2013年06月03日

Larry Nozero『Time』

レア・グルーヴ・クラシック「Tune For L.N.」収録☆Larry Nozero『Time』
Time
発表年:1975年
ez的ジャンル:Strata系スピリチュアル・ジャズ
気分は... :心に問い掛ける・・・

今回はレア・グルーヴの人気作Larry Nozero『Time』(1975年)です。

Larry Nozero(1943-2005年)はデトロイトを拠点に活動していたジャズ・サックス/フルート奏者。

Marvin Gaye『What's Going On』(1971年)、Eddie Russ『Fresh Out』(1974年)への参加が有名な人ですね。

Sphere『Inside Ourselves』(1974年)、The Mixed Bag『Mixed Bag's First Album』(1976年)といった作品にメンバーとして参加していますし、自身の名義では本作『Time』(1974年)をはじめ、‎『Up To Your Neck』(1983年)、‎『Kaleidoscopin』(1988年)といったアルバムをリリースしています。

あるいは当ブログでお馴染みのアーティストでいえば、Sheila Landis『Bebop Angel』(1982年)は正式にはSheila Landis with the Larry Nozero Quartet名義ですね。

そんなLarry Nozeroを代表する1枚がデトロイトの伝説のジャズ・レーベルStrataからリリースされた『Time』(1974年)です。レア・グルーヴ・クラシック「Tune For L.N.」が収録されている1枚です。

レコーディングにはLarry Nozero(reeds)以下、Ron Brooks(b)、Pat Appleman(cello)、George Pardo(congas)、Dennis Tini(key)、Muruga Sharma(per)、Halina Lia(violin)、Kathie Spratt(violin)、Lorraine Periman(violin)、Richard Becker(violin)といったミュージシャンが参加しています。

プロデュースはCharles Moore

「Tune For L.N.」「Baubles, Bangles & Beads」といったグルーヴィーなハイライト曲が目立つアルバムですが、アルバム全体の印象としては幻想的なスピリチュアル・ジャズ作品といった感じです。その意味ではジャケ・イメージに近い音のアルバムだと思います。

個人的にはスピリチュアル・ジャズも好きなので、そこにレア・グルーヴ・クラシック「Tune For L.N.」や、ボッサ・ジャズ「Baubles, Bangles & Beads」とったキャッチーな演奏でメリハリをつけている構成が気に入っています。

レア・グルーヴ好き、スピリチュアル・ジャズ好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Reflections Of My Past」
Dennis Tini作。Nozeroのフルートがミステリアスに響くスピリチュアル・チューンでアルバムは幕を開けます。作者Dennis Tiniのメロウ・エレピもいい感じです。

「Tony」
Larry Nozero作。Dennis Tiniのキーボードが醸し出す荘厳な雰囲気の中でNozeroのサックスがプレイされます。

「Chronicle Of The Murdered House Part I」
Antonio Carlos Jobimのカヴァー。Part1はJobim作品と思えないスピリチュアル・モードです。

「Chronicle Of The Murdered House Part II」
Part2ではPart1のスピリチュアル・モードから徐々にエレガント・モードへ移行していきます。Nozeroのサックスはスピリチュアル・モードのままですが・・・

「Tune For L.N.」
Dennis Tini作。本作のハイライトとなるレア・グルーヴ・クラシック。重心の低いグルーヴ、怪しげに浮遊するフルート、スキャット・コーラスなどブラック・ムーヴィーのサントラのようなスリリングな魅力に満ちた格好良すぎるグルーヴィーなジャズ・ファンク・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=Fz3_cPDDFlg

「Impressions Of My Lady」
Dennis Tini作。美しいストリングス&エレピの調べに幻想的なスキャット・コーラスとNozeroのフルートが絡むスピリチュアル・チューン。

「All The Things You Are」
Oscar Hammerstein II作詞、Jerome Kern作曲のスタンダード。1939年のミュージカル『Very Warm for May』のために書かれた楽曲です。当ブログではJohn Lewis & Sacha DistelAkua AllrichDon Glaserのカヴァーを紹介済みです。ここではバロック調コーラスでアクセントを加えつつ、スウィンギーな演奏で楽しませてくれます。60年代の欧州映画のサントラっぽい雰囲気もあります。

「Two Worlds」
Larry Nozero/Dennis Tini作。 Dennis Tiniのシンセの荘厳な響きに寄り添うように、Nozeroのサックスが響き渡るスピリチュアル・ジャズ。

「Baubles, Bangles & Beads」
George Forrest/Robert Craig Wright作。ラストは軽やかなボッサ・ジャズで締め括ってくれます。メロウネスの中にもスリリングな演奏を聴けるのが嬉しいですね。

Larry Nozero関連の他作品もチェックを!

‎『Kaleidoscopin』(1988年)
Kaleidoscopin

Eddie Russ『Fresh Out』(1974年)
FRESH OUT フレッシュ・アウト

The Mixed Bag『Mixed Bag's First Album』(1976年)
ミックスド・バッグズ・ファースト・アルバム [初回限定盤] [紙ジャケット仕様]

Sheila Landis with the Larry Nozero Quartet『Bebop Angel』(1982年)
Bebop Angel
posted by ez at 01:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする