発表年:1974年
ez的ジャンル:Black Jazz系スピリチュアル・ジャズ/ジャズ・ファンク
気分は... :ベースが主役のBlack Jazz作品!
Black Jazz Records作品から、"The Skipper"と呼ばれたベーシストHenry FranklinのBlack Jazz第2弾作品『The Skipper at Home』(1974年)です。
Henry Franklinは1940年L.A.生まれの黒人ジャズ・ベーシスト。
Hugh Masekela作品のバックや、Gene Harris率いるThe Three Soundsのメンバーとして、アルバム『Soul Symphony』(1969年)へ参加した後、Black Jazzから『The Skipper』(1972年)、『The Skipper at Home』(1974年)という2枚のアルバムをリリースしています。
その後も『Tribal Dance』(1977年)、『We Came to Play』(1985年)といったアルバムし、近年は(多分)自身のレーベルSkipper Productions から作品をリリースしています。
Gene Russellがプロデュースし、レコーディングにはHenry Franklin(b)以下、Charles Owens(ts)、Oscar Brashear(tp)、Al Hall Jr.(tb)、Kemang Sunduza(ss)、Kirk Lightsey(p、fl)、David Durrah(p)、Ndugu(Leon Chancler)(ds)、Kenny Climas(g)、Patricia Talbert(vo)、Penny Holt(vo)、Shirley Reid(vo)、Shirley Thornton(vo)が参加しています。
ベーシストのアルバムなので、ある意味当然なのかもしれませんが、しっかりFranklinのベースが主役になっているのがいいですね。どの演奏でも彼のベースはブンブン腹に響いてきまs。その格好良すぎるベースが全体のバランスを壊していないところにも感心します。
クラブジャズ・クラシック「Blue Lights」の格好良さ、スパニッシュ・テイストの「What Was」、ATCQのサンプリング・ソースとしてもお馴染みのソフトリー・スピリチュアル・ジャズ「Soft Spirit」、高速4ビートで疾走する「The Magic Boy」、David Dullahとの共演が興味深い「Venus Fly Trap」、「Waltz For Boobuss」といろいろ楽しめる演奏が詰まっています。
全曲紹介しときやす。
「Blue Lights」
Al Hall Jr.作。本作のハイライト。格好良いギター・カッティングおよびホーン・アンサンブル&ソロと共に駆け抜けるクロスオーヴァーなジャズ・ファンクです。Franklinのベースラインもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=lcWLlDxerd4
「What Was」
Chick Corea作。スパニッシュ・テイストのワルツ・チューンに、Oscar Brashearのトランペット・ソロ、Charles Owensのテナー・ソロが絡みます。幻想的な雰囲気の中にもエナジーを感じるソロを堪能できるのがいいですね。Franklinのベースもブンブン腹に響いてきます。
http://www.youtube.com/watch?v=qasrlihcmGE
「Soft Spirit」
Al Hall Jr.作。Franklinのベースがジワジワと牽引する美しくソフトリーなスピリチュアル・ジャズ。崇高な雰囲気ながらも実に柔らかい感覚の演奏に惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=4taKXIekyX0
当ブログでも紹介したA Tribe Called Quest「The Hop」や、L'Roneous「L-evation」のサンプリング・ソースにもなっています。
A Tribe Called Quest「The Hop」
http://www.youtube.com/watch?v=erzw3Nclxkk
「The Magic Boy」
Al Hall Jr.作。クラブジャズ好きの人はかなりグッとくるであろう1曲。ホーン隊とバトルしているかのようなFranklinの格好良いベースを満喫できます。
「Venus Fly Trap」
David Dullah作。ヴォーカル隊が参加したフリージャズ/スピリチュアルな仕上がり。底知れぬパワーを感じる演奏に圧倒されます。作者David Dullahのピアノにも注目です。
「Waltz For Boobuss」
ラストもDavid Dullah作。幻想的な音世界の中をFranklinのベースが駆け巡ります。
ご興味がある方はHenry Franklinの他作品もチェックを!
『The Skipper』(1972年)
『Tribal Dance』(1977年)
Black Jazz Records作品の過去記事もご参照ください。
Kellee Patterson『Maiden Voyage』(1973年)
Doug Carn『Revelation』(1973年)