2013年05月05日

Roman Andren『Oyster Of Basatan』

アフロビート・バンドKakaraka Bandを迎えた最新作☆Roman Andren『Oyster Of Basatan』
ジ・オイスター・オブ・バサタン
発表年:2013年
ez的ジャンル:北欧系ブラジリアン・フュージョン
気分は... :神秘の世界・・・

今回は"北欧のDeodato"ことスウェーデンのキーボード奏者Roman Andrenの最新作『Oyster Of Basatan』です。

これまで当ブログで紹介したRoman Andren作品は以下の4枚。

 『Juanita』(2007年)
 『Color Green』(2010年)
 『Lovin' You』(2011年)
 『Cabra Negra』(2012年)

前作『Cabra Negra』は従来とは異なるラテン・ジャズ路線でしたが、本作では『Juanita』『Color Green』のブラジリアン・フュージョン路線に戻っています。

演奏面では、スウェーデンのアフロビート・バンドKakaraka Bandを迎えています。ただし、その分アフロ・ファンクが前面に押し出されているわけではありません。また、コンセプチュアルな面ではクトゥルフ神話で有名なアメリカ人の幻想文学作家Howard Phillips Lovecraftからインスパイアを受けている模様です。

『Color Green』は、イギリスの小説家Joseph Conradが1899年に書いた長編小説『Heart of Darkness(闇の奥)』からインスパイアを受けていましたが、Roman Andrenにとって文学作品は創造の源なのかもしれませんね。

正直、ヴォーカル曲が1曲しかないのは少し物足りない気もしますが、その分サウンドに集中して聴くことができるかもしれません。

『Oyster Of Basatan』ダイジェスト
「Jericho Rising〜Creature In Xingu River〜Rongorongo」
http://www.youtube.com/watch?v=s82KXHSSTfU

北欧ブラジリアン・フュージョンをさらに進化させようとするRoman Andrenの意欲が伝わってくる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Jericho Rising」
オススメその1。幻想的な雰囲気のブラジリアン・フュージョン。『Juanita』がお好きだった人はグッとくる音世界を堪能できる1曲だと思います。Magnus Lindebergのギターがなかなかいい感じです。

「Creature In Xingu River」
リラックスしたジャズ・ファンク・チューンですが、所々で本作らしいアフロ・ファンクのスパイスが効いています。

「Legends Of Jabuta」
幻想的なサウンドとアフロ・ブラジリアンなリズムが結び付いたスケール感の大きな1曲。大自然をテーマにしたドキュメンタリーの序曲のような趣です。

「Star Spawn」
オススメその2。ハープシコードのような鍵盤の音色にグッとくる1曲。北欧フュージョンらしい澄み切った疾走感が実に心地好いです。

「Beast At Saqqara」
本作らしいアフロ・ファンク色が目立つ1曲。アフロビートらしいオルガンの音色がいいですね。現行アフロ・ファンク・バンドの楽曲とセットで聴きたくなります。ホーン隊の活躍が目立ちます。

「Divine Providence」
オススメその3。メロウな楽曲がお好きな方には本曲がオススメ。サンセット・モードにも似合いそうなメロウ・サウンドにうっとりです。

「Cthugha Funk」
「Beast At Saqqara」同様アフロ・ファンク色が強い仕上がり。Roman AndrenサウンドとKakaraka Bandのアフロ・ファンクが上手く融合しているのがいいですね。

「Rongorongo」
オススメその4。Roman Andrenらしいスキャット入りブラジリアン・フュージョンですが、ソリッドなテイストなのが印象的です。Joselo Orellanaのティンバレス・ソロによるラテン・スパイスもグッド!

「Land Of The Two Suns」
オススメその5。サウンドはブラジリアン・フュージョンですが、オルガンの音色がアフロビートという本作らしい雰囲気の1曲。

「Sweet Armine」
オススメその6。本作唯一のヴォーカル曲。Sandra Marielleのヴォーカルをフィーチャーしたメロウ・チューンです。サンセット・モードが似合うソフト&メロウな仕上がりです。

「While In R'Lyeh」
ミステリアスな中にもタメの効いたグルーヴにグッとくるジャズ・ファンク・チューン。

「City Of The Old Ones」
ラストはアフロビート調のダークな雰囲気で締め括ってくれます。

Roman Andrenの過去記事もご参照下さい。

『Juanita』(2007年)
ファニータ

『Color Green』(2010年)
カラー・グリーン

『Lovin' You』(2011年)
ラヴィン・ユー

『Cabra Negra』(2012年)
カブラ・ネグラ
posted by ez at 01:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする