発表年:1993年
ez的ジャンル:UKソウル/アシッド・ジャズ/クラブミュージック
気分は... :賛否両論・・・
今回はUKアシッド・ジャズの牽引者の一人であるオルガン/キーボード奏者James Taylor率いるJames Taylor Quartet(JTQ)です。
セレクトしたのは、アシッド・ジャズ期のUKソウルを代表する男性シンガーNoel McKoyをヴォーカルに迎えたアルバム『Supernatural Feeling』(1993年)です。
JTQは、The Prisonersのメンバーとして活動していたJames TaylorがPrisoners解散後に結成したユニット。1stアルバム『Mission Impossible』(1987年)をリリースして以来、今日までコンスタントにアルバムをリリースしています。
今日紹介する『Supernatural Feeling』(1993年)は、Big Life Recordsからリリースされたアルバムであり、Noel McKoyをヴォーカルに迎えて歌モノの楽曲を大々的に取り上げているのが特徴です。
Noel McKoyは、本作と同じ1993年に自身のグループMckoyのアルバム『Full Circle (Within A Spiritual Social Soul) 』をリリースしており、最も勢いのあった次期かもしれませんね。
また、本作ではセルフ・プロデュース以外にCeri Evans、Mike McEvoyといった外部プロデューサーを起用した楽曲もあり、そうした中でクラブミュージック的なアプローチも目立つ作品です。
本作におけるJTQのメンバーは、James Taylor(org、key)、David Taylor(g)、Gary Crockett(b)、John Wilmott(saz、fl)、Neil Robinson(ds)の5名。
Noel McKoy以外にも、Airto Moreira(per)、Snowboy(per)等のゲストが参加しています。
今日では次作『In the Hand of the Inevitable』(1995年)の方が圧倒的に人気ですが、個人的にはリアルタイムで最もよく聴いた本作『Supernatural Feeling』が一番思い入れのあるJTQ作品です。ただし、本作はファンで賛否が分かれるアルバムでしょうね。
客観的に聴けば、確かにJTQらしい作品ではありませんね。Noel McKoyのヴォーカルをフィーチャーした楽曲は、どうしてもNoelが主役になってしまいますね。ましてやダンサブルな楽曲の中には、これをJTQでやらなくてもいいんじゃない!と思うものがあるのも事実です。結局、インスト曲が一番JTQらしいという皮肉な結果に・・・
しかしながら、JTQらしさということを除けば、この時期のUKソウル/アシッド・ジャズ/クラブミュージックの魅力が1枚で楽しめる充実作だと思います。
でも順番からいえば、『In the Hand of the Inevitable』(1995年)を先に聴いて方がいいかも(笑)
全曲紹介しときやす。
「We Need Each Other」
Ceri Evansプロデュース。本作ならではのハウス調のダンス・チューンに仕上がっています。JTQらしくはありませんが、Noel McKoy好き、クラブミュージック好きの人は楽しめる仕上がりなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=PgoevCl7jcU
「Got To Get To Know You」
Mike McEvoy/James Taylorプロデュース。当時も今も僕の一番のお気に入り曲。Noel McKoyのソウルフル・ヴォーカルの魅力を上手く引き出したUKソウル/アシッド・ジャズらしい仕上りだと思います。JTのハモンドも効いているし、John Wilmottの涼しげなフルートもいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=YtQqNn-5kqM
「Higher World」
JTQプロデュースによるインスト。疾走するリズムにのってJTのハモンドが駆け巡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=V8n2JC4Y6o0
「Supernatural Feeling」
Mike McEvoy/James Taylorプロデュース。タイトル曲はUKアシッド・ジャズらしいメロウなジャズ・ファンクに仕上がっています。Noel McKoyのヴォーカルも含めてアルバムで最も聴きやすい曲かもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=15IAFTKxDpc
「Hope And Pray」
Ceri Evansプロデュース。「We Need Each Other」に続き、この曲も爽快ハウス・チューンに仕上がっています。曲自体は僕の好みですが、こういったサウンドになると主役は完全にNoel McKoyのヴォーカルであり、JTQは脇役といった感じですね。
「Slow Dive」
JTQプロデュース。ラテン・リズムを採り入れながらも、決して熱くならずクールにキメてくれるインスト・チューン。
「Sunshine Of Your Smile」
Mike McEvoyプロデュース。人力グラウンドビート調のサウンドが僕好み!ここでもNoel McKoyのヴォーカルは絶好調です。
http://www.youtube.com/watch?v=W4DvELsg1q4
「See A Brighter Day」
James Taylor/David Taylorプロデュース。この曲もかなり好き!ダンサブルなジャズ・ファンク・サウンドでNoel McKoyのヴォーカルを盛り上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=MpjxU3En7yE
「Spirit Of The Sun」
サマー・モードのメロウ・グルーヴ。ここではNoel McKoyではなく女性ヴォーカルをフィーチャーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=rKQgSOjri3Y
「Tell It Like It Is」
JTQプロデュース。JTQらしいグルーヴィーな演奏を楽しめるインスト・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=_aYsQ-7F_T0
「Lover Let Me Stay」
Mike McEvoyプロデュース。Noel McKoyが切々と歌い上げるメロウなミディアム・グルーヴ。Noel McKoyのセクシー・ヴォーカルを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=QWWdGYHedXk
「Moonstone」
JTQプロデュース。重心の低いグルーヴが腹に響いてくるインスト・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=fUuK4X2aSo8
「Iron Arm」
JTQプロデュース。グルーヴィーなオルガンやうねるベースが印象的なインスト。
「Love The Life」
Mike McEvoy/James Taylorプロデュース。先行シングルにもなった華やかなダンサブル・チューン。何の予備知識もなく聴いたら、これがJTQとは思わないでしょうね。まぁ、クラブミュージック好きの人であれば、Noel McKoyのヴォーカルが魅力的なソウルフル・ハウスにグッとくるはず!
http://www.youtube.com/watch?v=zUML5Uqh3Js
JTQの他作品もチェックを!
『Mission Impossible』(1987年)
『The Money Spyder』(1987年)
『Wait a Minute』(1988年)
『Get Organized』(1989年)
『Do Your Own Thing』(1990年)
『Absolute: JTQ Live』(1991年)
『In the Hand of the Inevitable』(1995年)
『A Few Useful Tips About Living Underground』(1996年)
『Whole Lotta Live 1998』(1998年)
『Penthouse Suite』(1999年)
『A Bigger Picture』(1999年)
『Swinging London』(2000年)
『Message from the Godfather』(2001年)
『Room at the Top』(2002年)
『The Oscillator』(2003年)
『A Taste of Cherry』(2006年)
『Don't Mess With Mr. T - James Taylor Quartet Plays Motown』(2007年)
『Live at the Jazz Cafe』(2008年)
『New World』(2009年)
『The Template』(2011年)
『Closer to the Moon』(2013年)