスが収録されています。Nujabesの名盤『Metaphorical Music』(2003年)にも収録されているのでお聴きの方も多いはずでは。この組み合わせが悪いわけないですよね。
http://www.youtube.com/watch?v=A5vNZuoW0bo
Five Deezの他作品やFat Jonのソロ作、Fat Jonがシンシナティの仲間J. Rawlsと組んだユニット3582のアルバムをチェックを!
『Kinkynasti』(2003年)
『Slow Children Playing』(2005年)
『Kommunicator』(2006年)
Fat Jon『Humanoid Erotica』(2001年)
Fat Jon『Wave Motion』(2002年)
Fat Jon『Lightweight Heavy』(2004年)
Fat Jon『Afterthought』(2004年)
Fat Jon & Styrofoam『The Same Channel』(2006年)
Fat Jon『Repaint Tomorrow』(2008年)
Fat Jon『Rapture Kontrolle』(2012年)
3582『The Living Soul 』(2001年)
3582『Situational Ethics 』(2003年)