2013年04月14日

Mario Biondi『Sun』

伊達男シンガーの最新作はBlueyプロデュース、Leon Ware、Al Jarreau、Chaka Khan等も参加☆Mario Biondi『Sun』
Sun
発表年:2013年
ez的ジャンル:伊達男系男性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :伊達男の新しい魅力も楽しめます!

今回はイタリア人男性ジャズ・シンガーMario Biondiの最新作『Sun』です。

2メートルを超えるイタリア人の巨漢シンガーMario Biondiの紹介は、話題となった前作『Handful Of Soul』(2006年)、『If』(2009年)に続き3回目となります。

クラブジャズ・シーンで絶大な支持を集めるMario Biondiですが、Sony Music移籍第1弾となる最新作『Sun』はクラブジャズの枠を超えた話題作となりそうです。

何といってもIncognitoJean-Paul "Bluey" MaunickがBiondi本人と共に全面プロデュースしている点が最大のポイントです。Blueyが後押しするMario Biondiの世界進出第1弾アルバムというのが本作の位置づけだと思います。

アルバムにはLeon WareAl JarreauChaka KhanOmarJames Taylor(JTQ)といったソウル、ジャズ・ファンクの人気アーティストが参加しています。Leon Wareに至ってはMinnie Riperton等への楽曲提供で知られるRichard Rudolphとの強力コンビで2曲を提供しています。

さらにレコーディングには、Matt Cooper、Vanessa Haynes、Pete Ray Biggin、Ski Oakenfull等の新旧Incognitoメンバーが大挙参加しています。

こうした参加メンバーを踏まえて、発売元は"ソウル・シンガー"として売り出したいようですが、。Blueyプロデュースということで従来にはないジャズ・ファンク色が強くなっているのは事実ですが、やはり基本はジャズ・アルバムだと思います。

どう考えても、ソウル/R&B売場ではなくジャズ売場に陳列されるべき作品ですからね。事実、僕も本作を某CDショップのジャズ売場で本作を購入しました。

『Handful Of Soul』(2006年)でクラブジャズにのめり込むようになった僕としては、劇的にソウル寄りになってしまったら嫌だな!と危惧していたのですが・・・それは杞憂でした。

確かに従来のアルバムとは明らかに異なる印象を受けますが、それでもジャズに本籍を置くシンガーのアルバムだと思います。Incognito色の強いジャズ・ファンク・サウンドをバックにしても彼の唯一無二のしわ枯れヴォーカルのスタイルは変わらず、伊達男の国のジャズ・シンガーとして強烈な個性を放っています。

結果として、Bluey色が強く出た曲、豪華ゲスト陣との共演曲、従来路線の曲という3タイプが上手くバランスした構成になっている感じですね。その意味ではBlueyはいい仕事をしたと思います。

数週間前に紹介したKhari Simmons『Sun Flower』(2013年)もBlueyが制作に大きく関与してしましたが、自身のソロ作リリースも含め彼の活動の充実ぶりが目立ちますね。

伊達男シンガーの世界進出を応援します!

全曲紹介しときやす。

「Intro – Ladies and Gentlemen Introducing Mario Biondi」
全世界に向けてMario Biondiを紹介するといった趣のイントロ。

「Shine On」
Massimo Greco/Jan Kincaid/Mario Biondi作。アルバムからの先行シングルにもなりました。イタリア人ミュージシャンMassimo Greco、The Brand New Heavies等の活動で知られるJan Kincaidとの共作です。従来からのMario Biondiの魅力を継承した、晴れやかなクラブジャズ・チューンに仕上がっています。Giovanni Amatoのトランペット・ソロもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=qWKq1dzfjxU

「Come To Me」
Marco Bianchi/Daniel Richards/Mario Biondi作。Paolo Fedreghini And Marco BianchiThe Invisible Sessionで知られるMarco Bianchiらとの共作です。僕の好きなワルツ調のエレガントなジャズ・チューン。この曲に限ってはバックをイタリア人ミュージシャンで固められており、伊達男の国のクラブジャズを存分に堪能できます。厚みのあるストリングス&ホーン隊もグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=b0D4iDnzajU

「What Have You Done To Me」
Jean-Paul Maunick/Davide Florio/Mario Biondi作。この曲は本作らしいジャズ・ファンクなメロウ・グルーヴに仕上がっています。Incognitoの曲にMario Biondiがフィーチャーされているような印象ですね。春から夏にかけて重宝しそうな1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=9RgWAGY99i0

「Woman Woman」
Kenny Rankin/Jack Siegel作。Kenny Rankinのオリジナルは『After The Roses』に収録されています。男臭いBiondiのヴォーカルでオリジナルとは一味違う「Woman Woman」を聴かせてくれます。なかなかの名カヴァーだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=0s0B947JpRg

「Never Stop」
Jean-Paul Maunick/Ski Oakenfull/Omar作。UKソウルのベテラン男性シンガーOmarをフィーチャー。軽くラテン・フレイヴァーの効いたミッド・チューン。全体としてはOmarの色が強く出たUKソウル寄りの仕上がりですね。
http://www.youtube.com/watch?v=E3mxANP3Epg

「Deep Space」
Mario Biondi/Raffaele Scoccia作。James Taylor Quartet(JTQ)のJames Taylorのオルガンをフィーチャー。フロア仕様の仕上りです。このあたりの抜けのいいダイナミックな音創りはBlueyらしいかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=rWcpXeZWQnE

「Catch the Sunshine」
Leon Ware/Richard Rudolph作。Leon Ware本人がヴォーカルで参加しています。メロウ大王とイタリアの伊達男の共演というだけで期待は膨らみますね!そんな期待を裏切らないアダルティなメロウ・チューンにウットリです。
http://www.youtube.com/watch?v=WLUR95xwhVw

「La Voglia La Pazzia L'idea」
Mario Biondi作。英語の歌詞が殆どの本作ですが、やはりイタリア語の曲も聴きたいですね。そんなイタリア語の語感がフィットするボッサ調のジャズ・チューンです。クラブジャズ好きとしては、こういった曲に惹かれるなぁ。
http://www.youtube.com/watch?v=-GkcqRav1VE

「Light To the World」
Jean-Paul Maunick/Richard Bull作。BlueyとRichard BullというIncognitoコンビの作品です。Al Jarreauをフィーチャーしたライトタッチのメロウ・チューン。聴く前は「Al Jarreauのハイ・トーン・ヴォーカルとBiondiのしわ枯れ低音ヴォーカルの組み合わせってどうなるんだろう?」と思いましたが、案外マッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=6Yhv1OOnWfE

「Girl Blue」
Stevie Wonder & Yvonne Wright作。Stevieのオリジナルは『Music of My Mind』に収録されています。Brian Auger's Oblivion Express等で知られるJim Mullenの素敵なギターで幕を開けるIncognitoモード全開のライト・グルーヴに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=vyxiyple00o

「I Can't Read Your Mind」
Jean-Paul Maunick/Mario Biondi作。Biondiのしわ枯れ低音ヴォーカルが栄える大人のラブソングに仕上がっています。僕の密かなお気に入り曲です。BlueyとBiondiのタッグらしい仕上りなのでは?この曲でもJim Mullen
http://www.youtube.com/watch?v=esJOcQK9jcs

「There's No One Like You」
Leon Ware/Richard Rudolph作。メロウ大王作品の2曲目。激シブの哀愁メロウ・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=kaUsdmRBsyw

「Lowdown」
Boz Scaggs/David Paich作。Boz Scaggs『Silk Degrees』に収録されたAORクラシックをカヴァー。ここではChaka Khanをフィーチャーし、パンチを効かせつつ、Blueyプロデュースらしいお洒落な「Lowdown」を聴かせてくれます。Blueyのギター・プレイも冴え渡っています。フルート音色が実に心地好いです。
http://www.youtube.com/watch?v=d2DxAWCeY9k

「Outro」
ゲスト陣の紹介も交えたジャジーなアウトロ。

Mario Biondiの過去記事もご参照下さい。

『Handful Of Soul』(2006年)
ハンドフル・オブ・ソウル

『If』(2009年)
IF
posted by ez at 00:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月13日

The Free Pop Electronic Concept『A New Exciting Experience』

ベルギー産のマッドなサイケ電子グルーヴ!☆The Free Pop Electronic Concept『A New Exciting Experience』
A New Exciting Experience
発表年:1969年
ez的ジャンル:ベルギー産サイケ電子グルーヴ・ジャズ
気分は... :某中古レコード/CDショップサイコー!

先日、某中古レコード/CDショップへ行き、レア・グルーヴ、ソウル/ファンクと90年代R&B(主にNJS系)のCDを漁り、レジで会計しようとしたら、店員さんが「良かったら、裏にストックしている格安CDの箱がいくつかあるんですけど見ますか!」と有難いオファーが・・・思わず「ぜひお願いします」と返答すると、段ボール6箱をわざわざバックヤードからレジ脇に運んでくれました。

箱の中身は400〜600円中心で主に90年代R&Bのレアな良作の宝庫でした(そこに70〜80年代ソウル/ファンク名作も混じっていたのでさらに歓喜)。一人特売状態となりウホウホに・・・気の利く店員さんに感謝!感謝!お店の大ファンになってしまいました。

今回はベルギー産のマッドなサイケ電子グルーヴThe Free Pop Electronic Concept『A New Exciting Experience』(1969年)です。

The Free Pop Electronic Conceptは、ベルギーの(James(Fernando Lameirinhas)、Jess(Antonio Lameirinhas)(g))メンバーとベルギーの電子音楽の鬼才Arsene Souffriauらが組んだユニット。

ユニットはArsene Souffriau(electronics)、James(Fernando Lameirinhas )(b)、Jess(Antonio Lameirinhas)(g)、Stu Martin(ds)、Scott Bradford(org)、Vinagre(per、congas、tumba)という編成です。

モッド・ガレージな兄弟ユニットJess & Jamesをイメージして聴くと、かなりギャップがあるかもしれないですね。

Jess & James「Move」(1967年)
http://www.youtube.com/watch?v=O6dU4zP3paA

全体的にはロックというよりもサイケなモッド/モンド・ジャズという印象を受けます。そこにArsene Souffriauのマッドな電子音が加わりトリッピーな音空間を創り上げています。マッドな音であることは確かですが、グルーヴィーかつキャッチー楽曲が多いのでそれほどキワモノ感が際立たないところが魅力だと思います。

ちょっと刺激的なサイケ&トリッピーな電子音楽で脳内を活性化させるのもいいですよ(笑)

全曲紹介しときやす。

「Chewing Gum Delirium」
Arsene Souffriau/Wando Lam(Fernando Lameirinhas)作。電子音がキュンキュン飛び交うサイケ・チューン。何の予備知識もなく聴くと、電子音がスクラッチのように聴こえます。そのあたりも含めてブッ飛んだ印象を受けるオープニングです。
http://www.youtube.com/watch?v=XzLVo28ppmo

「Cosmos Rhythms」
Arsene Souffriau/Wando Lam(Fernando Lameirinhas)作。電子サウンド+フリー・ジャズ+インド音楽といった雰囲気のカオス・モンド・ミュージック。Arsene Souffriauのマッドぶりが実感できます。
http://www.youtube.com/watch?v=K8UI3rrD1kY

「Planetary Gospel」
Arsene Souffriau/Scott Bradford作。電子音によるトリップ感でアクセントをつけたモッド・ジャズって感じですかね。
http://www.youtube.com/watch?v=92BCjVcU8ds

「F.P.E.T. N.° 1 (Free Pop Experimental Theme) 」
Arsene Souffriau/Scott Bradford作。グループのテーマ曲という位置付けの15分近い大作。グルーヴィーなオルガン・モッド・ジャズがArsene Souffriauによる電子音で脚色されたって雰囲気ですかね。Brian Augerあたりがお好きな人が聴くと、案外グッとくるのでは?

「Pish! Pshaw!」
Arsene Souffriau/Wando Lam(Fernando Lameirinhas)作。ラストはトリッピーなソウル・ジャズって雰囲気です。電子音が音空間を駆け巡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=LdeJM_B-9fk

電子音好きの方は以下の過去記事もご参照ください。

Hugo Montenegro & His Orchestra『Moog Power』(1969年)
Moog Power

Christopher Scott『Switched-On-Bacharach』(1969年)
スウィッチド・オン・バカラック(紙ジャケット仕様)
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2013年04月12日

Syleena Johnson『Chapter One: Love, Pain & Forgiveness』

Chapterシリーズ第1弾アルバム、歌心が違います!☆Syleena Johnson『Chapter One: Love, Pain & Forgiveness』
Chapter One-Love Pain & Forgiv
発表年:2001年
ez的ジャンル:シカゴ系女性R&B/ネオ・ソウル
気分は... :偉大なDNAを受け継ぐ・・・

今回はシカゴ・ソウルの重鎮Syl Johnsonを父に持つ本格派R&BシンガーSyleena JohnsonのChapterシリーズ第1弾『Chapter One: Love, Pain & Forgiveness』(2001年)です。

Syleena Johnsonの紹介は、『Chapter 3: The Flesh』(2005年)、『Chapter 4: Labor Pains』(2009年)に続き3回目となります。

ここ数か月父親Syl Johnsonのアルバムを紹介しようと思っていましたが機を逃してしまい、娘Syleenのアルバムが先になってしまいました。

今回紹介する『Chapter One: Love, Pain & Forgiveness』(2001年)は、その後『Chapter II: The Voice』(2002年)、『Chapter 3: The Flesh』(2005年)、『Chapter 4: Labor Pains』(2009年)、『Chapter V: Underrated 』(2011年)と続くChapterシリーズ第1弾アルバムです。

僕自身、長い間本作『Chapter One: Love, Pain & Forgiveness』を彼女のデビュー・アルバムだと勘違いしていいたのですが、実際にはそれ以前に父Syl Johnsonとの共演アルバム『This Time Together By Father And Daughter』(1995年)や『Love Hangover』(2000年)という2枚のアルバムをリリースしています。

さて、Chapterシリーズ第1弾『Chapter One: Love, Pain & Forgiveness』(2001年)ですが、本作を聴けばSyleena Johnsonが偉大なソウルDNAを受け継ぐ本格派シンガーであることがわかるはずです。あまり小細工せずに堂々とR&B/ソウル・シンガーとしての自分を押し出している点がいいですね。歌心が違います。

D'Angelo『Brown Sugar』等でお馴染みの辣腕エンジニアBob Powerをメイン・プロデューサーに据え、R. Kellyも1曲プロデュースしています。

シカゴ・ブルースの重鎮Buddy Guy、本作と前後してデビュー・アルバムをリリースしたR&BグループLiberty City(Liberty City Fla.)もゲスト参加しています。

決して派手な作品ではありませんが、一度聴けば長く聴き続けることができる1枚だと思います。本作を聴いてしまうと、最近の彼女は少しパワーダウンしているのかなぁ・・・と思ってしまいます。

全曲紹介しときやす。

「The Beginning (Intro) 」
アルバムのイントロ。

「I Am Your Woman」
R. Kellyプロデュース。シングルにもなりました。近年のR. Kellyのソウル回帰の動きと重なって聴こえる力強いソウル・チューンです。さすがはSyl JohnsonのDNAを受け継ぐ娘という感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=NzJOWzAnuho

アルバム未収録ですが、William DeVaughn『Be Thankful for What You Got』をサンプリングしたSummertime Remixもあります。

「I Am Your Woman(Summertime Remix Radio Edit)」
http://www.youtube.com/watch?v=iRAbY5zjx44

「You Said」
R&BグループLiberty City(Liberty City Fla.)をフィーチャー。SyleenaのLiberty City Fla.の息がものすごく合っているのがいいですね。R&Bとソウルの中間な感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=vjidkvoc0RU

「Baby I'm So Confused」
この曲はLarry "Rock" Campbell/ Timmy Allenがプロデュース。Syleenaのヴォーカルを存分に堪能できるブルージーなソウル・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=Cb0itj_ajH8

「Meanwhile... (Interlude)」
インタールード。

「Everybody Wants Something」
ミステリアスな雰囲気の中で、しっかりソウル魂のある歌を聴かせてくれます。Andy Snitzerのソプラノ・サックスがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=qCfQ29YneHE

「You Got Me Spinnin'」
JK/David Flemmingプロデュース。オーガニック・ソウル調の仕上がり。少しレイジーな雰囲気で歌うSyleenaがいい感じです。

「Hit On Me」
シングルにもなったレディ・ソウル然としたソウル・バラード。シングル曲としてはいささか地味ですが、それだけSyleenaの歌に自信があるのでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=7Lrusr94P40

「And Then... (Interlude)」
インタールード。

「He's Gonna Do You In」
シカゴ・ブルースのパイオニア的ギタリストBuddy Guyをフィーチャー。Buddy Guyのギターをバックに、Syleenaがブルージーなヴォーカルを聴かせるブルース・ソウル・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=Bc0o2QtZwIs

「You Ain't Right」
緩急を巧みに駆使したネオ・ソウル・チューン。なかなかキャッチーな仕上がりです。

「Ain't No Love」
シングル曲。「Hit On Me」同様シングル曲としてはいささか地味ですが、Syleenaの歌心が伝わってくる哀愁ネオ・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=3nbUJU5zn9M

「One Day」
淡々とした切なさが印象的な仕上がり。パーカッションはBashiri Johnson。
http://www.youtube.com/watch?v=LQ1MZEQq2oo

「I'd Rather Be Wrong」
ネオ・ソウル好きの人であれば間違いなく気に入る1曲なのでは?このあたりさすがBob Powerと思わせるプロダクションです。ドラムはD'Angelo『Brown Sugar』にも参加していたRalph Rolle。

「All Of Me」
Bashiri Johnsonのパーカッションが効いたコンテンポラリーな仕上りの哀愁ネオ・ソウル。James Poyserがキーボードで参加しています。

「The End (Outro)」
アルバムのアウトロ。

Syleena JohnsonのChapterシリーズ他作品もチェックを!

『Chapter II: The Voice』(2002年)
Chapter 2-Voice

『Chapter 3: The Flesh』(2005年)
チャプター3:ザ・フレッシュ

『Chapter 4: Labor Pains』(2009年)
Chapter 4: Labor Pains

『Chapter V: Underrated 』(2011年)
Chapter V: Underrated
posted by ez at 13:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月10日

Maria Bethania『Alibi』

ブラジルで大ヒットを記録したキャリア絶頂期のアルバム☆Maria Bethania『Alibi』
アリバイ
発表年:1978年
ez的ジャンル:円熟系女性MPB
気分は... :彼女の作品もっと聴きます!

今回はブラジルを代表する女性シンガーの1人、Maria Bethaniaの大ヒット・アルバム『Alibi』(1978年)です。

Caetano Velosoの妹であり、兄と共にトロピカリズモの代表的なアーティストの1人であるMaria Bethaniaの紹介は、Edu Loboとの共演作『Edu E Bethania』(1967年)に続き2回目となります。

Caetano VelosoやBethaniaと同じくトロピカリズモの歌姫Gal Costaあたりと比較して、意外と作品をきちんと聴くことができていないのがMaria Bethaniaです。僕に限らず日本では意外に地味な存在なのかもしれませんね。また、ライブ作が多いこともあり、どの作品から手をつけるべきか迷ってしまうアーティストでもあります。

今日紹介する『Alibi』(1978年)は彼女のキャリアの絶頂期にリリースされた大ヒット作品です。

全体的に落ち着いた雰囲気のアルバムですが、Maria Bethaniaの中性的な低音ヴォーカルを存分に満喫できます。Gal Costa、女性サンバ・シンガーAlcioneとのデュエットも含まれています。特にGal Costaとの共演はブラジル音楽好きにはたまりませんね。

さまざまなコンポーザーの作品を取り上げていますが、Chico Buarque作品が4曲収録されているのが目立っています。

シンガー、表現者として円熟味を増してきたMaria Bethaniaの魅力を存分に堪能しましょう。

プロデュースはMaria Bethania本人とPerinho Albuquerque

全曲紹介しときやす。

「Diamante Verdadeiro」
Caetano Veloso作。邦題「本物のダイヤモンド」。兄Caetanoが書き下ろした楽曲を凛とした中性的ヴォーカルで歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=Vctu0_ImViQ

「Alibi」
Djavan作。Djavanのオリジナルは『Djavan』(1978年)に収録されています。タイトル曲はDjavanの名を広く知らしめた名曲ですね。メロウ・エレピと美しいオーケストレーションをバックに、哀愁のメロディを情感たっぷりに歌ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=PcKqn-rFDKU

「O Meu Amor」
女性サンバ・シンガーAlcioneとのデュエットでChico Buarque作品を歌います。Chico Buarqueのオリジナルは『Chico Buarque』(1978年)に収録されています。1人の男を奪い合う2人の女のバトルをBethaniaとAlcioneが歌で見事に表現しています。
http://www.youtube.com/watch?v=7Fngnzw1MkU

「A Voz de Uma Pessoa Vitoriosa」
Waly Salomao/Chico Buarque作。この曲もChico Buarque作品。邦題「勝ち誇る人の声」。美しいメロウ・チューンをBethaniaを高らかに歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=A5PnBVdcQtQ

「Ronda」
Paulo Vanzolini作。切ない女心を情感たっぷりに歌う味わい深い仕上がり。Bethaniaの歌手としての実力を存分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=sRCb0jukid0

「Explode Coracao」
Gonzaguinha作。哀愁のメロディをバックにBethaniaの歌がしみじみ伝わってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=j2QSkXo-jiY

「Negue」
Adelino Moreira/Enzo Almeida Passos作。落ち着いた雰囲気の大人の哀愁メロウに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=d1aG3ASU3Uk

「Sonho Meu」
Dona Ivone Lara/Delcio Carvalho作。Gal Costaとの共演となるこのサンバ・チューンが個人的には本作のハイライトです。対照的な2人のヴォーカルを聴いているだけで大満足です。
http://www.youtube.com/watch?v=Ly6Vq1-rMGs

「De Todas as Maneiras」
Chico Buarque作。哀愁メロウを憂いのあるヴォーカルでしっとりと聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=1MDLFcuUH70

「Calice」
Gilberto Gil/Chico Buarque作。Chico Buarqueのオリジナルは『Chico Buarque』(1978年)に収録されています。舞台でも演じているかのようなBethaniaの表現力の素晴らしさが際立つ1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=_75PsokKgmE

「Interior」
Rosinha de Valenca作。ラストは女流Baden PowellことRosinha de Valencaの楽曲で締め括ってくれます。シンプルながらも美しい仕上がりにウットリです。
http://www.youtube.com/watch?v=Rv3u_4V7gDc

Maria Bethaniaの過去作品もチェックを!

『Maria Bethania』(1965年)
Maria Bethania

Edu Lobo & Maria Bethania『Edu E Bethania』(1967年)
エドゥ・ロボ&マリア・ベターニア

『Recital na Boite Barroco』(1968年)
Recital Na Boite Barroco: Odeon 100 Anos

『Maria Bethania』(1969年)
Maria Bethania

『A Tua Presenca...』(1971年)
Tua Presenca

『Rosa dos Ventos』(1971年)
Rosa Dos Ventos

『Drama 3o Ato 』(1973年)
Drama 3? Ato

『A Cena Muda』(1974年)
Cena Muda

Chico Buarque & Maria Bethania『Chico Buarque & Maria Bethania Ao Vivo』(1975年)
Chico Buarque & Maria Bethania

『Passaro Proibido』(1976年)
Passaro Proibido

『Passaro Da Manha』(1977年)
Passaro Da Manha

『Mel』(1979年)
Mel

『Talisma』(1980年)
Talisma

『Alteza』(1981年)
Alteza

『Ciclo』(1983年)
Ciclo
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2013年04月09日

『今の気分は...2013年4月9日編』

今日は時間がないときの常套手段!過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

今回は90年代R&B/Hip-Hopからセレクトしました。5日前にDawkins & Dawkins『Dawkins & Dawkins』(1993年)を紹介して以来、このあたりの音を欲する気持ちがかなり高くなっていました。

このあたりはリアルタイムで聴いてきた作品ばかりなので、僕の中で感情移入しやすいのでしょうね。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Jibri Wise One「I'll Be There for You」
http://www.youtube.com/watch?v=K6zXxt6zMh4
From 『Jibri Wise One』(1991年)
Jibri Wise One.jpg

Men At Large「You Me」
http://www.youtube.com/watch?v=z6tIZ2YQpg4
From 『Men At Large』(1992年)
Men at Large

Kut Klose「Lovely Thang」
http://www.youtube.com/watch?v=Y7dg3-2OS_g
From 『Surrender』(1995年)
kut klose surrender.jpg

Ex-Girlfriend「Nobody Like You」
http://www.youtube.com/watch?v=REAjbJeOgrs
From 『It's A Woman Thang』(1994年)
It's a Woman Thang

Jurassic 5「Jayou」
http://www.youtube.com/watch?v=Nf2qtXsTH84
From 『Jurassic 5 EP』(1997年)
Jurassic 5 E.P.

Smooth「Love Groove (Groove with You)」
http://www.youtube.com/watch?v=pLMqjA7woxs
From 『Smooth』(1995年)
Smooth

The Wooten Brothers「Nothing Is Stronger (Than True Love) 」
http://www.youtube.com/watch?v=dHV-NrMojxI
From 『Put Love to Work』(1993年)
Put Love to Work

Hard Knocks「Thoughts Of A Negro」
http://www.youtube.com/watch?v=ULR0kUPKwrk
From 『School Of Hard Knocks』(1992年)
School of Hard Knocks

Changing Faces「One Of Those Things」
http://www.youtube.com/watch?v=asWGUJxvKsk
From 『Changing Faces』(1994年)
チェンジング・フェイシス

Trin-i-tee 5:7「You Can Always Call His Name」
http://www.youtube.com/watch?v=1HcRD8BWanI
From 『Trin-i-tee 5:7』(1998年)
Trin-I-Tee 5:7
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