2013年07月29日

Tom Lellis『And In This Corner』

キラー・チューン「Lucky Southern」収録!☆Tom Lellis『And in This Corner』
アンド・イン・ディス・コーナー
発表年:1981年
ez的ジャンル:変幻自在系男性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :KO勝ちだぜ!

今回はUSの男性ジャズ・ヴォーカリスト/ピアニストTom Lellisの1stアルバム『And in This Corner』(1981年)です。

カフェ・アプレミディ好き、ムジカ・コロンド好きにはお馴染みのアルバムですね。

Tom Lellisはクリーブランド出身。

1981年に1stアルバムとなる本作『And in This Corner』(1981年)をリリース。その後は『Double Entendre』(1991年)、『Taken to Heart』(1992年)、『Skylark』(2002年)、『Southern Exposure』(2003年)、『Avenue of the Americas』(2006年)、『Tonight』(2008年)といったアルバムをリリースしています。

『Taken to Heart』、『Southern Exposure』、『Avenue of the Americas』、『Tonight』といったアルバムには、ブラジルの人気ギタリスト/シンガー・ソングライターToninho Hortaが参加しています。

よく言われるように、Mark Murphyを思わせるようなヴォーカルが印象的な人ですね。そんなTom Lellisの代表作といえば、ブラジリアン・ジャズ好きにはクラシックとして有名なキラー・チューン「Lucky Southern」が収録された本作『And in This Corner』(1981年)だと思います。

レコーディング・メンバーはTom Lellis(vo、p)、Bill Dobbins(p)、Eddie Gomez(b)、Jack DeJohnette(ds)、Jeremy Steig(fl)、Skip Hadden (per)、Ron Busch(vib)という編成。Eddie Gomez、Jack DeJohnetteといった大物ジャズ・ミュージシャンが名を連ねているのが印象的ですね。

「Lucky Southern」のインパクトが強いので、ブラジリアン・ジャズのイメージが強い作品ですが、アルバム全体としてはミステリアス/スピリチュアルな演奏も数多く収録されています。その意味では、一筋縄ではいかない変幻自在な感じがアルバムの魅力かもしれません。

ジャケ同様に、KO勝ち必至の男性ジャズ・ヴォーカル作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Lucky Southern」
Keith Jarrett作。オリジナルはAirto Moreira 『Free』(1972年)に収録されています。本ヴァージョンはTom Lellisが歌詞につけたものです。前述のようにロンドンのジャズ・シーンでも人気となった本作のキラー・チューン。カフェ・アプレミディのコンピにも収録されています。小粋な躍動感にグッとくる爽快ブラジリアン・ジャズです。ブラジリアン・サウンドをバックにしても、Tom Lellisのヴォーカルはジャズ・ヴォーカリスト然としているのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=8tyaiaaw4Qk

「E.S.P.」
帝王Miles Davisの名盤『E.S.P.』(1965年)のタイトル曲としてお馴染みのWayne Shorter作品。この曲もTomが歌詞をつけています。ミステリアスな雰囲気を醸し出しつつ、ブラジリアン・フレイヴァーとエキサイティングなソロ・パートを巧みに織り交ぜた演奏は聴きどころ満載です。

「Begin The Beguine」
Cole Porter作。僕などはこの曲といえばJulio Iglesiasを思い出してしまいますが(笑)。甘いバラードをイメージする楽曲ですが、美しさの中にミステリアスな雰囲気も醸し出すビター・スウィートなカヴァーに仕上がっています。

「Nightshades」
Tom Lellis作。ピアノの弾き語りですが、スピリチュアルな雰囲気もあります。

「Man From Tanganyika」
McCoy Tyner作。オリジナルは当ブログでも紹介した『Tender Moments』(1967年)に収録されています。このアフリカン・スピリチュアル・ジャズ作品をTomが見事な節回しで歌っています。Tomのピアノ・プレイにも注目です。スピリチュアル・ジャズ好きの方はぜひチェックを!

「One On One」
Tom Lellis作。ドライヴ感のある演奏と力強いTomのヴォーカルが印象的です。Jeremy Steigのミステリアスなフルートも効いています。

「Times Lie」
Chick Corea作。男性ジャズ・ヴォーカル然としたリリカルなバラードを聴かせてくれます。。

「Lluvia」
Tom Lellis作。Tomのスキャットが駆け巡る、格好良い高速ラテン・フュージョン。スピード感の演奏がエキサイティングです。

「Atlantis, Pompeii, and Athens」
Tom Lellis作。タイトルからもイメージされるような壮大なスケールのミステリアス・チューン。

「Lucky Southern」
ラストはオープニング「Lucky Southern」のフル・ヴァージョン。

ご興味がある方はTom Lellisの他作品もチェックを!

『Double Entendre』(1991年)
Double Entendre

『Taken to Heart』(1992年)
Taken to Heart

『Skylark』(2002年)
Skylark

『Southern Exposure』(2003年)
Southern Exposure

『Avenue of the Americas』(2006年)
Avenue of the Americas

『Tonight』(2008年)
Tonight
posted by ez at 03:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする