発表年:2001年
ez的ジャンル:シカゴ系女性R&B/ネオ・ソウル
気分は... :偉大なDNAを受け継ぐ・・・
今回はシカゴ・ソウルの重鎮Syl Johnsonを父に持つ本格派R&BシンガーSyleena JohnsonのChapterシリーズ第1弾『Chapter One: Love, Pain & Forgiveness』(2001年)です。
Syleena Johnsonの紹介は、『Chapter 3: The Flesh』(2005年)、『Chapter 4: Labor Pains』(2009年)に続き3回目となります。
ここ数か月父親Syl Johnsonのアルバムを紹介しようと思っていましたが機を逃してしまい、娘Syleenのアルバムが先になってしまいました。
今回紹介する『Chapter One: Love, Pain & Forgiveness』(2001年)は、その後『Chapter II: The Voice』(2002年)、『Chapter 3: The Flesh』(2005年)、『Chapter 4: Labor Pains』(2009年)、『Chapter V: Underrated 』(2011年)と続くChapterシリーズ第1弾アルバムです。
僕自身、長い間本作『Chapter One: Love, Pain & Forgiveness』を彼女のデビュー・アルバムだと勘違いしていいたのですが、実際にはそれ以前に父Syl Johnsonとの共演アルバム『This Time Together By Father And Daughter』(1995年)や『Love Hangover』(2000年)という2枚のアルバムをリリースしています。
さて、Chapterシリーズ第1弾『Chapter One: Love, Pain & Forgiveness』(2001年)ですが、本作を聴けばSyleena Johnsonが偉大なソウルDNAを受け継ぐ本格派シンガーであることがわかるはずです。あまり小細工せずに堂々とR&B/ソウル・シンガーとしての自分を押し出している点がいいですね。歌心が違います。
D'Angelo『Brown Sugar』等でお馴染みの辣腕エンジニアBob Powerをメイン・プロデューサーに据え、R. Kellyも1曲プロデュースしています。
シカゴ・ブルースの重鎮Buddy Guy、本作と前後してデビュー・アルバムをリリースしたR&BグループLiberty City(Liberty City Fla.)もゲスト参加しています。
決して派手な作品ではありませんが、一度聴けば長く聴き続けることができる1枚だと思います。本作を聴いてしまうと、最近の彼女は少しパワーダウンしているのかなぁ・・・と思ってしまいます。
全曲紹介しときやす。
「The Beginning (Intro) 」
アルバムのイントロ。
「I Am Your Woman」
R. Kellyプロデュース。シングルにもなりました。近年のR. Kellyのソウル回帰の動きと重なって聴こえる力強いソウル・チューンです。さすがはSyl JohnsonのDNAを受け継ぐ娘という感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=NzJOWzAnuho
アルバム未収録ですが、William DeVaughn『Be Thankful for What You Got』をサンプリングしたSummertime Remixもあります。
「I Am Your Woman(Summertime Remix Radio Edit)」
http://www.youtube.com/watch?v=iRAbY5zjx44
「You Said」
R&BグループLiberty City(Liberty City Fla.)をフィーチャー。SyleenaのLiberty City Fla.の息がものすごく合っているのがいいですね。R&Bとソウルの中間な感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=vjidkvoc0RU
「Baby I'm So Confused」
この曲はLarry "Rock" Campbell/ Timmy Allenがプロデュース。Syleenaのヴォーカルを存分に堪能できるブルージーなソウル・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=Cb0itj_ajH8
「Meanwhile... (Interlude)」
インタールード。
「Everybody Wants Something」
ミステリアスな雰囲気の中で、しっかりソウル魂のある歌を聴かせてくれます。Andy Snitzerのソプラノ・サックスがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=qCfQ29YneHE
「You Got Me Spinnin'」
JK/David Flemmingプロデュース。オーガニック・ソウル調の仕上がり。少しレイジーな雰囲気で歌うSyleenaがいい感じです。
「Hit On Me」
シングルにもなったレディ・ソウル然としたソウル・バラード。シングル曲としてはいささか地味ですが、それだけSyleenaの歌に自信があるのでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=7Lrusr94P40
「And Then... (Interlude)」
インタールード。
「He's Gonna Do You In」
シカゴ・ブルースのパイオニア的ギタリストBuddy Guyをフィーチャー。Buddy Guyのギターをバックに、Syleenaがブルージーなヴォーカルを聴かせるブルース・ソウル・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=Bc0o2QtZwIs
「You Ain't Right」
緩急を巧みに駆使したネオ・ソウル・チューン。なかなかキャッチーな仕上がりです。
「Ain't No Love」
シングル曲。「Hit On Me」同様シングル曲としてはいささか地味ですが、Syleenaの歌心が伝わってくる哀愁ネオ・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=3nbUJU5zn9M
「One Day」
淡々とした切なさが印象的な仕上がり。パーカッションはBashiri Johnson。
http://www.youtube.com/watch?v=LQ1MZEQq2oo
「I'd Rather Be Wrong」
ネオ・ソウル好きの人であれば間違いなく気に入る1曲なのでは?このあたりさすがBob Powerと思わせるプロダクションです。ドラムはD'Angelo『Brown Sugar』にも参加していたRalph Rolle。
「All Of Me」
Bashiri Johnsonのパーカッションが効いたコンテンポラリーな仕上りの哀愁ネオ・ソウル。James Poyserがキーボードで参加しています。
「The End (Outro)」
アルバムのアウトロ。
Syleena JohnsonのChapterシリーズ他作品もチェックを!
『Chapter II: The Voice』(2002年)
『Chapter 3: The Flesh』(2005年)
『Chapter 4: Labor Pains』(2009年)
『Chapter V: Underrated 』(2011年)