2013年04月30日

Heraldo Do Monte『O Violao De Heraldo Do Monte』

異才ギタリストによるメロウなボサノヴァ/ジャズ・ギター作品☆Heraldo Do Monte『O Violao De Heraldo Do Monte』
O VIOLAO DE HERALDO DO MONTE (オ・ヴィオラォン・ヂ・エラルド・ド・モンチ)
発表年:1970年
ez的ジャンル:異才ボッサ・ギター
気分は... :メロウなボッサ・ギターの調べ・・・

今回は伝説のブラジリアン・ジャズ・グループQuarteto Novoにも参加していたブラジル人異才ギタリストHeraldo do Monteが1970年にリリースしたアルバム『O Violao De Heraldo Do Monte』です。

Heraldo do Monteは1935年ブラジル北東部レシフェ生まれ。50年代半ばからサンパウロで本格的な音楽活動を開始し、60年代初頭には2枚のリーダー作をリリースしています。

60年代半ばには、Hermeto Pascoal(fl、p、acd)、Theo de Barros(b、g)、Airto Moreira(per)と伝説のグループQuarteto Novoを結成し、当ブログでも紹介した名盤『Quarteto Novo』(1967年)をリリースしました。

そして、Quarteto Novo解散後にリリースしたアルバムが本作『O Violao De Heraldo Do Monte』(1970年)です。その後70年代はギタリスト/アレンジャーとして活躍し、80年代以降は再びソロ作品を発表しています。

今日紹介する『O Violao De Heraldo Do Monte』(1970年)は、異才ギタリストHeraldo do Monteの魅力をイージー・リスニング感覚で気軽に堪能できるインスト作品です。軽快ながらもメロディアスなガット・ギターの音色に魅了されます。

収録曲の中で目立っているのは、Edu LobJorge Benのカヴァーですね。また、ブラジル人コンポーザーの作品以外にジャズ、ソウル、映画音楽の名曲もカヴァーしています。特にジャズ名曲のカヴァーはかなり新鮮です。

寛ぎながら聴けるメロウなボサノヴァ/ジャズ・ギターは、なかなか重宝しますよ!

全曲紹介しときやす。

「Teletema」
Antonio Adolfo作。当ブログではAntonio Adolfo & A Brazucaヴァージョンを紹介済みです。ここではカフェ・タイムのぴったりな爽やかな演奏を聴かせてくれます。メロウなガット・ギターの響きがたまりません。

「My Cherie Amour」
Stevie Wonderの大ヒット曲をカヴァー。お馴染みの名曲をオクターブ奏法を交えたロマンティックな演奏で聴かせてくれます。

「Memorias de Marta Sare」
Edu Lobo/Gianfrancesco Guarnieri作。当ブログではElis ReginaSergio Mendes & Brasil '66のカヴァーも紹介済みです。Edu Lob作品らしくミステリアスな雰囲気の演奏を聴かせてくれます。

「Vou Me Pirulitar」
Jorge Ben作。Os Originais do Sambaが歌ってヒットさせた楽曲。小気味良い演奏はフォーキー・グルーヴがお好きな人あたりも気に入るのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=Mdf-FseCDPc

「Recit de Cassard (Watch What Happens)」
Michel Legrand作。
当ブログでは、Stanley TurrentineElis ReginaWes MontgomerySergio Mendes & Brasil '66Tamba 4のカヴァーを紹介済みです。ここでのジャズ・サンバ調の軽快かつメロウな演奏はカフェ・モードにピッタリ!

「Moanin'」
Art Blakey & The Jazz Messengersでお馴染み、ファンキー・ジャズを代表するBobby Timmons作の名曲。当ブログではLambert, Hendricks & Ross
のカヴァーを紹介済みです。ファンキー・ジャズのイメージが強い曲なので、ボッサ調のカヴァーは実に新鮮な印象を受けます。

「Casa Forte」
Edu Lobo作。当ブログではEdu Loboのオリジナル、Elis ReginaSergio Mendes & Brasil '66Isabelle Aubretのカヴァーを紹介済みです。異才ギタリストとしてのHeraldoのセンスを堪能できる1曲。彼のプレイとEdu Lobo作品の相性はいいみたいですね。

「Mercy Mercy Mercy」
Joe Zawinul作の名曲カヴァー。オリジナルは当ブログで紹介したCannonball Adderley『Mercy, Mercy, Mercy!』(1968年)に収録されています。当ブログではOsmar Militoのカヴァーを紹介済みです。ここでは寛いだ雰囲気のなかなか味わい深い演奏を聴かせてくれます。

「Que Maravilha」
Jorge Ben/Toquinho作。当ブログではSom Okey 5のカヴァーを紹介済みです。冒頭にThe 5th Dimension「Up, Up And Away」の一節を聴かせる心憎い演出のボッサ調カヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=bUIhOFpijQI

「Se Acaso Voce Chegasse」
Lupicinio Rodrigues作のサンバ名曲。当ブログではClara Morenoのカヴァーを紹介済みです。軽快な中にもエレガント感のある素敵なメロウ・ギターで締め括ってくれます。

『Heraldo Do Monte』(1980年)
Heraldo Do Monte
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2013年04月29日

Twilight『Still Loving You』

レア・グルーヴ方面で人気のベイエリア産メロウ・ソウル☆Twilight『Still Loving You』
Still Loving You
発表年:1981年
ez的ジャンル:ベイエリア産メロウ・ソウル
気分は... :GWはメロウな気分で・・・

やはりGWは爽快でメロウな音が聴きたくなりますね。

今回はベイエリア産メロウ・ソウルTwilight『Still Loving You』(1981年)です。

TwilightLawrence Rossによるサンフランシスコのソウル・ユニット。実体はLawrence Rossのソロ・プロジェクトです。

Twilight名義で『Still Loving You』(1981年)、『Pains Of Love』(1986年)という2枚のアルバムをリリースしています。2枚ともにレア・グルーヴ方面から再評価の高い1枚ですね。

1stとなる本作『Still Loving You』は、まさにトワイライトなメロウ・ソウルを堪能できる1枚です。派手さはありませんが、聴く者を魅了する"至極のメロウネス"でアルバムが埋め尽くされています。

フェンダー・ローズのメロウな音色、ライトなグルーヴ感、そしてソフトなヴォーカル&コーラスが素敵なトワイライト・タイムを演出してくれます。

ホーン・セクション以外の殆どの楽器をLawrence Rossが演奏し、リード・ヴォーカルも務めています。

良い曲だらけで人によってお気に入りが相当分かれそうな粒揃いの作品です。

ライト&メロウ好きの人はぜひチェックしてみてください!

全曲紹介しときやす。

「Play My Game」
メロウな高揚感にグッとくるブギー・チューン。フェンダー・ローズのメロウな音色と開放的なホーン・セクションがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=OCv1zPdZVyk

「Just A Kiss Away」
トワイライトなメロウ・ダンサーといった雰囲気が実に心地好いですね。聴いていると思わずハンドクラップしたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=tGpyxAxK1FY

「Give Love A Try」
素敵なトワイライト・タイムのお供にピッタリな1曲ですね。コーラス・アレンジにグッときます。

「Come With Me」
僕の一番のお気に入りはこのライト&メロウなグルーヴィー・チューン。聴いていると自然に幸せホルモンが分泌してきます!さり気ないメロウネスがたまりません。

「Scorpittiarus」
ラテン/ブラジリアン・フレイヴァーを取り入れたトワイライトなアーバン・メロウ。ロマンティックなサックスが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=n778M7SdM5s

「We'll Be Special」
少しレイドバック感のあるメロウネスが解放的な気分にさせてくれるメロウ・グルーヴ。ファルセット・ヴォーカルも含めて聴いていると肩の力が抜けてリラックスできます。

「Still Loving You」
美しいヴォーカル&コーラスのなかに切なさが込み上げてくるミディアム・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=GOhENAJYeno

「Love's The Way」
「Come With Me」と並ぶ僕のお気に入り。爽快な疾走感が心地好いライト・グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=oG2yM0rUuN8

「Straight To My Heart」
ロマンティックなサックスと共に始まるアーバン・メロウ。でも何処かのどかな雰囲気があるのが落ち着きます。
http://www.youtube.com/watch?v=CGC0K4FlBQ8

「You Know It's Me」
素敵なトワイライト・タイムを演出してくれる1曲。派手さはありませんがロマンティックです。
http://www.youtube.com/watch?v=Bp9nUyse9Uk

「Love's High」
ラストはアルバムの余韻に浸ることができるロマンティックな小曲で締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=VHvbUA1svEE

『Pains Of Love』(1986年)もセットでどうぞ!

『Pains Of Love』(1986年)
PAINS OF LOVE
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2013年04月28日

Etana『Better Tomorrow』

レゲエ愛に溢れた歌姫の最新作☆Etana『Better Tomorrow』
Better Tomorrow
発表年:2013年
ez的ジャンル:歌姫系ジャマイカ産レゲエ
気分は... :レゲエ愛!

今回は珍しく新作レゲエ・アルバムの紹介です。
もしかしたら、新作レゲエ作品を紹介するのって当ブログで初めてかもしれませんね。

最近はCDショップへ行ってもレゲエ売場を素通りすることが多くなった僕ですが、久々に立ち寄って気に入ったのが今回紹介するEtana『Better Tomorrow』です。

Etana(本名Shanna McKenzie)は1983年ジャマイカ、オーガスタタウン生まれ。その後母親共にアメリカのフロリダへ移住。10代の頃にガールズR&BグループGiftのメンバーとして活動するが、そのプロモーションに不満を抱き、グループを脱退してしまいます。

その後ジャマイカへ戻ったEtanaですが、2005年に男性レゲエ・シンガーRichie Spiceのバック・コーラスのオーディションをパスし、ツアーに同行します。それがきっかけとなり、シングル録音の機会を得ます。そして、2006年にデビュー・シングル「Wrong Address]」をリリースし、ヒットするとういう幸先の良いデビューを飾ります。

その後は着実にキャリアを重ね、2008年にデビュー・アルバム『The Strong One』、2011年に2ndアルバム『Free Expressions』をリリースしています。

熱狂的なレゲエ・ファンというわけではない僕の場合、たまにレゲエを聴くのであればラヴァーズ系またはルーツ・ロック系を好む傾向があります。正直ダンスホール系はビミョーですね。

その意味で本作『Better Tomorrow』は、ラヴァーズあり、ルーツ・ロックあり、レゲエの枠を超えた楽曲ありと僕好みの構成となったフィメール・レゲエ作品に仕上がっています。

Etana本人の思いとしては、本国ジャマイカではダンスホール全盛でレゲエが少し軽んじられていると感じているようで、そんな状況を打破するためにレゲエ愛に溢れたアルバムを制作したかった模様です。

レゲエの歴史的拠点Tuff Gongスタジオを中心にレコーディングが行われ、Etanaと同じくレゲエ復興に思いを寄せるプロデューサーShane Brownを起用し、レゲエ愛のあるアルバムを具現化しています。

一方で、アメリカで暮らし、R&Bグループで活動したこともあるEtanaのレゲエに縛られない幅広い音楽性が反映されている楽曲もあります。

アルバム1枚で歌詞も含めてレゲエの持つ様々な側面に触れることができる楽しさがあります。

ポジティヴなヴァイヴが伝わってくるレゲエを聴いているだけで心地好くなります。

全曲紹介しときやす。

「Spoken Soul」
オープニングは何とスポークン・ワード(ポエトリー・リーディング)。このあたりはJill Scottの影響もあるようです。ちなみにアメリカの雑誌でEtanaが紹介される際、「ジャマイカのJill Scott、India Arie」と称されることが多いようです。
http://www.youtube.com/watch?v=R9y8FU-tZ6s

「Queen」
コンクリート・ジャングルの中で生きる女性に向けたメッセージ・ソング。サウンドもルーツ・ロックでBob Marleyへのリスペクトを感じる1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=hD1uiEGKptc

「Reggae」
タイトルからしてズバリですね。この曲は昨年ジャマイカの独立50周年に因んで制作された楽曲。まさにレゲエ愛に充ちた1曲に仕上がっています。Shane Brownによる音空間の創り方も秀逸です。
http://www.youtube.com/watch?v=r6GMBCaagok

「Beautiful Day」
僕の一番のお気に入り。聴いているだけでハッピー&ラブリーな気分になる極上ラヴァーズ。僕の嗜好にジャスト・フィットする1曲。爽快なサックスもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=8ozERenpjBw
※アルバム・ヴァージョンとは異なります

「All I Need」
海外ツアー中にジャマイカが恋しくなり、立ち寄ったジャマイカ料理店でインスパイアされた楽曲なのだとか。開放的で親しみやすいメロディに乗って、歌詞にはDennis Brown、Jimmy Cliff、Beres Hammondといった偉大なレゲエ・シンガーの名も登場します。
http://www.youtube.com/watch?v=W9HpmwXuIzw

「Whole New World」
ルーツ・ロック・レゲエにR&B的なエッセンスを融合させた仕上がり。ポジティヴなヴァイヴが強く伝わってくるのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=hrkXZ9Rw5RM

「4 Play 2 Love (Start Over)」
男女の複雑な恋模様を歌ったラヴァーズ。僕が大好きな90年前後のAriwaラヴァーズ作品に通じる魅力があります。ここではShane Brownの父で名エンジニアのErrol Brownもミックスで参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=WRphbfDwoDU

「Silly」
Etanaのキュートな魅力を満喫できるメロディアスな仕上がり。ダビーなアクセントがついているのもいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=P4T0i9Zokvo

「Till You Get Old (Life's Gift)」
娘Nylaちゃんへ捧げた1曲。母としての思いを優しく包み込むように歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=rvbzsaGGt3s

「The Prayer」
ジャーへの祈りを歌ったもの。レゲエのリズムは聴かれますが、重厚なコーラスでソウル/ゴスペル的な雰囲気が漂う仕上りです。
http://www.youtube.com/watch?v=vueJ7ztAQ-k

「Strongest」
♪ザイオン(聖なる山)へ辿り着くためには強くならなければならない♪とルーツ・ロックらしい歌詞が歌われる力強い1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=pf-Owj7wapQ

「Be Alright (Interlude)」
ビューティフルなインタールード。

「Smile」
ポジティヴなメッセージを包み込むようなヴォーカルで高らかに歌い上げるSSW的なビューティフル・ソング。
http://www.youtube.com/watch?v=om_mAp4CXxE

「Better Tomorrow」
タイトル曲は7分半の大作。レゲエ色はかなり薄いですが、歌詞もサウンドもアフリカを意識して創ったようです。アフリカ色は後半のサウンド&コーラスで顕著です。
http://www.youtube.com/watch?v=il65Ep7roHQ

ご興味がある方はEtanaの他作品もチェックを!

『The Strong One』(2008年)
ストロング・ワン

『Free Expressions』(2011年)
Free Expressions
posted by ez at 01:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月27日

Step By Step『I Always Wanted To Be In The Band』

ミルウォーキー出身のファンク・バンドがBrunswickに残した1枚☆Step by Step『I Always Wanted to Be in the Band』
I Always Wanted To B In The Band
発表年:1976年
ez的ジャンル:Brunswick系ミルウォーキー・ファンク/ソウル
気分は... :若々しい躍動感がたまりません!

今回はレア・グルーヴ/フリーソウル方面からの再評価が高い1枚、Step by Step『I Always Wanted to Be in the Band』(1976年)です。

Step by Stepはミルウォーキー出身のファンク・バンド。メンバーはJerome Gee(vo)、Dewitt Gee(b)、Ronald Purifoy(g)、Steve Barry(g)、Raymond Jones(ts)、Chester Lebron(tp)、Jeffery McClendon(as)、Michael Brown(ds)、Deleayne Henderson(ds)、Greg McDonad(b、vo)、Greg Emerson(b、vo)、Johnny Gee(b、vo)の12名。ジャケ写真やヴォーカルを聴く限り、メンバーの平均年齢は結構若いと思います。

そんなStep by Step唯一のアルバムが老舗ソウル・レーベルBrunswickからリリースされた本作Step by Step『I Always Wanted to Be in the Band』です。

バンドについての情報が少なく、謎の多いグループですが、本作に収録された躍動するファンクやグルーヴィーなソウル・チューンは荒削りながら聴く者を惹きつけるものがあります。

「Cash Money」「People」といったファンク・チューン以上に、「I Always Wanted To Be In The Band」「So Very Near You」「We Won This Time」といったグルーヴィーなソウル・チューンが魅力のアルバムだと思います。また、「I'm Glad」「Don't Leave Me」といったスウィート・ソウルも収録されています。

その意味ではアルバム全体のバランスが良くとれているアルバムなのかもしれませんね。

プロデュースはWilly BridgesBenny Clark

アルバム1枚しか残しているのが勿体ないと思わせる躍動感を持つ素晴らしい1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Cash Money」
オープニングは肉感溢れるファンク・チューン。ゴリゴリとしたグルーヴやP-Funk調シンセが印象的です。Jerome Gee作。
http://www.youtube.com/watch?v=muGgh75PiPk

「So Very Near You」
僕の一番のお気に入り曲。グルーヴォーなリズム、華やかなストリングスが躍動するヴォーカルを盛り上げてくれるヤングソウルに仕上がっています。Timothy Butler作。
http://www.youtube.com/watch?v=JloB1EsPTzE

「I'm Glad」
スウィート・ソウル仕立ての1曲。リード・ヴォーカルJerome Geeの歌を満喫できます。Timothy Butler作。

「Don't Leave Me」
前曲に続くスロウ。哀愁のメロディを切々と歌い上げます。アルバム全体としては若々しさが魅力のアルバムですが、この曲だけは実に落ち着いた雰囲気があります。Benny Clark作。

「We Won This Time」
この曲も僕のお気に入り。跳ねたグルーヴ感が心地好いBrunswickらしい1曲。スケール感のある仕上がりがいいですね。ホーン・アレンジも秀逸です。Timothy Butler作。
http://www.youtube.com/watch?v=Q8rb1qAqE0c

「Cool Days Are Out Of Style」
スケール感の大きなアレンジと親しみやすいメロディが印象的です。Eddie Parnell作。

「I Always Wanted To Be In The Band」
本作のハイライトとなるタイトル曲。フリーソウルのコンピ等にも収録されている人気曲です。鮮やかなホーン隊と軽快なギター・カッティングをバックに若々しいヴォーカルが躍動するグルーヴィー・ソウルです。勢いのあるヴォーカル&演奏が実に清々しいですね。Dewitt Gee/Michael Brown/Steve Barry作。
http://www.youtube.com/watch?v=08e9JcmLKWs

「People」
格好良いファンク・チューン。♪Uh huh♪の掛け声にグッときてしまいますね。肉感溢れるファンクネスにP-Funk調シンセがいいアクセントになっています。Jerome Gee作。
http://www.youtube.com/watch?v=uLcHkIJyVBk

「I Am A Lonely Man」
フィリー・サウンド風アレンジの華やかなサウンドをバックに、Johnny Geeのヴォーカルが躍動するグルーヴィー・ソウル。Johnny Gee作。
http://www.youtube.com/watch?v=u1zgKew-S8o

「I Ain't Never Gonna Let You Go」
ラストは切れ味のあるグルーヴィー・ソウルで締め括ってくれます。グループの持つ若々しい勢いが伝わってきます。Dewitt Gee/Jerome Gee/Michael Brown/Ronald Purifoy作。
http://www.youtube.com/watch?v=zxo_ErjbzUM

ご興味のある方は、この時期の他のBrunswick作品もチェックを!

The Eliminators『Loving Explosion』(1974年)
Loving Explosion

Maryann Farra & Satin Soul『Never Gonna Leave You』(1975年)
Never Gonna Leave You

Directions『Directions』(1975年)
ダイレクションズ(紙ジャケット仕様)

Strutt『Time Moves On』(1975年)
タイム・ムーヴス・オン

Exit 9『Straight Up』(1975年)
ストレイト・アップ(紙ジャケット仕様)
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2013年04月26日

Suba‎『Sao Paulo Confessions』

鬼才プロデューサーの最初で最後のソロ・アルバム☆Suba‎『Sao Paulo Confessions』
Sao Paulo Confessions
発表年:1999年
ez的ジャンル:フューチャー・ブラジリアン・サウンド
気分は... :惜しまれる才能...

今回は38歳の若さで逝去してしまった鬼才プロデューサーSuba‎唯一のソロ・アルバム‎『Sao Paulo Confessions』(1999年)です。本作をリリースして間もなく、彼のサンパウロの自宅スタジオが火事に見舞われ、彼は命を落としてしまいます。

Suba‎ことRex Illusivi‎は1961年に旧ユーゴスラビア(現セルビア)生まれ。母国でクラシックや民族音楽を学んだ後、ブラジルへ渡り、プロデューサーとして活躍しました。

Subaの名を有名にしたのは、彼のブラジル音楽界の巨人Joao Gilbertoの娘Bebel Gilbertoのデビュー・アルバム『Tanto Tempo』(2000年)です。

当ブログでも紹介した『Tanto Tempo』をプロデュースしていたのがSubaでした。

Bebel Gilberto『Tanto Tempo』(2000年)
タント・テンポ

しかも、彼が命を落とすこととなった火事で、Subaは『Tanto Tempo』のマスターテープを取り出そうと煙に包まれた自宅へ戻り、そのまま帰らぬ人となってしまったのでした。

