録音年:1965年
ez的ジャンル:ハープ系ソフト・サンバ/ボサノヴァ
気分は... :今宵はロマンティックに!
今回はドイツ人ハープ奏者Jonny Teupenのソフト・サンバ/ボサノヴァ作品『Love And Harp A La Latin』(1965年)です。
Jonny Teupen(1923-1991年)はドイツ生まれのハープ奏者。60年代後半から70年代初めにかけて『Love And Harp A La Latin』(1965年)、『Play Harp』(1966年)、『Harpedelic』(1969年)、『Harporhythm』(1971年)等の作品をリリースしています。これらの作品はラウンジ好き、ソフト・ボッサ好き、クラブジャズ好きから今日高い評価を得ています。
今日紹介する『Love And Harp A La Latin』もムジカ・ロコムンド好き、サバービア好きにはお馴染みの1枚ですね。
ムジカ・ロコムンド掲載作品ということでイメージしやすいと思いますが、大半がソフト・サンバ/ボサノヴァ調の仕上がりです。ハープがメインのアルバムということでエレガントなソフト・サンバ/ボサノヴァを楽しむことができます。
ドイツのラウンジ・シーンを牽引していたBerry Lipmanがプロデュースを務め、レコーディングにはJonny Teupen(harp)以下、Karl-Heinz Kastel(g)、Rob Pronk(p、vo)、John Fischer(b)、Stuff Combe(ds)、Leonard Blech(flh)、Blanche Birdsong(vo)といったミュージシャンが参加しています。
ハープの隣に女性が佇むジャケの雰囲気をそのままサウンドにしたような素敵なソフト・サンバ/ボサノヴァ作品です。
全曲紹介しときやす。
「Mody」
Rob Pronk作。Teupenの美しいハープと共にスタートするムーディーなオープニング。
「Jonny And Blanche」
Berry Lipman作。イントロのJohn Fischerのベースが格好良い、女性スキャット入り哀愁ボッサ。僕はこの手の女性スキャット・ボッサに弱いんですよねぇ(笑)
「Linda」
Brigitte Weber/Karl-Heinz Kastel/Utta De Aviles作。疾走する哀愁ボッサ。Teupenの美しいハープと寂しげなスパニッシュ・ヴォーカルが印象的です。
「Cielito Lindo」
トラディションを小粋なアレンジで聴かせてくれます。ハープの持つ魅力を楽しめる仕上がりです。
「Frankie And Jonny」
ノスタルジックな雰囲気の正攻法ヴォーカル・チューン。
「Aupres De Ma Blonde」
スペイン語ヴォーカルの入ったスパニッシュ・ボッサ。実にムードがあっていいですね。
「Jonny's Harp」
Berry Lipman/Jonny Teupen/Joschi Colpar作。僕の一番のお気に入り。タイトルの通り、Teupenのハープを中心に据えた素敵なボッサ・チューン。女性スキャットが華を添えてくれます。
「La Mucura」
Teupenのハープが軽やかに響く、ラウンジ・モードの演奏がリラックスさせてくれます。
「Ur Le Pont D'Avignon」
フランス語ヴォーカルによるボッサ・チューン。ギターにハープの弦の響きが加わることでエレガントさが増します。
「Reservado」
Berry Lipman/Jonny Teupen/Joschi Colpar作。少し切ないメロディにセンチメンタルな気分になるソフト・サンバ。Leonard Blechのフリューゲル・ホーンもムーディーでいい感じ!
「C'est Re-Na-Ta」
Rob Pronk作。哀愁メロディが寂しげに響きます。映画音楽のような雰囲気があります。
「Ding」
Leonard Blech作。哀愁モードで疾走します。
「Ballade」
Stuff Combe作。ゆったりロマンティック・モードの演奏に心が落ち着きます。
「No Name Samba」
John Fischer作。男女スキャットが華やかなジャジー・ソフト・サンバ。本作のハイライトの1つかもしれません。
「Sambleebloo」
Rob Pronk作。ラウンジ・モードの軽やかさが魅力のソフト・サンバ。作者Rob Pronkの小粋なピアノとスキャットもいい感じです。
『Play Harp』(1966年)