2013年08月28日

Mirwais『Production』

Madonna『Music』のメイン・プロデューサーによるソロ作☆Mirwais『Production』
プロダクション
発表年:2000年
ez的ジャンル:フレンチ・エレクトロニカ
気分は... :ジワジワとハマっていきます!

今回はMadonna『Music』(2000年)のプロデュースで一躍有名になったMirwaisのソロ・アルバム『Production』(2000年)です。

Mirwais(本名:Mirwais Ahmadzai)は1960年スイス、ローザンヌ生まれ(アフガニスタン人とイタリア人のハーフ)。幼少期にパリに移住しています。

彼のミュージシャンとしてのキャリアは1970年代後半に結成したフレンチ・ニューウェイヴ・バンドTaxi Girlでスタートします(Mirwaisはギターを担当)。Taxi Girlは8年間活動した後に解散。Mirwaisは恋人だったJulietteとのデュオJuliette Et Les Independantsとしてアルバムを2枚リリースしています。また、その間に初のソロ・アルバム『Mirwais』(1990年)をリリースしています。

その後DJカルチャーへ身を投じるようになり、フレンチ・スタイルのエレクトロニカ/ダンス・ミュージックを志向するようになります。そんな中、突如としてMirwaisにビッグ・チャンスが訪れます。スーパースターMadonnaがアルバム『Music』のメイン・プロデューサーに彼を大抜擢したのです。MirwaisのデモをMadonnaが気に入り、一気に起用が決まった模様です。

その後、『Music』が大ヒットし、世界中の音楽ファンがMirwaisの名を知ることとなったのは皆さんご存知かと思います。

その興奮冷めやらぬうちにリリースされたソロ・アルバムが本作『Production』(2000年)です。

大ヒット・アルバムの後の作品だけにメジャー志向に行きがちな感じがしますが、世間の注目を他所に自分のスタンスや音世界を崩していないところに共感してしまいます。このあたりはDaft Punkあたりとは対照的かもしれませんね。

『Music』の内容を期待して聴くと、華やかさやキャッチーさに欠ける地味なアルバムという印象を受けるかもしれません。僕自身も最初はそんな印象を持っていました。でも、何度か聴き重ねるうちにMirwaisワールドに見事にハマってしまいました。

ちゃんと聴けば、それなりの仕掛も散りばめられて楽しめます。
ジワジワと脳内を刺激される1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Disco Science」
当時Madonnaと新婚ホヤホヤであったGuy Ritchie監督『Snatch』のサントラにも使われていた楽曲です。無機質なビートとノイジーな上物が脳内を刺激します。The Breeders「Cannonball」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=GozvYidSMqg

「Naive Song」
80年代的なエレポップ感覚と2000年のフレンチ・エレクトロニカを上手く融合させているヴォコーダー・チューン。アルバム中では最もキャッチーかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=JR7i96CZN0E

「V.I. (The Last Words She Said Before Leaving)」
当ブログでも紹介したSerge Gainsbourg「Cargo Culte」をサンプリング。エレクトロニカをバックにしたSerge Gainsbourgも悪くありません。ダークな雰囲気が実にいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=NQqimewux78

「I Can't Wait」
Daft Punkあたりと同じベクトルの仕上がり。今聴くと可もなく不可もなくといった感じでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=plwKlPY8BSY

「Junkie's Prayer」
タイトルの通り、ジャンキー・モードの仕上がり。ニューウェイヴ/エレポップを通過してきたMirwaisらしい仕上りなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=57R9htW5RCI

「Definitive Beat」
パワフルなビートで突き進んでいきます。

「Paradise (Not For Me)」
Madonna『Music』にも収録されていた楽曲なのでお馴染みですね。Madonna参加曲とは思えないダウナー・テイストがMirwaisらしくて好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=eyFxqEzavL0

「Never Young Again」
自身が手掛けた全米No.1ヒットMadonna「Music」をサンプリングしてしまった曲。このあたりは抜け目ないですね(笑)。「Music」応用編として聴くと楽しいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=VsINTACiQmw

「Involution」
侘び・寂び感のあるエレクトロニカ。聴いていると無になれそうです(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=vfR4i4pY4Z0

「Disco Science (Blueprint Mix)」
「Disco Science」のリミックス。70年代後半〜80年代前半のディスコ・シーンを盛り上げてくれたイタリア人プロデューサーGiorgio Moroderによるリミックスです。なるほどGiorgio Moroderしています。
http://www.youtube.com/watch?v=gDq-KCQiajI

Madonna『Music』(2000年)の記事もご参照下さい。

Madonna『Music』(2000年)
ミュージック
posted by ez at 04:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする