2013年07月11日

Paula Santoro『Paula Santoro』

実力派女性MPBシンガーの3rdアルバム☆Paula Santoro『Paula Santoro』
パウラ・サントーロ
発表年:2005年
ez的ジャンル:ミナス系女性MPB
気分は... :大人のMPB!

今回はブラジル人女性シンガーPaula Santoroの3rdアルバム『Paula Santoro』(2005年)です。

Paula Santoroはブラジル、ミナス出身の女性シンガー。これまで『Santo』(1996年)、『Sabia』(2004年)、『Paula Santoro』(2005年)、『Mar Do Meu Mundo』(2012年)といったアルバムをリリースしています。

本作『Paula Santoro』(2005年)は、Paula Santoroが日本で認知されるようになった作品だと思います。ちなみに上記のジャケは国内盤であり、輸入盤はジャケや曲順も異なるのでご注意ください。

『Paula Santoro』※輸入盤
Paula Santoro

全体としてはアコースティック&ジャジー感覚のMPBであり、Paulaのヴォーカルの雰囲気も含めてMaria Ritaとイメージが重なります。

本作の制作にあたり、Paulaは偉大なブラジル人サックス奏者/コンポーザー/アレンジャーMoacir Santosの元へ赴き、アルバムに関するアドバイスをもらったようです。また、Milton NascimentoToninho Horta、Nelson Angelo等ミナス系アーティストの作品を多く取り上げているのも特徴です。

プロデュースはRodolfo StroeterRafael VernetとPaula Santoro本人。Rafael Vernetはキーボード奏者としてもアルバムの随所で素晴らしいプレイを披露しています。

それ以外にChico BuarqueToninho HortaJaques MorelenbaumBanda MantiqueiraRobertinho SilvaNivaldo Ornelas等がアルバムに参加しています。

実力派MPBシンガーであることを十分実感させてくる1枚です。
Maria Rita好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Se Voce Disser Que Sim」
Moacir Santos/Vinicius de Moraes作。前述のように本作に大きなインスパイアを与えたMoacir Santosの作品がオープニングを飾ります。Banda Mantiqueiraがバッキングを務めるビッグバンド・サウンドとブラジリアン・リズムがよくマッチしたエレガントな大人のMPBに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=SI1NNPWcjQk

「Perfume de Cebola」
Filo Machado/Cacaso作。僕の一番のお気に入り曲。Paulaのヴォーカルが栄える小粋なジャジー・サンバ・チューン。Maria Ritaが好きな人であれば絶対気に入るはず!Banda Mantiqueiraのホーン・アンサンブルもサイコーです。

「E Serio」
Djavan/Fatima Guedes作。Djavan作品をエレガントに聴かせてくれます。寛いだ爽快ムードにグッときます。

「Sem Fantasia」
Chico Buarque作。Chico Buarque自身もヴォーカルで参加しています。美しいストリングス&ピアノをバックに、PaulaとChico Buarqueがしっとりと歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=zBQMjrQe9EQ

「Segue em Paz」
Toninho Horta/Milton Nascimento作。作者Toninho Hortaもギターで参加しています。落ち着いたメロウ・サウンドとPaulaの艶やかな歌声が穏やかな気分にさせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ODcrhC7vaqg

「Nos Dois」
Vicente Paiva/Fernando Martins作。バッキングはToninho Hortaのみ。小粋なヴィオランの響きにのり、Paulaが実に雰囲気のあるヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=w30rAroRgO8

「Nao e Ceu」
Vitor Ramil作。Rafael Vernetのピアノに牽引されるように Paulaのヴォーカルが駆け抜けていきます。

「Leo」
Milton Nascimento/Chico Buarque作。まずはRafael Vernetが美しいピアノに魅了されます。美しくドラマティックな演奏のなかでPaulaが少しミステリアスなヴォーカルを聴かせてくれます。

「Rainha do Meu Samba」
Robertinho Brant/Seu Jorge作。 Seu Jorge作ということで派手な楽曲をイメージしそうですが、美しいボッサ調サウンドをバックにPaulaがしっとりと歌い上げます。

「Como Se A Vida Fosse Musica」
Nelson Angelo/Murilo Antunes作。ミナスの重鎮Nelson Angeloの作品であり、Nelson Angelo本人がアレンジを手掛け、ヴィオランも弾いています。憂いを帯びた美しいサウンドをバックに、Paulaが情感たっぷりのヴォーカルを聴かせてくれます。

「Ceu no Cio」
Eduardo Neves/Mauro Aguiar作。Jaques Morelenbaumによる美しいストリングス・アレンジをバックに、エレガントなヴォーカルを聴かせてくれます。

「Yemanja Rainha」
Moacyr Luz/Aldir Blanc作。ラストは大自然の息吹が聴こえてきそうな雰囲気のミナスらしいサウンドで締め括ってくれます。

本作以外のPaula Santoroのアルバムは、残念ながらAmazonで取り扱いがないようです。残念!
posted by ez at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする