2013年08月31日

Original Soundtrack『La Matriarca』

Armando Trovaioliによる人気サントラ☆Original Soundtrack『La Matriarca』
女性上位時代
公開年:1968年
ez的ジャンル:Armando Trovaioliサントラ
気分は... :女性上位時代!

この1週間はバタバタで正直ガス欠状態・・・
記事を書くのもやっとな感じです。

こんな時に聴きたい音(いや観たいジャケ)は・・・エロいジャケのサントラ(笑)

今日はイタリア映画音楽を代表するArmando Trovaioliの人気サントラ『La Matriarca(邦題:女性上位時代)』(1968年)です。

Armando Trovajoliのサントラ作品の紹介は『7 Uomini D'Oro(Seven Golden Men)』『Sesso Matto』(1973年)に続き3回目になります。

『La Matriarca(邦題:女性上位時代)』は、1968年に公開されたイタリア映画。監督はPasquale Festa Campanile、主演はCatherine Spaak

本作の邦題は、ピチカート・ファイヴのアルバム『女性上位時代』(1991年)のアルバム・タイトルにも引用されていましたね。

映画自体は若くして未亡人になったミミ(Catherine Spaak)が、生前、夫が密かにマンションを隠し持ち、特異な欲望を満たすための部屋を用意していたことを知り、ミミもその禁断の世界にのめり込んでいく・・・というエロエロなコメディをお洒落な映像で魅せてくれる映画です。

Armando Trovaioliが手掛けたサントラはテーマ曲のバリエーションのみという構成ですが、あの手、この手でTrovaioli作品らしいお洒落なサウンドを随所で聴くことができます。

エロいジャケが気になった方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「La Matriarca(main titles)」
メイン・テーマ。Armando Trovaioliによるイタリア映画のサントラとうよりも、Francis Laiによるフランス映画といった趣のある優雅なタイトル曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=hWZyUUJ9XF0

「La Matriarca(slow take)」
メイン・タイトルのテンポを少し落とし、さらに優雅さをアップさせたヴァージョンです。

「La Matriarca(dream version)」
こちらのヴァージョンはドリーミーな雰囲気でアクセントをつけています。

「La Matriarca(waltz theme)」
ラウンジ好きにはフィットするオルガン・ワルツ・ヴァージョン。

「La Matriarca(bossa nova)」
本作のハイライトといえば、グルーヴィーなオルガン・ボッサの本ヴァージョンですよね。ラウンジ好きの方は要チェックです。
http://www.youtube.com/watch?v=-3axvm5hZ-Y

「La Matriarca(psychedelic)」
本ヴァージョンは最近のCDに追加されたボーナス・トラック。

「La Matriarca(piano solo)」
ピアノ・ソロ・ヴァージョン。

「La Matriarca(postlude)」
このテーマ曲の美しい響きを満喫できる点でこのヴァージョンも好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=OO8e6dpnx60

「La Matriarca(finale)」
フィナーレ・ヴァージョンは優雅なストリングスがオルガン・サウンドに絡みます。

「La Matriarca(L'amore Dice Ciao)」
最後はAndee Silverの歌入りヴァージョンです。
http://www.youtube.com/watch?v=jxVGc9qpskI

Armando Trovajoliサントラ作品の過去記事もご参照ください。

『7 Uomini D'Oro(Seven Golden Men)』(1965年)
Sette Uomini D'Oro (Seven Gold Men)

『Sesso Matto』(1973年)
セッソ・マット
posted by ez at 12:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月30日

Loose Ends『Look How Long』

ラスト・アルバムとなった5thアルバム☆Loose Ends『Look How Long』
Look how long
発表年:1990年
ez的ジャンル:スタイリッシュUKソウル
気分は... :あっぷあっぷ!

今週はやるべきことが多くかなりあっぷあっぷ状態(泣)
記事を書く時間の確保にも一苦労です。

今回はUKのファンク/ソウル・グループLoose Endsの5thアルバムかつラスト・アルバム『Look How Long』(1990年)です。

これまで当ブログで紹介したLoose Ends作品は以下の3枚。

 『A Little Spice』(1984年)
 『Zagora』(1986年)
 『The Real Chuckeeboo』(1988年)

前作までSteve NicholCarl McIntoshJane Eugeneという不動の3人組で活動してきたLoose Endsですが、本作『Look How Long』を前にSteve Nichol、Jane Eugeneがグループを離れ、実質上、Carl McIntoshのソロ・プロジェクトとなってしまいました。名目上はLinda CarriereSunay Suleymanという2人の女性ヴォーカリストがメンバーとして加わっていますが・・・

結局、グループのラスト・アルバムになってしまったこともあり、必ずしも評価が高い作品ではありませんが、個人的にはCarl McIntoshの火事場の馬鹿力が出たスタイリッシュなUKソウル作品として、なかなか気に入っています。

当時のUKソウル/クラブミュージックがお好きな人ならばグッとくる1枚に仕上がっていると思います。

全曲紹介しときやす。 
※盤によって曲順が異なるのでご注意を!僕が保有するのはUS輸入盤です

「Don't Be A Fool」
アルバムからの1stシングルとしてUKチャート第13位、US R&Bチャート第10位のヒットとなりました。Linda Carriereが女性リード・ヴォーカルをとるUKソウルらしいダンサブル感が魅力の仕上がり。Melvin Bliss「Synthetic Substitution」 、Johnny Pate「Shaft in Africa」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=GYGqP8a4Z8E

「Don't You Ever (Try To Change Me)」
Carl McIntoshが。Marvin Gayeばりのセクシー・ヴォーカルを聴かせてくれます。Barry White「I'm Gonna Love You Just a Little More Baby」をサンプリング。

「Love's Got Me」
アルバムからの2ndシングル。グラウンドビートを意識した仕上がり。この時期のUKソウル/クラブミュージックがお好きな人ならば気に入る仕上がりでは?
http://www.youtube.com/watch?v=yloWK8rt63U

「Try My Love」
Hip-Hop的エッセンスを取り入れた楽曲。なかなかキャッチーな仕上がりで僕は好き!
http://www.youtube.com/watch?v=Y-946_P8sTQ

「Time Is Ticking」
この曲もシングルになりました。Linda Carriereがリード・ヴォーカルをとる当時のUKらしいビートが心地好い楽曲。Caron Wheelerあたりがお好きな人は気に入ると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=JEbOgI3jJnM

「Look How Long」
タイトル曲は哀愁モードのダンサブル・チューン。LindaとCarlがリードをとります。

「Cheap Talk」
CarlのMarvin Gaye風ヴォーカルがいい感じのライト・タッチのUKソウル・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=YEepvqqf1W8

「I Don't Need To Love」
Guy「Groove Me」をサンプリングしたNJS的ノリの仕上がり。それでもUKらしい仕上りになっているのがCarl McIntoshらしいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=MJ9RLa_a2cM

「Hold Tight」
クールなアーバン・ミッド・グルーヴ。ミュート・トランペットが大人の夜を演出してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=0BFyThaP84I

「Love Controversy Pt. 1」
Sunay Suleymanの超キュート女性ヴォーカルをフィーチャーしたミッド・グルーヴ。僕の一番のお気に入り曲でもあります。
http://www.youtube.com/watch?v=EVOJLkBjzck

「Symptoms Of Love」
ラストはCarlのMarvin Gaye風セクシー・ヴォーカルで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=_hWc8w4lMHQ

「Let's Wax A Fatty」
CDボーナス・トラック。フロア向けのダンサブルなインスト・チューンです。

Loose Endsの過去記事もご参照下さい。

『A Little Spice』(1984年)
A Little Spice

『Zagora』(1986年)
Zagora

『The Real Chuckeeboo』(1988年)
Real chuckeeboo
posted by ez at 03:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月28日

Mirwais『Production』

Madonna『Music』のメイン・プロデューサーによるソロ作☆Mirwais『Production』
プロダクション
発表年:2000年
ez的ジャンル:フレンチ・エレクトロニカ
気分は... :ジワジワとハマっていきます!

今回はMadonna『Music』(2000年)のプロデュースで一躍有名になったMirwaisのソロ・アルバム『Production』(2000年)です。

Mirwais(本名:Mirwais Ahmadzai)は1960年スイス、ローザンヌ生まれ(アフガニスタン人とイタリア人のハーフ)。幼少期にパリに移住しています。

彼のミュージシャンとしてのキャリアは1970年代後半に結成したフレンチ・ニューウェイヴ・バンドTaxi Girlでスタートします(Mirwaisはギターを担当)。Taxi Girlは8年間活動した後に解散。Mirwaisは恋人だったJulietteとのデュオJuliette Et Les Independantsとしてアルバムを2枚リリースしています。また、その間に初のソロ・アルバム『Mirwais』(1990年)をリリースしています。

その後DJカルチャーへ身を投じるようになり、フレンチ・スタイルのエレクトロニカ/ダンス・ミュージックを志向するようになります。そんな中、突如としてMirwaisにビッグ・チャンスが訪れます。スーパースターMadonnaがアルバム『Music』のメイン・プロデューサーに彼を大抜擢したのです。MirwaisのデモをMadonnaが気に入り、一気に起用が決まった模様です。

その後、『Music』が大ヒットし、世界中の音楽ファンがMirwaisの名を知ることとなったのは皆さんご存知かと思います。

その興奮冷めやらぬうちにリリースされたソロ・アルバムが本作『Production』(2000年)です。

大ヒット・アルバムの後の作品だけにメジャー志向に行きがちな感じがしますが、世間の注目を他所に自分のスタンスや音世界を崩していないところに共感してしまいます。このあたりはDaft Punkあたりとは対照的かもしれませんね。

『Music』の内容を期待して聴くと、華やかさやキャッチーさに欠ける地味なアルバムという印象を受けるかもしれません。僕自身も最初はそんな印象を持っていました。でも、何度か聴き重ねるうちにMirwaisワールドに見事にハマってしまいました。

ちゃんと聴けば、それなりの仕掛も散りばめられて楽しめます。
ジワジワと脳内を刺激される1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Disco Science」
当時Madonnaと新婚ホヤホヤであったGuy Ritchie監督『Snatch』のサントラにも使われていた楽曲です。無機質なビートとノイジーな上物が脳内を刺激します。The Breeders「Cannonball」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=GozvYidSMqg

「Naive Song」
80年代的なエレポップ感覚と2000年のフレンチ・エレクトロニカを上手く融合させているヴォコーダー・チューン。アルバム中では最もキャッチーかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=JR7i96CZN0E

「V.I. (The Last Words She Said Before Leaving)」
当ブログでも紹介したSerge Gainsbourg「Cargo Culte」をサンプリング。エレクトロニカをバックにしたSerge Gainsbourgも悪くありません。ダークな雰囲気が実にいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=NQqimewux78

「I Can't Wait」
Daft Punkあたりと同じベクトルの仕上がり。今聴くと可もなく不可もなくといった感じでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=plwKlPY8BSY

「Junkie's Prayer」
タイトルの通り、ジャンキー・モードの仕上がり。ニューウェイヴ/エレポップを通過してきたMirwaisらしい仕上りなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=57R9htW5RCI

「Definitive Beat」
パワフルなビートで突き進んでいきます。

「Paradise (Not For Me)」
Madonna『Music』にも収録されていた楽曲なのでお馴染みですね。Madonna参加曲とは思えないダウナー・テイストがMirwaisらしくて好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=eyFxqEzavL0

「Never Young Again」
自身が手掛けた全米No.1ヒットMadonna「Music」をサンプリングしてしまった曲。このあたりは抜け目ないですね(笑)。「Music」応用編として聴くと楽しいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=VsINTACiQmw

「Involution」
侘び・寂び感のあるエレクトロニカ。聴いていると無になれそうです(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=vfR4i4pY4Z0

「Disco Science (Blueprint Mix)」
「Disco Science」のリミックス。70年代後半〜80年代前半のディスコ・シーンを盛り上げてくれたイタリア人プロデューサーGiorgio Moroderによるリミックスです。なるほどGiorgio Moroderしています。
http://www.youtube.com/watch?v=gDq-KCQiajI

Madonna『Music』(2000年)の記事もご参照下さい。

Madonna『Music』(2000年)
ミュージック
posted by ez at 04:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月27日

Larry Young's Fuel『Larry Young's Fuel』

人気オルガン奏者によるムーグを駆使したコズミック・ジャズ・ファンク!☆Larry Young's Fuel『Larry Young's Fuel』
Larry Young's Fuel
発表年:1975年
ez的ジャンル:コズミック・ジャズ・ファンク
気分は... :充填完了!

今回はジャズ・オルガン奏者Larry Young『Larry Young's Fuel』です。レア・グルーヴ好きから再評価の高い1枚です。

これまで当ブログで紹介したLarry Young作品は以下の3枚。

 『Into Somethin'』(1964年)
 『Unity』(1965年)
 『Heaven On Earth』(1968年)

本作『Larry Young's Fuel』Larry Young's Fuel名義でリリースされた作品であり、シンセを駆使したコズミック・ジャズ・ファンク路線へ大きく舵を切った作品です。Larry Young's Fuel名義では本作の翌年にも『Spaceball』(1976年)をリリースしています。

本作のレコーディング・メンバーは、Larry Young(key、vo)、Santiago Torano(g)、Fernando Saunders(b、back vo)、Rob Gottfried(ds、per)、Laura "Tequila" Logan(vo)という編成。

コズミック・ジャズ・ファンクを展開すると同時に、ヴォーカル曲が半数以上を占めるのも本作の特徴です。Larry Young自身もムーグ、フェンダー・ローズ、ハモンド、ピアノのプレイに加え、ヴォーカルも披露してくれます。

プロデュースはTerry Philips。ソウル/ファンク系のプロデューサー/ソングライターであり、Fallen Angelのメンバーとしてアルバムもリリースしています。

オルガンのColtrane”と呼ばれたスピリチュアル/フリー・ジャズ路線のLarry Youngがお好きな方にとっては戸惑いを感じるかもしれませんが、ケバケバしい音色のシンセを弾きまくるコズミックなLarry Youngもなかなかいいですよ!

レア・グルーヴ好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Fuel For The Fire」
Larry Young/Santiago Torano/Terry Philips作。Laura "Tequila" Loganのヴォーカルと疾走するファンク・ビート、マッドなシンセの響きが織り成す本作を象徴するコズミック・ファンク。個人的には一番のお気に入り。
http://www.youtube.com/watch?v=SUUl2u5rLBw

「I Ching (Book Of Changes)」
Larry Young作。スペイシーなシンセ・サウンドが印象的なジャズ・ファンク。

「Turn Off The Lights」
Larry Young/Fernando Saunders/Laura "Tequila" Logan作。レア・グルーヴ・クラシックとして人気のファンク・チューン。Loganの艶やかなヴォーカルと共にYoungのコズミックなシンセが駆け巡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=BdpGkCTwEhk

サンプリング・ソースとしても人気曲であり、Slum Village feat. Phat Kat「Fat Cat Song」、Groove Armada「Dan Solo」、The Firm feat. Pretty Boy「Firm All Stars」、Tha Alkaholiks「Can't Tell Me Shit」、The Herbaliser「Herbalize It」、Salt-N-Pepa「Say Ooh」、Major「Concrete Nigga」、Mistaman & DJ Shocca feat. Frank Siciliano「Si Sa」、13 Bastardi「Rema Rema」等で使われています。

Slum Village feat. Phat Kat「Fat Cat Song」
 http://www.youtube.com/watch?v=bo28UO0i5B4
Mistaman & DJ Shocca feat. Frank Siciliano「Si Sa」
 http://www.youtube.com/watch?v=jV1qLx0AINo
13 Bastardi「Rema Rema」
 http://www.youtube.com/watch?v=btjR2YgOQzQ

「Floating」
Santiago Torano 作。様々なシンセの音色を駆使したクロスオーヴァー&スペイシーなジャズ・ファンク。

「H + J = B (Hustle + Jam = Bread) 」
Larry Young作。Fernando Saunders、Rob Gottfriedというリズム隊の生み出すファンク・グルーヴにYoungが様々な鍵盤の音色を重ねていきます。
http://www.youtube.com/watch?v=6RIRR1-dNfc

「People Do Be Funny」
Larry Young/Terry Philips作。Loganのヴォーカルをフィーチャーしたソウルフル&ファンキーな仕上がり。

「New York Electric Street Music 」
Larry Young/Santiago Torano/Fernando Saunders作。ラストは疾走するファンク・チューン。ここではYoung自身のヴォーカルも聴くことができます。各ミュージシャンのエキサイティングな演奏にもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=xGGv2pqMTdk

70年代のLarry Young作品もチェックを!

『Lawrence of Newark』(1973年)
Lawrence of Newark

『Spaceball』(1976年)
SPACEBALL

Larry Youngの過去記事もご参照下さい。

『Into Somethin'』(1964年)
イントゥ・サムシン

『Unity』(1965年)
ユニティ

『Heaven On Earth』(1968年)
ヘヴン・オン・アース
posted by ez at 01:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月25日

Ed Motta『AOR』

ブラジル巨漢シンガーによる極上AOR!Steely Dan好き必聴!☆Ed Motta『AOR』
AOR
発表年:2013年
ez的ジャンル:AOR系ブラジル男性シンガー
気分は... :ルックスは×でも中身は◎!

今回は新作の中から極上のAOR作品Ed Motta『AOR』です。

Ed Mottaは1971年 リオ・デ・ジャネイロ生まれのシンガー・ソングライター。ブラジルNo.1ソウル・シンガーTim Maiaの甥です。

1988年にConexao Japeriと共同名義のアルバム『Ed Motta & Conexao Japeri』をリリースして以来、今日までコンスタントに作品をリリースしています。その巨漢と風貌とはギャップの大きいジェントル・ヴォーカルが魅力です。

そんなEd Mottaの最新作はスバリ『AOR』。AOR作品(日本のシティ・ポップにもかなり精通)を愛聴してきたEd Mottaの想いを結実させた1枚です。

ちなみにEd MottaオススメのAOR作品は以下の5枚なのだとか。

 Steely Dan『Aja』(1977年)
 Bobby Caldwell『Cat In The Hat』(1980年)
 Pages『Future Street』(1979年)
 Gino Vannelli『The Gist of the Gemini』(1976年)
 Roby Duke『Not the Same』(1982年)

話が逸れますが、Pages『Future Street』やGino Vannelli『The Gist of the Gemini』は当ブログで未紹介だったんですね。てっきり紹介済みだと思い込んでいました。これら2枚もそのうち紹介します。

『AOR』に話を戻すと、レコーディングにはDavid T.WalkerJean-Paul "Bluey" Maunickといった米英の人気ギタリストが参加しています。

それ以外にもTorcuato Mariano(g)、Paulinho Guitarra(g)、Chico Pinheiro(g)、Vinicius Rosa(g)、Robinho Tavares(b)、Sergio Melo(ds)、Laudir De Oliveira(per)、Glauton Campello(el-p、p)、Rannieri Oliveira(key)、Daniel Jobim(p)、Mu Cavalho(syn)、Chico Amaral(ts)、Marcelo Martins(ts)、Ze Canuto(As、Bs)、Jesse Sadoc(tp、flh)、Dante Spinetta(spoken word)等のミュージシャンが参加しています。

アレンジはEd Motta自身、ホーン・アレンジはJesse Sadocが務めています。

70年代後半〜80年代前半にタイムスリップしたかのようなAORサウンドを満喫できます。特にSteely Dan/Donald Fagenへのリスペクトを感じる楽曲がズラリと並んでいます。

その意味でSteely Dan好きの人は、ヴォーカル、曲調、サウンドあらゆる面で楽しめると思います。

また、ヴィンテージ・キーボード/シンセサイザーのコレクターであるEd Mottaらしく、そうしたサウンドへのこだわりも随所で聴くことができます。

本作には英語ヴァージョン盤とポルトガル語ヴァージョン盤がありますので、ご購入の際にはお間違えのないようご注意ください。今回紹介する国内盤は英語ヴァージョン盤です。

全曲Ed Mottaのオリジナルです。

ルックスで敬遠せず、中身をしっかり聴いてくださいね。

全曲紹介しときやす。

「Playthings Of Luv」
AOR/シティ・ポップ好きの人が思わずニンマリしそうなオープニング。気分は80年代へタイムスリップ!といった感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=PmEMsZ358DE ※Teaser

「Simple Guy」
Steely Danへのリスペクトが感じられる仕上りです。EdのヴォーカルもかなりDonald Fagenっぽいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=g2HXAUlS20s

「Lost in the Night」
真夏のアーバン・ナイトといった趣のメロウ・チューン。Paulinho Guitarraのギター・ソロもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=6I7rpwJsQ1w ※Teaser

「Dondi」
David T.Walker参加曲。彼のギターを前面にフィーチャーしています。EdのAORムードたっぷりのヴォーカルもいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=uo3Ta5laKsg

「Smile」
Bluey参加曲。そのせいかIncognitoSteely Danといった雰囲気の仕上がりかもしれません。Glauton Campelloのメロウなローズ・ソロもサイコーです。
http://www.youtube.com/watch?v=UX8s1lLpK0Y ※Teaser

「1978 (Leave the Radio On)」
曲調&ヴォーカルがDonald Fagenしていますね。AORらしい都会的な疾走感がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=2wVrBDgn_Xc

「Dried Flowers」
『Aja』あたりに入っていそうなシニカルな哀愁感が印象的な1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=wxLwec90Mfg ※Teaser

「AOR」
FMラジオの番組ジングル風のインタールード。

「Farmer's Wife」
本編の最後はクールに疾走します。Ed MottaとJesse Sadocの抜群のアレンジ・センスが光ります。
http://www.youtube.com/watch?v=5vpWvwQ7lew ※Teaser

国内盤CDには以下の5曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

「Mais Do Que Eu Sei」
この曲はポルトガル語で歌われます。そのせいか英語の楽曲とは多少異なる趣ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=sWFmf2GO-jU

「Marta (Alternate Piano Solo)」
「Smile」のポルトガル語ヴァージョン。ピアノ・ソロが異なっています。
http://www.youtube.com/watch?v=NjlCO7_iDFI

「Latido」
「Dried Flowers」のポルトガル語ヴァージョン。Dante Spinettaのスポークン・ワードがフィーチャーされています。
http://www.youtube.com/watch?v=mL_Ilw6ztr4

「Dondi (Alternate Guiter Intro)」
David T.Walkerのイントロの別テイクを聴くことができます。

「A Engrenagem」
「Farmer's Wife」ののポルトガル語ヴァージョン。
http://www.youtube.com/watch?v=Zvc_z8ojUJQ

ご興味がある方は他のEd Motta作品もチェックを!

『Manual Prático Para Festas, Bailes e Afins Vol.1』(1997年)
パーティ・マニュアル(1)

『As Segundas Intenções do Manual Prático....』(2000年)
As Segundas Intencoes Do Manue

『Dwitza』(2002年)
Dwitza

『Poptical 』(2003年)
ポップティカル

『Aystelum』(2005年)
Aystelum

『Chapter 9』(2008年)
Chapter 9

『Piquenique』(2009年)
Piquenique
posted by ez at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする