発表年:1976年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系メロウ・ファンク/ソウル
気分は... :ジャケで判断しないように!
今回はレア・グルーヴ・シーンで再評価が高まった1枚Michael Orr『Spread Love』(1976年)です。
アーティストの名義についてはCarey Harris & Michael Orr(Harris & Orr)として紹介しているケースも多いですが、所有するCDの表記には『Michael Orr Presents Spread Love』となっているので、便宜上Michael Orr名義で紹介しておきます。
キーボード奏者兼ヴォーカリストMichael Orrが幼馴染みのベーシストCarey Harrisらと制作したアルバムが本作Michael Orr『Spread Love』(1976年)です。レコーディングはオハイオ州クリーブランドで行われました。
Michael Orrの下手ウマ・バリトン・ヴォーカルはGil Scott-Heronに共通するものがあります。ベーシストとのコラボということも含めてGil Scott-Heron & Brian Jacksonの諸作をイメージさせます。
オーセンティックなソウル・バラードなども収録されていますが、パーカッシヴなメロウ・グルーヴ/ファンク・チューンが本作の魅力だと思います。
ジャケだけで判断すると勿体ない作品です。
ジャケ・イメージからかけ離れたメロウ・グルーヴの数々を満喫できます。
とりあえず「Spread Love」、「Here I Go (Through These Changes Again)」、「Ecstasy, Fantasy and Dreamland」の3曲を聴けば、本作の魅力を実感できるはずです。
楽曲はすべてMichael Orrのオリジナル(そのうち約半数がCarey Harrisとの共作)です。
全曲紹介しときやす。
「Ecstasy, Fantasy and Dreamland」
オススメその1。一発でジャケのイメージを覆してくれるメロウ・グルーヴ。涼しげなフルートもいい感じ。
http://www.youtube.com/watch?v=VZ4ktg21Tnw
「Let Me Be With You Awhile」
サンセット・モードな雰囲気のメロウ・バラード。ハイアイアンAORなんかと一緒に聴くとマッチしそうです。
「Here I Go (Through These Changes Again)」
オススメその2。「Spread Love」と並ぶハイライト曲。程良くパーカッシヴな極上メロウ・グルーヴ。Michael Orrのバリトン・ヴォーカルが栄えるモロに僕好みの1曲!ヴァイヴの響きもいいスパイスになっています。モダン・ソウル名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=vBgW6Z0-FQU
「Feelings」
Bernadine Mitchellがゲスト・ヴォーカルで参加しているオーセンティックなソウル・バラード。
「A Piece of Mine」
ヴァイヴやトランペットをフィーチャーしたインスト・チューン。インストですが、パーカッシヴに疾走してなかなか格好良いです。
http://www.youtube.com/watch?v=0iYo5eEeYY4
「Spread Love」
オススメその3。本作のハイライトとなるレア・グルーヴ名曲。Gil Scott-Heron好きの人であればグッとくるジャズ・ファンク・チューン。序盤のMichael Orrの熱唱から一気に加速する瞬間の格好良さがたまりません。ムーグの響きもいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=W78KltLKk3Q
「Keep My Fire Burning」
メロウなソウル・バラード。Michael Orrはヴォーカリストとして圧倒的な存在感があるわけではありませんが、どこか惹きつかれるものがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=4Re4aX7HAHQ
「You Opened My Eyes to the World」
オススメその4。サマー・モードにフィットするメロウ・フュージョン風の仕上がり。ブラジリアン・グルーヴと一緒に聴くたくなる曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=JX1yvGkq-HI
「Afterwhile」
波の音と共に始まるメロウなインスト・チューンで本編は幕を閉じます。
ここからの3曲はCDのボーナス・トラックです。
「I Don't Know You」
女性ヴォーカルしたフィーチャーしたメロウ・ファンク。ヴォーカルのせいで本編とは全然雰囲気が異なりますが、なかなかキュートなヴォーカルでグッときます。
「Hear the Message」
こちらはMichael Orr自身がリード・ヴォーカルをとる哀愁メロウ・バラード。
「Spread Love (Book of Life)」
「Spread Love」の別ヴァージョン。
本作のようにジャケのみで判断できないアルバムって結構ありますよね。僕の場合、ジャケの影響を受けやすいので注意しないといけないのですが・・・