2013年08月08日

Taj Mahal『Music Keeps Me Together』

汎カリブ・アプローチの充実作☆Taj Mahal『Music Keeps Me Together』
Music Keeps Me Together
発表年:1975年
ez的ジャンル:汎カリブ系ブルース
気分は... :楽園モードでリラックス!

今回は、ブルースをベースに多様なルーツ・ミュージックを探求する黒人ミュージシャンTaj Mahalが1975年にリリースした『Music Keeps Me Together』です。

これまで当ブログで紹介したTaj Mahal作品は以下の3枚。

 『Taj Mahal』(1968年)
 『The Natch'l Blues』(1968年)
 『Mo Roots』(1974年)

『Music Keeps Me Together』(1975年)は、サバービア掲載盤ということも手伝い、再評価されている1枚ですね。

内容的には、レゲエ色の強い汎カリブ・アプローチ第1弾アルバム『Mo Roots』(1974年)の流れを引き継いだ汎カリブ作品です。

レコーディングには、Taj Mahal(vo、g、p、el-p、banjo、mandolin)、Hoshal Wright(g)、Rudy Costa(sax、fl)、Kester Smith(ds、per)、Earl "Wire" Lindo(key)、Larry McDonald(congas、per)、Ray Fritzpatrick(b)、Bill Rich(b)、Kwasi Dzidzornu(congas)が参加しています。The Wailersのキーボード奏者Earl "Wire" Lindoの参加が目を引きますね。

過去のTaj Mahal作品のリメイクも多く収録されており、ファンの方はオリジナルと聴き比べてみるのも楽しいのでは?

楽園モードのブルージー・サウンドとTajのスモーキー・ヴォイスが、猛暑の息苦しさを癒してくれるはず・・・

全曲紹介しときやす。

「Music Keeps Me Together」
Earl "Wire" Lindo作。トロピカル・モードのレゲエ・チューン。ジャケの楽園モードが音にそのまま反映されたような楽曲です。爽快なサックス、Tajのスモーキー・ヴォイス、開放的なレゲエ・リズム等が気分をリラックスさせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=PgXq8Brubuc

「When I Feel the Sea Beneath My Soul」
Taj Mahal作。フォーキー・レゲエのインスト。前曲に続き、楽園モードでのんびり寛げる仕上がりです。

「Dear Ladies」
Taj Mahal作。トロピカル・ブルースとでも呼びたくなるような仕上がり。ブラジリアン・フュージョン的なスパイスも効いています。Tajのスモーキー・ヴォイスが実にシブい・・・思わず昼間からビールが飲みたくなる1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=-l71kPzP9B8

「Aristocracy」
『Giant Step / De Ole Folks At Home』(1969年)収録曲の再演。ケイジャン風の陽気な仕上がりです。僕はこのタイプの音は苦手ですが・・・

「Farther on Down the Road (You Will Accompany Me)」
Taj Mahal/Jesse Ed Davis/Gary Gilmore/Chuck Blackwell作。『Giant Step / De Ole Folks At Home』(1969年)収録曲のリメイク。作者の一人であるJesse Ed Davisのアルバム『Ululu』にも収録されていました。ここではカリビアン・テイストのブルージー・チューンで聴かせてくれます。開放的なシブさにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=KxQ6djAK8Xw

「Roll, Turn, Spin」
Taj Mahal/Joseph Spence作。ワールド・ミュージックのエッセンスが凝縮されたような1曲。躍動するリズムが心の奥の何かを目覚ましてくれます。

「West Indian Revelation」
Taj Mahal作。『Happy Just To Be Like I Am』(1971年)収録曲のリメイク。ブルージー・レゲエといった趣の演奏がとても心地好いです。

「My Ancestors」
Tapp作。ラブ&ピースな雰囲気が心地好いトロピカル・レゲエ。Taj Mahalの描く壮大な汎カリブ的音世界を満喫できる1曲。

「Brown Eyed Handsome Man」
Chuck Berry作。Tajの手にかかれば、Chuck Berryもカリビアン・テイストに!一方でブルージーな味わいも忘れていないのがグッド!

