発表年:1977年
ez的ジャンル:イタリアンAOR
気分は... :星の子どもたち・・・
今回はイタリアンAORの人気作Alan Sorrenti『Figli Delle Stelle』(1977年)です。
Alan Sorrentiは1950年イタリア、ナポリ生まれのシンガー・ソングライター。
『Aria』(1972年)、『Come Un Vecchio Incensiere All'alba Di Un Villaggio Deserto』(1973年)、『Alan Sorrenti』(1974年)という初期の3枚アルバムは、プログレ/アシッド・フォーク系の作風でした。
しかし、その後ポップ/AOR路線へ方向転換し、『Sienteme It's Time to Land』(1976年)、『Figli Delle Stelle』(1977年)、『L.A. & N.Y.』(1979年)という3枚のアルバムをアメリカでレコーディングしています。
『Sienteme It's Time to Land』はフリーソウル人気盤、『Figli delle Stelle』、『L.A. & N.Y.』の2枚もAOR人気盤として今日でも高い評価を得ています。
80年代以降も継続的にアルバムをリリースしていますが、正直僕はフォローできておりません。
今回紹介する『Figli Delle Stelle』(1977年)はアメリカ・レコーディング第2弾作品です。前作はサンフランシスコでレコーディングが行われましたが、本作はL.A.レコーディングです。
レコーディングには、Jay Graidon(g)、David Foster(key)、David Humgate(b)、Ed Greene(ds)等が参加しています。特にアレンジも手掛けたJay Graidonの貢献が目立つアルバムです。
本作は全曲イタリア語で歌われており、L.A.録音らしいメロウ・サウンドとSorrentiのハイトーン・ヴォイスで歌われるイタリア語の語感の組み合わせがバカンス・モードを盛り上げてくれます。
特に「Figli Delle Stelle」、「Donna Luna」、「Casablanca」の3曲はAOR好きのハートを射止める仕上がりだと思います。
梅雨明けの猛暑を凌ぐのに役立つ1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Figli Delle Stelle」
オススメその1。タイトル曲は本作のハイライト。本作の魅力がこの1曲に凝縮されています。David Fosterの美しいピアノのイントロに続き、Jay Graidonのギターが突き抜けるダンサブルなメロウ・グルーヴ。爽快なメロディ、澄み切ったハイトーン・ヴォーカル、軽快なリズムも含めてサマー・モードにぴったりの仕上がりです。イタリア語のヴォーカルの響きもバカンス気分を高めてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=z2tSpwKCp8g
「Donna Luna」
オススメその2。ミステリアスな煌びやかさが眩しいサマー・グルーヴ。真夏のアーバン・ナイトを演出してくれそうな仕上り。ロマンティックなサックス・ソロもAORらしくてグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=b8Mf3Yk2ZJM
「Passione」
オススメその3。David Fosterのメロウ・エレピが心地好い爽快メロウ・グルーヴ。終盤のSorrentiのハイトーン・ヴォーカルの歌いっぷりに惹かれます。
「Notte Di Stelle」
美しいピアノによるインタールード。
「E Tu Mi Porti Via」
ロマンティック・バラードです。雰囲気は悪くありませんが、少しインパクトが弱い気もします。
「Un Incontro In Ascensore」
印象的なベースラインが牽引するライト・グルーヴ。何気ない曲ですが、どこか惹かれるものがあります。
「Casablanca」
オススメその4。カッティング・ギターの爽快な響きが心地好いバカンス・モードのメロウ・グルーヴ。サンバのリズムが聴こえてくるのが僕好みです。
「C'E Sempre Musica Nell'Aria」
この曲はL.A.というよりもヨーロピアン・モードのポップ・バラード。
「Tu Sei Un'Aquila E Vai」
ラストはポップ・ディスコ調の仕上がり。個人的にはビミョーな仕上がり。
『Aria』(1972年)
『Come Un Vecchio Incensiere All'alba Di Un Villaggio Deserto』(1973年)
『Alan Sorrenti』(1974年)
『Sienteme It's Time to Land』(1976年)
『L.A. & N.Y.』(1979年)