発表年:1971年
ez的ジャンル:デトロイト・ファンク
気分は... :粘りのあるグルーヴがクセになる!
今回はデトロイト出身のファンク・グループThe Countsが1971年にリリースした『What's Up Front That Counts』です。
The CountsはThe Fabulous Countsを前身とするデトロイト出身のファンク・グループ。中心メンバーはMose Davis(key、vo)、Leroy Emanuel(g)の2人。
The Fabulous Counts名義で『Jan Jan』(1969年)、The Counts名義で『What's Up Front That Counts』(1971年)、『Love Sign』(1973年)、『Funk Pump』(1975年)といったアルバムをリリースしています。
また、Mose Davisはソロ・アルバム『Coming of Moses』(1978年)をリリースしています。
今日紹介する『What's Up Front That Counts』(1971年)は、レア・グルーヴ方面からも評価の高いファンク作品です。ジャケからしてファンク/ソウル名盤の趣がありますよね!
The Fabulous Counts名義の「Jan Jan」(アルバム『Jan Jan』収録)もレア・グルーヴ人気曲ですが、本作はさらにファンク・グループとしての重量感が増した印象を受けます。黒く粘り腰のグルーヴは聴けば聴くほどクセになります。
「What's Up Front That-Counts」、「Thinking Single」、「Pack Of Lies」、「Bills」はサンプリング・ソースにもなっています。
1〜4曲目のファンキー・グルーヴ4連発で本作の虜になるはずです。まさにレア・グルーヴ名盤に相応しい1枚だと思います。
CDボーナス・トラック2曲も充実しています。
全曲紹介しときやす。
「What's Up Front That-Counts」
タイトル曲は絡みつくように粘りのあるロウ・ビートが魅力のファンク・チューン。覚醒感のあるオルガン、妖しく唸るギター、呪術的ビート、サンプリング・ネタにもなっているホーンとグループ一丸となったファンクネスにヤラれます。Soho「Hippychick」、Eric B. & Rakim「Relax With Pep」、Moby「South Side」、Luke Vibert「De-Pimp Act」等のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=NPpkF-AGFc4
「Rhythm Changes」
粘りのあるファンキー・ビートでゴリゴリと押しまくる1曲。彼らのグルーヴの虜になります。
http://www.youtube.com/watch?v=1UYTUhrnwQc
「Thinking Single」
イントロのホーンが印象的な重量ファンク。黒いグルーヴのうねる音空間に惹き込まれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Mn0m1csEPFg
The 45 King「Mr.Smith & Mr.Wesson」、MC Trouble「Big Ol' Jazz」のサンプリング・ソースにもなっています。
The 45 King「Mr.Smith & Mr.Wesson」
http://www.youtube.com/watch?v=BzrtChlszsQ
MC Trouble「Big Ol' Jazz」
http://www.youtube.com/watch?v=HT0GWG4zA9A
「Why Not Start All Over Again」
グループの懐の深さを感じるファンキー・グルーヴ。ソウル、ファンク、ジャズ、ロック、ラテンといったさまざまな音楽エッセンスがこのファンク・チューンに詰まっているように思えます。
http://www.youtube.com/watch?v=Vn6ep_YnDzE
「Pack Of Lies」
本作らしい粘りのあるロウ・ビートを満喫できるインスト・ファンク。Mose Davisのオルガンが印象的です。Snoop Dogg「Who Am I (What's My Name)?」、Dilated Peoples, Defari, Planet Asia and Phil Da Agony「Closed Session」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ChClEZz2uTw
「Bills」
哀愁モードのメロディが印象的です。中盤のヴォーカルでアクセントをつけています(成功しているとは思いませんが)。哀愁モードのイントロはJaz「Abnormal」、IAM「Chez Le Mac」、Sporty Thievz「Spy Hunter」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=V6LcgNKd_nc
ここから2曲はオリジナル・アルバムには未収録だったボーナス・トラックです。
「Motor City」
本編とは少し異なる雰囲気のジャズ・ファンク調のファンキー・チューン。Raw Stylus「Pushing Against the Flow」の元ネタにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=Ce-uZnkOniA
「What's It All About」
フリーソウル好きが喜びそうなメロウ・チューン。アルバムに別の魅力をもたらしてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=GR1e33jfgII
The Counts、The Fabulous Countsの過去作品や本作と同じくレア・グルーヴ方面で評価の高いMose Davisのソロもチェックを!
The Fabulous Counts『Jan Jan』(1969年)
『Love Sign』(1973年)
Mose Davis『Coming of Moses』(1978年)