発表年:2013年
ez的ジャンル:北欧系女性ジャズ・シンガー
気分は... :北欧からの微風・・・
今回は新作アルバムの中から北欧女性ジャズ・シンガーの良質アルバム、Veronica Mortensen『Catching Waves』です。最近の僕がiPodで一番多く聴いている新作アルバムかもしれません。
Veronica Mortensenはデンマーク、アーハス出身の女性シンガー。母親がギリシャ出身ということで12歳のときに母親と共にギリシャのアテネに移住、その後音楽の道を志し、デンマークの王立音楽院に入学するため、再びデンマークに戻ってきました。
2003年に初ソロ・アルバム『Pieces in a Puzzle』をリリース。その後『Happiness... Is Not Included』(2007年)、『I'm the Girl』(2010年)といったソロ作をリリースしています。それ以外にデンマーク人ベーシストPeter Vuustのグループとの共演作品、Peter Vuust Quartet Feat. Veronica Mortensen『Image Of Falling』(2005年)もリリースしています。
なお、上記に示しているのは国内盤ジャケです。輸入盤ジャケは異なりますので、ご注意ください。
『Catching Waves』※輸入盤
北欧女性ジャズ・シンガーのアルバムらしく、シンガー・ソングライター感覚とクラブジャズ感覚とコンテンポラリー・ジャズ感覚がいいバランスで融合しているのがいいですね。
作詞はVeronicaと彼女の旦那Niels HPの共作、作曲は「Simple Sense Of Being」(Lars Jansson作)、「Beneath The Sun」(Peter Rosendal作)以外はすべてVeronicaが手掛けています。その意味では、Veronicaのソングライティング能力の高さもアルバムを魅力的なものにしているといえるでしょう。
レコーディングにはVeronica Mortensen(vo)以下、Mads Baerentzen(p、el-p)、Kristor Brodsgaard(b)、Anton Eger(ds、per)、Peter Asplund(tp)が参加しています。
"女性ジャズ・ヴォーカル"という括りに囚われずに聴いて欲しい間口の広いアルバムだと思います。
『Catching Waves』 - Album Teaser
http://www.youtube.com/watch?v=se4wd58uivk
全曲紹介しときやす。
「Enjoy The Ride」
SSW感覚のビューティフル・ソング。このオープニングをショップで試聴したのが、本作の虜になったきっかけです。本作の美しいメロディとハート・ウォームなVeronicaのヴォーカルが聴く者を優しく包み込んでくれます。Peter Asplundのミュート・トランペット・ソロも盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=wh_EFbh9Xag
「This Might Not Be Cool」
北欧らしいジャジー感覚を満喫できます。Veronicaの凛としたヴォーカルと、Kristor Brodsgaardのベースがブンブン腹に響いてくるのがいいですね。
「Where There's A Will」
これも北欧らしいボッサ感覚のメランコリック・チューン。哀愁モードのVeronicaのヴォーカルが切々と伝わってきます。ここでもPeter Asplundのミュート・トランペットがいい味出しています。
「Simple Sense Of Being」
80年代の北欧ブラジリアン・ジャズがお好き人が気に入るであろう爽快なブラジリアン・グルーヴ。Mads Baerentzenの小粋なピアノにもグッときます。
「Sing You A Love Song」
しっとりとしたバラード。Mads Baerentzenのピアノをバックに、Veronicaが艶ややかなヴォーカルを聴かせてくれます。
「Nobember Rain」
哀愁モードで疾走します。コンテンポラリーな女性ジャズ・ヴォーカルとして楽しめる1曲だと思います。
「A Toast Of Wine」
クラブジャズ好きの人は気に入るであろう小粋に疾走するジャズ・グルーヴ。北欧ジャズらしいセンスが詰まった演奏が最高です。Peter Asplundのトランペットも大活躍です。
「Like A Winding Road」
コンテンポラリーなジャズ・サウンドを満喫できる1曲。大自然の神秘といった趣のミステリアスな雰囲気が漂います。
「Lucky」
Veronicaのキュートな魅力を満喫できるSSW感覚の1曲。プリティな楽曲とキュートなヴォーカルがよくマッチしています。
「This Is Not A Love Song」
哀愁バラードを憂いを帯びたヴォーカルで切々と歌います。
「Beneath The Sun」
大人の北欧ジャズ・タイムといった趣の仕上がり。Kristor Brodsgaardのベースが効いています。
「Don't Say A Word Now」
ラストはクロスオーヴァー感覚のフュージョン・グルーヴで締め括ってくれます。派手さでいえば、アルバム随一かも?
ご興味がある方はVeronica Mortensenの他作品もチェックを!
Peter Vuust Quartet Feat. Veronica Mortensen『Image Of Falling』(2005年)
『Pieces in a Puzzle』(2003年)
『Happiness... Is Not Included』(2007年)
『I'm the Girl』(2010年)