2013年05月11日

Joe Thomas『Feelin's From Within』

メロウ・クラシック「Coco」収録のジャズ・ファンク作品☆Joe Thomas『Feelin's From Within』
フィーリンズ・フロム・ウィズイン
発表年:1976年
ez的ジャンル:Groove Merchant系ジャズ・ファンク
気分は... :メロウな休日・・・

今回はメロウ・ジャズ・ファンクの人気作Joe Thomas『Feelin's From Within』(1976年)です。

Joe Thomasは1933年ニュージャージー州ニューアーク生まれのサックス/フルート奏者。同名異人のジャズ・ミュージシャンが何名かいますので混同しないようにご注意を!

10代半ばには地元ニュージャージーのクラブで演奏するようになり、1962年には女性黒人オルガン奏者Rhoda Scottのグループに参加します。The Rhoda Scott Trio名義で『Hey, Hey, Hey』(1962年)、『Live! at the Key Club』(1963年)という2枚のアルバムを残しています。

Rhoda Scottのグループ解散後、同僚であったドラムのBill Elliottとの共同名義でJoe Thomas & Bill Elliott『Speak Your Piece』(1964年)をリリース。その後はJoe Thomas Group名義で『Comin' Home』(1968年)、ソロ名義で『Joe Thomas Is the Ebony Godfather』(1970年)、『Joy of Cookin'』(1974年)、『Masada』(1975年)、『Feelin's From Within』(1976年)、『Here I Come』(1977年)、『Get in the Wind』(1978年)、『Make Your Move』(1979年)、『Flash』(1980年)といったアルバムをリリースしています。

レア・グルーヴ好きの人であれば、『Comin' Home』(1968年)、『Joe Thomas Is the Ebony Godfather』(1970年)、ジャズ・ファンク/クロスオーヴァー好きの人であればジャズ・ファンクの人気レーベルGroove Merchantに残した『Joy of Cookin'』(1974年)、『Masada』(1975年)、『Feelin's From Within』(1976年)といったあたりが要チェックなのでは?

Groove Merchantに残したアルバムの中でも今日最も人気が高いのが本作『Feelin's From Within』(1976年)だと思います。特に日本人にはJ Hip-Hopの人気グループBuddha Brandの「ブッダの休日」サンプリング・ソース「Coco」が収録されていることで注目の高い1枚ですね。

参加ミュージシャンはJoe Thomas(fl、ts)以下、Bob Babbitt(b)、Jerry Friedman(g)、Lance Quinn(g)、Pat Rebillot(key)、Gary Mure(ds)、Barry Miles(syn)、Jimmy Maelen(per)、Steve Gadd(ds)、Jeff Mironov(g)、Alan Rubin(tp)、Lew Soloff(tp)、Jon Faddis(tp)、Dave Taylor(tb)、Barry Rogers(tb)、Michael Brecker(sax)、George Young(sax)、Lew DelGatto(sax)、David Lasley(vo)、 Arnold McCuller(vo)等です。プロデューサーはGroove Merchantの総帥Sonny Lester

究極のメロウ・チューン「Coco」に惹かれるアルバムですが、それ以外にも完成度の高いジャズ・ファンク・チューンが収録されています。主役Joe Thomasのフルート、サックスに加え、参加ミュージシャンの印象的なフレーズが多いのも魅力ですね。

メロウなジャズ・ファンク/クロスオーヴァー好きの人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Funky Fever」
Jerry Friedman作。オープニングはメロウ・ディスコ調のジャズ・ファンク。冒頭のホーン・アンサンブルがなかなか格好良いです。主役Joe Thomasのフルートもコーラス隊をバックに涼しげに疾走します。
http://www.youtube.com/watch?v=6k3Zt2NeXMg

「Feelin's From Within」
Lance Quinn/Brad Baker作。イージーリスニング調の序盤からグルーヴィーなクロスオーヴァーへと展開します。Joe Thomasのフルートに加え、軽快なギター・ソロにもグッときます。

「Polarizer」
Joe Thomas/Lance Quinn/Brad Baker作。印象的なギター・リフと共にスタートするジャズ・ファンク・チューン。中盤のBarry Milesのシンセ・ソロもなかなかインパクトがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=Dh0V0fZaGEU

印象的なギター・リフはThe High & Mighty feat. Mos Def & Mad Skillz「B-Boy Document 99」、D.I.T.C.「Way of Life」等のサンプリング・ソースとなっています。
D.I.T.C.「Way of Life」
 http://www.youtube.com/watch?v=w7kxwiAwJ-8

「Coco」
Bob Babbitt作。前述のBuddha Brand「ブッダの休日」のサンプリング・ソースとなったメロウ・チューン。Buddha Brand当時大好きでした。本作のハイライトと呼べるでしょう。サンセット・モードにぴったりなメロウネスです。Buddha Brand「ブッダの休日」以外にもPanacea「Blue Oceanwave」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=1OO8wFRPWDQ

Buddha Brand「ブッダの休日」
 http://www.youtube.com/watch?v=BLjesmzFwxg

「Galaxy Dreamin'」
Lance Quinn/Brad Baker作。ここではJoe Thomasのテナーを聴くことができます。ドラマティックな格好良さがあるのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=fh_Y9yyIgPA

「Venus」
Brad Baker作。Joe Thomasのテナーが優しく歌い上げるロマンティックな・バラードで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=wZRCTtfNvzw

冒頭のサックスは当ブログでも紹介したBeck「The New Pollution」のサンプリング・ソースにもなっています。
Beck「The New Pollution」
 http://www.youtube.com/watch?v=uxugaMpt1vU

ご興味がある方はJoe Thomasの他作品もチェックを!

『Comin' Home』(1968年)
Comin' Home

『Joy of Cookin'』(1974年)
ジョイ・オブ・クッキン

『Masada』(1975年)
Masada

『Make Your Move』(1979年)
Make Your Move
posted by ez at 17:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする