発表年:2013年
ez的ジャンル:AOR系ブラジル男性シンガー
気分は... :ルックスは×でも中身は◎!
今回は新作の中から極上のAOR作品Ed Motta『AOR』です。
Ed Mottaは1971年 リオ・デ・ジャネイロ生まれのシンガー・ソングライター。ブラジルNo.1ソウル・シンガーTim Maiaの甥です。
1988年にConexao Japeriと共同名義のアルバム『Ed Motta & Conexao Japeri』をリリースして以来、今日までコンスタントに作品をリリースしています。その巨漢と風貌とはギャップの大きいジェントル・ヴォーカルが魅力です。
そんなEd Mottaの最新作はスバリ『AOR』。AOR作品(日本のシティ・ポップにもかなり精通)を愛聴してきたEd Mottaの想いを結実させた1枚です。
ちなみにEd MottaオススメのAOR作品は以下の5枚なのだとか。
Steely Dan『Aja』(1977年)
Bobby Caldwell『Cat In The Hat』(1980年)
Pages『Future Street』(1979年)
Gino Vannelli『The Gist of the Gemini』(1976年)
Roby Duke『Not the Same』(1982年)
話が逸れますが、Pages『Future Street』やGino Vannelli『The Gist of the Gemini』は当ブログで未紹介だったんですね。てっきり紹介済みだと思い込んでいました。これら2枚もそのうち紹介します。
『AOR』に話を戻すと、レコーディングにはDavid T.WalkerやJean-Paul "Bluey" Maunickといった米英の人気ギタリストが参加しています。
それ以外にもTorcuato Mariano(g)、Paulinho Guitarra(g)、Chico Pinheiro(g)、Vinicius Rosa(g)、Robinho Tavares(b)、Sergio Melo(ds)、Laudir De Oliveira(per)、Glauton Campello(el-p、p)、Rannieri Oliveira(key)、Daniel Jobim(p)、Mu Cavalho(syn)、Chico Amaral(ts)、Marcelo Martins(ts)、Ze Canuto(As、Bs)、Jesse Sadoc(tp、flh)、Dante Spinetta(spoken word)等のミュージシャンが参加しています。
アレンジはEd Motta自身、ホーン・アレンジはJesse Sadocが務めています。
70年代後半〜80年代前半にタイムスリップしたかのようなAORサウンドを満喫できます。特にSteely Dan/Donald Fagenへのリスペクトを感じる楽曲がズラリと並んでいます。
その意味でSteely Dan好きの人は、ヴォーカル、曲調、サウンドあらゆる面で楽しめると思います。
また、ヴィンテージ・キーボード/シンセサイザーのコレクターであるEd Mottaらしく、そうしたサウンドへのこだわりも随所で聴くことができます。
本作には英語ヴァージョン盤とポルトガル語ヴァージョン盤がありますので、ご購入の際にはお間違えのないようご注意ください。今回紹介する国内盤は英語ヴァージョン盤です。
全曲Ed Mottaのオリジナルです。
ルックスで敬遠せず、中身をしっかり聴いてくださいね。
全曲紹介しときやす。
「Playthings Of Luv」
AOR/シティ・ポップ好きの人が思わずニンマリしそうなオープニング。気分は80年代へタイムスリップ!といった感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=PmEMsZ358DE ※Teaser
「Simple Guy」
Steely Danへのリスペクトが感じられる仕上りです。EdのヴォーカルもかなりDonald Fagenっぽいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=g2HXAUlS20s
「Lost in the Night」
真夏のアーバン・ナイトといった趣のメロウ・チューン。Paulinho Guitarraのギター・ソロもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=6I7rpwJsQ1w ※Teaser
「Dondi」
David T.Walker参加曲。彼のギターを前面にフィーチャーしています。EdのAORムードたっぷりのヴォーカルもいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=uo3Ta5laKsg
「Smile」
Bluey参加曲。そのせいかIncognito+Steely Danといった雰囲気の仕上がりかもしれません。Glauton Campelloのメロウなローズ・ソロもサイコーです。
http://www.youtube.com/watch?v=UX8s1lLpK0Y ※Teaser
「1978 (Leave the Radio On)」
曲調&ヴォーカルがDonald Fagenしていますね。AORらしい都会的な疾走感がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=2wVrBDgn_Xc
「Dried Flowers」
『Aja』あたりに入っていそうなシニカルな哀愁感が印象的な1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=wxLwec90Mfg ※Teaser
「AOR」
FMラジオの番組ジングル風のインタールード。
「Farmer's Wife」
本編の最後はクールに疾走します。Ed MottaとJesse Sadocの抜群のアレンジ・センスが光ります。
http://www.youtube.com/watch?v=5vpWvwQ7lew ※Teaser
国内盤CDには以下の5曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
「Mais Do Que Eu Sei」
この曲はポルトガル語で歌われます。そのせいか英語の楽曲とは多少異なる趣ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=sWFmf2GO-jU
「Marta (Alternate Piano Solo)」
「Smile」のポルトガル語ヴァージョン。ピアノ・ソロが異なっています。
http://www.youtube.com/watch?v=NjlCO7_iDFI
「Latido」
「Dried Flowers」のポルトガル語ヴァージョン。Dante Spinettaのスポークン・ワードがフィーチャーされています。
http://www.youtube.com/watch?v=mL_Ilw6ztr4
「Dondi (Alternate Guiter Intro)」
David T.Walkerのイントロの別テイクを聴くことができます。
「A Engrenagem」
「Farmer's Wife」ののポルトガル語ヴァージョン。
http://www.youtube.com/watch?v=Zvc_z8ojUJQ
ご興味がある方は他のEd Motta作品もチェックを!
『Manual Prático Para Festas, Bailes e Afins Vol.1』(1997年)
『As Segundas Intenções do Manual Prático....』(2000年)
『Dwitza』(2002年)
『Poptical 』(2003年)
『Aystelum』(2005年)
『Chapter 9』(2008年)
『Piquenique』(2009年)