「Why?...And We Repeat/Why?...And We Repeat」
Taj Mahal作。今日的にはDJ方面からも人気の本曲が本作のハイライトかもしれませんね。曲自体は前作『Mo Roots』(1974年)に収録された「Why Did You Have To Desert Me?」のインスト・リメイク。『Mo Roots』の記事でも書いたように、「Why Did You Have To Desert Me?」がTaj Mahal作品のマイ・フェイヴァリットなので、そのリメイクである本曲も大好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=nEkkhGCwBJ8

「Why Did You Have To Desert Me?」と聴き比べるのも楽しいのでは?
「Why Did You Have To Desert Me?」(From 『Mo Roots』
http://www.youtube.com/watch?v=i9bK6-VHRlM

この汎カリブ路線は『Music Fuh Ya'』(1977年)で結実を迎えます。

『Music Fuh Ya'』(1977年)
ミュージック・ファー・ヤ

『Evolution』(1978年)
Evolution

Taj Mahalの過去記事もご参照下さい。

『Taj Mahal』(1968年)
Taj Mahal

『The Natch'l Blues』(1968年)
The Natch'l Blues

『Mo Roots』(1974年)
Mo Roots
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2013年08月07日

Soul Quality Quartet『Dip』

スウェーデン発のブラジリアン・グルーヴが心地好い!☆Soul Quality Quartet『Dip』
ディップ
発表年:2004年
ez的ジャンル:北欧ブラジリアン・グルーヴ
気分は... :木漏れ日が心地好い・・・

今回は北欧ブラジリアン・グルーヴ作品、Soul Quality Quartet『Dip』(2004年)です。

Soul Quality Quartetは1993年にスウェーデンで結成されたジャズ・ユニット。グループはこれまで『Strip』(1995年)、『Dip』(2004年)といったアルバムをリリースしています。

本作『Dip』におけるメンバーは、Mats Ingvarsson(b、g、back vo)、Bjorn Jonsson(ds)、Mans Mernsten(key、back vo)、Elias Kallvik (g、back vo)、Almaz Yebio(vo)の5名。男性陣のカルテットに、紅一点のヴォーカリストAlmaz Yebioが加わったかたちです。また、Mats Ingvarssonは本作のプロデュースも手掛けています。

メンバーのうち、Mats Ingvarsson、Mans Mernstenは、同じくスウェーデンのジャズ・ユニットA Bossa Eletricaのメンバーでもあります。当ブログでも紹介したA Bossa Eletricaの代表作『Eletrificacao』がリリースされたのも本作と同じ2004年でした。

グループは1999年に、Jazzanova主宰のSonar Kollektiv‎からEP『Soul Quality Quartet EP』をリリースし、同作に収録されていた「I'm Not Here」「Toda Tercafeira」の2曲はGilles PetersonをはじめDJから高い評価を得ました。これら2曲はSonar Kollektivのコンピをはじめ、各種コンピでも引っ張りだこです。

そうした流れを受けて、本作『Dip』もクラブジャズ/クラブミュージック好きがグッとくるブラジリアン・グルーヴが詰まっています。

コンテンポラリーなメロウ・フュージョン感とダンサブル・サウンドのバランスが絶妙だと思います。

バカンス・モードにぴったりの北欧ブラジリアン・グルーヴだと思います。

全曲紹介しときやす。

「I'm Not Here」
前述のように『Soul Quality Quartet EP』収録曲ですが、アルバムには別ヴァージョンが収録されています。ここでは北欧らしい透明感のあるメロウ・ボッサで聴かせてくれます。Almaz Yebioの華のあるヴォーカルがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=McJf3Tl80WQ

「Sad Dettin」
メロウなブラジリアン・サウンドに女性コーラスが絡むダンサブルなジャズ・ファンク・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=yVn_cBHQWrw

「Pressure」
アコースティックな響きと艶やかなAlmaz Yebioのヴォーカルが栄えるボッサ・グルーヴ。バカンス・モードに浸れる仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=10HYQqcLANA

「Amor Ideal」
大人のメロウ・ボッサ。色気の漂うAlmaz Yebioのヴォーカルとメロウなボッサ・サウンドには甘く危険な香りが・・・
http://www.youtube.com/watch?v=GSE8HkkFwGE

「Aphotic Marauder」
アフロ・ブラジリアン調のパーカッシヴなダンサブル・チューン。男性メンバー4名の腕前を満喫できるインスト・チューンです。

「Freeze/Burn」
Almaz Yebioのヴォーカルが牽引するメロウなジャズ・ファンク・チューン。

「Toda Tercafeira」
前述のように『Soul Quality Quartet EP』収録曲。「I'm Not Here」同様にアルバムには別ヴァージョンが収録されています。よりコンテンポラリー感のあるブラジリアン・フュージョンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=yg96pHh7XXs

「On Your Own」
ガラージ好きが気に入りそうな4つ打ちのダンス・チューン。Almaz Yebioの伸びやかなヴォーカルもいい感じ。アコースティックなギターの音色もいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ykLGO8seAi4

「Break It To Me Now」
AOR好きの人が気に入りそうな哀愁モードのアーバン・メロウ。
http://www.youtube.com/watch?v=sdXylQsIufo

「Como Antes」
ダビーなティンヴァレスの乱れ打ちと共に始まるミステリアスなラテン・グルーヴ。個人的には一番のお気に入り。

「Harraldo」
ラストはアルバムの余韻を楽しむかのような

僕が保有するのは国内盤ですが、国内盤には日本のハウス系オーケストラ・バンドA Hundred Birdsによる「Como Antes」のリミックス「Como Antes (AHB Vox)」が追加収録されています。フロア仕様のダンサブルな仕上がりで楽しめます。

ご興味がある方は、Mats Ingvarsson、Mans Mernstenが所属するもう1つのジャズ・ユニットA Bossa Eletricaの作品もチェックを!

A Bossa Eletrica『Eletrificacao』(2004年)
エレトリフィカサォン
posted by ez at 01:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月06日

Scritti Politti『Songs To Remember』

異形のUKブルーアイド・ソウル☆Scritti Politti『Songs To Remember』
Songs to Remember
発表年:1982年
ez的ジャンル:UKニューウェイヴ/ブルーアイド・ソウル
気分は... :今聴くと興味深い・・・

今回はGreen Gartside率いるScritti Polittiの記念すべき1stアルバム『Songs To Remember』(1982年)です。

80年代に人気を博したScritti Polittiの紹介は、『Cupid & Psyche 85』(1985年)、『Provision』(1988年)に続き3回目となります。

どうしても『Cupid & Psyche 85』以降のダンス・ミュージック路線のイメージが強いUKユニットですよね。僕も自分がソウル/ダンス・ミュージックに目覚めた時期と、『Cupid & Psyche 85』がヒットした時期が重なったので、かなりのインパクトを受けました。と言いつつ、僕が一番聴いたアルバムは『Provision』だったのですが(笑)

そうした打ち込みサウンド主体のダンス・アルバムと比較すると、1stアルバムとなる『Songs To Remember』(1982年)は地味な印象を受ける作品ですよね。当時から評価の高いアルバムではありましたが・・・

2013年の現在、彼らの作品を聴き比べてみると、最も興味深く聴くことができるのはRough Tradeからリリースされた本作『Songs To Remember』かもしれません。生演奏の比重が高いスカスカな音空間が逆に心地好いし、ニューウェイヴとブラック・ミュージックの狭間を行き来するGreen Gartsideの原点のようなものを感じ取ることができます。

本作におけるScritti Polittiのメンバーは、Green Gartside(vo、g)、Nial Jinks(b)、Tom Morley(ds)の3名。他にRobert Wyatt(key)等もレコーディングに参加しています。

プロデュースはAdam Kidron

派手さはありませんが、Green Gartsideの才気が伝わってくる1枚です。
異形のUKブルーアイド・ソウルを堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Asylums In Jerusalem」
レゲエ調のオープニング。シングルにもなりました。うねるベースが格好良い軽快なリズムをバックに、ソウルフルな女性コーラスとGreenのハイ・トーン・ヴォーカルがよく栄えます。今の時期はこういうスカスカな音が心地好いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=QMv_sftCSnE

「A Slow Soul」
Greenのソウル・ミュージックへの憧れがモロに反映された仕上がり。いくらソウルフルなバッキングであっても、そこにGreenのヴォーカルが加わると、唯一無二のGreen Gartsideワールドになるところが凄いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=UUeSDLIZ2KI

「Jacques Derrida」
フランスの哲学者の名を冠したフォーキー・チューン。さり気ない曲ですが、ヒネリが効いています。
http://www.youtube.com/watch?v=pNNbJ04167I

「Lions After Slumber」
実は僕の一番のお気に入り。チープなテクノ感覚のなかに、しっかりファンクネスが効いています。Greenの才気と同時に、『Cupid & Psyche 85』を予感させます。
http://www.youtube.com/watch?v=xgWN4OVw_ck

「Faithless」
シングルにもなった名曲。ボコーダーも織り交ぜたゴスペル的なヴォーカル・ワークが印象的です。Greenのブラック・ミュージック志向が最も色濃く反映された楽曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=f1aPEsa-J4o

「Sex」
エレポップ感覚とファンクを上手く融合させたファンキー・チューン。この曲も『Cupid & Psyche 85』を予感させます。
http://www.youtube.com/watch?v=eauO1w301b8

「Rock a Boy Blue」
さり気にロック、ジャズ、ソウルを融合させている凄い1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=dAZkZPmp7ys

「Gettin' Havin' & Holdin'」
哀愁のメロディをバックに、Greenのクセのあるハイ・トーン・ヴォーカルが際立つ1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=nX5HI2HmdlA

「The Sweetest Girl」
ラストはシングルにもなったレゲエ調のダビー・チューン。ダークなサウンドは全くSweetestではありませんが(笑)。でも、独特な音空間の広がりに惹き込まれます。
http://www.youtube.com/watch?v=C4qVS6GrmRc

Scritti Polittiの過去記事もご参照下さい。

『Cupid & Psyche 85』(1985年)
Cupid & Psyche 85

『Provision』(1988年)
Provision
posted by ez at 01:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月05日

Milton Nascimento『Milton』

Wayne Shorter、Herbie Hancockも参加したL.A.レコーディング作品☆Milton Nascimento『Milton』
Milton
発表年:1976年
ez的ジャンル:ミナス系MPB
気分は... :ミナスの大地の息吹・・・

今回はMilton Nascimentoの1976年リリース作品、『Milton』です。

ブラジル、ミナスを代表するアーティストMilton Nascimentoの紹介は、『Minas』(1975年)、『Milton』(1970年)に続き3回目となります。

1974年のスイス・モントルー・ジャズ・フェスティバルへ出演したMiltonは、そのままL.A.へ向かいWayne Shorter『Native Dancer』(1975年)のレコーディングに参加します。これが大きな転機となり、Milton Nascimentoの名が世界中の音楽ファンに認知されるようになりました。

そのMiltonが再びL.A.レコーディングを敢行した作品が今日紹介する『Milton』です。

レコーディングには、Milton Nascimento(vo、g)以下、Wayne Shorter(ss、ts)、Herbie Hancock(p)、Novelli(b)、Roberto Silva(ds、per)、Airto Moreira(ds、per)、Laudir De Oliveira(per)、Hugo Fattoruso(p、org)、Raul De Souza(tb)、Toninho Horta(g)、Maria Fatima(vo)といったメンバーが参加しています。

USマーケットや『Native Dancer』からの流れを意識した作品であり、フュージョン色が強くなっています。その意味では好き/嫌いが分かれる作品かもしれませんが、逆にいえばMilton作品を聴いたことがない人でもスンナリ入れる聴きやすいアルバムだと思います。

また、名盤『Clube Da Esquina』(1972年)からのリメイクが数曲収録されており、ファンの方はそれらを聴き比べるのも楽しいのでは?

ミナスの大地の息吹を心地好く吸い込める1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Raca (Hasa) (Race)」
Fernando Brant/Milton Nascimento作。軽快なリズムが響くアフロ・ブラジリアンなオープニング。緩急でメリハリをつけているのがいいですね。Maria Fatimaのコーラスが盛り上げてくれます。

「Fairy Tale Song (Cade)」
Matthew Moore/Milton Nascimento/Ruy Guerra作。当ブログではFlora Purimのカヴァーも紹介済みです。ミナス流フュージョンといった趣のメロウ・グルーヴ。Shorterのサックスが爽快に響きます。Hortaのギターも効いていますね。

「Francisco」
Milton Nascimento作。Miltonらしい澄み切ったミナスの音世界とHancockの美しいピアノのコラボを満喫できる1曲。ただただ美しいです。
http://www.youtube.com/watch?v=ieajwo-oSmU

「Nothing Will Be As It Was (Nada Sera Como Antes)」
Ronaldo Bastos/Milton Nascimento/Rene Vincent作。『Clube Da Esquina』にも収録されていた名曲。当ブログではElis ReginaFlora PurimSarah Vaughanによるカヴァーも紹介済みです。『Clube Da Esquina』ヴァージョンを踏襲しつつ、中盤のフュージョンらしい展開が本作らしいかもしれません。いつ聴いても名曲だと思います。

「Cravo E Canela (Clove And Cinnamon) 」
Ronaldo Bastos/Milton Nascimento作。この曲も『Clube Da Esquina』収録曲。当ブログではGeorge Dukeのカヴァーも紹介済みです。オリジナルも軽快なリズムの爽快チューンですが、ここではフュージョン的な爽快感がプラスされています。George Dukeヴァージョンにも参加していたAirto Moreiraが軽快なリズムを叩いています。
http://www.youtube.com/watch?v=Ew6LvLwD0WU

「The Call (Chamada)」
Ronaldo Bastos/Milton Nascimento作。鳥の囀りと共にスタートするミナス・モード全開のアコースティック・チューン。美しい音色とMiltonのスキャットが心を浄化してくれます。

「One Coin (Tostao)」
Matthew Moore/Milton Nascimento作。Miltonらしい雰囲気の楽曲に、Maria Fatimのコーラスが華を添えてくれます。徐々に盛り上がっていく感じがいいですね。

「Saidas E Bandeiras (Exits And Flags)」
Milton Nascimento/Fernando Brant作。この曲も『Clube Da Esquina』収録曲。さり気ない楽曲ですが、オーガニックな躍動感がいいですね。Raul De Souzaのトロンボーンが盛り上げてくれます。

「Os Povos (The People)」
Marcio Borges/Milton Nascimento作。ラストも『Clube Da Esquina』収録曲。オリジナルの素朴な味わいに対して、ここでは幻想的な雰囲気で聴かせてくれます。

Milton Nascimentoの過去記事もご参照下さい。

『Milton』(1970年)
ミルトン

『Minas』(1975年)
ミナス
posted by ez at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月04日

Timotha Lanae『Red』

キュートな女性ネオソウル作品!ジャケも鮮烈!☆Timotha Lanae『Red』
timotha lanae red.jpg
発表年:2013年
ez的ジャンル:ミュージカル女優系女性R&B/ネオソウル
気分は... :ジャケもキマってる!

今回は新作R&B作品からミネアポリス出身の女性シンガーTimotha Lanaeのデビュー・アルバム『Red』です。

Timotha Lanaeは、ミネアポリスの芸術家系に生まれ幼少期から英才教育を受け、現在はミュージカル女優としても活躍しているようです。

そんな彼女のデビュー・アルバム『Red』は、鮮烈なジャケ同様、完成度の高いネオ・ソウル作品に仕上がっています。

Erykah Baduを彷彿させるヴォーカル・スタイルと、安定度の高いジャジーなバッキングが上手く噛み合っているのがいいですね。

CDショップの試聴コーナーで、ポーズをキメたこのジャケに呼び止められたように試聴し、ネオソウル度の高いサウンドとキュートなTimothaのヴォーカルが気に入り、購入した次第です。ミュージカル女優をやっているだけあって、ヴォーカルも初々しいというよりも堂に入った感じですね。

Ben ObiYohannes Tonaがプロデュースを務めています。

Dizzy Gillespieの名曲「Night in Tunisia」のカヴァー以外は、Timotha自身やBen Obi、Yohannes Tonaらによるオリジナルです。

Erykah Badu好き、ネオソウル好きの人はぜひチェックしてみてください。

全曲紹介しときやす。

「Smooth Music」
アルバムのプロローグ。

「My Man」
ネオ・ソウル好きな人であれば、納得の爽快ミディアム。ツボを押さえたバッキングも含めて安定感があります。

「Radio Remix」
Stokley Williams(Mint Condition)/Walter "Q Bear" Banks Jr.をフィーチャー。1stシングルとなった「Radio」のリミックス。StokleyとTimothaのデュエットに、ラジオDJ風にWalter "Q Bear" Banks Jr.が絡んできます。素敵なネオ・ソウルに仕上がっています。

「People Pleaser」
UKソウル・チャートで第6位となった楽曲。ライブ仕立ての雰囲気で始まるキュート&ジャジー&オーガニックなミディアム・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=j7ySbn0474U

「Red」
タイトル曲は、ジャジーな(ほぼ)インスト・チューン。多少はTimothaのヴォーカルも聴かれますが・・・

「Intoxicated」
Desdamonaをフィーチャー。Desdamonaのラップ風ヴォーカルとTimothaのキュート・ヴォーカルが甘く妖しい雰囲気を醸し出します。

「Softly in My Ear」
哀愁モードのバラード。ミュージカル女優の片鱗を感じさせるような1曲です。

「Talkin to Myself」
シングルにもなった楽曲。ソフトリーな雰囲気が包み込むオーガニック・ソウル。ミュージカル風のPVも印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=wFqGmYIH4Ec

「Gettin To Know You」
僕の一番のお気に入り曲。ポジティヴなヴァイヴが伝わってくるのがいいですね。Timothaのチャーミングなヴォーカルを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=7Epm5DoNB64

「Night in Tunisia」
Dizzy Gillespieの名曲「チュニジアの夜」をカヴァー。このジャズ名曲を小粋なアレンジのジャジー・ソウルで聴かせてくれます。

「Jazzy Lady」
軽快かつキュートなジャジー・ソウル。このメロウ・グルーヴ感は女性ジャズ・ヴォーカル作品とセットでもフィットすると思います。

「Red and Blue」
ラストは少しミステリアスなジャジー・ソウルで締め括ってくれます。

TVを観ると27時間テレビ・・・もはやマンネリ化してますね。最近のCX不調の象徴しているようですな・・・
posted by ez at 01:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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