彼の死後リリースされた『Tanto Tempo』は、そのフューチャー・ブラジリアン・サウンドでクラブ系リスナーやブラジル音楽ファンから高い支持を得ます。そして、Subaという才能を世に知らしめるという皮肉な結果をもたらしました。

『Tanto Tempo』以外のSubaプロデュース作品としてはMestre Ambrosio『Fua na casa de CaBRal』‎(1998年)も要チェックです。

Milan Mladenovic、 Joao Parahyba(元Trio Mocoto)らとのサンバ・ロック・プロジェクト‎Angel's Breath‎で作品をリリースしたこともあるSubaですが、ソロ・アルバムとしては不幸な出来事の直前にリリースされた本作‎『Sao Paulo Confessions』(1999年)が唯一の作品です。

エレクトロニカ・サウンドとブラジル音楽を融合させた前衛的なフューチャー・ブラジリアン作品に仕上がっています。かなり実験的でアブストラクトな音もありますが、それらも含めてSubaのクリエイトした音世界に魅了されます。

それだけにこの偉大な才能を失ったことが本当に残念でなりません。

全曲紹介しときやす。

「Tantos Desejos」
若手女性シンガーCibelle Cavalliをフィーチャー。クールなダウンテンポ感にグッとくるエレクトロニカなフューチャー・サンバ・チューン。Subaの目指していた音世界がこの1曲を聴けば実感できるはず!このヒンヤリ感がたまりません。Angel's Breathの仲間Joao Parahybaがドラムを演奏しています。。
http://www.youtube.com/watch?v=sY35glv7yWU

「Voce Gosta」
Angel's Breathにも参加していた女性シンガーTaciana Barrosをフィーチャー。Joao Parahybaのパーカッションも加わり、アンダーグラウンド感のあるアヴァンギャルドなフューチャー・サンバを堪能できます。Subaのセンスに脱帽です。
http://www.youtube.com/watch?v=-CYz_LC61IU

「Na Neblina」
美しいピアノの音色にエレクトロニカの衣を見事に纏わせたインスト・チューン。クラブ・ミュージックのエッセンスも上手く取り込んでいます。
http://www.youtube.com/watch?v=n3pG3KVtyjk

「Segredo」
Katia B.の女性ヴォーカルをフィーチャー。幻想的なフューチャー・ブラジリアン・サウンドと妖しげなKatia B.のヴォーカルがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=-J2AK7qynNo

「Antropofagos」
ノルデスチなリズムとエレクトロ・サウンドが見事に融合しているアブストラクト感漂うインスト・チューン。ストリングスがいいアクセントとなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=yUYi-IcBvD4

「Felicidade」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Morais作の名曲をカヴァー。当ブログでも数多くのカヴァーを紹介している名曲ですが、フューチャー・サンバ仕立ての「Felicidade」のクールネスは実に新鮮です。ここではCibelle Cavalliのヴォーカルをフィーチャーし、Joao Parahybaがドラムを叩いています。

「Um Dia Comum (Em SP)」
小粋なセンスの漂うエレクトロニカ・サウンドが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=UVnLCc-qI_o

「Sereia」
Cibelle Cavalliをフィーチャー。揺らめくシンセによる不穏な雰囲気がたまらないアンダーグラウンドな仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=5_jOhx3I-r4

「Samba Do Gringo Paulista」
ブラジリアン・ロック・グループBarao VermelhoのメンバーFrejatが参加。サンバのリズムをサンプリングしたクラブ仕様のフューチャー・サンバに仕上がっています。

「Abraco」
Marisa MonteCarlinhos Brownとのスーパー・トリオTribalistasでもお馴染み、元TitasのArnaldo Antunesをフィーチャー。Joanna Jonesの甘く危険な香りの女性ヴォーカルとArnaldo Antunesのラップのような呟きヴォーカルが不思議な音世界へ誘います。

「Pecados Da Madrugada」
ダビーな音空間が印象的です。エクぺリメンタルですが聴いているうちに癖になるサウンドです。
http://www.youtube.com/watch?v=XRL_DwCSA_g

「A Noite Sem Fim」
ラストはエクぺリメンタルながらも美しいダウンテンポ・チューンで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=kJnQ4pqcgOs

本作を気に入った方は、Mestre Ambrosio『Fua na casa de CaBRal』(1998年)やBebel Gilberto『Tanto Tempo』(2000年)もチェックを!

Mestre Ambrosio『Fua na casa de CaBRal』(1998年)
Fua Na Casa De Cabral
posted by ez at 15:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする