2013年05月24日

Paradise『World's Midnight』

アーバンなメロウ・ダンサーを満喫できるUKソウル☆Paradise『World's Midnight』
ワールズ・ミッドナイト+1 (生産限定紙ジャケット仕様)
発表年:1982年
ez的ジャンル:アーバン・メロウ系UKソウル
気分は... :Stop And Think!

今回はUKのソウル・グループParadiseの2ndアルバム『World's Midnight』(1982年)です。最近、国内盤CDがリリースされ、入手しやすくなりました。

Paradiseはロンドンで結成されたグループ。ソウル・グループと書きましたが、厳密にはゴスペル系のグループであったようです。

グループは『Paradise』(1980年)、『World's Midnight』(1982年)、『Love Is the Answer』(1983年)という3枚のアルバムをリリースしています。

2ndとなる本作『World's Midnight』(1982年)におけるメンバーはPaul Johnson(vo)、Douglas Williams(vo)、Junior Edwards(b)、Phillip Edwards (key)、Raymond Dennis(key)、Bobby Clarke(ds)、David Aiyeola(g)、Devon Burke(per)、Karl Edwards(per)の9名。

本作から後にソロ・アルバムも何枚かリリースするファルセット・ヴォーカルが魅力のソウル・シンガーPaul Johnsonが加入しています。

プロデュースはJon Astrop/Philip Saatchi。

アルバム全体としてはアーバン感覚のメロウ・ダンサーを満喫できるアルバムです。「World's Midnight」「Stop And Think」をはじめ、ブラコン好きの人にはなかなかグッとくる1枚なのでは?

楽曲はすべてメンバーのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「World's Midnight」
オススメその1。ブラコン好きな人にはグッとくるであろう軽快なメロウ・ダンサー。David AiyeolaによるNile Rodgersばりのギターが心地好いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Ldf-rIJDS9U

「Here And Now」
オススメその2。Paul Johnsonのファルセットを満喫できるダンサブル・チューン。アーバン・モードで疾走します。
http://www.youtube.com/watch?v=4OhXYvwycAY

「Never Will Turn Back」
ゴスペル出身のグループだと思わせる重厚なコーラスを聴かせてくれる1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=iBT68XLZAuc

「Your Love」
オススメその3。N.Y.系ブラコンを思わせるモダン・ダンサー。アーバン・ナイトな雰囲気がいいですね。

「Something Wonderful」
Paul Johnsonがリードをとるしっとりとしたスロウ。

「Stop And Think」
オススメその4。アーバン・メロウ好きにはたまらない1曲。80年代ブラコンの良質な部分が凝縮されていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=Hb81gyG3HBw

「Life Assurance」
メロディアスなミッド・チューン。美しいヴォーカル・ワークを満喫しましょう。

「Success」
ディスコ・ファンク調の仕上がり。ブラジリアン・フレイヴァーも散りばめられています。
http://www.youtube.com/watch?v=MH2uVne2eFI

「I'm Going Away」
オススメその5。EW&F調のメロウ・バラード。スロウ〜ミディアム系ではこの曲が一番好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=W4sjQVCp16s

「Quiet Times」
ラストはアコースティック感覚の美しいスロウで締め括ってくれます。

本編はここまでですが、今回の国内CDには3rdアルバムのタイトル曲「Love Is The Answer」がボーナス・トラックで追加収録されています。

「Love Is The Answer」
http://www.youtube.com/watch?v=vIx7b37xE_k

ご興味がある方はParadiseの他作品もチェックを!

『Paradise』(1980年)
パラダイス+1 (生産限定紙ジャケット仕様)

『Love Is the Answer』(1983年)
Love Is The Answer
posted by ez at 09:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月23日

Kathryn Moses『Kathryn Moses』

ブラジリアン・ジャズ人気曲「Ready or Not」収録☆Kathryn Moses『Kathryn Moses』
Kathryn Moses
発表年:1976年
ez的ジャンル:カナダ産爽快ジャズ・グルーヴ
気分は... :スマイル・モードにさせてくる爽快フルート!

今回はカナダの女性ヴォーカリスト/フルート/サックス奏者Kathryn Mosesの1stアルバム『Kathryn Moses』(1976年)です。

米国オクラホマ州出身、カナダでジャズ・ミュージシャンとして本格的に活動するようになったKathryn Mosesの紹介は、『Music In My Heart』(1979年)に続き2回目です。

『Kathryn Moses』『Music In My Heart』ともにカナダ産ブラジリアン・ジャズ作品として再評価の高いアルバムですね。

1stとなる本作『Kathryn Moses』はカナディアン・ミュージック・カウンシルのベスト・レコードにも選出された作品ですが、元々は一般に流通しないラジオ局向けのライブラリー・レコードとしてカナダCBCに録音されたものです。

レコーディング・メンバーは、Kathryn Moses(fl、vo)、Gary Williamson(p)、Rick Homme(b)、Terry Clarke(ds)、Ed Bickert(g)、Marty Morrell(per)、Barbara Mcdouga(violin)、Adell Armin(violin)、Paul Armin(viola)、Dick Armin(cello)です。

同じカナダ産ブラジリアン・ジャズ作品でもフュージョン色の強い『Music In My Heart』と比較すると、本作『Kathryn Moses』は爽快なジャズ・グルーヴといった印象を受けます。

ブラジリアン・ジャズ作品という点でいえば、キラー・チューン「Ready or Not」をはじめ、「I Met a Special Man」「Midmorning」あたりがハイライトとなります。

ただし、本作の魅力はそれだけに止まりません。「Oleo」「My Romance」といったスタンダードの素晴らしいカヴァーや、春の微風のようなフルートが軽やかに舞うジャズ・グルーヴも聴く者を魅了します。また、大学でクラシックを学んでいたKathrynらしくストリングスを巧みに配した演奏も印象的です。

フルートという楽器自体、涼しげなイメージですが、そんなフルートの魅力をアルバム全編で満喫できるスマイル・モードのジャズ作品です。

「Oleo」「My Romance」の2曲以外はKathryn Mosesのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「I Met a Special Man」
「Ready or Not」と並ぶ本作のハイライト。ライトなパーカッシヴ感が心地好いメロウなボッサ・グルーヴ。ボッサ・リズムとキュートなKathrynのヴォーカルにメロメロです。

「Oleo」
Sonny Rollins作の名曲カヴァー。当ブログでは『Bag's Groove』収録のMiles Davisヴァージョンも紹介済みです。本作の魅力がブラジリアン作品のみではないことを証明してくれるスリリングな演奏です。疾走する4ビート・ジャズはなかなか格好良いですよ。ジャズ・フルート奏者としてのKathrynの魅力を存分に楽しめます。

「My Romance」
Lorenz Har/Richard Rogers作によるスタンダード。この名曲のジャズ名演といえば、当ブログでも紹介したBill Evans Trio『Waltz For Debby』での演奏が有名です。ここではフルートの涼しげな響きを活かした小粋な演奏を聴かせてくれます。寛げる雰囲気が実にいいですね。

「Midnight」
序盤はバイオリン、ヴィオラ、チェロによるクラシック調の演奏です。大学でクラシックを学んでいたKathrynらしいですね。本編はミステリアスなジャズ・グルーヴです。終盤に再びストリングス隊が加わり、幻想的な音世界を創り上げます。

「Ready or Not」
本作のハイライト。キュートなKathrynのスキャットにグッとくるライトに疾走するサンバ・チューン。スキャットのみならずフルートの音色も軽やかです。
http://www.youtube.com/watch?v=Ur0OJ8OvalA

「Touch Me」
「Midnight」同様、クラシカルな導入部から始まります。本編は春の微風のような爽快メロウ・ジャズ・グルーヴです。実に心地好い!

「Prince Charming's Brother」
エレガントなワルツ・チューン。Kathrynのフルートが軽やかに駆け巡ります。聴いているだけでスマイリーな気分になれる演奏ですね。

「Midmorning」
Midmorningというよりも朝陽が昇る早朝に聴きたい気分のボッサ・ジャズ。終盤のストリングスが加わった美しいアンサンブルには素晴らしい!の一言です。

『Music In My Heart』(1979年)
Music in my Heart
posted by ez at 00:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月22日

Joy Denalane『Mamani』

ジャーマン・クイーン・オブ・ソウルのデビュー作☆Joy Denalane『Mamani』
Mamani
発表年:2002年
ez的ジャンル:ジャーマン・ネオ・ソウル
気分は... :南アフリカを感じます!

今回はドイツのクイーン・オブ・ソウルJoy Denalaneの1stアルバム『Mamani』(2002年)です。

ベルリンを拠点に活動するアフリカ系ドイツ人のR&Bシンガー。Joy Denalaneの紹介は、2nd『Born & Raised』(2006年)、3rd『Maureen』(2011年)に続き3回目となります。

今日ではジャーマン・ネオ・ソウルを代表する女性R&BシンガーとしてR&Bファンから広く認知されているJoy Denalaneですが、その第一歩となったのが1stアルバムとなる本作『Mamani』(2003年)です。

ジャーマン・ネオ・ソウルを世界中に広く認知させた名作であると同時に、父親が南アフリカ、母親がドイツ出身のベルリン育ちというJoy Denalaneのルーツを強く感じさせる1枚に仕上がっています。

ジャジーなネオ・ソウルをベースにしつつ、父の故郷である南アフリカを強く意識した楽曲がいくつか含まれている点が印象的です。この南アフリカのエッセンスは2nd以降にはないもので、本作の魅力の1つだと思います。勿論、そういったことを意識せずにフツーのネオ・ソウル作品として十分楽しめます。

プロデュースはJoyの旦那様でもあるドイツ人アーティストMax Herre。南アフリカ出身のトランペット奏者Hugh Masekela等がゲスト参加しています。

2nd『Born & Raised』(2006年)、3rd『Maureen』(2011年)とは異なるJoy Denalaneのルーツを実感できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Setho」
南アフリカのDNAを感じさせるオープニング。

「Miscommunication」
メロウ・エレピが心地好い温もりのジャジー・ソウル。イントロのカリンバの音色も印象的です。ネオ・ソウルにアフリカのフレイヴァーを上手く融合させているのがいいですね。

「Geh Jetzt」
オススメその1。哀愁モードのジャジー・ソウル。ドイツ語であってもソウルフルな味わいが十分に伝わってくるJoyの堂々としたヴォーカルが素晴らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=hb4KKuEoFDc

「Bantwana Skit」
スキット。

「Hochste Zeit」
レゲエ調のリズムにマリンバも絡むサード・ワールド感覚の1曲。なかなか雰囲気があってお気に入りの1曲です。

「Vier Frauen」
Nina Simone「Four Women」のカヴァー。彼女のオリジナルは『Wild Is the Wind』(1966年)に収録されています。タイトルの通り4名の黒人女性のストーリーを歌った曲ですが、ここではJoyに加え、 Chiwonsio、Deborah、Sara Tavaresという3人の女性ヴォーカリストをゲストに迎え、それぞれのストーリーを歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=2aWddkdL1HQ

「Sag's Mir」
オススメその2。僕好みの正統派ネオ・ソウルに仕上がっています。メロウなUSネオ・ソウルとセットで聴いても全く違和感ないと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=x_DGw5YH4Ww

「Ma Jimbos Skit」
スキット。

「Im Ghetto Von Soweto (Auntie's House)」
オススメその3。南アフリカ出身のトランペット奏者Hugh Masekelaのフリューゲル・ホーンをフィーチャー。ジャーマン・ゲットー・ソウルといった趣です。ニューソウル+ネオ・ソウルな感じにグッときます。

「Kinderlied」
オススメその4。童心に戻れそうなミニ・ムーグによるオルゴール風サウンドをバックに、Joyが優しく語り掛けます。子守唄にピッタリな1曲なのでは?

「Was Auch Immer」
オススメその5。ネオ・ソウル好きであれば間違い1曲。落ち着いた大人のR&Bタイムを演出してくれる素晴らしい仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=nvN_EqHcSeM

「Passenger Denalane Skit」
スキット。

「Mamani」
タイトル曲は再びHugh Masekelaをフィーチャー。コーラス隊も含めて南アフリカ・フレイヴァーの仕上がり。

「Fragen (Ein Brief Aus Lesotho)」
ヴァイヴの音色が印象的な大人のジャジー・ソウル。しっとりとした味わいで聴かせてくれます。

「Wem Gehort Die Welt」
Jonny "Guitar" Watson「What is love」の引用も含まれる哀愁ソウル。アコーディオン風のキーボードの音色が哀愁モードを盛り上げてくれます。

「I Cover The Waterfront」
Edward Heyman作詞、Johnny Green作曲のスタンダード(1933年作)。Billy Holidayの熱唱で有名な曲ですね。当ブログではJohn Lewis & Sacha Distelのカヴァーも紹介済みです。そんなスタンダードをしっとりと歌い上げます。この曲に関してはソウル・シンガーというよりもジャズ・シンガーですね。

「Outro」
ジャジー・ソウルなアルバムのアウトロ。

「Mathatha Agotlokamna (Nachruf)」
アウトロの後なのでボーナス・トラック扱いなのでしょうか。南アフリカのヴォーカル・グループMahotella Queensをフィーチャーしたア・カペラです。

Joy Denalaneの過去記事をご参照ください。

『Born & Raised』(2006年)
ボーン&レイズド

『Maureen』(2011年)
Maureen
posted by ez at 01:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月21日

Willie Colon『The Hustler』

悪童によるN.Y.ラテン第2弾☆Willie Colon『The Hustler』
Hustler
発表年:1968年
ez的ジャンル:永遠の悪童系N.Y.ラテン/サルサ
気分は... :破天荒だけではないラテンの血!

今回はN.Y.サルサを代表するスーパースター、トロンボーン奏者Willie Colonの2ndアルバム『The Hustler』です。

これまで当ブログで紹介したWillie Colon作品は以下の6枚。

 『El Malo』(1967年)
 『Cosa Nuestra』(1969年) 
 『Lo Mato』(1973年)
 『The Good, The Bad, And The Ugly』(1975年)
 『Siembra』(1978年)
 『Top Secrets』(1989年)

本作『The Hustler』は、衝撃のデビュー作『El Malo』(1967年)に続くアルバムです。前作の勢いを受け継ぐ破天荒さに加え、じっくり聴かせる楽曲も交えるあたりに、単なる悪童(El Malo)ではないWillie Colonのアイデンティティを感じます

Johnny Pacheco & Jerry Masucciのバックアップのもと、レコーディングにはWillie Colon(tb)以下、Hector Lavoe(vo)、Joe Santiago(tb)、Pablo Rosario(congas)、Nicky Marrero(timbales)、Santi Gonzalez(b)、Mark "Markolino" Dimond(p)、Pablo Rosario(bongo)等のミュージシャンが参加しています。

個人的には「The Hustler」「Montero」といった破天荒に疾走する曲に惹かれますが、「Eso Se Baila Asi」をはじめとする哀愁ラテンも本作の聴きどころだと思います。

スパニッシュ・ハーレムの悪童たちのN.Y.ラテン魂を堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「The Hustler」
Willie Colon作。タイトル曲は本作のハイライトとなるデスカルガ。ハードボイルドな格好良さを持つスパニッシュ・ハーレムらしいラテン・サウンドを満喫できます。ティンバレスの乱れ打ちがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=d7NlZhUVFD0

「Que Lio」
Joe Cuba/Hector Lavoe/Willie Colon作。Hector Lavoeのヴォーカルを満喫できる哀愁ラテン・バラード。
http://www.youtube.com/watch?v=6pqV5UKsqQ4

「Montero」
Hector Lavoe/Willie Colon作。タイトル曲と並ぶ本作のハイライト。僕の一番のお気に入り曲です。若々しくエネルギッシュに疾走するガレージ・サルサ・チューン。弾けた演奏をバックにHector Lavoeのヴォーカルも絶好調です。これぞ悪童たちのN.Y.ラテン!
http://www.youtube.com/watch?v=YtjeuU3yI6U

「Se Acaba Este Mundo」
Willie Colon作。Hector Lavoeの哀愁ヴォーカルが印象的なサルサ・チューン。こういった哀愁感もN.Y.サルサの魅力ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=SX88GVNTM7U

「Guajiron」
Mark Dimond作。ゆったりとしたテンポながらも引きずり込まれます。小粋なピアノの響きにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=R-_z-ZCN-yw

「Eso Se Baila Asi」
Willie Colon作。悪童たちの哀愁ラテン・ソウル。メリハリのつけ方も絶妙でなかなか聴かせてます。
http://www.youtube.com/watch?v=sxUoWKvWLo4

「Havana」
Willie Colon作。ラストはノスタルジックな哀愁ラテンで締め括ります。
http://www.youtube.com/watch?v=ef3FtgRF4Z0

Willie Colonの過去記事もご参照下さい。

『El Malo』(1967年)
El Malo

『Cosa Nuestra』(1969年)
Cosa Nuestra

『Lo Mato』(1973年)
Lo Mato

『The Good, The Bad, And The Ugly』(1975年)
Good the Bad the Ugly

『Siembra』(1978年)
Siembra: Special Edition (W/Book) (Spec) (Dig)

『Top Secrets』(1989年)
Top Secrets
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2013年05月20日

Mike James Kirkland『Doin' It Right』

1stに負けない充実作。セクシー&メロウなソウル作品☆Mike James Kirkland『Doin' It Right』
ドゥーイン・イット・ライト(紙ジャケット仕様)
発表年:1973年
ez的ジャンル:セクシー&メロウ・ソウル
気分は... :花畑ジャケはビミョーですが(笑)

今回はMike James Kirklandの2ndアルバム『Doin' It Right』(1973年)です。

ミシシッピ州出身の男性ソウル・シンガーMike James Kirklandの紹介は、1stアルバム『Hang On In There』(1972年)に続き2回目となります。

ニューソウル裏名盤として名高い1st『Hang On In There』で人気のあるMike James Kirklandですが、2nd『Doin' It Right』(1973年)もソウル/レア・グルーヴ好きから支持の高い1枚です。ピンクを基調に花畑で戯れる本人が写るジャケはビミョーですが(笑)

『Hang On In There』は、Marvin Gaye『What's Going On』ライクなニューソウル感が魅力の1枚でしたが、本作『Doin' It Right』はMikeのセクシー・ヴォーカルの魅力を生かしたメロウなソウル・アルバムという印象が強いです。

『Hang On In There』同様、兄Bob Kirklandがプロデュースし、Al McKay、James Gadson、Bernard BlackmonといったCharles Wright & The Watts 103rd St Rhythm Bandの面々らがレコーディングに参加しています。

一般的にはタイトル曲「Doin' It Right」がハイライトだと思いますが、他の楽曲も充実しています。Mike James Kirklandというシンガーのセクシーな魅力を再認識できる楽曲が揃っています。

「It's Too Late」「O Me O My (I'm A Fool For You Baby)」以外はMikeのオリジナルです。

派手さはありませんが、セクシー&メロウな楽曲の数々に魅了される1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Got To Do It Right」
セクシーなファンキー・グルーヴでアルバムは幕を開けます。Mikeのセクシー・ヴォーカルとファンキー・リズム、ニューソウルらしいストリングスが見事に調和した1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=YE8cubz5ETM

「It's Too Late」
Carole Kingの名曲カヴァー(Carole King/Toni Stern作)。この名曲をメロウなソウル・カヴァーで聴かせてくれます。本曲のソウル・カヴァーといえば、当ブログでも紹介したThe Isley Brothersのヴァージョン(アルバム『Brother, Brother, Brother』収録)が有名ですが、本ヴァージョンのメロウな仕上がりも格別です。
http://www.youtube.com/watch?v=OR3MrwJHlgk

「O Me O My (I'm A Fool For You Baby)」
女性シンガーLulu、1969年のヒット曲をカヴァー(Jim Doris作)。Aretha Franklinのカヴァーでもお馴染みですね(アルバム『Young, Gifted And Black』収録)。この曲の持つ味わい深さを生かしつつ、緩急のメリハリをつけた好カヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=xZWwNJ4TDmU

「You Put It On My Mind」
実は僕の一番お気に入りはこのメロウ・バラード。素晴らしいストリングスと女性バック・コーラスが感動を盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=oCs-DF5m1Ng

「Doin' It Right」
男女の痴話喧嘩をそのまま歌にしたようなタイトル曲。Marvin Gayeばりのセクシー・ヴォーカルがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=OVl5NXe8sY0

「Love Is All We Need」
Marvin Gayeばりのセクシー&メロウ・グルーヴ。サックス・ソロもセクシー&メロウな気分を盛り上げてくれます。

「Love Insurance」
ニューソウル調のメロウ・グルーヴ。不穏な空気とメロウネスが入り混じった雰囲気がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=o1bsXllioWk

「The Only Change」
ファンキー・ブレイクと共に始まる軽やかなファンキー・メロウ。ファンキー・グルーヴとMikeのセクシー・ヴォーカルのコンビネーションがサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=qrX9pNoh9dk

未聴の方は1st『Hang On In There』(1972年)もセットでどうぞ!

『Hang On In There』(1972年)
ハング・オン・イン・ゼア(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 03:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする