発表年:1975年
ez的ジャンル:Flying Dutchman系ラテン・ファンク/ラテン・ソウル
気分は... :灼熱のラテン・グルーヴ・・・
今回はボリビア出身のピアニストCesar AscarrunzのCesar『Cesar 830』(1975年)です。レア・グルーヴ方面で有名な作品ですね。
Cesar Ascarrunzはボリビア出身でサンフランシスコのクラブ・オーナーだった人のようです。そのCesar唯一のアルバムがジャズ・ファンク系名門レーベルFlying Dutchmanからリリースされた本作『Cesar 830』(1975年)です。
プロデュースはBob Thiele、アレンジは帝王Miles Davis作品でお馴染みのTeo Maceroという大物が務めています。でもこれって完璧ジャズ作品の体制ですよね(笑)
内容としては、主役のCesar Ascarrunz自体はあまり目立っておらず、どちらかといえばCesar Ascarrunzとその仲間たちによるラテン作品という印象です。
アルバムには女性ソウル・シンガーLinda Tilleryやキューバ出身のコンガ奏者Aguabella(Francisco Aguabella)も参加しています。Linda TilleryはSantana、Coke Escovedoのアルバムにも参加していますね。Aguabellaはレア・グルーヴ好きには『Hitting Hard』が名盤として人気です。
ラテン作品といっても、ラテンをベースにジャズ、ファンク、ソウル、ロックのエッセンスを取り入れたミクスチャー感覚の躍動するラテン・サウンドを楽しめます。
とりあえずレア・グルーヴ人気曲「See Saw Affair」を聴けば、本作の魅力が実感できると思います。
灼熱のラテン・グルーヴで猛暑を乗り切る!
全曲紹介しときやす。
「Descarga」
Cesar Ascarrunz作。タイトルの通り、灼熱のデスカルガ(ジャム・セッション)を満喫できるラテン・グルーヴ。軽快なホーン隊にロッキン・ギターも入り乱れたハイテンションのラテン・グルーヴを満喫しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=SqefromzhpE
「See Saw Affair」
オススメその1。P. E. Smith作。レア・グルーヴ的にはLinda Tilleryのソウルフル・ヴォーカルをフィーチャーした本曲がハイライトですね。ラテン、ファンク、ロック、ソウルが見事に融合したフリーソウルな名曲だと思います。Linda Tilleryのヴォーカルはコクがあって素晴らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=uzFGJrPQK4k
「The Devil & Montezuma」
Teo Macero作。スリリングなラテン・リズムに素晴らしいホーン・アンサンブルが絡むインスト・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=xT1WFI6TYVw
「Navidad Latino」
Teo Macero作。メロウなカッティング・ギターと開放的なホーン・アンサンブルが心地好いインスト・チューン。
「Azucar」
オススメその2。Louie Ramirez作。ラテン好きにはお馴染みのミュージシャンLouie Ramirezのカヴァー。ここではラテン・ロック調のテイストも織り交ぜたミクスチャー感のあるカヴァーで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=E2tFau2pg-M
「Gotta Get Away」
オススメその3。Angelo/Benny Velardo/Jim Vincent作。Linda Tilleryのエレガントなソウル・ヴォーカルとハイテンション&ハイブリッドなラテン・サウンドの組み合わせがサイコーです。
http://www.youtube.com/watch?v=uxUK89yvhEQ
「Bridges」
Teo Macero作。いきなり爽快ベイエリア・フュージョンって感じで、他の楽曲と少し雰囲気が異なります。これはこれで楽しめますが・・・
「The Lady In My Life」
Tomas Gutierrez/Eddie Palmieri/Isamael Quintana作。ラストは正統派のラテン・チューンで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=rhVYd3MOHu8
ご興味がある方は本作に参加していたLinda TilleryやAguabella(Francisco Aguabella)の作品をチェックしてみるのも面白いのでは?
Linda Tillery『Linda Tillery』(1977年)
Linda Tillery『Secrets』(1985年)
Aguabella『Hitting Hard』(1977年)
同じ西海岸ラテン・ファンクということで、少し前に紹介したAposento Alto『Goodby Old Friends』(1978年)もセットでどうぞ!
Aposento Alto『Goodby Old Friends』(1978年)