録音年:1976年
ez的ジャンル:OZ産シティ・ソウル
気分は... :僕のど真ん中な音!
今回はオーストラリア人SSW/キーボード奏者Charles Hullが1976年にプライベートプレスでリリースしたアルバム『Charles The First』(1976年)です。
ドイツのプロデューサー/DJユニットJazzanovaのメンバーが本作に収録された「It Had To Be You」を発掘し、DJプレイするようになりその存在がクローズ・アップされるようになったアルバムです。その盛り上がりを受けて2006年にCD化が実現しました。
レコーディング・メンバーは、Charles Hull(key、vo)、Michael Reid(g)、John Coker(b)、Ron Papps(g)、Blair Greenberg(per)、Bill Gale(vo)、Noel McDonald(vo)、Graeme Jesse(sax)、Ed Wilson(brass)、Kevin Dubber(brass)、Miles Harris(brass)です。プロデュース&アレンジもCharles Hull本人が手掛けています。
それにしても聴けばきくほど、完成度の高いアルバムだと感心してしまいます。
ジャズ・ファンク、ブルーアイド・ソウル、AOR、メロウ・グルーヴ、ファンキー・ロック等のエッセンスが実に巧みに散りばめられたシティ・ソウル作品は僕の音楽嗜好のど真ん中です。まさにフリーソウル感覚の1枚です。
一度聴いたら手放せなくなるアルバムだと思います。
全曲紹介しときやす。
「Bring Me The Day」
Charles Hull作。Noel McDonaldのヴォーカルをフィーチャー。ダイナミックに躍動するシティ・ミュージック感覚のグルーヴィー・ソウル。フリーソウル好きの人なんかは一発KOのオープニングです。サイコー!
「The Look Of Love」
Dusty Springfieldのヒットでお馴染みのBurt Bacharach作品(映画007シリーズ『Casino Royal』の主題歌)のカヴァー。当ブログではDelfonics、Gimmicks、Christopher Scottのカヴァーも紹介済みです。ここではお馴染みの名曲を軽快なダンディ・ポップに仕上げています。Bill Galeのダンディ・ヴォーカルがムードを盛り上げてくれます。
「The Last Train」
本作にベースで参加しているJohn Cokerの作品。Noel McDonaldのヴォーカルをフィーチャーしたブルーアイド・ソウル的なメロウ・グルーヴ。ソプラノ・サックスのソロもグッド!
「Head The Loving Words My Way」
Charles Hull作。ジャズ・ファンクとファンキー・ロックを融合させたような仕上がり。格好良い疾走感が魅力です。ここではCharles Hull自身がヴォーカルをとっています。
「Aisha」
Charles Hull作。Bill Galeのヴォーカルをフィーチャーしたメロウ・バラード。ハワイアンAORあたりと一緒に聴きたいサンセット・モードが似合う1曲です。
「It Had To Be You」
前述のように本作が注目されるきっかけとなっらキラー・チューン。Gus Kahn作詞、Isham Jones作曲のポピュラー・スタンダードのカヴァーです。ポピュラー・スタンダードをDJを唸らせるグルーヴィーなジャジー・ソウルに生まれ変わらせてしまったCharles Hullのセンスに脱帽です。ヴォーカルはBill Gale。
「Just A Feeling」
Charles Hull作。Noel McDonaldのヴォーカルをフィーチャーしたAOR的メロウ・バラード。エレピのメロウな響きがいい感じです。
「Song Of The Sea」
Charles Hull作。ラストは波の効果音入りのフュージョン調のインスト・チューンです。
Charles Hullとは関係ありませんが、同じOZ産シティ・ソウルということでStylusあたりをチェックしてみては?
Stylus『Where In The World』(1976年)
Stylus『Part Of It All』(1979年)