発表年:1967年
ez的ジャンル:スウィンギン・ロンドン系UKソウル・ディーヴァ
気分は... :俄かに騒がしく・・・
今回は60年代モッズ/スウィンギン・ロンドン好きには外せないソウル・ディーヴァP.P. Arnoldのデビュー・アルバム『The First Lady Of Immediate』(1967年)です。
P.P. Arnoldの紹介は『Kafunta』(1968年)に続き2回目となります。
Ike & Tina Turnerのバック・コーラス・グループThe IkettesのメンバーであったP.P. Arnoldは、1966年にThe Rolling Stonesの前座で呼ばれたIke & Tina Turnerのイギリス公演に同行した際、当時のStonesのマネージャーAndrew Loog Oldhamに誘われ、そのままイギリスに留まることになります。
そして、OldhamのImmediate Recordsからリリースされた1stアルバムが『The First Lady of Immediate』(1967年)です。
プロデューサーにはRonnie Lane/Steve Marriott、Mick Jager、Mike Hurst、Andrew Loog Oldhamの4組が起用されています。
プロデューサー毎に作風が異なるのでアルバムの一貫性はありませんが、その分さまざまな角度から60年代後半のスウィンギン・ロンドンの盛り上がりを楽しめるアルバムに仕上がっています。
個人的にはMick Jagerプロデュース作が気に入っています。
ロック好き、ソウル好き共に楽しめるUKソウル・ディーヴァ作品です。
全曲紹介しときやす。
「(If You Think You're) Groovy」
Ronnie Lane/Steve Marriott作&プロデュース。シングルにもなりました。Small Facesがバックを務めています。当ブログでも紹介したSmall FacesのImmediate移籍第1弾アルバム『Small Faces(1967)』の流れを汲む少しアシッドなブリティッシュ・ロックに仕上がっています。P.P.のエモーショナル・ヴォーカルとSmall Facesサウンドがうまく噛み合っていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=6GeemTu0Qh0
「Some Beautiful Happened」
Paul Korda作。美しいオーケストレーションをバックにP.P.のドリーミーなヴォーカルを満喫できる1曲。Mike Hurstプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=wW8lFJGpN4k
「Born to Be Together」
Phil Spector/Barry Mann/Cynthia Weil作。The Ronettesのヒット曲をカヴァー。オーケストレーションを配した重厚な仕上がりです。Mike Hurstプロデュース。
「Am I Still Dreaming」
P.P. Arnold作。Mick Jagerプロデュース。僕の一番のお気に入り!MickプロデュースらしいStones調のR&Bサウンドを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=4yMBYft04fc
「Though It Hurts Me Badly」
P.P. Arnold作。この曲もMick Jagerプロデュース。なかなかシブいダークなアコースティック・バラードに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=3Kfk_pCLpxw
「The First Cut Is the Deepest」
Cat Stevens作。Mike Hurstプロデュース。シングルとしてUKチャート第18位のヒットとなりました。Cat Stevensのオリジナルは『New Masters』(1967年)に収録されています。他のMike Hurstプロデュース作同様に美しいストリングスが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=y1-g5VG2pWg
「Everything's Gonna Be Alright」
Andrew Loog Oldham/Donald Ross Skinner作。P.P.の記念すべきデビュー・シングル。ノーザン・ソウル好きにはたまらない軽快な1曲に仕上がっています。Andrew Loog Oldhamプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=NDnpOtz6kXU
「Treat Me Like a Lady」
P.P. Arnold作。Mick Jagerプロデュース3曲目。「Am I Still Dreaming」と並ぶお気に入り曲。ノリの良さではアルバム随一です。
「Would You Believe」
Jeremy Paul作。Mike Hurstプロデュース。この曲も美しいストリングスをバックに、P.P.がキュートなソウル・ヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=QxY0Hnp1o_k
「Life Is But Nothing」
Andrew Rose/Donald Ross Skinner作。レーベル・メイトのフォーキー・デュオTwice as Muchのカヴァー。Twice as Mucのオリジナルは『Own Up』(1966年)に収録されています。実に味わい深いフォーキー・チューンに仕上がっています。Andrew Loog Oldhamプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=OiHBOUPtBDA
「Speak to Me」
Andrew Loog Oldham/Mike Hurst作。Mike Hurstがプロデュースした曲の中ではこれが一番好き。格好良いアッパーR&Bチューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=dmG6J21MqfE
「Time Has Come」
Paul Korda作。この曲もシングルになりました。Mike Hurstプロデュース。ラストは壮大なポップ・チューンで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=UFJLI4MTEKg
CDには以下の3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
「If You See What I Mean」
P.P. Arnold作。「Time Has Come」のシングルB面曲です。グルーヴィーなオルガンにグッとくるキャッチーなR&Bチューンに仕上がっています。
「Come Home Baby」
Rod Stewart作。当時は未発表であったRodとのデュエット。P.P.とRodのデュエットというだけでも興味が湧いてきますね。Mick Jagerプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=7oSUHC-D8RU
「(If You Think You're) Groovy [Alternate take]」
オープニング曲の別テイク。Steve Marriottのコーラスが強調されています。
『Kafunta』(1968年)