発表年:1975年
ez的ジャンル:コズミック・ジャズ・ファンク
気分は... :充填完了!
今回はジャズ・オルガン奏者Larry Youngの『Larry Young's Fuel』です。レア・グルーヴ好きから再評価の高い1枚です。
これまで当ブログで紹介したLarry Young作品は以下の3枚。
『Into Somethin'』(1964年)
『Unity』(1965年)
『Heaven On Earth』(1968年)
本作『Larry Young's Fuel』はLarry Young's Fuel名義でリリースされた作品であり、シンセを駆使したコズミック・ジャズ・ファンク路線へ大きく舵を切った作品です。Larry Young's Fuel名義では本作の翌年にも『Spaceball』(1976年)をリリースしています。
本作のレコーディング・メンバーは、Larry Young(key、vo)、Santiago Torano(g)、Fernando Saunders(b、back vo)、Rob Gottfried(ds、per)、Laura "Tequila" Logan(vo)という編成。
コズミック・ジャズ・ファンクを展開すると同時に、ヴォーカル曲が半数以上を占めるのも本作の特徴です。Larry Young自身もムーグ、フェンダー・ローズ、ハモンド、ピアノのプレイに加え、ヴォーカルも披露してくれます。
プロデュースはTerry Philips。ソウル/ファンク系のプロデューサー/ソングライターであり、Fallen Angelのメンバーとしてアルバムもリリースしています。
“オルガンのColtrane”と呼ばれたスピリチュアル/フリー・ジャズ路線のLarry Youngがお好きな方にとっては戸惑いを感じるかもしれませんが、ケバケバしい音色のシンセを弾きまくるコズミックなLarry Youngもなかなかいいですよ!
レア・グルーヴ好きの方はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Fuel For The Fire」
Larry Young/Santiago Torano/Terry Philips作。Laura "Tequila" Loganのヴォーカルと疾走するファンク・ビート、マッドなシンセの響きが織り成す本作を象徴するコズミック・ファンク。個人的には一番のお気に入り。
http://www.youtube.com/watch?v=SUUl2u5rLBw
「I Ching (Book Of Changes)」
Larry Young作。スペイシーなシンセ・サウンドが印象的なジャズ・ファンク。
「Turn Off The Lights」
Larry Young/Fernando Saunders/Laura "Tequila" Logan作。レア・グルーヴ・クラシックとして人気のファンク・チューン。Loganの艶やかなヴォーカルと共にYoungのコズミックなシンセが駆け巡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=BdpGkCTwEhk
サンプリング・ソースとしても人気曲であり、Slum Village feat. Phat Kat「Fat Cat Song」、Groove Armada「Dan Solo」、The Firm feat. Pretty Boy「Firm All Stars」、Tha Alkaholiks「Can't Tell Me Shit」、The Herbaliser「Herbalize It」、Salt-N-Pepa「Say Ooh」、Major「Concrete Nigga」、Mistaman & DJ Shocca feat. Frank Siciliano「Si Sa」、13 Bastardi「Rema Rema」等で使われています。
Slum Village feat. Phat Kat「Fat Cat Song」
http://www.youtube.com/watch?v=bo28UO0i5B4
Mistaman & DJ Shocca feat. Frank Siciliano「Si Sa」
http://www.youtube.com/watch?v=jV1qLx0AINo
13 Bastardi「Rema Rema」
http://www.youtube.com/watch?v=btjR2YgOQzQ
「Floating」
Santiago Torano 作。様々なシンセの音色を駆使したクロスオーヴァー&スペイシーなジャズ・ファンク。
「H + J = B (Hustle + Jam = Bread) 」
Larry Young作。Fernando Saunders、Rob Gottfriedというリズム隊の生み出すファンク・グルーヴにYoungが様々な鍵盤の音色を重ねていきます。
http://www.youtube.com/watch?v=6RIRR1-dNfc
「People Do Be Funny」
Larry Young/Terry Philips作。Loganのヴォーカルをフィーチャーしたソウルフル&ファンキーな仕上がり。
「New York Electric Street Music 」
Larry Young/Santiago Torano/Fernando Saunders作。ラストは疾走するファンク・チューン。ここではYoung自身のヴォーカルも聴くことができます。各ミュージシャンのエキサイティングな演奏にもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=xGGv2pqMTdk
70年代のLarry Young作品もチェックを!
『Lawrence of Newark』(1973年)
『Spaceball』(1976年)
Larry Youngの過去記事もご参照下さい。
『Into Somethin'』(1964年)
『Unity』(1965年)
『Heaven On Earth』(1968年)